機動戦士ガンダムーBullet in the desertー 作:五河陽太
ゆっくり、ご覧ください。
「坊や、起きな。全く、何をどうしたら、こうなるのだか?」
アキハは耳に馴染みのある声が聞こえたのに気付いた。
少しずつだが意識が四肢に行きわたっていく。
アキハは考えた。
「何で俺は呆れられているのだろうか?」
そんな考えが脳裏に浮かんでは消える。
アキハは自分がなぜ、こんなに寒いと感じる場所で寝ているのか、一瞬だが考えた。
そうだ。
昨日の夜、ジオン軍の捕虜を助けて、喧嘩になった。
アキハは喧嘩に負けて、気絶させられた。
そこまで思考が追い付くと、アキハの行動は早かった。
瞼をしっかりと見開いて、上半身を素早く起こす。
視界に入ったのは、オマーンにある連邦軍、キャンプ地の隅で厄介者を視るマリアとフォックスの呆れた姿だった。
マリアは「アンタも隅には置けない奴だったとは」と半分呆れていたが、もう半分は楽しんでいる感情が染み出ていた。
フォックスは眉間にしわを寄せて、そんなマリアに小言を語った。
「大尉、ことは簡単ではない。アキハ技術官と捕虜がただならぬ関係だと知れたらここにいる兵たちの濁流は全てアキハ技術官に向いてしまう。これは、かん口令を敷く必要があると私は考える」
必死な形相で身振り手振りを着けて話すフォックスを見て、アキハは何が重大なのか理解できなかった。
だが、アキハが立ち上がろうと右手を大地に着こうとした行為が、現実を知る意味に繋がった。
アキハが砂の大地に掌を当てたと思うと、柔らかく温かい小柄なものに触れた。
「おかしいな」とアキハは直ぐに考えなかった。
「鼠でも居たか?」と至極楽観的に考え、手元を視ようともしなかった。
だが、アキハが手を少し動かすと甘く甘美な声が直ぐ近くから聞こえた。
アキハはその声を聞いて背筋が凍った。
「まさか――」
と、呟いて、振り向くと半裸のフタバがアキハのすぐ横で丸まった姿で愛らしく寝息を立てていた。
アキハが触れていたのはフタバの左手だった。
アキハは自分自身の潔白を証明する手段を必死に――、必死に――考えた。
だが、アキハは昨日、喧嘩でボロボロに負けて意識がない。
真実を知るのは、目の前の美少女、フタバしかいなかった。
「少佐! 大尉! 俺は何もしていません! 亡命した身でジオンに寝返る行為を犯すはずがない! それに、俺は女性が苦手です! こんな可愛らしい子、手が出せるはずがないです!」
アキハは必死に弁論した。
だが、アキハが必死になればなるほど、怪しさは増すばかりだ。
フォックスがアキハに「喋るな」と制して語り出した。
「アキハ技術官。私や大尉は君を信じている。だから、特に追及はしない。それに、君は非常に稀有な青年だ。こんな美人な大尉を見ても何も感じない唐変木な面が伺える。そんな君が一晩でジオン軍の捕虜を手玉にとったとは考えにくい」
フォックスの言葉を受けてマリアが豪快に彼の背中を一発叩いた。
アキハは「そんな男勝りな面さえなければ、本当に美人なお姉さんなのだが――」と心底ガッカリした。
マリアがニヤニヤしながらしゃがんで、アキハと視線を合わせて優しく語った。
「アタシとしては、アンタがこの子を気に入って一発かましたほうがラブ・ストーリーとして感動できるから好きだけどね。まぁ、今が今だ。アンタがこの子に惚れないように見張るのが最善の策だよ。悪く思わないでよ」
フォックスもマリアの言葉に合わせて意見を述べた。
「ジオン軍が女性を使って私たちを揺らがそうと考えることもできる。だから、アキハ技術官にはしばらく、大尉の元で行動してもらおう。仲間内には私から口止めをしておく。頼むから私の信頼を裏切る行為は慎んでくれ」
「勿論です! 俺は本当に潔白の身です!」
アキハは立ち上がると敬礼をした。
その意味は、「自分は連邦軍人であり、ジオン軍人とは全く相いれない」と態度で示した。
フォックスはそんなアキハの態度を見て、厳しい表情を和らげた。
マリアは少しつまらなそうに舌打ちをした。
そんな、スパイ容疑をかけられてもおかしくない状況から、アキハの一日は始まった。
「機動戦士ガンダム」の二次作品として時代考察、話の内容は成り立っていますか?
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大丈夫!心配するな!
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もっと、勉強しなさい!
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実は、良く解りません!