上手くオリジナル要素を書いてそのうえで結果的には同じ状態に持っていく物書き能力を私にください!!!!!
遺跡探査において素人以下の悪手を打ったリサとセリカを救い出すためにシスティーナとルミアとリィエルを連れて、野営地を己の生徒たちに託して、星々の下に延びる道を過ぎた先にやってきたグレンは、呆気に取られていた。
そこは、恐怖を湛えて無念に満ちている土地だった。
「ひ──ッ!」
「なっ……なんなんだ、ここは……。こいつら、魔術師か……? しかも全員……」
床に侍るように転がる魔術師のミイラ。ごろごろ転がる彼らに気付いて怯えるシスティーナを気遣う余裕すら生まれない亡者と怨嗟が織りなす阿鼻と叫喚の写し絵。
そして彼らには。
(なんだ……? この傷は……外的損傷が激しすぎる。焼かれたにしても損傷にしてもどれも被害が大きい……恐らく、これがこいつらを殺したはずだ……つまり、誰かに殺された……誰に? ミイラの状態から察するに相当時間がたってるみたいだが……)
「……くっ」
グレンが深く考え込んでいる間にも、漂う穢れは気分を悪くさせる。頭を押さえて片膝をつき、苦しむが、教え子の前で動揺する姿を見せては不安を煽ってしまうと気合で立ち上がる。
「さぁて、行くぞ、お前ら! さっさとセリカ達探して、こんな辛気臭いとこ、おさらばしようぜ?」
震える拳を握り、自分を奮い立たせる様に意気込む。
元気を装っているともとれる発言と共に、彼らはまず、帰るための物と思われる小型モノリスの調査を始めた。
システィーナの呪文行使、ルミアの胆力とリィエルの精神面の成長を感じつつ、グレンは塔ともいえる建物を進む、時折落ちているリサの紙とセリカの足跡を辿って辿って、そこに着いた。
眼前の通路の先のアーチ状の出入り口の奥から轟音が聞こえる。それは今まで行く手を阻んできたミイラの上げる憎しみとは違い明らかな魔術行使の音。
「先生!? 今の音は……」
「ああ、多分、セリカの魔術だ……戦っているのか?」
「急ぎましょう、先生!」
一斉に駆け出したグレン達、勢いのままにアーチを潜り抜け……。
「な──ッ!?」
グレンの眼下に闘技場のような広間が広がる。円形のフィールドのあちこちで炎が激しく燃え上がり、フィールドの向かいの遥か向こうには黒光りする巨大な門が照らされ、そびえていた。
「はぁぁあああああ──!」
「うおりゃぁ!」
セリカとリサが無数の亡霊、亡者達と戦っていた。
グレン達が今まで通ってきた道とは比にならない程穢れた空間。
セリカは悪霊とミイラの津波を右手の剣で振るった数十閃もの斬撃が掴みかかる群れをバラバラにし、左手で上位のB級
セリカの背を守るリサは、何処から出したのか、グレンよりは拙い手付きで
ただ、明らかに息はそろわずチグハグとした連携と言えない戦闘。リサの式神をセリカが誤って切り裂く場面も見られる。
孤高の魔王然としたセリカは何かを焦っているのか魔術に華がない、足を引っ張らないように全力を出しているリサはそれでも追いつけない様で一心不乱に我武者羅に力を振るう。
「ったく、いつまでも未練ったらしく現世にしがみつきやがって……いいだろう、地獄に落ちろ、雑魚共」
「ああ、えぇ!? ……ちょいまちいよ、セリカ今そん術使っちゃあ──ああもうっ《帰》!」
ぱちんっ、とセリカが指を鳴らした途端にリサが焦る。
いつの間にかそれを構築したのか、部屋のあちこちに作られた
半数も仕舞われないうちに霊的な奈落が形成された。
「フン……虚無への片道切符だ。受け取れ、有象無象」
召喚儀【ゲヘナ・ゲート】と呼ばれる禁呪、現世に縁なき霊的存在を、虚無へ引き摺り堕とす外法。
『嫌ダッ! 嫌ダァアアアアアアアアアアア──ッ!』
『助ケテッ! ソコニハ、堕チタクナイィィイイイ!!』
『ドウシテ、嫌ダァアアア!!』
「あぁあああ……! 私の道具がぁああああ!!」
蔓延る無数のミイラと悪霊、ついでとばかりに避難させるのが間に合わなかったリサの人形からぽとぽとと善悪混ざった何一つ発さない霊が吸い込まれていく。
どちらかというと悪霊より、心の壊れた霊に冒涜を感じさせられる。
混ざった誰かさんの悲鳴はその場の誰もが気付かないフリをした。
「ふん……私の邪魔をするからだ……」
「あ、ああ、くそぅ……収支プラマイゼロじゃねぇかい……。邪魔してねーだろい……私頑張ったのに……せっかく、大量収穫だと思うたんに……うぅ……」
苛立つセリカの舌打ちと、リサの両手両足をついて落ち込む姿のみが残る。
いや、よく見るとハラリハラリと指揮性を失った大量の紙吹雪が降ってきていた、リサの目先に落ちた空っぽの
「セリカ、リサ……!」
「…………グレン、か? どうしてここに……?」
「そりゃこっちのセリフだ! お前ら、なんでこんな所にのこのこ来てんだよ!?」
やけにのろりとした仕草で振り返ったセリカの覇気無い顔を近づける様に胸倉をつかんだグレンの怒声が響いた。
未だショックから立ち直れていない様子のリサはリィエルに撫でて慰められている。
「俺は別にお前のことなんか心配してねーが、皆、お前のこと、心配してたんだぞ!? 別に俺は心配してねーけど!」
「せ、先生……二度も言わなくったて……」
「とにかく、とっとと帰るぞ? ……ったく、余計な手間かけさせやがって……」
「リサ、なんで行っちゃったの? 心配……? した」とリィエルに慰められつつ説教されるリサの方も少し向いて不機嫌でありながらもどこか安堵したグレンに、突然セリカがうれしそうに言う。如何にも張り付けたような表情だ。
「なぁ、グレン! 聞いてくれ! やっと……やっと見つけたんだ!」
「はぁ……? 見つけた……何をだよ?」
「私の、失われた過去のてがかりだ!」
「……何?」
一刻も早くこの場から離れたかったグレンは予想外の言葉に硬直する。
やっと復活したリサは膝を払う仕草をした後、彼らの会話をリィエルの隣で静かに聞いていた。
ここに辿り着いた時に聞いた話をもう一度、頭でまとめつつ、自分の目的のことにも思いを馳せていた所だった。
「それにな、グレン! ここがどこだかわかるか!?」
「どこって……どっかの『塔』見たいだったが……?」
「ふふん、ここはな……実は、アルザーノ帝国魔術学院の地下迷宮なんだよ!」
ご機嫌な様子のセリカが両手を広げてくるりと回ったセリカの一言に、リサは「それ聞いてねぇぞ」と思考を止める。
ここに来るまでリサはセリカが黒魔【コーディネイト・ディティクション】を使って位置、座標を調べている様子など見ていなかった。否、セリカが全力で突っ走りすぎて追い付くのに必死でセリカの様子を確認する余裕がなかった。
じゃあここはセリカすら攻略できていない、地下10階から49階の《愚者への試練》なのかと考えたが、すぐにそれはないと判断する。何故なら、セリカが居たとはいえ、リサが無傷でここまでこれた理由がわからない。しかし、1階から9階の《覚醒への旅程》とも判断できなかった、もしその階層ならセリカは幾度も数え切れないほど訪れているはずだ、何よりその階層は魔術学院の学生実習に使われる程の難易度の筈だ。
ならばどこなのだと考えるリサの耳に驚くべき情報が入る。
「しかも、ここは地下89階……」
【コーディネイト・ディティクション】で確認したんだと遅れてリサの耳に入ってくる。
89階、恐ろしく深い階層に困惑するリサを他所に、セリカは高揚した様子で続ける。
絶望的なまでに長い道程、無限に湧く強力な守護者、膨大な量の罠、周期的に構造も罠の配置も変化してテレポーターも地図も無駄になる始末、それが地下10階から49階までの《愚者への試練》それを大きく凌駕する89階までたどり着いたセリカはやっとこの迷宮の謎が、自分自身の不死の使命の記憶の謎が解けると喜ぶ、やはり声の言う通りだったと譫言の様に。
そしてそのまま、黒光りする門へと歩み寄る。
「駄目だ」
グレンは手を伸ばしてセリカを掴む。
帰るぞ、と強く言われたセリカは何故だと狼狽える。グレンは必死に、
「ここに来たとき、ここの連中は、誰かを酷く恨んでいた。誰を恨んでいるんだと思っていたんだが……さっきの戦いを見て確信した。連中はお前を見て恨んでいたんだ」
リサも先程のことを思い出す。確かに、セリカを恨むかのような言葉を発していた。リサには邪魔だ、『あの女』が憎いとしか言わなかった亡者共はセリカにははっきり『貴様が』憎いと言っていた。
しかし、そのことを想起する視界の端でセリカが駆け出してしまう。
焦るように嫌なことを振り返りたくない様に顔をゆがめて走り出す。
「《其は摂理の円環へと帰還せよ・五素は五素に・象と理を紡ぐ
黒魔改【イクスティンクション・レイ】、万物を無に還す崩壊消去の光の衝撃波が放たれ、門を直撃。眩い光に目を窄めさせられる──しかし。
「な、なんで……だ、よ……?」
門は無傷。毅然とセリカを拒む。
「なんでだよッ!? なんで壊れてないんだッ!? くそッ! これじゃあ、この門の向こうに行けないじゃないかッ!」
「セリカ、
門を悔し気に叩くセリカを前に、何かを言おうとするグレンより先にリサが理由を言う。
その存在を固定して物理的、魔術的干渉を完全にシャットアウトさせる
古代人の建造物には高確率でその処理が施されているため変化、破壊を受け付けないのだ。
「離せ! 離せよ、グレンッ! 私は──」
拳を門へ叩きつけては打ち付けるセリカの手を、追いついたグレンが掴み取る。
慟哭するように叫ぶ様子を眺めていたリサは不意に、どこからか声を聞き取る。
『その尊き門に触れるな、下郎共。愚者や門番がこの門、潜る事、能わず。地の民と天人のみが能う──汝らに資格無し』
闇から染み出す様に、そいつは闘技場の中央に現れた。
丈長の緋色のローブを纏い、その奥は深淵を孕み窺えない。光一つとして存在していない不気味な気配に気圧され、セリカは身構えてしまう。
軽く見ると、システィーナとルミアも魔人の異質を感じ取り少し怯えている。リィエルすら、牙の様な警戒心を剥き出しに、剣を低く構える先で剣先を震わせる。
あれはまずいと本能が告げる。肉食獣を前に投げられた赤子の様な絶望を、あれに感じる。まるで闇が人を形どった魔人。
どうしようとも敵わない、そんな予感に。
「……はっ! 誰だ、お前……?」
セリカは気付けなかった。
そこまで冷静さを失う程に自分の謎を渇望しているのかとリサは考えるが、何かが引っかかる。言い表すことが出来ないがもっと別の感情な気がしてならなかった。
「まぁいい。話がわかりそうなやつで、ちょうどいい。おい、お前。この門の開け方を知ってるか? 知ってるなら教えろ。じゃないと消し飛ばすぞ」
『……貴女は……ついに戻られたか、
「……は?」
『だが……かつての貴女からは想像も付かないほどのその凋落ぶり……今の貴女に、その門を潜る資格無し……故に、お引き取り願おう』
「何を……何を言っている……ッ!? お前は私のことを知っているのか!?」
「去れ。今の汝に用無し」
あれはもしや記憶を失う前のセリカを知ってるやつなのではと考えるリサはセリカから視線を外し、グレン達や自分の方向を見てきた魔人に反応する。
形容出来ない禍々しさを纏った赤と黒の双剣を構えたその姿にすぐさま動けるように構えをとる。
『愚者の民よ。この聖域に足を踏み入れて、生きて帰れると思わぬ事だ……汝達は只、我が双刀の錆と為れ。亡者と化し、この《嘆きの塔》を永久に彷徨うがいい……』
莫大にして絶対的とも言える殺意がグレン達へ雪崩込む。
システィーナもルミアもリィエルも怯えて顔色を悪くさせる。
飲み込まれんと気を強く持とうとリサは、無理やり笑みを作り誤魔化そうと躍起になっていた。
「もういい! 話す気がないなら、強引に聞き出すまでだっ!」
「ばっ──ッ!? よせッ!? セリカ──ッ!」
まるで何も感じていないセリカは突貫してしまう。
どこまで焦っているのか何がそうさせるのか、考える暇はリサにない。しかし、好機だと思った。
「《くたばれ》ッ!」
『……まるで、児戯』
リサはセリカが魔術を振るうその瞬間くらいは魔人の意識が一点へ向かってくれるだろうと、左手の赤い魔刀で【プロミネンス・ピラー】を掻き消す光景を尻目に
『そのような愚者の牙に頼むとは──なんという惰弱。何時が誇る王者の剣はどうした? かつての汝は既に死んだか?』
「──はっ!
「違うぞ、セリカッ! わからないのか!?」
一定の
「はぁああああああああああ──ッ!」
その中、全員がリサのことを忘れていた。
正確には意識することができなくなっていた。
システィーナ、ルミア、リィエル、グレン、セリカは勿論、あの魔人さえ意識することができない。
その事実に気付くことなくことは進む。
「そのクソ生意気な首を刎ね飛ばす! 知りたいことはその首に直接聞いてやるッ!」
『借り物の技と剣で粋がるか──恥を知れ』
魔人とセリカが交差する。
金属の響きが甲高い音を上げる。
「な──。な、なんだ……これ……どうなって……?」
狼狽えたセリカは振り返り、魔人へ剣を構え直す……も、その構えには先程までの風格が感じさせられない。
「な……なんで、私の術が
セリカの行使していた術。物質に募る思念、記憶情報を読み取り、自分へ一時的に憑依させる白魔改【ロード・エクスペリエンス】が解けていたのだ。
『我は、その剣の真なる主に敬意を表する。今の一合いで理解した。その剣の主……今は亡き、見知らぬ愚者の子よ……人の身で、よくぞその領域まで練り上げた……天位の御座にある我といえど、その剣に宿る技には畏敬を抱かずには居られぬ……。
「くそ……ッ! 《雷光神の戦鎚よ》──ッ!」
白熱する戦いの中、リサはゆっくりゆっくりとその時を待つ。
誰もかもがリサがここにいたことすら忘れて薄れ散る気配に気付けない。
魔人の刀がセリカの首筋に据えられ、あと一歩で首が落ちるその瞬間……。
「っざけんな、クソがぁあああああああ──ッ!!」
耳を劈く六連の銃声。グレンの
『ぬ──ッ!?』
しかし、何が偶然か。何が正史から外したのか。
魔人の心臓部を射抜かんと吸い込まれた弾丸六発
超絶ともいえる技巧。全弾丸を六閃で弾いた魔人は警戒するように大きく飛び上がりグレンから距離をとる。
しかし──
『な──』
地面に着地したその瞬間、魔人の心臓が一本の
この場面!!
セリカの行動が目立つし止められなさすぎてリサを全然入れられないのですよ!!!!
リサがオリジナルを使う描写は次回にしたかったのにこのままじゃ多大原作コピーになってまうと急遽突っ込んだ次第です助けて。