機動戦士ガンダムーBullet in the desertー 作:五河陽太
「失礼します!」
マリアが木製のドアを二度ノックして大声を張り上げる。
アキハとマリアが来たのは煉瓦造りで急造されたに違いない、民家だった。
ドアの建付けは良くないし、窓は半分外れている。見た目だって良くない。でも、ここに居る兵士たちの生活からしたら、こんな小屋でも独り占めできたら優雅だ。
「入りたまえ」と凛とした大人の声が、勢い任せのマリアの声に対して返される。
マリアは我が物顔でドアノブを力任せに回して開ける。
中に入ったアキハは中が外見とは違って綺麗に片付いているのに驚いた。
照明はシャンデリアでイギリスかイタリアか解らない。だが、その辺りの良い物を使って飾っていた。床には赤い絨毯が敷かれており、アキハは自分の靴が砂と泥だらけで踏んで大丈夫か戸惑った。部屋の中心にあった執務机も高級品で黒々とした立派な木製の椅子と机を使っていた。狭い部屋なので一番奥にあったベッドはシングルベッドだが、金色の飾りがついた豪華な仕様だった。
フォックスはマリアとアキハを交互に視て力強く喋った。
「今回の任務で二人の貴重な人材失った。MS、戦車も失った。だが、君たちという経験値は他の誰にもないじゅうぶんな糧になる。大尉に対しての処罰は一週間の朝食抜きにさせて頂くよ」
「アンタ、本当に意地が悪いね。女の子に対してのマナーがなっていないよ。こちらは、化け物相手に命を賭して戦って帰ってきたんだ。お咎め無しが当たり前だ。朝食を一週間も抜きになったら、アタシは兵隊を辞めて女優になるよ」
「夢があって良い話だろ? 僕が科した罰で君が女優になれたら是非、プロポーズさせてくれ」
フォックスはニヤリと二枚目な笑顔を浮かべた。
マリアは「死にやがれ」と小声で呟いた。
フォックスはそんなマリアの悪態を受けてもどこ吹く風だ。
笑顔のまま、執務机に両肘を突いて、話を始めた。
「急遽決まった内容で適任者が君たち2人しかいない。我が第32技術試験隊に性能評価実験用の機体が数機補充される方針に決まった。だが、コイツが厄介なことに軍事機密の塊でね。技術的な内容は最小限しか開示されない。『現地で調整されたし』と上層部から話が降りて来た」
「失礼ですが、大隊長。最小限の情報でどう整備するのです? 開示されない技術を解読するのは不可能です」
「だから、君、アキハ技術官の出番だ。丁度、ジムも1機破壊されてしまったみたいだ。大尉が使っているジムをコフィン少尉に譲渡。大尉には新型機に乗ってもらう」
「大盤振る舞いだな。壊しても大丈夫なんだろうね?」
「壊さないように使うのが大尉の仕事だ。戦闘データを採るのが当面の仕事になる。両名には大いに期待させてもらう。以上!」
ケジメは必要と言わんばかりにマリアは敬礼をアキハより早くして豪華な私室を出て行った。
後を追うようにアキハも敬礼をしてフォックスの私室を出た。
アキハはマリアの横まで駆け寄ると、不思議に感じていた想いを吐いた。
「隊長は大隊長と仲が良いのですね。恋仲ですか?」
マリアは右手親指で鼻頭を擦ると軽く笑った。
「そう見えたかい? 残念だが、違うんだよ。アタシはインテリの坊やは好まない。もっとワイルドな男が好きなのさ」
「なら、俺は嫌いですか?」
「アンタはまだ解らないだろ。これからに期待させてもらうよ。さぁ、はやく捕虜の所に行きな。アタシに代われって言われたと告げれば万事上手くいくさ」
アキハはマリアに背中を突き飛ばされた。
危うくこけそうになったのを堪えて、マリアにお礼の敬礼をした。
マリアはニカッと白い歯を見せて最高の笑顔を見せると、バーのほうに向かって早足に去って行った。
残されたアキハは「急いであの美少女の元に行かないと」とキャンプ内を駆けた。
気持ちばかりが早くなって、身体が全く追いつかない。
どうしてこんな気持ちになるのか?
なぜ、こんなに胸が締め付けられるのか?
アキハには全く解らなかったが、あの美少女と話せば全部解決すると、考えていた。
その日は足元までハッキリ見渡せる満月の夜でとても神秘的な砂地の晩餐会の日だった。
(続)
「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?
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大丈夫!心配するな!
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もっと、勉強しなさい!
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実は、良く解りません!