皆様お久しぶりです。
どうにか技能研修も無事に修了して、花粉症と黄砂にドボドボになって予定よりも少し遅くなってしまいましたが最新話更新できました。
ある週末のカフェ・メリッサ。
夕暮れの店内は少し前まで学校帰りの学生や外回りのサラリーマンで席の殆どを埋めていた盛り上がりも冷めて、静かな時が流れていた
既にラストオーダーの時刻も過ぎて、店の奥のキッチンではムゲンが一人でせっせと洗い物と格闘中である。
ハルカもフロアから外れて隣接している小さな事務室で食材の発注確認などの座り仕事を行っている、いつも通りの風景だ。
一つ違っているのは店の隅っこのテーブルに急設された相談室の存在だろう。
「――と、いうわけでミドラーシュ先生のお知恵をお借りしたいんです」
「あ、は……ははは。左様でございますか」
「クーさん。笑顔が怖いです。もっと自然に、リラックスして」
店内の景観を壊さないよう配慮したデザインのパーテーションで仕切られたテーブル席ではクーとカナタが若い女性客と対面して何やら込み入った話をしているのだが先生と呼ばれるクーはガチガチに緊張して引きつった笑みを浮かべていた。
事の始まりは三十分ほど前に遡る。
※
「いらっしゃいませ! お一人様でしょうか?」
「あの、クー・ミドラーシュ先生はお見えでしょうか? 私、ここのサイトを見て、その……相談に来たのですが?」
「はい? お探しの人間は私だと思うんですけど、先生? はて?」
来店した浅見という若い女性客が突然そんなことを言い出して応対するクーは自分の名前を知られていることはもちろん、いきなりの先生呼びに頭の上に?マークを大量に浮かべて大いに困惑した。
カナタに助け船を出そうかと視線を後ろへ向けるとそこには待っていましたと期待に胸を膨らませる様な顔をしたシスターが飛び込んできた。
「ようこそ、いらっしゃいませお客様。すぐにご用意致しますのでお席にかけて少々お待ち下さい。クーちゃん、フロアはあたしたちに任せて、準備なさい」
「シスターさん? あのですね、そうは言われてもわたし何のことやらサッパリなんですけど? お二人は何かご存知ですか?」
「いや、オレたちも謎ですよ」
「でも、あのお客さんいまクーさんのことフルネームで言ってたよね?」
意味が分からない謎の来客に三人が困惑する中で、一人だけ明らかに何か知っている様子のシスターがキッチンからムゲンを引っ張り出しつつ、三人をカウンターの中へと呼び寄せた。
「んふ♪ あのお客様はね、コレに引き寄せられてきた映えある第一号よ」
小声で得意げに微笑むとシスターはスマホでカフェ・メリッサの公式サイトを四人に見せつけた。一見どこにでもある様式の喫茶店のホームページの一角には<東方の魔術師! 期間限定出張お悩み相談室!>という項目とドヤ顔でピースサインを決めるクーの画像があった。
「ちょッ! なんですかこれ、シスターさん!?」
「えーっと、心霊現象や未確認生物の影その他etc貴方の身の回りで起こる怪現象、誰にも相談できないそんな悩みを東洋の神秘を修めた若き魔術師がズバッと解決致します! うわぁ……胡散くせえ」
素っ頓狂な声を上げて、驚くクーの横でムゲンが読み上げた特設コーナーの内容は如何わしいお店の謳い文句も真っ青な怪しさ全開の物だった。
「しかも、相談料に五百円」
「お金取るんだ。ハァ……失礼ですけど、納得のいく説明をお願いします。サイドビジネスにしては杜撰過ぎると思いますよシスター?」
完全に事後報告な謎の新企画について、呆れ顔のカナタが四人を代表として先程から会心の笑みを浮かべている今日も紫のドレスシャツが眩しいシスターに問い質す。
「なによ、ノリが悪いわね。あなた達の長い宿題のために一計案じてあげたのよ?」
「というと? メタロー絡みの情報収集源の一つってことですか?」
「そ♪ 察しが良いわねハルカちゃん。SNSをメインにしているあなた達も悪くないけど、それだと少し後手に回りすぎるかなって思ってね。どうせ後手に回るなら、せめて大きな火事になる前の火種で発見したいでしょ?」
指をピンと立てながら策士を気取ってで説明するシスターに四人は確かに一理あると考えて、続く言葉に耳を傾けた。
「だから、見た目のインパクト抜群でモノホンの魔術師のクーちゃんを広告塔に不思議で不安になるような出来事があればどんな些細な物でも相談に乗るわよってお触れを出してみたのよ」
「確かに効果的だとは思うけど、有料ってのはなあ……相談無料の方が誠実そうな気がしますぜ?」
「そのお人好しなのはムゲンちゃんだけの美徳にしときなさい。情報の精度も大事だけどまずはネタが集まらないと意味ないもの、そこは人間の心理をビンビンに刺激して煽りまくらなきゃいけないわ」
「それでこの期間限定の見出しですか? コンビニのスイーツじゃないんだから」
「ご名答ね、カナタちゃん。それにこの五百円にも意味があるのよ」
「え、そうなんですか?」
「人間ってね、タダって言葉に弱いように見えて実は一番警戒するのよ、裏があるんじゃないかなって。だから、ここで大事なのは赤の他人でもいいから相談したいレベルの案件を抱えている相手を可能な限り絞りこむことよ」
商売人としての視点なのか、彼の人生観からの着想なのかは定かではないがシスターの語る金銭の額に左右される人間の行動と決断力の増減について、ハルカとカナタは気付かされるものがあったのか思わずハッとした表情を見せていた。
「それに気安すぎるとガゼネタの数も多くなるでしょうしね。かと言って、あんまり高額だともう警察とか私立探偵あたりに勇気を出して行った方が確実ってなるわ」
「まあ、そんな大事なら多分すぐにSNSとかにも出回るレベルの情報になるだろうし」
「だからちょっと勿体ないけど、悩みが解決するなら惜しくないなって妥協できるいい塩梅の金額が五百円なのよ。実際あたしがサイトを更新したのは昨日のことだけど、早速一人……釣れたでしょう?」
ニッコリと慣れた仕草でウインクするシスターの言葉とこうして、実績を作ってしまった現実を突きつけられた時点でムゲンたちには反論の余地はなかった。
実際、いくらメタローを倒せば帳消しにできるとはいえその被害を可能な限り未然に防げる手段は彼らとしても喉から手が出るほどに欲しいものだった。
「というわけだから、早いとこいってらっしゃいな、クー先生♪」
「まっ! 待って下さいってば! 理由は分かりましたけど、わたしの心の準備とか全然なんですけど?」
「カナタちゃん、フォローについて貰える? あなたのこと聞かれたら弟子だのマネージャーだの適当に誤魔化せば多分いけるから。彼女にとって何より大事なのは相談事を解決したいそれに尽きるっていう大前提を忘れなければ、よっぽど墓穴は掘らないものよ」
シスターは水浴びを嫌がる猫のようにジタバタするクーの背中を押しながら、カナタに同伴を求めた。
「簡単に言ってくれますね。いきましょう、クーさん。覚悟を決めて、大魔術師を演じた方が案外楽かもですよ」
「うっへえー……文明社会おっかねえです」
サイドテールにしているオレンジ色の髪を指で弄りながら、この局面を乗り切る攻め手をまとめたカナタはしゃんと背筋を伸ばすと、未だにぐずっているクーの手を取って颯爽を依頼人が待つ奥の席の即席相談室へと向かった。
「お待たせしました。それでは早速ですがご相談の内容をお聞かせ下さい」
「こちらこそ、よろしくお願いします。ところであの、貴女は?」
「クー先生の教え子兼マネージャーのようなものと思っていただければ。天風カナタと申します」
クーに同行してきた明らかに未成年なカナタの姿を浅見は怪訝の眼差しを送った。それを見越していたカナタは胸を張って涼しげな微笑を浮かべながら、そう自己紹介をした。さらに浅見の反応を窺うまでもなく、まるでクーとは長年のビジネスパートナーだと言わんばかりの自然な物腰で隣の席に座った。
「クー先生も会話は日本語で行えますが、来日して日が浅いものでして細かな部分で言葉の意味の取り間違えが起きないように私の方でフォローするようになっているんです。もちろん、相談の内容は守秘義務に則り堅く守りますのでご安心ください。必要ならば、私と先生の署名をした書類もご用意しますが?」
「お気持ちだけで大丈夫です。その、こういう霊媒師のような人のところへ行くのは初めてだったので身構えてしまって。では、お言葉に甘えて順を追って話しますのでよろしくお願いします。
極度の緊張から借りてきた猫のように大人しくなってしまっているクーを尻目にカナタは自然体な話し方で無理のないデタラメな自己紹介を交えつつ、早々に本題を切り出した。 その咄嗟の状況でも周囲に違和感を与えないアドリブ力と場の空気に流されない堂々とした胆力は彼女の大きな強みの一つだとカウンターから様子を観察していたシスターも唸るほどの手際の鮮やかさだった。
そんなカナタの進行に一定の安心を得た浅見は恐る恐る、言葉を選びながら彼女の職場で数日前から起こる不可解な現象を打ち明け始めた。浅見はこの近くにある特別養護老人ホームで働いているそうなのだが、その施設内で数日の間に昼夜を問わずに謎の停電が頻発しているのだという。
それだけでクーとカナタも話の不可解さに気付いた。何故なら東京は一週間ほど前から雷はおろか雨すら降っていないのだ。さらに浅見が勤務する施設は緊急時に備えて自家発電の設備もあるのだという。既に馴染みにしている修理業者に点検してもらったが故障や機能不良の様子も見当たらなかったということで職員の間では不安が募っているのだという。
「貴重なお話ありがとうございます。他に何か気になったことはありませんでしたか?」
「そうですね……ちょっと思い当たらないかな。変な話なんですがどうしても施設が施設なので死が身近にあるせいか深夜になると霊感が強いって人は色々と視ちゃったとかいう話もするんですけど、今回のはどうもそういう類の物とは違う感じがしまして」
「そうですか……電気が使えないと本当に死活問題でしょうから、大変ですね」
「はい。うちは病院に比べればまだいいんですけど、それでも冷暖房はもちろん吸引機などが緊急時に使えなければ一大事になりかねません」
身構えていた不安が杞憂に変わり、途中からかなり砕けた口調で話していた浅見だったが職場で起きる怪現象が人命に関わるものだと喋りながら再確認すると再び真剣な面持ちを見せた。
「わっかりました! 善は急げということでそちらの都合に合わせて出来るだけ早く、まずは現場を調べてみましょう。」
「え……そんなことまでしてもらえるんですか? てっきり、この場で占いみたいなことをしてくれるのかと」
「わたし、現場主義系の魔術師ですので実際の場所をこの目で見て確かめないとどうにもスイッチが入らないタイプでして。やっぱり、そういうのはご迷惑でしたか?」
やっと調子が戻って、普段通りの陽気で自由奔放な振舞いが無理なく取れるようになったクーの声と言葉が不安で曇る浅見の顔を明るくさせた。
「い、いえ! とんでもないです! むしろ、先生ご本人が直接来て頂けるのなら先輩や施設長たちも納得してくれると思いますので是非!」
「お仲間の方々にお伝え下さい。確かにこの世に不可解な現象は山ほどあるでしょう。ですがそれはあくまで我々人の世の理の枠の中でのことです。その枠をこの広い世界の理に合わせた時、私たちが不安に感じる不可解は世界にとって理解あるものとなるのです。ですから、それが悪意や害意あるものと決めつけて怯えるようなことはせずに落ち着いて、海原のような大きなものを眺める気で見守ることも大事ですよと」
「べ、勉強になります! じゃ、じゃあ私さっそく上司に報告して詳しい日程調整させていただきます! では、こちらどうぞ。本当にありがとうございます!」
異国の踊り子のような明るさから一変、突然に高名な賢者のように理知的な発言を述べる、まるで万華鏡のようにコロコロと表情を変えるクーの無縫ぶりが本物に見えたのか、浅見は五百円玉を賽銭箱に投げいれる様な勢いで支払うと足早に店を飛び出して行った。
「だっはー! なんとかやりきったぁ!」
「お疲れ様です、クーさん。心配しましたけど、後半はナイスな貫録でしたよセンセー」
「我ながら、ちょっとこの人大丈夫かなって感じのこと言ってましたけどね」
メイド服姿の二人はシンクロした動きで大きく息を吐くとぐったりと椅子にもたれながらお互いによくやったと力強くハイタッチを交わした。
「なかなかサマになっていたんじゃないの? 何はともあれ、こちらから謎の渦中に我が物顔で乗り込んでいける切っ掛けは作れたんだから、大きな一歩よアナタ達」
「確かに、今までみたいに部外者や傍観者の立場からあれこれ手を回して事件に関わるよりもこのスタイルならずっと楽に色々と動き回れる。ちなみにこの介護施設の停電騒動、SNS上ではまるでヒットしなかった」
事務作業の傍ら、クーたちの会話を聞きながら補足の調査をしていたハルカはさらに件の介護施設周辺では街灯やネオンサインの光が長時間途切れると言う、似たような現象は数件起きていたと付け足した。
「これで当たりだったら、大したもんだな。この間シスターにバレてたって聞いた時は焦ったけど、やっぱり頼りになりますわ。流石、世界一未成年に優しいオカマ」
「あらやだムゲンちゃんったらぁ! 年上を口説くなんて、罪深い男ねえ」
「口説いてねえから、あんまり身体まさぐらないでください」
シスターがお手柄だった自分に気を良くして、タコのようにムゲンに絡みついて戯れていると店の電話に早速浅見から連絡が来た。
施設長からもよろしく頼みたいと、可能ならば明日の午前中からでも来て欲しいとのことだった。
※
翌日、クーはムゲンを荷物持ちの弟子ということにして浅見が勤務する介護施設を尋ねていた。挨拶もほどほどに浅見に案内されて施設の内部に不審なところがないか見て回った二人は本命である外付けされた自家発電装置のある建物の裏手に来ていた。
ちなみにクーの格好は初めてムゲン達と出会った時の紅い布地に金の刺繍が入った旅装姿だ。
「ほぉー、施設が大きいと機械も大きいですね。この世界の技術はホント、大したもんですよ」
「そうなんですか? クーさん、結構普通にこっちの暮らしに馴染んでるから、よその世界もこんなもんだと思ってたわ」
「なんせ、同じ場所に長くは留まらない流浪の民でしたからねえ。さて、それでは本格的に調べていきますか」
「了解だ。ちなみに建物の中はクーさん気になるところはありました? 俺は変な奴紛れてないか用心してみたけど、空振りでした」
「わたしの方も引っ掛かるものはなかったですね。配電盤も見せてもらいましたがそっちにも妙な力の介入のような物は感じられませんでした」
何か発見出来たらすぐに声を掛けると浅見を下がらせて、クーは本格的に魔術師としての手腕を振るう準備に入った。
ムゲンに持たせていた大きな革鞄にあらかじめランプから移しておいた道具を幾つか外に出していく。
瑠璃色のアンティーク調の霧吹きに水と注ぐと、小瓶に入った黄色い液体を数滴垂らして、かき混ぜて薬液を調合すると自家発電装置とその周囲に吹きかけていく。
迷いのない鮮やかな手際はクーの装いと相まってまさしく、お伽噺に登場する幻想的な魔法使いだ。現代社会の街中では明晰な科学捜査官のようにも見える。
「クーさん、それは?」
「魔法の識別液ってことですね。現地の水を希釈液に使用することでこの世界における異物になるものを割り出すんです」
「すまねえクーさん。理数系はサッパリなんだ。もうちょっと分かりやすくお願いします」
「しょうがないなぁ、ムゲンくんは。これで発電機やわたしのこと見てみてくーださい」
「ああ、クーさんしれっと国民的ネコ型ロボットのアニメ見たんですね」
識別液と言われてもイマイチ想像がつかないムゲンにクーはからかうように某キャラクターの声真似をしながら鼈甲色のレンズをしたゴーグルを手渡した。言われるままにムゲンは自分の眼鏡を外して不思議なゴーグルをつけてみた。
「うおあっ! 青ッ! クーさん青いですよ!」
「ね? そんな感じで別の世界から来たわたしやメタローが由来の何かが痕跡として残っていればご覧のように青く見えるんですよ。消耗品型のアーティファクトなので魔力が薄いこの世界でもバッチリ使える優れ物ですので!」
ムゲンの視界では周囲が淡い鼈甲色に見えるなかで、クーの全身がまるで刑事ドラマで指紋を発見するシーンのように青く見えていた。
そして、彼女と同じように発電機の周りにびっしりと青い何かの痕跡が大量に残されているのを発見する。
「……何の足跡だろう。犬や猫じゃないな――ネズミかこれ?」
「ええ、おそらく。しかもかなりの数ですよ」
もう一組のゴーグルを装着して、発電機を観察しながらクーはその足跡からこの場に群がっていた数の多さにも注目した。
「ネズミなんかが発電機に何の用だ? 揃いも揃ってピカチュウになりたかったわけじゃないだろ」
「ははーん。機械の隙間から無理やり何か刺し込んだ跡がある感じ、たぶん……電気を盗んでましたね、ここにいたネズミちゃんたち」
「普通死ぬだろって言いたいけど、メタローが生み出すなり弄ったネズミならワケないか。クーさん、こいつら追跡できる?」
「余裕でございますよ! 追う目標が分かっていれば、わたし特製のアーティファクトを持ってすればイチコロです!」
クーはネズミの痕跡がついたコンクリートの地面の一部と僅かに削り取ると、これまた別の羅針盤に似た円型の道具を取り出す。欠片を中央にある受け皿部分に乗せると針がグルグルと回り始めて、ある方角を指して止った。
「準備OKです!」
「おっしゃ! いきますか、ネズミ退治だ」
二人は浅見に適当な理由をつけて、施設を後にすると辛うじて使用できた追跡用のアーティファクトを頼りにメタローの気配がチラつくネズミたちを追った。
※
その頃、カフェ・メリッサでは午前の営業を早めに切り上げたシスターが店をカナタたちに任せて、自分は店の裏でわざわざムゲンに置いていかせたビッグストライダーをメンテナンスしていた。
主な構造は一般的な大型バイクと似通っているためか手際よく作業を終わらせたシスターであったが用心深く、周囲に人がいないのと確認すると不気味な笑みを浮かべてビッグストライダーのメーター部分のコントロールモニターを起動させてしまう。
「やっぱり、ちょっと見て気になっていたけどこの子本来の機能の半分も発揮できてないじゃじゃ馬じゃないの」
シスターは慣れた手つきでタッチパネル式になっているモニターを操作して勝手にビッグストライダーのシステムを根掘り葉掘り調べ始め出した。
「クーちゃんは友人に貰ったとか話していたけど、どう考えてもこんな物騒な代物をギギの民の連中が作れる筈ないのよねえ? クーちゃんがカスタムを加えた? あり得ないわね、あの子の作品は意図せず凶器になりえる可能性は秘めていたとしても、狙ってこんな完成度の武装に至るってタイプじゃないわ」
出自を含めて未だ謎が多いビッグストライダーとその開発者によって幾重にも仕掛けられたパスワードを勝手知ったる素振りで解除しながら、開発者の正体についてシスターは様々な考えを巡らせていた。
「ああ、もう。ムカつくぐらい手に馴染むわね。最後のセーフティ以外全部のロックが外せちゃったじゃないのよ。となると、やっぱりこの子を作ったのは――かしらね」
悪態をつきながら、ビッグストライダーの隠された性能を発動させるためのセーフティロックを残り一つまで解除したシスター。軽やかに踊る彼の手はそこでピタリと止ると一つの結論に辿りつき、そしてどうしても外せない最後のロックの解除を諦めると静かにエンジンを切った。
「クーちゃん、あの子ったら……まだ何か隠しているようね。あたしが言えた義理じゃないけど、まだほんのちょっぴり用心する必要があるかしら」
誰にも見せたことのないような険しい顔で自分に言い聞かせるように呟くと、シスターは再び普段と変わらぬ妖艶で華美な笑顔をまるで仮面を貼りつけるように浮かべ、店の中へと戻っていった。
※
クーのアーティファクトを頼りにメタローが使役したと思われる謎のネズミを追い掛けていたムゲンたちは介護施設の近くにある大きな地下水路の入り口に辿りついていた。
ムゲンがスマホで調べたところ、地下深くにある大きな水槽に繋がっているらしい。
「この先か……ガチの下水道じゃなくてまだ良かったな」
「いまなら、勝手に入ってもバレないですし、サクサクと参りましょう!」
「え? あ、はい!」
しんやりとした空気が仄暗い洞窟のような入り口と相まって不気味さを醸し出しているのを気にも留めずにクーはランタンに似た小型の照明をランプから取り出すと意気揚々と進み始めた。その思い切りの良さは汚水やヘドロが溢れていないか彼女を気遣い案じていたムゲンが驚くほどだ。
「クーさんって思ってたよりアクティブですね。女の人はこういう場所って汚いからNGって言いそうなもんですけど」
「そうですかぁ? わたし、むしろ何があるのか気になってウキウキしてるくらいなんですけど!」
キャンプ用のペンライトで足元を照らしながら並んで歩くムゲンの言葉にクーは遠足を楽しむ子供のような無邪気さで答えた。
カナタもいざという時は女子高生とは思えない行動力を見せるが彼女の場合は必要に応じてそれがベストだと判断した場合に限られる。
けれど、クーの場合は純粋に知らない場所への期待と楽しみを原動力に歩みを進めている。まるで小さな子供が初めて来た知らない土地を探検と称して一日中でも駆け回るそれに似ている。
「異世界の遊牧民なんてやってりゃ、それぐらいの度胸は普通ってやつですか?」
「そういうのもあるんですけど、何よりもわたし自身が知らない場所や土地を訪れるのが好きだからでしょうね。ムゲンさんも子供の頃にありませんでしたか?」
そういって、にへっと頬を緩めてクーはまだ平和に旅をしていた頃に訪れた数々の世界で見た景色や街並みに思いを馳せる。
「あの山の向こうを越えたらどんな街があるんだろう、あの長くどこまでも続く川の流れに沿って歩いたら、その果てに何が見えるんだろうとか……そういう未知への憧れみたいなの」
「――そうだな。きっと、俺にもそういう気持ちもあったんだろうな」
地図や写真だけでは物足りない好奇心と探求心で歩んできたこれまでの道のりとその瞳に焼きつけた旅先のきらめく風景を思い返して、湿っぽい地下水路の暗い雰囲気を吹き飛ばすような満面の笑顔をクーは見せていた。
心の底から楽しそうに語るクーの言葉に、ムゲンは寂しそうな沈んだ顔を闇に隠して、羨ましそうに小さく呟いた。
「でしょう! 人間、いつだって冒険心を忘れちゃダメですとも! 何か新しい発見をするっていうのは大成功でも、大失敗でも気がつけば最終的には楽しかったって笑えてくるものですし」
「そういう考え方はなかったなあ……さっそく、新発見だ」
発明家・研究者としての側面が強いタイプの魔術師だからなのか、元々ポジティブではあるがまだまだ知らなかったクーの人間としての個性やガッツのある信条に触れて、ムゲンはしみじみとしていた。
そして、内心いままではカナタやハルカが気を使って触れないでいてくれた自分の秘めたる部分もそろそろ打ち明けてもいいのかもしれないと思いを巡らせていた。
「それに! あるときは岩を枕にし、あるときは雨で身体を洗い、またあるときは木の根を噛んで旅を続けてきたお陰でわたしはケチャップくんと出会えましたしね!」
「言うと思った。また賄いでオムライス作ってあげますんで、今日は頑張って下さいよ」
「もっちろんですとも! 実際、今日のわたしは自分でも焦るくらいキレキレに冴えてると思いません? この調子でメタローの隠れ家もズバッと探し出してあげますと……も?」
途中、入り組んだ道や枝分かれを経て、かなり奥まで進んだところで奇妙な音と無数の気配に二人の足が止った。
「でもなあクーさん……こういう、発見は出来たらしたくなかったな」
「おっおーう。意外とお早くご対面が叶っちゃいましたね」
暗闇の奥で無数の小さな群体が不気味な双眸で二人を睨んでいた。
それは数え切れないぐらいのネズミだ。しかも、それらは体の一部に機械的な改造と強化を施された醜悪なメカマウスの大軍団だった。
突然の遭遇にムゲンが身構えながらペンライトの光を右から左へとスライドさせるとメカマウスたちは一斉に光を追って首を振り、訓練されたようにムゲンに視線を集中させた。
あまりにも信じられない光景にムゲンとクーは寒気を感じるほどだ。メカマウスは普通の動物を越えた知性で二人のことを明確に特別な個体として判断している。
次の瞬間、メカマウスたちはモーターの駆動音のようなものを水路内に反響させながら二人に狙いを定めると一気に襲い掛かって来た。
【スカイ×ゴースト! ユニゾンアップ!】
「変身――!!」
【エリアルファンタズマ! GO! GO! LET’S GO!!】
デュオルに変身したムゲンは魔鼠の軍勢に臆せず向かっていっく。
※
地下水路の最深部。
大きなコンクリートの柱が無数にそびえる、まるで神殿のような景観の人工池を人知れず工房化したメタローの拠点に貫頭衣のような白い恰好をした美しい青年は音もなく現れて、ここの主に気軽に挨拶を交わした。
「やあ! 随分と興が乗っているようだねぇ」
『おおっと、観察者さんじゃないか。その節はどうも、おかげで絶好調だい』
観察者ニューにぶっきらぼうながらも親しげに返事を返した声の主こそがメカマウスたちを製造した今回の首謀者、マウスメタローだ。
汚れた灰色の体色に無数に生えた長い尻尾、スパナに似た大きな杖を持つドブネズミの特徴が色濃く残る不気味な異形。
素体となったホームレスの男性の意識を完全に乗っ取り、メタローが主体の人格であるこの怪人はムゲンたちに見つかることなく、長い期間を隠れ潜みながらこの拠点と手駒となる膨大な数のメカマウスを用意してきた曲者だった。
「その様子だと、キミはメモリアの力を上手く制御できたと見えるね。やはり、同じメタローでもやる気のあるなしで大きな差があるのかな?」
「おいおいおい……言葉には気を付けろよ、ニューさんよ。あんたには恩がある、このメモリアとかいうブースターを恵んでくれたのは感謝してる。だがいくら腑抜けたちとはいえ兄弟たちの悪口は見過ごせないぜ」
陽気なラテン系の口調に怒りをチラつかせながら、マウスメタローは指先から小さな電撃を起こして見せた。このメタローもまたニューがムゲン達よりも一手早く見つけ出したとある仮面ライダーのメモリアを取り込んで強化を果たした怪人だった。
「おっと、失礼。非礼を詫びておくよ。まさか、キミのように温情深いタイプの個体もいたとは思わなかったんだ」
「そりゃあ、いくら高次元生命体とやらに人類総出で昇華したとはいえ、元は人間だったからな俺らもよ。気合入れて、神を気取ってる奴もいれば諦観のまま統括長の手足になるやつ、そして俺みたいに何も変わらないやつもいるってことだ。完全と不完全は時として表裏一体だ」
「成程。講義の内容としてはなかなか濃いね。次の受講日は何時かな?」
「ブッハハハ! あるかよ、そんなもん! あんた意外とユニークじゃないか、気に入った。さっきの失言の時に俺の可愛い子分たちに命じて穴だらけにしなくて良かったよ」
どこか人間臭さを残した独自の価値観を披露しながら、追加のメカマウスの製造の手を休めないマウスメタロー。そんな彼との他愛のない会話にニューは適当に摘まみあげたメカマウスの一匹を手の上で遊ばせながら感情の読めない笑顔を見せていた。
「――だがな、ニューさんよ。他の兄弟たちはそう言う訳にはいかないらしいぜえ?」
「と、いうと?」
「たった今、統括長からの伝言が俺に流れてきた。観察者ニュー、至急教団本部へ顔を出せだとさ。聞いたぜ、観察者の領分をはみ出して派手に遊んでるそうじゃないか、あんた。お仕置きタイムだぞ。ヒュー、ケツをビシバシと引っ叩かれるかもだ」
「参ったな。ボクとしてはお行儀よくしていたつもりだったのだけれど、仕方ない。キミとの会話は楽しめた。それに免じて、大人しく出頭するとしますか」
相変わらず、行動の意図が読めないニューへ送られた直接的な警告を冷めた口調で告げるマウスメタロー。従わないのならば交戦も止む無しと鋭い爪をわざとらしく見せつけて、口笛まで吹いて見せた彼にニューは吹き出して笑うと恭順の姿勢を示した。
「おっと、そうだ。置き土産に一つ……先程、厄介者がキミの根城に入り込んだみたいだよ。噂の仮面ライダーくんだ。キミのことを嗅ぎ付けたのか、仲間と一緒にここに入り込んだみたいだよ」
「おいおいおい! きたか。きちまったか? カァーったまんねえな! 俺の自慢のメカマウスたちでたっぷりと接待してやろうじゃねえか! なんて、侵入者は自律的に襲うようにプログラムしてあるから、今頃あいつら上物のチーズと思って齧りまくってるさ! 俺が拝むの連中が狩りの成果として持ち帰って来る仮面ライダーだった死骸よ」
「武運を祈るよ。では、また――」
首を鳴らして、自分の戦力であるメカマウスを自慢するマウスメタロー。ニューは洒脱に手を振るって別れの挨拶を済ますとその体をまるで金属製の完全な球体のようなものに変化させ、あっという間に飛び去ってしまった。
※
『うぉおおおおおお! 逃げろ、逃げろ、逃げろぉおおお!』
「ムゲンさぁーん! もっと、高度上げてくださいな! こいつら、結構ジャンプしますよォ!?」
『無茶言わないでくれ! これでも天井スレスレだ!』
その頃、デュオルは小脇にクーを抱えながら、暗く狭い地下水路内を決死の思いで飛行して逃げの真っ最中だった。勇んで変身して無数のメカマウスたちに挑んだデュオルだったが、小さな魔鼠の大軍団は想像を絶するほどの強敵だったのだ。
小ささとすばしっこさ故に攻撃が当て難く、その上でメカマウス側はコンクリートや鉄さえも齧り切る強靭な歯や改造されて指先がドリルになっているタイプも多数存在しており、まさに多勢に無勢。
デュオルもDブレイカーを風車のように高速回転させて芝刈り機のように相当な数を撫で切りにして対抗したがたちまち劣勢に追い込まれてしまった。
視界の悪い水路内で餌に群がる蟻のように足元を攻められて、転倒したデュオルはあわや全身を穴だらけにされるギリギリでクーのスモークゴーレムに救われると正攻法では勝てないと離脱を図った。
『あのネズミども、どうかしてるぜ! コンクリートを角砂糖みたいに噛み砕くとかありえねえだろ! 下手したら今まで戦ったメタローよりずっとヤバい!』
「一体どういう改造したら、こんな出力だせるんだろう……気になりますねえ。なるほど、電気を盗んでいたのは自分たちで動力を確保するようにプログラムされたからでしょうか。それに惨い改造ですがかき集めたスクラップを流用した割には生身の部分への負担が少ない様子。それに見たところ一匹ごとに完全ハンドメイドとは拘りを感じますね」
『クーさぁん! 頼むから、いま職人根性出して解析とかしないでくれ! あと、純粋にばっちいから早くそいつ捨てなさい!』
予想外の大ピンチ。
けれど、珍しく動揺するムゲンとは対象的にいつの間にかデュオルの攻撃で弱ったメカマウスの一匹をちゃっかり拝借していたクーは反撃される危険性がないのを確認した上で一応生のネズミだと言うのに何の躊躇いもなく素手で掴んで熱心に観察していた。
デュオルのドン引き気味の叫びを無数に重なる鳴き声で塗り消して、まるで大津波のように統率のとれた動きで二人を追撃するメカマウスの軍勢。キィキィと気味の悪い鳴き声が無数に迫るその行進は圧巻に尽きる。
「考えられるのはこいつらの頭目であるメタロー本体を倒すことか、一度この水路から脱出して体勢を整え直すかですが」
『ゆっくりと腰を据えて探索するか地図なりあればいけるけど、こんなのに追われてたら逃げるので手一杯だ! それにこんな物騒な連中を外に一度に外に出したらそれこそ手に負えないレベルの大騒動になっちまう! 一網打尽にできる弱点とか、そういう隙はない感じ?』
「……おや」
『何か分かったんですか?』
「ムゲンさん、もしかしたら敵の本拠地まで辿りつけるかもです」
瞬きもせずにずっとメカマウスの全貌を把握するために目を凝らしていたクーは力強い声で答えた。
『どうすればいい!』
「まずは活きの良いこの憎いネズミくんを一匹ゲットしてください! こいつはダメです」
『やってみる!』
クーの指令に従って、デュオルは低空飛行を止めると急反転してメカマウスたちの爪を食らいながらもどうにか蹴り散らした中から一匹を鹵獲した。
「お次は……こうッ!」
『なっ! 急に何してんだいクーさん!?』
思わずデュオルは声を荒げた。
何故なら、クーは突然自分の指の腹を噛んだかと思うと、目尻に涙を溜めながら血がついた表皮の一部を噛み千切ったのだ。
「痛ったたぁ……そいでほら。ネズミくんお手柄だねぇ、その戦果をご主人さまに褒めてもらいなよ」
指に走る痛みにこたえながら、勝ちを確信したように口元を緩めたクーは慎重にほんの僅かに肉までも付着した自分の指の皮をメカマウスに渡して、解放した。
するとメカマウスは手に入れた敵の身体の一部という貴重な武勲を大事に咥えたまま、この大手柄を主人に直接報告するために他の軍勢とは全く別方向へと駆け出した。
「あれを追い掛けて下さい! あいつが向かう先が本拠地です!」
『任せろ! クーさんの無茶、無駄にはしないぜ!』
「ふっふーん! 敵さん、随分なものを作りましたけど、ちょっと忠実に躾けすぎましたねえ、ネズミだけに」
ネズミの習性や飼い主を持つ動物の本能を逆手に取った奇策で状況打破のチャンスを作ったクーはデュオルの片腕の中でにんまりとほくそ笑んだ。
ライフルモードのDブレイカーの乱射でメカマウスの雪崩のような進軍を抉じ開けたデュオルは勇猛果敢にかっ飛んで突っ切ると巣へと戻るメカマウスを追跡する。
『一応聞くけど、噛んだ方の手でネズミ触ってないですよね? そうじゃなくても、帰ったらちゃんとうがいと手洗いですよ』
「流石にそこまでやんちゃじゃないですよ! それにムゲンさんが最前線でいつも体を張ってくれているんです。これぐらいはしなくちゃねえ、大人のおねえさんとしてカッコ悪いでしょ?」
『初対面の時と思うと、コメディ枠というかマスコットキャラみたいになってる気もしますけどね!』
「ひっどーい! そんなこと言うなら、思い切ってわたし一人で人気者になって関連商品とかスピンオフ作品とかで大儲けしてやりますからねえ!」
『ハハッ! そいつは困るなぁ……愛され癒しキャラとかで、どうか残留を考えてもらえると嬉しいですよっと!』
「そこまでいうなら仕方ないですね――なんて、お三方やシスターさんといる時間はとても心地が良いので頼まれたって居着いていますとも」
見出した好機に気持ちを前向きにして、薄暗い闇の中を飛翔するデュオル。左腕の中にしっかりと抱えられたクーとゆるい軽口を叩き合えるほどに士気を高めて進んでいくとやがて、メカマウスが進む方向の奥がぼんやりと明るくなっているのに気付いた。
「ムゲンさん! たぶん、あの先がそうです!」
『よっしゃ! そんじゃあ、しばしお待ちを』
「え? あの、ちょっと!?」
目的地が近付いているのが分かるとデュオルは急にクーを水路の脇道に優しく降ろしてしまった。
『すみませんが、これから乗り込むのはネズミの巣です。胸張ってクーさんを守りながら敵を倒してやるって宣言できればいいんですが、俺はそこまででっかい口は叩けないんでそこで待ってて下さい。たぶん、ネズミ共もすぐには追いついて来ないはずです』
「悔しいけど、お邪魔になるのはもっと嫌ですからね。ではなるべく早足で追いつくので出迎えお願いしますよ?」
不満はあったがクーとしても、メタローとまだ残機があるであろうメカマウスを相手に自分を庇いながらの戦いをデュオルに強いるわけにもいかないと判断して、ここで別れることを了承した。
「わたしが預かっているアレ、お返ししないで大丈夫ですか?」
『いまはどの道使えないですからねぇ、魔術師のクーさんが持ってて下さいよ』
「わかりました。ムゲンさん、気をつけて行って来て下さいな」
『俺なりに頑張りますとも。それじゃあ!』
クーの声援を背中に受けて、デュオルはふわりと宙に浮くとマウスメタローがいる最深部へと風のように飛んで行った。
※
『ヘイヘーイ! 悪い子だな、まんまとしてやられやがってマヌケめえ!』
マウスメタローは小粋な口調のまま、忌々しいと口元を歪めて招かれざる客を連れてきたメカマウスを握り潰した。マウスメタローが見上げる視線の先には黒と赤のパーカーを空中で踊らせるデュオルの姿があった。
『ドブネズミが随分とご立派な住まいで暮らしてるじゃねえか、家賃いくらだよ?』
『お前がデュオル。仮面ライダーか? もう、俺の子分達とは遊んだんだろ』
『お客のもてなしも出来ないバカネズミばっかりだったぜ。サーカスでも開けるくらいに教育を徹底したらどうだよ?』
対面した両者は睨みあったまま、愉快そうな口調で砕けた言葉を飛ばし合う。
デュオルはスピアモードのDブレイカーを片手に構え、マウスメタローもまだ大量に残るメカマウスたちを足元に蠢かせ、自身のスパナのような大杖を手に取った。
『ヒュー! ナイスな提案だな、俺のメカマウスはお利口揃いでね。すぐにレッスンを始めよう。お前を始末した後だけどな!』
『出来ないことは気軽に口にするなよな!』
刹那、両者は殺伐とした戦意を剥き出しにして激突する。
空中から突っ込んできたデュオルの振り下ろした刃の一撃とマウスメタローの大杖がぶつかり合い、火花が散る。
そのまま、デュオルはメカネズミたちを警戒して浮遊したままの状態でマウスメタローと激しく切り結ぶ。
『このクソネズミめ! 近所の飢えた野良猫片っ端から集めて、団体ツアーでも組んで乗り込んでやりゃ良かったぜ!』
『ぐおっ!? 言うじゃねえか、お前。見逃してやるから、小劇場で役者でもやったらどうだよ!』
『勘弁するよ。これでも結構照れ屋なんでね!』
地面スレスレの足払いの斬撃に気を取られたマウスメタローの顔面に重いヘリコプターキックが直撃する。頭をふらつかせながらもマウスメタローは手駒のメカマウスたちに指令を送り、防壁を形成するとデュオルの追撃を阻んだ。
『良いキックだ、痺れるぜ。お返しにお前も俺の強さに痺れてくれよ!』
『ギイィ!? で、電流だと!?』
『すごいだろ? 妙なカードを取り込んだらこの通りだ』
『また……メモリアか』
壁となって斬られたメカマウスたちの屍を越えて、別のメカマウスの群れがDブレイカーに群がり動きを鈍らせた一瞬を狙って、マウスメタローの手から放たれた電流がデュオルを撃ち落とした。
『全機、覆い尽せ! 熱烈な歓迎をしてやりな!』
『ぬおっ……その数は単純に気持ち悪ぃんだよ! ぐうう、離れっがああああ!?』
雷に撃たれたように、墜落したデュオルに工房の全てのメカマウスが襲い掛かった。必死の抵抗を試みたデュオルだが、電流を受けたせいで麻痺して思うように動かせない体ではその鈍色の怒涛の前にはあまりにも無力。
あっという間にメカマウスたちに全身に群がられたデュオルは体の全てを攻撃されて、苦痛の声を上げた。
地面を転がっても、身をよじらせても、メカマウスたちはデュオルの全身と言う全身を齧り、突き、引っ掻く。一撃一撃は微々たる威力、耐えられる痛みだが、一度に襲ってくる痛みの数の多さはまともな者ならば気が狂ってしまうような責め苦であった。
『頑張るねぇ、お前! ほぉうら、俺からのサービスだ!』
『ぬぅうあぁ……ぐおぉあああああ!?』
さらに追い打ちを掛けるように浴びせられるマウスメタローの強烈な放電がデュオルを徹底的に痛めつけていく。
纏わりつくメカマウスが電流を浴びる度に黒焦げになって死んでいくが、マウスメタローはまるで気にせずにむしろ、デュオルが苦しむのを楽しむように一定間隔で電流を放つ。そして、消耗品として扱っても支障の無い数がいるメカマウスも黒焦げになった傍から、第二陣、第三陣と途切れることなくデュオルを包囲して、終わることのない波状攻撃を仕掛けるのだ。
『ハッ……ハッ……ガッ……ァア、アア』
反撃することも、飛行して逃げることも出来ず、まるで大気が攻撃してくるように全身を絶え間なく襲う痛みの前にデュオルはエリアルファンタズマの透過能力さえも使えない程に追い詰められていた。全身をビクビクと痙攣させながら、絞り出すような苦しげな呼吸でそれでも、諦めずにマウスメタローに近づこうとボロボロになってデュオルは地面を這いずる。
そんなデュオルの執念にマウスメタローは脅威を覚えながらも、全てが自分に有利な状況もあって勝者の余裕を見せて声を掛ける。
『待てよ。待て待て、まだくたばらないのかよ? さては生粋のマゾヒストかお前?』
『知るかよ、そんなの。俺がやらなきゃ、誰がお前らをぶちのめすんだ? 誰が俺の友達や仲間を守るんだ? 俺が食い下がるなんてそんなシンプルな理由だよ』
『嫌いじゃないぜ、お前みたいなガッツのある奴はよ? いや、本当ホント』
『ぐぅうう……人の頭踏みつけて、吐くセリフか?』
『だ・が・よ? それって、お前は生きている限り、俺の兄弟たちを殺すって言っているもんだよな? それは反吐が出るほど嫌いなことだ』
兄弟――すなわり、同胞である他のメタローたちへの独自の同族意識の下で敵対者のデュオルを絶対に放置する気はない絶対の殺意を見せるマウスメタロー。
開いた右手に電気を発生させるとそれを限界までパワーを溜めていく。
『このネズミどもはこの世界で調達した手駒だ。だから、例え尊い命だとしても何億、何兆匹くたばったところで屁でもない。けれど、同じ世界で等しく同じ存在へと昇華した兄弟たちが殺られるっていうのはとても、とても悲しいことだ』
地面に伏したまま動かないデュオルに纏わりつくメカマウスたちに攻撃を止めさせたマウスメタローは青白くスパークする右手で不気味な異形を照らしながら、処刑宣言をする。
『西部劇見たことあるか? 例えるならこいつはせめてもの情けってやつだ。痛みを感じることなく、一瞬で殺してやるよ、仮面ライダー。最後に言い残すことはあるかよ?』
『あるよ。ハン、ネズミ野郎……あんたモグリだな』
息も絶え絶えながらも、いまだ戦意が失せた様子の無いデュオルの意味深な言葉に妙なざわめきを感じたマウスメタローは咄嗟に右手を背中越しに心臓目掛けて押し当てようと手を伸ばした。けれど、紙一重で透過能力を発動したデュオルはコンクリートの地面の中へと沈み込んで姿を消した。
『野郎ッ……どこへ消え!?』
『そりゃああああ!!』
マウスメタローの背後から急浮上して飛び出したデュオルはそのまま相手をアルゼンチンバックブリーカーの体勢で捕らえるとメカマウスたちを振り切って一気に飛び上がった。
『あんな台詞吐く奴はな、大事なところで獲物を取り逃がすんだよ!』
『大した奴だ。だけどな、俺はなにも右手からしかビリビリが出来ないとは言ってないんだぜ?』
『ぐがあッ! 負けるかよ、このまま叩き落としてやらあっ!』
『最後の根比べだな! このまま黒コゲにしてやるよ!』
一か八かの攻勢に出たデュオルだが、マウスメタローもただやられるつもりはなく全身から放電を炸裂させて抵抗する。デュオルが技を決めるのが先か、迸る電撃がその身を焼き尽くすのが先かそんな紙一重の攻防は地下工房に突然響いた謎の呪文のような声に止められた。
【コネクト! プリーズ!】
『うおっ!? 俺の体から……何が起きてやがんだよ、こりゃあ!?』
『魔法陣……もしかして!』
マウスメタローの体の表面に突然展開された赤い魔法陣。
謎の現象に困惑するマウスメタローをよそに何者かがコネクトの魔法を使って、その体内にあるライダーメモリアを摘出した。
コンセントを抜いたようにプツリと途切れた電撃にデュオルとメタローが呆気にとられていると地下工房の入り口から彼女の不敵な笑い声が聞こえた。
「あっはー! 成功ですね、やったぜわたし!」
奪い返したライダーメモリアともう一枚、淡い光を放つ仮面ライダーウィザードのメモリアを手にしたクーの姿があった。
「ずっと気になっていたんですよ。この間の学生くんはどうやってこのメモリアの力を使えたのかって? だから、夜な夜な色んな研究と実験を試していたわけですけど正解は意外と簡単でした」
ヒラヒラと片手に持ったメモリアを遊ばせて、種明かしを始めるクーにメカマウスが殺到するがすかさずデュオルがその先頭に目掛けてマウスメタローを投げつけて防ぎ、彼女の傍に着地する。
「確証は出来ませんがそれは祈りです。力が欲しい、何かを成しえたい、必死で戦う仲間を手助けしたいといった純粋な意志の強さこそがメモリアの力を行使するための鍵なのかと……その感情が善悪お構いなしなのは少し問題かと思いますけどね」
『お見事です、クーさん。今日はホントに助けられっぱなしだな』
「言ったでしょ、たまにはカッコいいとこ見せましょうってね」
屈託のない笑顔でクーは二枚のメモリアをデュオルに手渡した。
一枚は先の戦いで手に入れた指輪の魔法使い、仮面ライダーウィザード。そして、いましがたマウスメタローから奪還したメモアリアに写る戦士は屈強な体躯と情熱の真紅を纏う彷徨の雷鳴。
天地人の呼び声に応え、悪漢邪悪を蹴散らす正義の戦士、仮面ライダーストロンガーのメモリアだ。
「さあ、バトンタッチですよムゲンさん! 景気よく暴れちゃってくださいな!」
『おうよ! 反撃開始だ!』
両サイドのグリップを引いて、ドライバーのギミックを展開すると既に装填されたライダーメモリアを抜き取り、新たな組み合わせの二枚へと交換する。
【ストロンガー!×ウィザード! ユニゾンアップ!】
電子音声が高らかに二大戦士の名を叫び、二基の風車がゆっくりと回転を始め、淡い光を放ち始めていく。
「ネクスト・ライド――!!」
【エレクトロキャスター! GO! GO! LET’S GO!!】
新たなる力の名をデュオルドライバーが響かせながら、デュオルの正面に発現した紫電の魔法陣が動き出して、戦士の姿を変えていく。
黒いアンダースーツの上に纏うはストロンガーのプロテクターを模した赤いクリスタルのような素材の分厚く逞しい胸部装甲。腰からたなびく白いマントに右手の中指には魔法の始動キーであるキャスターリングが黄金の輝きを放っている。
漆黒の仮面の二本のアンテナは龍の角を思わせる荘厳な形状へと変化して、複眼を鮮やかな緑へと染め上げる。
『さあ! いくぞ、デュオル! ゴング鳴らせェ!!』
紫電が弾けて、瞬く雷光がマウスメタローとその駒たるメカマウスたちを怯ませる。
力強く双腕を振るう度に激しい迅雷は迸り、魔力がデュオルの全身に漲るのが伝わる。
稲妻の如く闘志と宝石のように煌めく希望を両手に握りしめて、男は常闇の悪を討つ。これこそが猛き魔導士デュオル・エレクトロキャスターだ。
新しいユニゾンアップフォームを手に入れたデュオルは疲弊した肉体に喝を入れるとマウスメタローとの決着に挑む。
『走れ! サンダービュート!』
『ぐぉおあ!? なんだそりゃああああ!?』
デュオルの左手から激しい光を放ちながら迸る雷の鞭が遠距離から容赦なくマウスメタローを打ち据える。さらに龍の尾のように唸り暴れまわるサンダービュートはついでとばかりに地面にひしめく無数のメカマウスの軍団を蹴散らしていく。
『い、いいねえ……バラバラにされそうな攻撃だぜぃ。それでこそ、殺し甲斐があるってもんなんだぜ! マウス共、仮面ライダーを齧り殺しちまいな!』
デュオルの操る電撃の鞭の前に滅多打ちにされたマウスメタローだったが意地を見せて踏み止まると残存するメカマウスに総攻撃を命じた。
『そう何度も好き勝手に齧られるかよ!』
【ラッシュ! プリーズ!】
右手のキャスターリングが光り、ウィザードの力を受け継いで使用できる魔法が発動する。
高くジャンプしたデュオルが構えるDブレイカー・ライフルモードに魔法陣が重なると、デュオルの背後に無数の魔法陣が宙を覆い尽くすように展開した。
Dブレイカーの銃口は魔法陣を通過することで背後に展開した魔法陣と同じ数だけ分裂複製されて城塞の砲門のように地上のメカマウスたちを狙う。
『一斉砲火だ! 吹っ飛びなあッ!』
『馬鹿な……滅茶苦茶しやがってえええええ!!』
「あっはー! 強烈ぅう! もっと、もっとファイヤ! ファイヤ!」
まるで数十の落雷が同時に鳴るような轟音を響かせて、雨霰のような銃撃が降り注ぎメカマウスたちを問答無用で全滅させた。
圧倒的な魔法の力が加わった花火のような砲火の嵐に空気がビリビリと震えるのを肌で感じていたクーは思わず歓声を上げて喜んだ。
『ようやく、一対一のサシの戦いが出来るな』
『ひでえことしやがる。汗水たらしてこさえた俺の城が更地だぜ……許さねえぞ、小僧!』
怒りで顔を歪めながら、大杖を構えて突っ込んでくるマウスメタローをデュオルは両腕に雷電を纏わせて迎え撃つ。キレのある大杖の突きを一撃、二撃と紙一重で避けると三撃目を回し蹴りで弾き返す。
『トオォラッ! 殴り合いなら、こっちのもんだぜ!』
『があっ!? こ、このっ……あれだけ痛めつけてやったのに、どこにこんな元気残してやがった!?』
抉じ開けた隙を逃さずにデュオルはマウスメタローの顔面に電撃を纏った豪快な裏拳の三連発をぶち込む。そのまま攻勢の流れを途切れさせることなく、大気を穿つような勢いで猛然と目の前の敵を殴り続ける。
『カラ元気に決まってんだろうが! こちとら、たたの人間が命懸けで突っ走ってんだ!』
『ごっぱああ、ぁあああーー!?』
余力を残していたと疑ってしまいたくなるような暴れっぷりを見せるデュオルに恐れを抱くマウスメタロー。そんな彼に満身創痍なのを隠すことなく、男の意地だけで戦っていることをカミングアウトしたデュオルは力強く踏み込んだ渾身のボディブローをがむしゃらに叩き込んで吹き飛ばし、間合いを調整した。
【FULL SPURT! READY!!】
『冥途の土産にとっておきのフィナーレをくれてやるよ!』
ドライバーのライトトリガーを起動させて、光輝を纏って跳躍したデュオルは空中で大の字になって風車のように回転を始める。
『ウォオオオオオオオ――――!!』
電力と魔力、二つの強大な力を全身にチャージアップしながら、高速回転するデュオルの雄叫びに呼応して地下工房に幾筋もの稲妻が放たれて、マウスメタローを急襲する。
その稲妻の軌道はデュオル本人にすら制御できないランダムな攻撃故に敵対する者から回避と撤退という選択を限りなく零の領域まで簒奪する。けれど、この雷撃さえもまだエレクロトキャスターの最大のフィナーレを飾るための牽制に過ぎない。
最大までエネルギーを充填するデュオルの正面に再び魔法陣が浮かび上がる。先程の物に比べるとさらに巨大な魔法陣だ。竜巻のような側転から前方回転を経て姿勢と狙いを定めたデュオルは魔法陣に向かって全力を振り絞った必殺の鉄拳を突っ込んだ。
『超電ッ! ビッグハンドォ!! ストライクゥウウウウウ!!!!』
魔法陣を突き破り、超巨大化した渾身の拳が紫電を纏ってマウスメタローに叩き込まれた。
それは雷神の振り下ろす神槌の如き雄々しさを伴って呆然と立ち尽くしていたマウスメタローを瞬く間に完全粉砕してみせた。
『ぬぅぅぅぐおおおおおおおああッ!!?』
マウスメタローは絶望の断末魔を上げながら大きな火柱のような爆発を起こして沈黙した。
激闘の末に砕けて瓦礫の山となっていた不気味な工房は地下に吹き抜ける修正力の風の中で元通りの神殿のような厳かさを持つ地下貯水槽の姿に戻っていた。
「だぁー……今回はマジで体力使ったぁ」
「ご無事ですかムゲンさん?」
二人とも地下水路をメカマウスに襲われたりしながら、必死になって駆け回っていたこともあって、グシャグシャに汚れてしまっていた。けれど、その表情は二人とも満ち足りていた。
「お陰様で紙一重で切り抜けました。今日はもうなんもする気になれませんけどね」
「ちょっと休んだら、帰りましょう」
「ですね。またネズミに追いかけられるのも嫌だしな」
「頑張ったご褒美に、ご飯でもご馳走しますよ。何時ぞやの朝ごはんのお礼です」
よく戦ったムゲンを労うように明るい声でそんな提案をした。
友人ではないが、それに限りなく近い大事な仲間同士という不思議な間柄のこの二人は良い意味でお互いに遠慮がないというかフラットな関係といった距離感の仲を深めていた。
「その前に銭湯だな。この格好じゃ、年季の入った町中華にも出禁になりそうだし」
「銭湯? なんですかそれ、また誰かと一戦交えるおつもり?」
「あー……お金払って入れるでっかい風呂屋みたいなとこです。風呂上がりのコーヒー牛乳とか美味いですよ」
「ほっほーう! そんなものがあるんですか? 面白そうですね、是非とも行きましょう銭湯! サービスにお背中ぐらいお流ししますよ?」
ふざけ半分に女性の色香で誘惑するようにムゲンの耳元で艶のある声で囁いてみるクー。
ムゲンは気の抜けた声を漏らしながらタオル一枚の彼女が男湯に乱入してくる姿を想像して思わず苦笑した。
「クーさんが男湯入ってきたらキッズの性癖が拗れそうだなあ。周りへの刺激強すぎるんでお気持ちだけで」
「おっと残念。ちびっ子たちに夢を見せてあげるのもやぶさかではなかったのですけどねえ」
「クーさん……この国、女の人も羽目外しすぎると痴女ってことで捕まりますから、気を付けてくださいね」
「マジですか!?」
「マジです。だから、お戯れはほどほどに。クー先生」
「うっへー! ムゲンさんまでその呼び方やめてくださいな。けっこう恥ずかしいですよ?」
ムゲンとクーは他愛のない会話を気楽そうに交わしながら、ゆったりとした歩調で出口に向けて歩き始めた。
二人が地上に出た頃にはすっかり日は傾き、茜色の夕焼けが街を優しく照らしていた。
世界も二人をささやかながら労っているのか風も少ないこの日は絶好の銭湯日和だ。
疲労困憊、生傷だらけでくたくたの二人は満面の笑顔を浮かべて賑やかな雑踏に紛れていった。
この続きはまたいずれ。
此度はここまでと致しましょう。
今更な感じもしますが拙作のオリジナルライダーのデュオルという名前
デュオとデュオル、二つの単語とその意味を組み合わせたネーミングだったりします
これからもよろしくお願いします。
ご意見、ご感想、いつでもお待ちしています!