ヴィラン名 『チェンソーマン』   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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ちょっと問題が起こりまして。チェンソーマンを母の知り合いに全巻貸したんですよ。そしたらその人が借りたまま他の県に引っ越しました。つまり今俺の本棚には何も無いわけです。借りパクですねこれ。
そんなわけでちょっと萎えてて投稿してませんでした。原本が手元にないので、チェンソーマンキャラに解釈違いがある時があるかもしれないんですけど、そこは許してください。


はじめてのおみまい

「よー」

「…デンジくん!?」

 

『ヒーロー殺し』との激闘を終えた緑谷達は、都内の病院にて治療を行い、現在入院していた。三人とも包帯を巻いていたり、ギプスで腕を固定したりと痛々しい風貌であったが、あの『ヒーロー殺し』と相対してこの程度の傷というのは逆に幸運だったのかもしれない。

デンジは岸辺に三人が入院していることを聞き、人生初のお見舞いに出向いたのだ。

 

「うわぁ…!デンジくんがお見舞いに来てくれるだなんて!ありがとう!」

「その袋に入ってるのは…見舞い品か?気遣いありがたい」

「あ〜これ俺の昼飯」

 

飯田がやるせない気持ちになっていると、轟が寝転がりながらデンジに問いかける。

 

「デンジ、お前街で『個性』使っただろ。なんか言われたか?」

「あ!そーだ、お前ら怒られたらしいじゃねーか」

 

デンジはおにぎりとざる蕎麦をかっこみながら箸でそれぞれを指す。

先日三人は警察から厳重注意を受けた。理由は、ヒーロー免許未取得者が許可を得ずに個性を使用し人に危害を加えた為というものだ。ヒーロー殺しが敵であるとはいえ、法律では禁止されている行為をしたという事実は変わりない。

 

「違えよ、ちょっともめただけだ。ヒーロー殺しを捕らえたのは俺たちだが、それを世間に公表するとなると俺たちがヒーロー免許未取得状態で個性を使用したのも伝えないといけない。だから俺たちは名前を隠したんだ。あとデンジ、ざる蕎麦くれ」

「ほ〜ん……やだ」

 

轟が頭に青筋を立てた。飯田がそれを収める。苦笑いしながら、緑谷の頭にふと疑問が出来る。

 

「デンジくん、君は大丈夫だったの?割とガッツリ街中で個性使ってたけど…」

「俺ぁちゃ〜んと許可取ったからなあ!怒られる事ナシ!」

 

ドヤ顔で緑谷に答えたデンジにまたもやキレそうになる轟。しかし、そのドヤ顔もすぐに曇って行く。何があったのかと、緑谷が心配し始めたその時、静かにデンジは口を開いた。

 

「俺さぁ、俺がめちゃくちゃ頑張れば、めちゃくちゃ褒められるって思って頑張ってたんだ。けど、この前ミッドナイト先生とかねじれちゃんにあった時…すげー怒られたんだよなぁ…何でなんだろ」

 

眉を下げ、困った様に呟く。先日、デンジにも見舞いが来ていた。その時にはもうデンジの体はすっかり元通りになっていたのだが、それを見たミッドナイトは声を荒げて怒った。

 

 

【だからあれほど駄目って言ったでしょう…!!──もうこんな無茶しないでっ!!】

 

 

「はあ…別に怪我しても治るんだから安心して欲しいんだけどさぁ〜」

「そこ、なんじゃないの?」

「あ?」

 

ぼやくデンジに、緑谷が口を挟む。その自身の右腕を見ながら、語り出した。

 

「多分ミッドナイト先生はデンジくんに怪我してほしくないんだ。治る治らないじゃなくてただただ心配なんだよ。…僕も、この個性が発現してからは凄い色んな人に迷惑をかけたんだ」

 

緑谷の脳内に様々な人達が過ぎる。夢を泣きながら応援してくれた母親──厳しくもその個性の扱いに気づかさせてくれた相澤──そして、自分を信じて、『力』を託してくれたオールマイト。その誰もが、自分に期待と、それ以上の心配をしてくれていた。

 

「……」

「デンジくんの戦闘スタイルはある意味、ちょっと前の僕に似てる所もあると思うんだ。自傷と引き換えに凄まじいパワーが発揮できる個性。だけど──そんな痛々しいヒーローに抱き抱えられて、助けられた人は心からの笑顔ができるのかな?」

「…じゃあ、どーすりゃ良いんだよ…俺の個性はゼッテー血が出るんだぞ」

「それはこれから皆んなで考えて行けば良い」

 

その言葉に飯田が反応する。仲間を頼る事をしなかった、その罪の重さを一番理解していたから。

 

「そのために俺たちが居るんだ。まだ俺たちは子供。正解を探す時間なんていくらでもあるさ」

「飯田…」

「うん、焦らず、立派なヒーローになろう」

 

その緑谷の言葉に、飯田と轟も頷いた。デンジは、心の中に発露した暖かな気持ちを味わう。

 

(……?)

 

「…テレビでもつけるか」

 

轟がリモコンを操作する。するとそのチャンネルではニュースが流れていた。

 

[では次のニュースです。先日起きた保須市襲撃事件において、謎多き怪人が現れていたという情報が入りました]

 

その言葉に四人はテレビを凝視する。敵を見落としていたのか──、その考えが脳をよぎった時、テレビの画面が移り変わった。

 

[その怪人の容姿は、頭がチェンソー、腕からもチェンソー。血を浴びながら街を駆けずり回る姿に、市民からも不安の声が聞こえています]

 

 

「あ」

「あ」

「あ」

「あ」

 

[叫び声を上げてチェンソーを振り回しながら道路を走り回ってたんです。血を撒き散らしながら]

[最初は敵かと思ってたんですけど、私達の事守ってくれたりしてて──カッコよかったでーす!]

[僕見たんですよ。あのチェンソー敵がツノ生えた女の子の血を浴びてたの!あれ絶対やばいヤツですって!]

 

[という意見です。市民の間では、謎多きヴィジランテ『チェンソーマン』として話題となっている様子です。また、警察はこのチェンソーマンが、数年前に逮捕された毒々チェンソーと関連があるか、調査している模様です。では、次のニュースです。近年──]

 

 

 

「……」

 

 

 

病室は居た堪れない空気になり、ニュースキャスターの声だけが響く。デンジの唇が震える。

 

「…お」

「で、デンジくん!気にしない気にしない!ここから!ここからね!?」

「ありゃやべえな、血塗れだったぞ」

「轟くん!!」

「お…おれ」

 

 

「俺が女の子に人気になってるーーーーー!!!」

 

 

『え…?』

 

 

「なあなあ見た!?カッコいいって!カッコいいって!!」

 

三人はヴィジランテ扱いされたことにデンジがショックを受けているのかと思っていたが、当の本人はそんな事気にも止めてなかった。それどころか女子高校生に褒められ笑顔になる始末。

 

「はあ…」

「ほ、本人が良いと言うなら良い、のか…?」

「あはは…まあ、デンジくんらしいね……」

 

 

 

「でへへへへへ………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、デンジくんです!うわぁ〜、血塗れ!ステキ!吸いたい!」

 

 

 

 

「あれ?デンジくんじゃ〜ん!やっぱりかっこいいなぁ…。あーーー早く一緒にそこ等のやつ爆発させたい爆発させたい」

 

 

 

 

「……デンジくん、か。何で──コッチに来なかったんだろ?気になるなあ」

 

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