仮面ライダーデュオル   作:マフ30

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今週も無事更新完了。
前回のあとがきでちょっと予告したように今回はコメディ回のようなでございます。
キャラ崩壊多いです。パロディもあります。新キャラもいるよ(汗)
それでも読んでいただければ幸いです。


第13話 サイキョウの敵?

 

 爽やかな風が吹き抜ける、五月のある日のことだ。

 ウチは初めて、恋をした。

 理由? 一目惚れだよ。他に細かい御託なんているっての?

 妙な輩に襲われたウチと後輩の前に颯爽とぶっ込み決めてきたあの兄ちゃん。

灰色の髪と金の瞳をした狼みたいなタフでワイルド!それでいて、どこか渇いて寂しげな雰囲気のあの顔がハッキリ言ってウチ史上最高にクールだったわけ。まさに、脳裏に焼き付いて離れないレベルだよ。こんなこと言うのは小恥ずかしいけど、うっかり気を抜くとあの顔が浮かび上がって惚けちゃうぐらいなんだ。

 我ながら、こんなのウチらしくないなと呆れるよ。

 けど、この胸の高鳴りは嫌いじゃない。

 

 というわけで、名前も居場所も知らないがウチは惚れた相手に告白すると決めた。

 ヒントは預かり物のこのメガネだけ。

 前途は多難だけど、それがどうしたと言ってやる。

 だって、恋ってのはそれぐらい試練があった方が燃えるじゃん?

 

 

 

 

 

 

 クラウンメタロー戦から数日後、帰りのHRを終えたムゲンたちがいつものように三人で下校している時のことだった。

 

「んー……今朝から気になってたんだけど。ムゲンさぁ、なんか足りなくない?」

 

 ムゲンのことをまじまじと見ながら、カナタがふとそんなことを言い出した。

 

「俺は一人っ子だぞ?」

「違う、そうじゃない」

 

 大真面目に答えるムゲンにハルカが姉に代わってすかさずツッコミを入れた。

 

「気のせいかな? なんだかね、パーツが欠けているような」

「カナねえの言う通り、確かに違和感がある気がする」

 

 カナタとハルカは二人でムゲンのことをもう一度よく見返してみる。

 適当に切り揃えられた灰色の髪、狼のような鋭い金色の双眸に整ってはいるが剣呑な雰囲気の顔立ち。これでも出会った頃に比べると随分と穏やかになったものだ。

 長身の引き締まった肉体も手伝って、相変わらず初見の人間ならば恐怖で竦んでしまいそうな男である。

 

「急になに言い出すんだお前ら。別に俺はいつもと一緒だって……ぇ?」

「「あ……」」

 

 息の合った動きで揃って首を傾げる不思議なカナタたちに苦笑しながら、ムゲンはおもむろに片手で眼鏡の位置を直そうとして――盛大に空振りした。

 そこで初めて、三人はやっと足りない何かを思い出した。

 

「ぬぅううわぁああああああ! メガネがなぁあああああい!?」

 

 本来ムゲンにあるべきパーツの一つ、スクエアフレームのメガネがないことに気付いた三人。特にカナタたちにプレゼントしてもらった大切な品を紛失してしまったムゲンのショックは尋常ではなく、飢えた獣の遠吠えのような絶叫を上げた。

 周りにいた他の生徒たちはムゲンの鬼気迫る叫び声に驚いて、蜘蛛の子を散らすように昇降口周辺から居なくなってしまう始末だ。

 

「全然気が付かなかった。ムゲン、いつからか分かるか?」

「そうだ……あの時だ! せんっ……グレイフェイスと殴り合いになった日!」

「ちょっと待って、それ何日前のお話かな?」

「風呂とか、寝る時に気付くだろ?」

「仕方ねえだろ、それどころじゃなかったし。俺、視力自体は超良いんだから! 思い出したぁ! あそこにいたジャージの姉ちゃんに預けてそのままだわ!!」

 

 奇跡的にメガネの行方を思いだすことに成功したムゲンにカナタとハルカも流石にちょっと呆れていた。

 

「ムゲン、それはないぞ」

「手渡された人もすっごく困ってるよそれ」

「……どうすりゃいいと思う?」

「「その人を捜すしかないと思う。謝罪のためにも!」」

 

 メタローと戦っている時でさえしないようなうろたえた様子で顔を曇らせるムゲンに二人は声を揃えて常識的な回答を告げた。

 気を取り直して、三人はムゲンがメガネを預けたという名前も知らないジャージの女性を捜すプランをじっくり考えるためにも今日はバイトのシフトは入ってはいないがまずはカフェ・メリッサへ向かうことにした。

 すると校門の前では赤いスカジャンを着た他校の生徒と思わしき少女が三人を待ち構えていた。

 

「よおっ! やっと見つけたよ、アンタ」

「おお!? マジかよ、こんな運が良いことあるのか!」

 

「ムゲン知り合いなの?」

「あの、制服……いろいろ弄ってるけど、竜胆女学院のだよな」

「うちの学園とも深い交流してるあの女子高?」

 

 腰まで伸びた漆のような艶のある黒髪を風に躍らせて、二カっと笑う女子生徒は奇跡的なことにムゲンが先日、工事現場で偶然助けたその少女・忍野だった。

 預かったメガネを得意げに片手で掲げる忍野にムゲンは大喜びで駆けよって、深々と頭を下げてお礼を伝える。

 

「ありがとうございます。本当なら俺の方から会いに行かなきゃならないのに、無礼ばかりですみませんでした」

「気にしてないさ。あと、タメ口でいいよ。たぶん同い年だろ? それよか、アンタの名前ぐらい聞きたいねえ。ちなみにウチはユノって言うんだ。忍野ユノ」

「そういうことなら。双連寺ムゲンだ。ホント、助かったよ?」

 

 

 軽く自己紹介を交えながらムゲンがメガネを受け取ろうとすると、どういうわけかユノはその手をひょいっと後ろに下げてしまった。

 意図が呑み込めずに頭に?を浮かべるにムゲンにユノは小さく咳払いをして、心なしか顔を上気させながら、意を決したような面持ちで言葉を投げかけた。

 

「ウチはこのメガネ一つ手掛かりに、名前も知らないアンタの居場所を数日かけて、必死に探しまわった。アンタがあの時に大切なものだって言ってたからね」

「恐縮です。でっかい借りが出来たよ」

 

 何か念を押すような言い回しをしながらムゲンの目を見て話すユノは彼が人の話をおざなりに聞くようなタイプの男でないと確認して、やっとメガネを手渡した。

 

「あちこち駆け回ってウチはこうしてアンタに辿りついた。これでウチのアンタへの熱意は本物だってことは信じてくれるよね?」

「もちろん。この恩は忘れないさ。ちゃんとしっかりとお礼を返させてくれ」

「よしっ。じゃ、じゃあ……いまからウチが言うことをひやかしだなんて思わずに聞いてくれるか!?」

「お、おう」

((え? えっ?))

 

 ムゲンの真摯な態度に気を良くしたユノは声のトーンをハネ上げさせながら、ぐいっと顔をムゲンに近づけて、真剣な眼差しを向けて言った。

 戸惑うムゲンの傍らでカナタとハルカは突然過ぎる展開といまこの場に漂う、甘酸っぱい感じの空気を瞬時に察して、戦々恐々としながら事の成り行きを見守った。

 

 

「アンタ、ウチの男になりな」

 

 日が暮れかかる五月の少し冷たい風に背中を押されて、ユノは言葉短くムゲンに向けて思いの丈の全てをぶつける愛の告白を決めてみせた。

 

((なにぃぃぃぃぃ!?))

 

 天風姉弟に電流走る。

 声こそ出さなかったものの、カナタとハルカは目の前の光景に信じられないといった様子で驚いた。ムゲンが見ず知らずの女子生徒に告白されるなんて、下手したらスパイダーメタローに初めて遭遇したあの日よりも驚くべき事態である。

 

「……それは本当に俺じゃなきゃ駄目なもんかい?」

「だめ。ムゲン……ムーさんじゃなきゃダメだ」

 

 自分のすぐ後ろでカナタたちが無声映画のように声を出さずにあたふたしているのを知ってか知らずか、しばらく黙り込んでいたムゲンは緊張から解放されて小刻みに息継ぎを繰り返していたユノの少し潤んだ紅い瞳をじっとみて、覚悟を問うような強張った声で尋ねた。

 

((ムーさん……だと!?))

 

 ムゲンの問いにユノはきっぱりと自分の意思を示した。

 さりげなく、自分だけの愛称でムゲンを呼んでいることをハルカたちは見逃さなかった。

 他人の行動にかつてないほど動揺しながら、二人は渦中の人であるムゲンがどんな返答をするのかと目を見開いて彼の方を見た。

 

「分かった。不束者だけど、俺でよければ好きにしてくれ」

 

 即答である。

 ぺこりと小さく頭を下げて、ムゲンはあっさりと数分前に名前を知った程度の関係であるユノの告白をあっさりと了承してしまったのだ。

 

「「ムゲェエエエエエエン!?」」

「おわっ!? ビックリした。急にどうしたよ、二人とも?」

 

 傍から見たら無計画無思慮にもほどがある対応にカナタとハルカは即座に鬼の形相で詰め寄り、ムゲンは別人みたいな二人の姿に目を丸くして驚いた。

 

「いやいやいや! そっくりそのままムゲンに返すよその言葉!」

「そんな簡単に決めていい案件じゃないだろ。そっちの忍野さんだっけ? その人もこんな即答じゃ逆に不安にさせ……」

「うおっしゃあああああ! やったぁあああ! アーちゃん、見てたいまの? ウチ、やったわ!」 

 

 ハルカたちの憂いを明後日の方向へと蹴り飛ばすようにムゲンの返事に満足したユノはご機嫌なテンションでガッツポーズを決めながら元気に飛び跳ねていた。

 そして、校門の方へと指を指しながら上機嫌で声をかけると、門の陰からブレザータイプの竜胆女学院の制服を着たプラチナブロンドの髪をした大和撫子然とした女子生徒がこちらも心底呆れた様子で姿を現した。

 

「オッシー、ごめん。アサギさんは押し寄せる情報量に頭が沸騰しそうです。ってか、あんたら本当にそれで良いんですか!? 小学生でもこんな雑な成立の仕方ないですよ!」

「細かいこと気にすんなって! お互いが納得してればOKだろ、なあムーさん!」 

「ユノさんの友達? 正直、出会って五分もせずに決まった間柄だ。彼女を心配するのはもっともなことだと思うけど、どうか安心して欲しい。俺も友達は大切だ……だから、ユノさんやその仲間を悲しませるような不義理は絶対にしない、約束する」

「え……あ、はい」

 

 アーちゃんと呼ばれる女子生徒はハルカに負けず劣らずなツッコミスキルで暴走特急状態のユノに待ったをかけようとするが横から話に割り込んできたムゲンの怖い顔から繰り出される謎の壮烈な空気っぽいものが感じる先生に流されるように頷いてしまった。

 

「よっしゃ、記念にとりあえずどっか遊びにいってくるわ! ムーさん、付き合ってくれるよな?」

「当然だ。どこまでだって一緒にいくよ」

「あは! 気持ちの良いこと言ってくれるじゃん! そうゆことだからアーちゃん、付き添いありがとな! バーイ!」

 

 友人を納得させたユノはおそらく体が感じるがままなノリでそんなことを言い出すと、ムゲンを従えて颯爽と駆け出した。

 

「ムゲン! お前だけでもちょっと落ち着いて考えろって! 絶対に可笑しなことになるから」

「心配すんな、ハルカ。俺は大丈夫、それにお前らやクーさんたちにも迷惑はかけないから。任せとけ!」

「もうすでに任せられないからぁ! 待ちなさいバカムゲン!」

 

 言いたいことだけ言い尽すと、ムゲンはムゲンで謎の自信満々な様子でハルカやカナタの制止も聞かずにユノの後を追って走り出してしまった。

 まるで焚火にニトロでもぶち込んだようなハイテンションで無鉄砲なムゲンは初めてで普段ならば何なく制御できるはずのカナタたちにも手に負えない状態だった。

 二人がまさかのまさかでムゲンの方も本当に恋は盲目とばかりに舞い上がっているのかと疑い出した時だった。

 

「……まさか、シスター以外の人間相手に身売りする日が来るとはなぁ」

((うん……?))

 

 あっという間に見えなくなってしまったユノとムゲン。

 けれど、去り際にムゲンの口からポツリと聞こえた消えそうな声。その呟きを聞き逃さなかったカナタたちは静かに素早く、脳細胞をフルスロットルにしてこの超展開の連続ばかりな騒動に隠された真相について一つの推理を始めていた。

 

 

 

 

 

 

 その頃、城南学園から飛び出したユノとムゲンはお互いに俊足の持ち主だったことも幸いして、あっという間に繁華街の一角についていた。

 賑やかな人だかりに混じっていることもあって二人は歩調を緩めて、ぽつぽつ自分のことを話しながら適当にぶらついていた。しかも、ユノの希望でちゃっかり手は握っている。

 

「へー、ムーさん喫茶店でバイトしてるんだ。今度寄ってみてもいい?」

「いいけど、俺はキッチン担当で奥に引っ込んでるから出会って話したりはできないぞ?」

「そっかぁ、残念。でもムーさん料理出来るんだね、スゴイじゃん」

「ユノさんは驚かないか。大抵の人はこれ話すとマナーの悪い客を料理する係?って聞かれるんだけどな」

「あっはは! 一昔前のホラー映画じゃん! おススメのメニューにハンバーグとかあったら、覚悟しなきゃだ」

「その前に、店長がキャラ濃いからそっちに気をつけた方がいいな。詳しくはお楽しみってことで」

「やばい。超いってみたいわ、ムーさんのバイト先」

 

 黙っていれば凛々しい顔立ちをほころばせ、愉快に笑うユノにムゲンもつられて静かに笑い、思った以上に二人の仲は悪くない感じだった。

 クーとも少し違う、他人と壁を作らない大雑把だが不快感を感じさせない人懐っこさを持つユノの人柄も手伝って、彼女とムゲンはあっという間に打ち解けたように見える。

 

 先程から、好きな物や休日の過ごし方などユノの方から話のネタはどんどん投げ込まれていったので沈黙とは無縁だった二人の間にほんの少しの無音が流れて、自然と繋ぎ合った二人の手に力が入る。

 

「あ……っ」

「……ん」

 

 殆ど同じタイミングで行われたそれに気恥ずかしくなったのかユノとムゲンは揃って自分たちの体温が上がるのを感じながら、そっぽを向けあってしまった。

 傍から見れば甘酸っぱくお可愛いアオハルな光景である。

 

 いまユノとムゲンの胸の奥では声にならない万感の思いで溢れていた。

 想いのままに勢い任せに飛び込んだユノとそれを当たり前のように受け止めたムゲン。ベストマッチな二人は寸分違わないタイミングで心を埋め尽くす自分たちだけの特別な想いに耽る。

 

(まさか本当に彼氏ができる日が来るなんて!)

(まさか本当に舎弟になる日が来るなんて……)

 

 アンジャッシュ――!

 まさかの圧倒的勘違い。空前絶後の残念なすれ違い通信ここにありである。

 この二人、実のところベストマッチなカップルどころか、告白が行われた時点で致命的な認識の食い違いを起こしたままそれに気付くことなくこんなところまで大暴走をしているだけなのだ。こうなった主な原因はムゲンにあるのだが――。

 

(この姉ちゃん、しれっとメリッサにまで押しかけるつもりかよ? やるな。流石はヤンキーのヘッドだ。木刀に鉄芯なんて仕込んでる奴はそれなりのレベルってことか……だがな、俺にはそんな魂胆お見通しだぜ)

 

 残念ながら、この男まるでお見通し出来ていない。

 双連寺ムゲン。彼女いない歴=年齢。は言うに及ばず、小学五年生から中学卒業まで喧嘩尽くしの灰色の青春を過ごした彼は恋愛のイロハや恋心の欠片も知らない恋愛クソ雑魚ライダーの称号を送られても可笑しくないポンコツであった。

 更に間が悪ことに初めて出会った時の状況からムゲンはユノのことを恋する乙女ではなく、女子高を統べる腕に覚えのあるヤンキーのヘッドと思い込んでいる始末だ。

 

(俺を下僕に従えたつもりみたいだがそれ以上好き勝手させねえぜ? メガネの借りを返したら、カナタやハルカたちに厄介事が降りかかる前に意地でも縁切りしてやるからな。それまでは鉄砲玉でもなんでも使われてやるよ。それにしても……)

 

 そのため、ユノ一世一代の愛の告白をムゲンは彼女にとっての都合の良い舎弟か下僕になれよ的な宣言と勝手に解釈したまま、誤解が誤解を呼びまくり、いまのような状況に至るのだ。

 加えて、ムゲンはカナタたちに危害が及ばないようにすごく意気込んでいる。どこまでも面倒臭い状況である。厄介なことにこの二人の関係性を拗れさせる大きな要因がもう一つあった。

 

(なんて、綺麗な髪してやがるんだ……悔しい、見惚れちまうッ!)

 

 この男、ご存知のように重篤な髪フェチである。

 なんて運命の悪戯なのか、忍野ユノはそんなムゲンのよく訓練された髪への鑑識眼を感嘆させるような見事な黒髪の持ち主だった。

 正直、ムゲンの本心とは裏腹なここに至るまでの色ボケしたような浮ついたリアクションの殆どがユノの黒髪に魅了されて、思考回路がバグを起こしていたといっても過言ではない。

 

「ちょっと小腹空いたし、落ち着けるとこ行こうよ。ムーさんはどっかリクエストある?」

「ユノさんが食べたいところでいいよ」

「ホントか? 気ぃ使って無理してるとかはダメだからな?」

「全然。むしろ、ユノさんのこともっと知りたいから。ユノさんの好きなところがいいな」

「……ずるいぞ、それ」

 

 彼氏面した残念な髪フェチのポンコツが不意に口喋った天然たらしワードが思わずクリーンヒットしてしまったユノは顔を真っ赤にしながら、嬉しさを隠しきれずに衝動的にムゲンの胸に顔を埋めた。

 

(クッ……何のそぶりも見せずに懐に入り込まれた!? やべー女だ。刃物でも突きたてられていたらと思うと背筋が凍るぜ)

 

 違う。そうじゃない。

 

「ムーさん、そういうの嬉しいよ。嬉しいけど……二人っきりの時以外は禁止な?」

「あ、ああ。調子に乗りすぎた……ごめん」

「や、でも。ウチとムーさんの二人だけのときは、たくさん言ってもいいからな」

(ヒャッホォォォウ! いま! いまの黒髪のたなびく動き……最高だぜ! も一回見てえな、風吹かないかなぁ風ッ!)

 

 上目遣いではにかんで、ユノは胸と頬を焦がす熱の心地良さに満足そうにムゲンに伝えた。普通ならあまりの糖度にブラックコーヒーがダース単位で必要な場面かもしれない。だが、この場に限りそれらは無力だ。なにせ、この二人の間に発生しているのは甘い空間ではなく、名状し難い混沌だ。  

 

(それにしても二人だけの時はたくさん逝け? オイオイ、俺のことを人間サンドバッグにでもして、拷問カーニバルでも開催する気かよ。とんだサディストの化身だな……俺の心までは好きに出来ると思うなよ!)

 

 なにを囚われのヒロインが言うようなセリフを脳内でのたまっているんだと言いたくなるようなムゲンと、そんな裏事情など露知らず惚気まくっているユノの凸凹コンビはお互いの誤解に気付かないまま、賑わう繁華街の喧騒に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 時間を少し巻き戻そう。

 ユノとムゲンが唐突に走り去って行った城南学園の校門に取り残された三人。

 カナタとハルカ、そして――。

 

「あの、初めまして。桜庭アサギって言います。この度はうちのオッシーが本当、なんかすみません」

 

 すでにくたびれた様子でアサギと名乗った少女は居辛そうに自分と同じように置いてけぼりにさえたカナタたちに一応の流れで謝った。

 

「気にしないで。オレたちの方こそ、ムゲンが予想してなかった行動したもんだから面食らって引き留められなかったし」

「それよりも、あの忍野さんってどういう人か教えてもらってもいいかな?」

「オッシーは悪い子じゃないんですよ、世話好きで学校じゃみんなに慕われてますし。ちょっと大雑把で勢い任せ過ぎるところがあるだけで、今回も一目惚れしたからさっきの彼の居場所を探し出して、どれくらいマジなのか教えて告るって突っ走っちゃいまして、ええ本当に小学生男子でもやらないようなゴリ押しで」

「うん。その理屈はおかしい」

 

 軽くアサギから忍野ユノという少女の人となりを聞かされた二人は内心、本当にノリ任せなゴリ押しめいた先程の告白を思い返して冷や汗を浮かべた。

 

「これからどうしましょう? あの二人、どっかでクールダウンさせないと絶対に人間関係の脱線事故起こしそうな予感しかしないんですが? 友人としてはオッシーの想いが実ったこと自体は嬉しいんですけどね」

「うーん……それがね、アサギさん。私たちのムゲンなんですが、どうも変な勘違いしている可能性がありまして」

「去り際に呟いていた言葉から察すると、ムゲンはあの子の告白を恋愛的な意味じゃなくて……悲しいことに子分になれ的な解釈をしていると思われ――いや、思ってる!」

 

 僅かなヒントだけでいまは遠く離れているムゲンの呆れた勘違いをほぼ完全に予想していたカナタとハルカ。流石のムゲンへの理解力を発揮していた二人はその憶測をそのままアサギにも教えた。

 

「うっそでしょ!? い、いや……青春真っ盛りの高校生ですよ、私ら? 流石にムゲンさんでしたっけ? あの人もそこはちゃんと異性に告白されたって認識はするでしょう?」

「ムゲンが私とハルくん以外の人間をそう易々と好きになるわけないじゃないですか!」

「すみませんがオレたちのムゲンをその辺の下半身の緩い男と同じと思わないでくれないか!」

「なにこの揺るぎない自信、こわい」

 

 当然のようにそのありえないすれ違いを苦笑して否定するアサギに二人はくわっと目を見開き揃って彼女を睨みつけながら、ここぞとばかりに自分たちとムゲンの友情を全力で示した。

 二人の尋常ではない迫真の後方保護者面アピールにアサギは子羊のように震えながら消えそうな声でツッコムが二人の説を信じる以外の選択肢は残っていなかった。

 

「とにかく、まずはあの二人を追いかけよう。もしも誤解が分かって最悪、刃傷沙汰にでも発展したら大変だからね」

「ムゲンならブルドーザーで轢かれるでもしなきゃ大丈夫だとして、問題は二人をどうやって見つけるかだな。あの感じだと携帯で連絡してもたぶん誤魔化されるだろうし」

「おたくの友達、ちゃんと人類ですか? じゃなくて! 居場所なら私が分かりますよ!」

「本当ですか?」

「しょっちゅう振り回されるのでGPSで追跡できるようにこっそり、オッシーのスマホの設定弄ってあるので!」

「……アサギさんも苦労されてるんですね」

「はい」

 

 今回、完全に貧乏くじを引かされたカナタとハルカは同じくユノに日頃から振り回されている模様のアサギと共に駆け足でムゲン達のいる場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 その頃、ユノとムゲンの凸凹カップル(偽)はユノのお気に入りである和の趣が心を落ち着かせる店構えをした老舗の商店街の近くにあるとある甘味処にいた。

 

「いいとこだな」

「そうだろ? ファミレスとかも賑やかで好きなんだけどさ。こう、まったりできる和やかな空気がクセになるのさ」

「きびだんごと黒みつ抹茶パフェおまちどうさま。ユノちゃん、こっちの恰好良い人どうしたの、彼氏さん?」

「あは、秘密ですよ。いただきまーす」

「はい。ごゆっくり」

 

 注文した甘味を持ってきた店員と親しげに会話を交えながらユノはしっかり手を合わせて、グラスに盛られたパフェをパクつき始めた。

 

「ムーさんも食べなよ。ここは何でも美味いからさ。子供の頃から通ってるウチが保証する!」

「そりゃ楽しみだ。いただきますっ」

 

 彼女の動作が大きいため、席に座ってからも穢れを知らぬ絹のように滑らかな長い黒髪が舞踊でも披露しているようにサラサラと揺れ動いており、ムゲンはユノの言葉通り文句なく美味しいきびだんごに舌鼓を打ちながら、食い入るように目の前の絶景を眼福と堪能していた。

 

(はぁ……暖色の照明に照らされる黒髪ってのも良いよな。借りを返すだけ仕事した後に一房ぐらい切って分けてもらってもバチは当たら……ダメだ。いくら綺麗だからって髪だけ切って手に入れるなんて、そんなもん下着泥棒と一緒だろうが。髪ってのはその人と共にあるからこそ輝くんだろうに、いくら良すぎる髪をお目にかかれたからって初心を忘れるな。いくらなんでも女性に対して失礼すぎる、恥を知れ)

 

 心配しなくてもこの男は絶賛恥をかき続けている。

 現在進行形でもっと初歩的なベクトルで失礼なことをしていることをこの男は気付いていない。

 

「あ、あのさムーさん……そんなに見られると食べ辛いんだけど、その」

「え? おおぅ、ごめん。その、思わず(髪に)見惚れてて。堪え性のない男で悪い」

 

 いつの間にかユノの黒髪を観察する余り、熱い眼差しを向けていると勘違いされて彼女からこそばゆそうに苦言を呈されてしまった。

 慌てて謝るムゲンだが、ここぞとばかりにわざとではないかと勘繰りたくなるような言葉をチョイスして更にユノを悶えさせていることをムゲンは露とも知らない。

 

「ふぁい!? いや、べ……別にそういうことならいいよ! 全然むしろもっと見ておくれよ」

「……本当?」

「本当!(マジかよ! ウチってば、自覚なかっただけでもしや美少女なのでは? おいおい、自分のスペックに末恐ろしさを感じるじゃん。それよか……)」

 

 一方で、ユノのほうも残念な髪フェチポンコツ野郎に振り回される悲劇の少女と言うとそうでもなく、彼女は彼女で負けず劣らずな認識のすれ違いと根本的な問題が浮き彫りになり始めていた。

 

(やっべー。この後のこと全然考えてなかったじゃん。というか、ついノリと勢いにムーさんが褒め上手なのも手伝ってこんなところまで来ちゃったけど、告白してからのことこれっぽっちも考えたこと無かったわ。恋人って何するんだ? 二人で稽古とか?)

 

 そう、何を隠そうこの恋する少女・忍野ユイ。

 告白することばかりに意識を向ける余り、実は今に至るまで告白してからどうするかを一切考えずにノープランでここまで来ていたのだ。

 運と偶然に助けられたとはいえ今までの糖分過多な甘酸っぱいイベントも全てがノリと勢いの賜物である。その向う見ずな思い切りが良すぎる生き様はまるで止ることを知らないマグロのような爆走精神である。

 

(軽く甘いもん食って解散ってのは流石に不味いよな。家に連れて行って、晩飯でもごちそうするか、一人暮らしで自炊してるって言ってたし……いや、絶対に家が大騒ぎするし、姉ちゃんあたりがからかってくる)

 

 スプーンをくわえながら、全く白紙のこの後のことを考えだしたユノの対面で無言になった彼女の動きにムゲンもまた眼光を鋭くさせて思考を巡らせる。

 

(腹ごしらえさせたから、そろそろ来ると思っていたけどついに来たか……さあ、どこのどいつに俺をけし掛けたいんだ? お前の敵は誰だ? 暴走族かチンピラか……ヤクザ相手となると俺も無策じゃ少し不味いから、リスク回避の算段を練らないとな)

 

 当然ながら斜め上の誤方向である。

 全く以って見当違いの懸念だ。ここまで来ると鈍感を通り越してサイコパスめいた危うさすら感じるがこの男、実のところこうみえて特殊な半生を送ったことも手伝って本心では自己評価がかなり低い。そのため、自分が誰かに――ましてや異性に特別な好意を向けられると言う発想そのものが思い浮かばないと言うことに僅かばかり留意しておく必要がある。

 だからといって、この勘違いの方向性は世の女性からしたら論外であることは間違いないわけなのだが。

 そんなこんなでユノとムゲンがそれぞれ思惑をあらぬ方向へと迷走させ合っていると店の外が何やら騒がしくなっていた。

 

「なんだろ? ムーさんちょっと見て来ていい?」

「ああ。すみません、お会計お願いします」

 

 どうも只事ではない気配を感じてユノが店の外に出てみると、そこには一人の着物姿の年配のご婦人が倒れていた。

 

「婆ちゃん、どうしたの! どっか痛いの!?」

「あ、あの人が後ろから急に私の鞄を……」

 

 老婦人がそう言って指差す方向にはフルフェイスのヘルメットで顔を隠したひったくり犯がロードバイクに乗って悠々と逃走している姿があった。

 

「あのメット野郎だね! この……ッ、ムーさん!?」

 

 お年寄りを狙った卑劣なやり口に怒りを覚えたユノがすぐさま後を追いかけようとした矢先、黒い影が猛スピードで彼女を横切った。それは二人の会計を済ませて、店内から外の状況を聞いていたムゲンだった。

 

「ユノさんは婆さんに救急車やら警察呼んでやってくれ! こっちは任せろ!」

「頼んだ!」

 

 波長の合ったやり取りでお互いにやるべきことを分担する二人。

 任されたムゲンは商店街の人混みを無理やりに進んで逃げようとしているひったくりのロードバイクが本領のスピードを発揮できていないことを見立てると人で溢れる往来を避けて、思い切って商店街を形成する一軒の店舗の屋根によじ登るとパルクールよろしく、軒並ぶ店と店を器用に伝って一気にひったくり犯を追い抜いた。

 

「これで御用だ!」

 

 商店街の出口にひったくりが走って来るのを待ち構えて一気に飛びかかったムゲンの雪崩式のドロップキックの前にあえなく沈黙した。

 夕暮れの大捕物に商店街が騒ぎになる中で捕まえた犯人を駆けつけてきた近所の交番の駐在に押し付けたムゲンは足早にユノのところへと戻って来た。

 店の店員に老婦人を任せて自分を追いかけてきたユノに再会したムゲンは取り返した鞄を見せて、安堵の息を漏らした。

 

「逃げられなくて良かったよ。ユノさんがすぐに様子見に行ってくれたお陰だったな」

「流石! ウチの彼氏だぜ!」

 

 そして、彼氏(虚構)の勇姿に誇らしげなユノの口からついに問題の一言が飛び出してしまい。魔法の時間が途切れて終わってしまうように、二人の間で大迷走を続けていた拗れた誤解が明らかになってしまった。

 

「ん!? 舎弟じゃないのか、俺!?」

「は……?」

「え?」

 

 お互いの口から思いもよらない言葉が飛び出したことに流石に何かがおかしいと気付いた二人は怪訝な顔をして両者ともに相手を見合った。

 

「「「遅かったか……」」」

 

 聞き慣れた三色の声に二人が振り返るとそこにはカナタ、ハルカ、アサギの三人が背の順できれいに並んで物陰からじっとこちらを見ている不思議な光景が広がっていた。

 

「アーちゃん!?」

「お前らなんでいるんだい!? 頼む、俺なんか勘違いしてるみたいなんだけど、分かる人いたら教えてくれ!」

「残念だよ、ムゲン」

「いまのオレたちはあまりに無力だ」

「オッシー……運命と向き合う覚悟、ある?」

 

 ここにきてやっと自分が何かしらのよろしくない勘違いをしていると気付いて、慌てるムゲンを余所に手遅れを悟った三人は何故か意味深に二人のことをじっと見つめる姿勢を止めずに疲れ果てた口調で力なく呟いた。

 

「なに変なこと言い出してんのアーちゃん?」

「なんでもいいから、そこで意味深に覗き見してないでこっち来いよ」

 

 これから残酷な世界とお恥ずかしい自分と向き合うことになるとは思ってもないユノとムゲンはそんな三人と面白い生物でも見るような不思議そうな視線で眺めていた。自分たちの方が第三者から見たら遥かに面白い生物だとは微塵も思わずに。

 

 

 

 

 

 

 運命の刻、来る。

 などと、大袈裟に言うことではないが人気の少ない場所へと連れてこられたユノとムゲンはそこでカナタたち三人から両者の勘違いと認識のすれ違いについての説明を聞かされた。

 

「すると……ユノさんの告白ってのはその、服従命令とかじゃなくて、あの、恋愛的な……巷で有名なLOVE的な告白だったってこと?」

「そうだよ。というか、普通はそうとしか考えないだろう。ごめんムゲン、ひくわー」

「ごめんなさい、忍野さん。こういうわけだから、お詫びに今回はムゲンのことをボッコボコにしても構わないから、一連の騒動は穏便に収めてくれないかな?」

 

 一言一句丁寧に自分の誤解とユノの真意を説明されたムゲンは自分の無礼な考えの数々と恥だらけの煩悩を後悔するあまり、燃え尽きたように真っ白になって立ち尽くしていた。

 そんなムゲンに代わって平謝りな天風姉弟から、全ての食い違いを聞かされたユノもまたしばし無言で立ち尽くしていた。

 

「オッシー。釈然としないかもだけど、オッシーもちょっとせっかち過ぎたのも原因だからね?」

「なら、仕切り直しってことでもいいんだよな」

 

 黙りっぱなしの友達を心配するアサギのなだめるような言葉を遮って、ユノは沈黙を破る。

 

「ムーさん。いま答えを聞かせてくれなくても良い。けど……やっぱりウチは今日と言うこの日に自分の想いを伝えたい。だから、もう一度だけ言うよ?」

「は……はい!」

 

 漆のような黒く長い髪を風に流しながら、凛々しい眼差しを微かに熱で潤ませて、ユノは真っ直ぐにムゲンの金色の眼を見つめて、後に続く言葉を紡いだ。

 

「最初は単純に顔に惚れた一目惚れだった。けど、今日ちゃんとムーさんって男と一緒にいてみて確信した。やっぱウチ、ムーさんのこと好きだわ!」

「…………え」

 

 気持ちよさそうに頬を紅潮させながら、彼女は満面の笑みでためらいなく言い切った。

 とても爽やかでさっぱりした笑顔だった。

 

「ま、そもそもウチは男女関係なく面白いやつは大好きだからね! それに……なんだかんだで他人を放っておけないお人好しでちょっと抜けてるとこが気に入ったよ」

 

 そう言いたいことだけ言い終えるとユノは赤いスカジャンとムゲンお墨付きの見事な黒髪を翻して、颯爽と背を向けて歩き始めた。

 

「またそのうち遊びにくるよ。そのときは今度こそ、ウチに惚れさせてやるから覚悟しな! ハハッ、なんてね。じゃあな!」

 

 眩しい笑顔を見せて嵐のような少女、忍野ユイは三人の前から去っていった。

 一方で、そんなユノの純真で情熱的な告白を改めて受け取ったムゲンはと言うと。

 

「…………うっそでしょ」

 

 顔はおろか全身指の先まで一瞬で真っ赤になったかと思うと、ぼそりとそう言い残してオーバーヒートを起こして、その場にぶっ倒れて完全に気を失った。双連寺ムゲンの生まれて初めての手も足も出ない完全敗北の瞬間である。

 

「ちょっおおっと! ムゲェェェェェェン!?」

「やばい。めっちゃ熱いよ、カナねえ。知恵熱かな?」

「……この子、こんなにポンコツだったけ?」

 

 この後、カナタとハルカにとりあえずカフェ・メリッサに担ぎ込まれて目が覚めるとこっぴどく叱られたのは言うまでも無い。

 それから、女心や色恋沙汰を少しは学べと少女漫画や恋愛小説をナギコ経由で大量に渡されたとかいないとか、真相は定かではない。

 

 

 

 

 

 

 ムゲンたちと別れたユノとアサギの二人は自分たちの自宅がある方角に向けて、すっかり日が落ちた静かな路地を歩いていた。

 

「いやー……まっさか、こんなことになるとはねえ。我ながら傑作だよ!」

「なんでもそうやって楽しめるのはオッシーのすごいとこですね。アサギさんはとても、とても疲れましたけど」

「ごめんって。ちゃんと埋め合わせはするから機嫌直しておくれよ、アーちゃん」

「約束ですからね」

 

「もち! でも、まさかひったくりとっ捕まえることになるとは思わなかったよ。あのメット野郎、よりにもよってフルフェイスのメットなんて被りやがって情けないったら」

「ヘルメットおじさんに何か思い出でもありましたっけ?」

「あ……やっぱ、アーちゃんも忘れてるか。ってか、ウチだけが覚えてるの間違いか?」

「何のことです?」

「なんでもないよ、忘れてくれ。ちょっと、会えたら礼を言いたい人がいるんだけどなって話し。大したことじゃないよ」

 

 そう言ったきり、ユノは口をつぐんで何も言わなかった。

 自分たちが暮らすこの街の、もしかしたら世界の平和を守るために戦ってくれている仮面の者の存在と、そんな彼に出会えたならみんなを代表して覚えている自分がお礼の一つも言わなくてはと考えているだなんて、声にするには憚られる。

 なんせ奇妙な風が吹く度にまるで時間が巻き戻ったかのように何もかもが綺麗さっぱりそんな出来事は最初から無かったことになっていて、みんなの記憶も白紙にされているのだから。

 

 傷ついた世界を癒す修正の力を秘めた光る風。

 その風の中で、彼女は何故か全てを覚えていた。

 この秘密をまだ誰も知らない。

 

 

 この続きはまたいずれ。

 此度はここまでと致しましょう。

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。
次回からはまた通常運転に戻るはずです(汗)

今回から本格参戦の竜胆女学院コンビ、見た目的な元ネタは分かる人には分かるかと思いますが某ぐだぐだな二人組です。誰だか分かるかな?(白目)

ところで作者の活動報告に本編とは別に作品や各キャラクターの裏設定とかちょっとした番外編みたいな小話を投稿して見ようか悩んでいるのですが、需要ってありますでしょうか?

これからもよろしくお願いします!
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