もう1人の主人公 作:カステラ
・こちらは喫茶ステラと死神の蝶の二次創作です。
・オリ主やオリジナル要素を含みますので苦手な方は御遠慮下さい
・所々にライダーネタや、べつのネタが入ってる事もあります
・wwwwwwやネット等の用語も入っています
・作者が誤字ってることもあるかもしれませんがご了承ください
・作者の妄想が元となっておりますのでそこもよろしくお願いします
以上の点を踏まえた上で、大丈夫です。平気だよって方は進んでもらっても大丈夫です。それでは不定期更新ですがよろしくお願いしますm(*_ _)m
「おいこら、起きろ。何時までも寝てないで起きろ!」
「うーん……別にいいでしょ……」
「ったく、急に仕事辞めたと思ったらぐーたらして……。別にいいけど、取り敢えず飯作り終わるまで起きてくれよ」
「うぃー……」
はぁ〜。どうしてこうなったんかなぁ。ある日、様子見に来たら仕事辞めてぐーたらしてるからこうなってる訳だが……、ま。あの時の貸しもあるから仕方ないのかもしれんが……。
俺、有村レイジは一昨日の大学に入る少し前、交通事故に巻き込まれた。巻き込まれたって言うか俺が事故に突っ込んだって言う方が合ってるかな?
大学の為に一人暮しの部屋を知り合いの伝で借りてもらい日用品を買いに行ってた。その帰りに突っ込んでくる車に気が付いていない女の子が居たのだ。俺は咄嗟にその子を突き飛ばして代わりに轢かれたって事だ。
そしてこの部屋は汐山涼音の部屋。俺の元バイト先のプロのパティシエ。俺は元々スイーツとか甘い物が好きだったからケーキ屋にバイトで入ったんだが……入院中、かなり面倒見てくれたんだ。親は……海外だし、重要な仕事だからって見舞いにも来てくれなかった。だからか、寂しさも涼音さんのお陰で吹き飛んでた。だから、まぁ、その恩返しで再就職するまで面倒を見てる。
「おーい、涼音さん。飯だぞ〜」
「……」
「はぁ……まだ寝てるのかよ。ま、いいや。俺は大学行くから早く起きて食べてくれよ?また講義終わったら来るからな。んじゃ、行ってくる」
返事は無く布団の中から手だけが出てきてこっちにいってらっしゃいって感じで手を振ってくれた後、また直ぐに布団の中の闇に消えていった。
大学に着くと見覚えのある顔を2つ見つけたので声を掛ける。
「おっす。2人とも、おはようさん」
「おう。おはよう、レイジ」
「おはよう」
俺に最初に返事してくれたのが汐山宏人。涼音さんの弟、大学で仲良くなった友達の1人だ。本人曰く、涼音さんが苦手らしい。俺的には、あれは小動物だと思ってるからなぁ……。
もう1人は高嶺昂晴。中学からの友人で同じマンションに住んでる。まあ、毎朝幼馴染に起こされてるらしいが……。
「いや〜もう秋かぁ……クリスマスまであと3ヶ月ぐらいだが2人は彼女の1人や2人、出来ないのか?」
「出来たら今頃野郎共と一緒に居ねぇよ……」
「そう言うお前だって居ないだろ」
「そうだけどさぁ……まあ宏人は……うん。頑張れ。最悪、涼音さんとでも過ごせ」
「なんでクリスマスに姉貴と過ごさなきゃいけねぇんだよ!」
「別にいいじゃん……。で、だ。昂晴は気になる人とか居ねぇのか?」
「いねぇよ……まあ居たとしても教えねぇけど」
「つまんねぇなぁ……。さて、俺は別の講義だから行くわ……。お前らも頑張れよ。特に、宏人は単位落とすなよ?」
「わーってるよ。じゃあな」
「俺は多分平気だ。おう、またな」
3限目の講義中、あんまりこの講義は重要性無くて出席さえしてれば単位は取れる講義なのでぼーっとして何も無い所を見ていると……
ヒラヒラと青い蝶が飛んでるのが見えた。
これは俺が事故にあってから見える不思議現象。よく見るんだが、発生条件がわからん。最初は他の人にも見えてるかと思ったけど涼音さんに聞いたら笑われたから多分見えてない……。だって、涼音さんの周りに2.3匹飛んでたから。だが、お世話してると蝶が減ってたりする。帰って来たらまた3匹ぐらい居るんだが……。と、その時……蝶がこっちに向かって来てた。俺はそれに気が付かずボケっとしてた。
目の前に来てたのにビックリした瞬間、俺の視界は白に染まり意識も持ってかれた…………。
スマホが振動してるのが分かる。目が覚めて周りを見ると……俺の部屋だった。
「は?いや。何で?俺は、さっきまで大学に居たはず……」
慌ててスマホの日付を見てみる……。
そこには、9月28日。
つまり朝に戻った……。いや、戻されたって表現の方がいいのかな?あの蝶に……。
そして、俺はまた同じ一日を過ごした。だが、違和感を持っているのは見た感じ俺だけだった。
講義も一通り終わり俺は買物をしようと思いデパートに向かおうと思ったんだが……。
「………………」
「……(何故、猫が俺を凄い見てるんだ。訳が分からねぇ)」
知らない猫にめっちゃ観られてた。そして、猫が着いてこいとでも言うかのように背を向けた。どういう事だ……。
しばらく着いて行くと猫が止まった。そこは、薄暗い路地だが、こんな所になんかあるのか?
「ふーむ。お前、ココ最近。何か変な事は無かったか?」
「……は?」
声が聞こえた……。どう考えてもこの猫が喋ってるのか?なんかもう……慣れてきたなぁ……(遠い目)
「そうだな〜……。なんか知らねぇけど昼過ぎから朝に戻された。青い蝶を見てたらな」
「やはりか……」
……この猫。青い蝶に着いても何か知ってそうだな。よし、問い詰めよう!
「なぁ、あんた。青い蝶、そして2度目の今日の事について知ってるだろ?」
「ああ。貴様は物分りが良いようだ。だが、取り敢えず要件は済ませてもらうぞ」
猫がそういった瞬間、何かを感じた……。
「っ!!」
「なっ!?」
「えっ!?」
感じたものが何か分からねぇが取り敢えず横に飛んだと言うより飛び込んだ。
そして、感じたものの方を見たら鎌を持った女の子が立っていた。
「ちょ、おいおい……。なんの冗談だよ、殺す気かよ……」
「な、何故気配が分かったんだッ!?」
「ちょ、閣下ッ!普通の人には気が付かれないはずなのでは無いのですか!?」
「その筈だが……やはり彼はイレギュラーな存在か……。無理にやるのもさすがに不味いかもな……。対話にしよう」
「殺されかけた相手と呑気に話すと思ってんのか?」
場の空気が一気に緊張で固まる……。俺は、女の子をマジマジと見つめる……、はぁ。なんか、悪意感じないし多分俺を助ける為だったろうから話は聞くか。
「はぁ、悪い。急過ぎて色々、な」
「いや、こちらこそ説明もしないで申し訳ない」
「ですね。取り敢えず、ついてきて貰えますか?ここだと他に聴かれる可能性もあるので……」
「分かった」
俺は建物内に案内された。雰囲気的にオープン前のカフェかな?
「取り敢えず自己紹介だな。吾輩はケット・シーだ。簡単に言えば神のお使いだ」
「私は、明月栞那と言います。死神です」
「なるほど……死神と神の使いねぇ……」
これはあれか?俺だけ1度目の世界の記憶持ってるからそれを消しに来たって感じか?
「有村レイジ、確認だが。貴様は1度目の記憶を保持していて青い蝶が見えているのか?」
「ああ、一昨年の大学入学前に交通事故に合ってから見えるようにな」
「やっぱり……」
この反応、俺の事調べた感じか……。
「それで?俺はどうなるんだ?」
「待て。早まるでない。まだ貴様の説明が終わってないのだ。貴様は特異点と呼ばれる特殊な存在だ」
「特異点?」
「はい。過去や未来が変わっても、今ここに居る有村さんには影響を受けないんです。例え世界が巻き戻り過去に戻っても記憶は保持出来るし悪影響は受けないんです。それが特異点です」
「はぇ〜、俺がそんな存在ねぇ……」
おっかなびっくりだぜおい。
「それを踏まえた点でだ。有村レイジ、お前に頼みがあってな……と言ってもまだ彼も来てないし取り敢えず休んでもらって大丈夫だ」
「微妙な所で止めるな……、ま。いいけどさ」
彼って誰だ?世界を変えた本人かな?
「裏にあるバックヤードで休息でもとれ」
「分かったよ……あ。なんか掛けるものってあるか?」
「でしたら、私のマントでも使います?」
「……(女の子が使ってたマント……って想像すんな。だから童貞って涼音さんに弄られるんだ)借りてもいいか?」
「はい、どうぞ」
俺はマントを受け取りバックヤードにある休憩室に向かう。こういう所には付き物だから分かるさ。
俺は横になれる所を見つけてマントを完全に被って目を瞑る。すると、案外疲れてたのか意識は闇に沈んでいった……。
「……特異点ですか」
「ああ、前代未聞だ。どうやら神も少し、いやかなり驚いているらしい」
「原因はやっぱり入学前の……」
「かもしれん。だが、彼にはこの店を手伝って貰わなければ神に裁かれるかもしれん。だからこそ、絶対に協力してもらわなければな。それに、特異点ともなれば何かあってもおかしくないからな」
あれ……俺……あ。そっかぁ。疲れてて明月さんのマント借りて仮眠してたな。
起きた今だから分かるが……女の子特有のいい匂いがする……。あー!もうッ!煩悩退散!
ガバッとマントを取って体を起こす、そして人の気配がしたのでそちらを見ると。
下着姿の女の子が居た。
今まさに服を脱ぎ終わった後って感じだった。
俺は天国にでも召されたのかな?と思いつつも女の子を見つつ頭の中では
「(ふぅー!!!下着姿のおんにゃのこだ!!!!やべぇ!えっちぃ!)」
って思考になりつつそれを退散させ今すべき事を考える。
挨拶をする
二度寝する←
よし、二度寝して誤魔化そう。
「おやすみなさい( ˘ω˘ )」
もう一度、マントを被る。少しするとそのマントが剥ぎ取られた。
「や、やぁ」
「……おはよう。いい夢は見れた?」
「あー、うん。楽園は見えました(白目)」
「そっ。なら、その記憶と首どちらか差し出しなさい?」
どちらかを差し出す……わけねぇだろ!
「それ死ぬやつやん!!!それより、四季さんが確認しないのが悪い!」
「は?」
「あ、やべ」
地雷踏んだかも……?
「……まさか大胆な覗きだけじゃなくてストーカーだったなんて」
「え、ちょ。そんな訳ねぇじゃん!」
「……あ、もしもし警察ですか?今、ストーカーの男が「まじ勘弁してくれえぇぇ!!!」はぁ……、どうして貴方がワタシの名前を知ってるのかしら?」
「ん?あ、ああ。同じ大学だからな。一星で四季さんは『孤高の撃墜王』って呼ばれてるから有名だぞ」
「……そんなふうに言われてたのね」
四季ナツメ、同じ大学で確か結構講義被ってたはずだな。まさか、こんな形で喋る事になるとは……。
「それより、どうして無関係の貴方がここに居るのかしら?」
「ん?あれ?明月さん、言ってないのかな……」
「言ってない?それって……」
「あ、ナツメさん。すみません、休憩室に人が居ることを言うの忘れてました。すみません……。なんかありましたか?」
「……同年代の男の子に下着姿見られた。しかも、同じ大学の子に」
「あはは……それは本当にすみません。だから、有村さんの事は許してあげてください……」
「はぁ……まあいいわよ。これから事件が起きるからね」
「あれぇ!?通報じゃなくて抹殺されるんすか!?」
「鈍器より刃物の方が簡単かしら」
「ガチだっ!?」
「冗談よ。でも、あの姿は忘れてよ?」
「あー……うん。善処するよ」
「さて、話もまとまったと思うので1度場所を変えましょう。お2人にも重要な人が目を覚ましたので」
明月さんに言われるがまま俺達は店内に戻った。
「それでは、改めまして。明月栞那と申します。死神です」
「あー、高嶺昂晴です。2度目の世界を作った人です」
「なーんだ。作り替えたのって昂晴だったんだな」
「え?お2人は知り合いだったんですか?」
明月さんが驚いて聞いてくる。まぁ、無理も無いよなぁ……。世間って狭いなぁ。というか、昂晴も少しは話聞いてるっぽいな。
「ああ。同じ大学だからな。四季さんも同じだし凄い偶然もあるもんだ」
「そうね……。……本当に世間って狭いのね」
「?まぁ、いいや。ここって店?って言うよりカフェ?」
「はい、そうですよ」
「まだ営業は始めてないけどね」
「その口ぶりから四季さんは店の関係者?」
「えぇ、そうだけど……え、何?またストーカー?」
「さっき、俺が苗字言ってたやん……そして俺もストーカーとして数えられてるし……」
「冗談冗談」
「……じー……」
「コホン、さてと。本題なんですが……」
っと、いけないいけない。話が脱線してたな。
「一体何から話せばいいのやら。あ、誤魔化そうとしてるわけじゃないんですよ。まだ話してない事が沢山あるので」
「もう一度確認だが、俺は死んだわけじゃないんだな?」
「はい。あの鎌は人を殺傷するためのものではありませんから」
え、何。昂晴、あの物騒な鎌に斬られたのかよ……。
「それでは改めまして。私は明月栞那です。そして人間ではありません。死神と呼ばれる存在です」
「死神……」
死神、ねぇ……。ちっともそういう風には見えねぇがな。ただの可愛いコスプレした女の子だよ。
「まさか四季さんも?」
「彼女が死神って事は知ってるけど、ワタシは普通の人間」
「ふむ。なら俺や昂晴同様、何かしらの事情があるのか」
「ま、そういうこと」
四季さんはそれだけ言ったら目を逸らした。……話しずらい内容なのかもな。触れないでおこう。
「ナツメさんに関しては話がそれてしまいますので今は高嶺さんの事情について優先させましょう」
「ん?昂晴はある程度やっぱり聞いているのか?」
「あ、ああ。って言っても俺のせいで世界が巻き戻った的な感じ。とは聞いた」
でも、なんでまた昂晴のせいなんだ……?
「死神と聞いて、高嶺さんはどんな事を思い浮かべます?」
「人の寿命を管理してる、神様……?いや、神様の使いか?」
「そんな所ですね。先程、有村さんにも言った通りですね」
「確か、死者の魂を案内する役目を神に与えられたんじゃなかったか?」
前にネットで見た奴にはそう書いてあった。だから、神の使いでも合ってるっちゃ合ってるのか。
「はい。仰る通りですね」
「けど、俺は死なずに世界を……」
「『今は』死んでいません。ですが、忘れていないはずです。交通事故に逢い、車に轢かれて『一度』死んでしまったことを」
「…………」
「……は?何、昂晴は一度死んでいるのか?」
「ですが、その事故が起きた9月28日はなかったことになりましたが」
「なかったこと……じゃあ。昂晴が事故に会った瞬間、世界が9月28日の朝に戻ったって事か?」
「ええ。先程、有村さんに伝えたとおり戻ってしまったのです。だから、今は二度目の9月28日になりますね」
「あー……少し考えさせてくれ」
昂晴もそりゃ考えたくなるか。
成程なぁ……ん?てことは
「明月さん。1ついいか?」
「なんですか?」
「俺は多分昂晴が事故に遭った時、講義受けてたんだ。その時、青い蝶が俺に向かってきたんだがそれって……」
「はい……多分、特異点としての能力でしょうか……。蝶が貴方の記憶を守るために近づいて来たのでしょう」
「特異点?」
「あ、ナツメさんと高嶺さんには言ってませんでしたね」
明月さんは昂晴と四季さんに俺の事を説明する。
「あ〜あの時のかぁ。他の人を助けて自分が轢かれた時の」
「まぁ、そうなるかねぇ……。あれ以降ずっと蝶が見えてる状態だな」
「……ねぇ、有村君。その事故って3月28日に起きた事故?」
「ん?あぁ、そうだけど、どうした?」
「いえ、たまたまその場に居たから。あれ有村君だったのね。もうその時の怪我は大丈夫なの?」
「そういう事ね。全然平気さ」
「そう……ならいいのだけれど……」
「?変なの……」
だが一つ気になるのは、どうして昂晴は朝に時間を巻き戻したのかが引っかかるな。
「だいたい分かった……。だが、そんな簡単に巻きもどるなんてことあるのか?」
「そんなことは有り得ません。つまり高嶺さんは有村さんと同じ様に普通ではなかったんですよ」
「待て待て、何が普通じゃないんだ?」
「魂ですね」
「魂?」
「はい。魂は人が思うよりも強力な力を持っています。それが発揮されると人の身を超えた現象……奇跡すら起こすことが出来るのです。有村さんも同様ですね。事故で魂に何らかの変化が起こり特異点の存在になったかと」
「奇跡ねぇ……。でも人すら越えた奇跡の力をホイホイ起こしたら世界乱れるよな?」
「その通りです。なので神は、奇跡などを起こせる魂が生まれないようにしました。それに奇跡がホイホイ起きていたら、世界が壊れてましいますから。コントロール出来ない力となれば、なおさら」
「ふーん……ならよ。俺らはなんで今更?」
「お二人は後天的に魂が強力になってしまったパターンですね。原因はソレ」
明月さんが指差す方向には、蝶が居た。いつもの様に大きく羽を広げてヒラヒラと飛んでいる。
「そう言えば、この蝶。夢の中でも出たし、さっき切られた時も居たな」
「この蝶々は、魂の残滓なんです」
「「魂の残滓?」」
「人の魂は本来、生まれ変わり、巡るもの。ですが、生まれ変わるのにも、それなりの力が必要になります」
「例外も……あるのか?」
「生まれ変わるための力が足りず……消えてしまったり、魂が現世に零れ落ちたり……」
「つまり、この蝶はその零れ落ちた魂……」
「はい。とはいえ肉体の殻に収まってない魂はいずれ消失します。ですが消失する前に、生きている人間の魂に取り込まれる場合もあります。取り込んだ魂はその分だけ強大になる」
「そんで、昂晴は取り込んじまったパターンか……。だが、俺はどうなる?」
「有村さんは……正直あまり分からないのです。異例中の異例ですので……」
「そっかぁ……ならしゃーないか……。てか、昂晴が取り込んじまった魂に人としての記憶や意思ってのはあるのか?」
「いえ。衰弱した魂にはありません。他の人と混ざりあっているわけではありません」
「……そうか」
納得は……してそうだな。なら良いんだがな……
「実は今、この衰弱した魂が死神業界で問題になっているんです」
「業界なんてあるのか……」
「これまでにも衰弱した魂は存在しました。ですが、近年その魂が激増。現世を漂う蝶々も増加の一途を辿っているんです」
「どうしてそんなことに?」
「もしかしてだが……魂の力は強い気持ちが元となってて、衰弱した魂って疎み、絶望したりしたって事なのか?」
「そうですね……大方その通りです……。よく分かりましたね」
「なんつーか、蝶を見た時に感じるんだ。悲しい気持ちやくらーい気持ち。一時期、蝶に触れたことがあったんだがネガティブな思考が一気に流れ込んできたんだ……。だから……もしかしてと思って、な」
「……やはり特異点と言うだけあってそういう事もあるんですね……」
「だが、やはり切ないな……」
「なので、今時の死神の仕事は死者の案内だけではありません。新たな蝶々を生み出さないこと。そして現世を彷徨う蝶々を集める事も死神のお仕事なんです。こんな風に」
小さな体には不釣り合いな、鋭く大きな鎌が振るわれて、刃が部屋を舞っていた蝶を捉えた。その次の瞬間、蝶は溶けるように消えてった……。
「この鎌もその為に使われるものですから。安心してください」
あ、なんだ。なら良いんだが……。
「待て。なら、昂晴に宿っていた蝶をさっき切り離したのか」
「はい。つまり次に何かあってもやり直しはできませんからお気を付け下さい」
「てか、なんで俺まで切られそうになったんだ?」
「高嶺さんと同じ様な感じでしたので。ですが、特異点と分かれば別です。もし下手に何かをやって世界が壊れたりしたら目も当てられませんからね。それに死んだりするのもアウトです。何が起こるかわかりませんから……。なので、ナツメさん。いくら恥ずかしくても、気軽に殺したりしないでくださいね?」
「蒸し返さないでよ……忘れたいんだから……」
「念の為ってやつですよ〜」
……あの下着姿は脳内に保存しておこう。
けど、こうして考えるとあの日から不思議系の話はあっさりと信じまうなぁ〜
「ならつまり、俺の問題は解決したんだよな?」
「残念ですが……。事態はそこまで簡単ではありません。重要なのはここからです」
「やれやれ、ようやく吾輩の出番か」
「「???」」
おや?この声ってたしかあの時の……
別の気配を感じた方向を見ると、先程見た猫が居た。
「確か、ケット・シーって言ったか?」
「ああ。それより元の姿に戻った方がいいかも知れんな」
そう言うと、ケット・シーさん?が光って2足歩行をして王冠とマントをしていた……。えぇ……(困惑)
「これで違和感は無いだろう」
「いや、ありまくりだよ……。だって、猫が二足歩行してしかも喋るってファンタジー物かと疑うレベr『ブーブーブー』ってあん?電話?」
俺が喋ってる時に電話ってタイミング悪すぎ……。
スマホを取り出して表示されている名前を見ると……『
「わりぃ、ちょっと電話」
「あ、分かりました。では、先に説明の続きをしてても大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だよ。悪いね」
俺は明月さんに断りを入れて外に出て電話に出る……。
「なんでしょうか」
『レイジか?』
「はい。そうですが、何用でしょうか」
『用って程でも無いが……大学はどうだ?』
「……別に。可も不可もなくです」
『そうか……。あ、なら。新しいバイト先見つけたか?良かったら』
「まだ見つけてませんが別に紹介しなくてよろしいです。て言うかしないでください。迷惑です」
『そ、そうだよな……すまん』
「謝らないでください。腹が立つだけなので!」
『あー……うん。そうか。それと、怪我は大丈夫か?結局、事故に遭った時から会いに行けてないが』
そこで俺の中の何かが吹っ切れた……
「は?怪我?今更?バカじゃないの?息子より仕事を優先したクソ野郎にそんな事心配すらされたくねぇんだよッ!!!前にも言ったよな?あれ以降、電話してくんなって!」
『なっ!?そ、それは仕方がなかろう!?重要な会議「会議会議仕事仕事!!貴様はそれしか言えねぇのか!!ふざけんな!!やっぱり、お前ら何か親じゃねぇ!!」
俺は言いたい事だけ言って電話を切った。人の気持ちすら知らないで……クソっ!
取り敢えず、戻ろう。話の途中でも多分分かるだろう……。
「……これなんてカオス?」
中に戻るとケット・シー(この後明月さんから彼、ミカドの事を聞いた)が女の子2人にもふもふされてなんか……うん。まあ、いいや……。
「はぁ……はぁ……このっ、無礼者どもがっ」
「ありがとうございました、閣下」
「思っていた以上に、気持ちよかった」
うーん、このセリフだけ聴くと中々にえっちだ
「なんたる屈辱……」
「はぁ……ったく、クソ親父から電話なきゃ俺ももふもふ出来たのに」
「何か言ったか?有村レイジ」
「ヴェ!マリモ!」
うらやまけしからん
そして、昂晴の魂は蝶をまた取り込んでしまう可能性がまだあるとの事。
「何か無いのか?心残りや未練など」
「……」
心残りや未練があったりしたから今回の様な事が起きたらしい……。俺も一緒に考えるが……
昂晴+未練+彼女+無し=童貞
いやまさか……と思いつつ昂晴の顔を見ると……あ、やっぱりですよね……。
「どうやら見つかったようだな」
「あ、いや、それは、違うような……違わないような……」
「なんだ?ハッキリ言え」
「あー……その……なんというか……」
「「……?」」
まあ、このままなら女子には分からないよな。
「りっりりっリア充とか、陽キャとか……そういうものに、私はなりたい。のかも、しれない……と」
「リア充……」
「陽キャ……」
あ、誤魔化したなこいつ
「あー……ははぁ~ん」
「ッッ」
「はぁ……何となく予感はしたがお前、誤魔化したな。ま、昂晴も男性だそれに若い。つまり、女の子と触れ合いんだろ」
「あー……」
「つまりセッ〇スですね」
「この人ストレートに言いやがった!?」
「ヤメロォ!レイジの言う通り火の玉ストレートで返球すな!」
「まあ、男の子だもんね」
「……」
「別に恥ずかしがることでもないと思うけど」
「確かに……一般的な思考だな。俺だって昂晴と同じ意見だ。うんうん」
「いやでも……同い年の女子に普通に受け入れられるとか、恥ずかしいだろ」
「まあ、だけど……俺のダチで別の所にいる奴だってそういうやつは居たしなぁ」
「そうね。それに行動に起こしている子も少なくないじゃない。男の子も、女の子も」
「そうかもしれないけどさ。はぅぅ……今日初めて話した女の子に、童貞だと明かしてしまった」
うーん、多分最初から思われてそう。
「安心して、さっきの挙動からしてそうだと思ってたから」
「えっそれはそれで悲しみ」
まぁ……あれだけ動揺してたらバレるやろ……。
「誰にだって初めてはあるものです。だからこそ、青春を過ごす若者にとって恋愛は重要な要素だと思います。恥じる必要はありません。恋をしましょう。愛し合いましょう。Viva恋愛!LET'S 性的行為!」
「俺のことバカにしてるよね?絶対、バカにしてるだろ?」
「いえ、そんなつもりはありません。人生において愛は重要なことです。私は真剣に、高嶺さんの力になりたいと思っているんですよ?」
「レッツって……もしかして、明月さんが筆おろしをしてあげるつもり?」
「ナンデストォ!?昂晴、貴様!!うらやまけしからんぞ!」
くっ……羨ましい……。明月さんみたいな美少女に筆おろししてもらうなど……なんだ……この敗北感は……。
「……え?私が、お筆を、おろして、差し上げるんですか……?」
「え?違うのか?レッツって言ってたからてっきり……ねぇ、四季さん?」
「えぇ、レッツって『しましょう』ってことだし……ねぇ?」
やっぱり四季もそう思うよな?普通そう考えちまうぞ……。
「…………」
「そっ、それは、まぁ……死神として?必要だということなら?私が、その……慰めることもなきにしも、あらず、的な……」
わぁお、かわいぃ〜。さっきまで余裕でレッツ性的行為って言ってたのにこれは……萌えるわ
「ってやっぱりダメですよォ!そういう事は思い合う2人が気持ちを深めるための行為であって気軽に済ませればいいというものではないと思うわけですよ、だからそんな……ぁ……ぅ……」
「意外と初心な一面が」
「びっくりびっくりだわ」
「いや、まあ、最初から期待してなかったからいいんだけど」
「え?絶対嘘でしょ。絶対期待してたやろ」
「ワタシもそう思ってたのだけれど……」
「いきなり筆おろしとか言われても、普通怖気付くだろ。すんなり受け入れる度胸が俺にあるように見えるか?」
「見えんな」
「胸を張って言うなの、それ?」
「レイジは知ってるから分かるが……。それに美人局の可能性もある」
「言い訳ばっかりしてるとチャンスが訪れた時にも掴めないんじゃない?」
「昂晴は勝機を零しそうだからなぁ〜」
「痛いところをつくな」
「何にしろ、そのリア充や陽キャになればいいのではないか」
今現在まで見守ってたミカドがそう言ってきたが……簡単にはなれねぇんだよなぁ、これが
「ようはモテたいのだろう?そんなものは心の持ちようで変わるものだ」
「心の持ちよう……」
それで変われたら苦労しねぇよ
「形から入ることが重要な場合もあると、吾輩は思うぞ」
「なるほど……」
どうするつもりだ?
「たしかに真似ぐらいなら、俺にも……」
あ、昂晴の顔がアホなこと考えてる時の顔になってやがる……。
「そうだな……うん。その通りかもしれない」
「取り敢えず、やってみるのも大事だ。いや!やってみるのも大事ウェイね!」
「俺も今日から陽キャになるウェイ!」
「……」
「…………」
「………………」
「……………………」
「どうしたウェイ?」
え、何。なして突然語尾がウェイに?
「ウェイって……なんだ?」
「なんだと言われても困るウェイ」
「ねぇ……ウェイの使い方完全に間違えてるんだけど?」
「ってか、そもそも古すぎるだろwwwwww
くっくっくっ……おま……流石に……それは……アハハハwwwwww」
あ、まて、ツボったwwwwww
「ウェイッ?!」
「そんな『マジかっ!?』みたいなノリのウェイは初めて聞いた。いや、今のはそれ以前の問題だと思うけれど?」
「あ、まってまってwww その返事の返しは笑っちゃうってw」
「ぷっ……くくっ、あはははっ」
ほら、明月さんもツボってるやんけwwwwww
「はぁ……はぁ……てか、そういう系の奴らってそういう問題じゃなくてなんつうか」
「諦めないというか、めげないというか、面倒臭いというかしつこいというかウザいというか」
「お、おう。なんか嫌な目にでもあったのか?」
「嫌ってほどでもないけど……何度か飲み会に誘われたことがある」
「あ~、やっぱり。まあ四季さんは可愛いからな」
「でも行く気がなくて断ったの。なのに『からの~』って食い下がられ続ける気持ち、2人はわかる?」
「うわぁ……ウザそう」
「そういう奴らいっちばん面倒臭い奴らだな……」
「他にも『じゃあ来週にするね!』とか絶対に諦めない人もいるし……行かないって言ってるのに聞きやしない。中には『俺はイケメンでモテるんだぜ、誘われて光栄でしょ?』なんてオーラ満開の人もいて……思い出しただけでムカムカする。あ、そう言えば有村君ならわかると思うんだけど。どう思う?」
「は?レイジ、おま、どういう事だ?」
「え、あー……」
しまった……昂晴や宏人に言ったら殺されると思って言ってなかったのに……四季さんめ……。
「はぁ、四季さん。それ、言われたくなかったのに……まぁ。いいけどさ」
「あ、ごめん。気にしてたんだ?」
「気にしてると言うより昂晴とかにバレると面倒臭いからさ……」
「あ~、そういう……」
「ったく。別にいいけど。俺もあったんよ。女子のカーストトップに居そうな奴に誘われて断っても四季さんと同じ様に『からの〜?』とかそういうオーラ満開な人に……例え女の子でもそういう奴らは下手したら食事中にストレスマッハしてぶん殴るかも……」
「やっぱりそうよね……。まあ、一部の人なんだけど……その一部の人の威力が……ね」
「レイジ、明日その話は聞く。けどまあ、わかる。その一部のイメージ強すぎて、そこだけ真似てしまって……」
「それでも語尾ウェイだけは見た事ないウェイ」
「そうだウェイ。まずそんな語尾使うやついる訳ないウェイ。あ、ここに居たんだウェイ。ごめんウェイ」
「もう勘弁してくれっ!」
「この調子では、高嶺昂晴を1人にしておいても事態は解決しそうにないな」
「そうですね……そうかもしれません、ぷぷーっ、くーくっくっく」
「まだ笑ってたのか……」
「ずみません。なんかツボに……くすくす……」
「はーっ、はーっ。閣下の仰る通り、高嶺さんを1人にしてはいけないと思います。とても心配です。それに、有村さんも放ってはおけません。ここは、やっぱり……」
「そうだな……それがいいだろう」
ん?突然なんだ?
「ということで、高嶺さん。有村さん」
「な、なんだ」
「ん?どうした」
「我々の、死神の仕事を手伝って貰えませんか?このカフェで一緒に働いて欲しいんです」
こうして、俺と昂晴のよく分からん生活が始まったのであった……
次回からルート分岐に関わるところが恐らく何ヶ所か出てきます。
一応、2つほどルートは書くつもりです。
台本形式で、セリフの前に名前でわかるようにした方がいいか
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台本形式で
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このままで
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どちらでも大丈夫