ヴィラン名 『チェンソーマン』   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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ぱぱぱぱわー。


Blood is Power!

「おい!お前!起きろ!おーきーろー!」

「…あ、あア?」

 

騒々しい声と共に、今まで眠っていた体が覚醒する。寝惚け眼を擦りながらベッドから体を起こす。どうやら自分はあの胸に包まれた瞬間に寝てしまった様だ。

 

「おお、起きたぞ!…ゴホン。──危なかったな、ヌシ。もう少しで敵に食われるところじゃったぞ!ワシがおらんかったらどうなっていたか…!」

 

「…はあ?ぬし?わし?」

 

首を傾げながらその声の発信源の方向を向く。するとそこには、金髪ロングのつやつやした髪の毛。端正な顔。ギザギザの歯。さらに頭には悪魔の様な『ツノ』が生えている美少女がこちらを指差していた。

 

「そうじゃ!ヌシじゃ!──全く、自らの身を救って貰った命の恩人を忘れるとはいい度胸じゃのう…?」

「んん……?」

 

デンジが寝ていたベッドに足をかけ、デンジを見下す少女。しかし、デンジはさらに首を傾げた。

 

(こいつ、何言ってんだ?俺はちゃ〜んとあのヤローどもぶっ殺したぜ?そんで乳に埋もれて寝てたんだ。…つーか、だれ、こいつ)

「そんなヌシにもひとつ!名誉…め、名誉…。…そう!名誉バンザイのチャンスをやろう!──ヌシ!名は何と言う!」

「…デンジ」

 

 

 

「よしデンジ!ワシの下僕になれ!!」

 

 

 

辺りに静寂が起きる──。それに気付かず得意げな表情で喋り続ける少女。今、デンジの頭の中には(こいつヤベェ)という感想しか出てこなかった。

 

 

「こんな機会二度と無いぞ!?矮小で貧弱なヌシをこの最強なワシが守ってやる!下僕じゃからな!しかもワシは美少女じゃ!こ〜んな美人と一緒におれるなぞ、男冥利に尽きるじゃろう!…まあ、そのかわり、『代償』はいただくがな…」

 

「オイ…お前」

 

「それは『血』!ワシは最強の種族、ドラキュラじゃからな!デンジ!ヌシの血を持って、ワシがお前を守ってやろう───!」

 

「俺ん事助けたの、全部ウソだろ?」

「ぴょっ…」

 

突然奇妙な声を出し、動きを止める少女。しかし、冷や汗を流しながらも少女は続ける。

 

「な…何を言っておるんじゃ、デンジ。この誇り高きバンパイアであるワシが嘘など───」

「俺はちゃんと敵ぶっ殺したぜ?そんでそのあとおねーさんの胸で眠ったんだ」

「はぴょっ」

 

「そんでよ〜、お前さっき『ドラキュラ』っつってたのに、今度は『バンパイア』なんだな」

「にょわ」

 

完全に慌てふためく少女をデンジは睨みつけた。

 

「俺ぁ〜記憶力は良い方だぜ〜?騙す相手間違えたな〜、お前!バカだバカ!ギャハハハハ!」

 

今度はデンジが指を指して少女を笑う。顔色が目まぐるしく変わる少女。しかし、ぴたり、と俯いた状態で動きが止まり、そして────

 

 

 

「は?そんな事言ってないが?」

 

 

すん、とした表情でデンジに笑みを向けた。その反応をされると思ってなかったデンジは笑うのを止め、唖然とする。

さらに少女は続ける。

 

「そんな事誰も言っとらんぞ、大丈夫かデンジ。そうか、敵にやられたせいで頭がイカれたんじゃな!早急に対処をせねばならん…さあ、血を吸わせるのじゃ!」

「イミ分かんねーんだよお前!離れろ!」

 

首筋にしがみつき、その綺麗な肌に歯を突き立てようとする少女を引き剥がそうとするデンジ。それでも徐々にその距離は縮まっていき───

 

 

「ねえねえ、何してるのパワーちゃん?」

 

 

その歯が刺さろうとしたその時、聞きなれない声が室内に響いた。

その声の方にデンジは視界を向ける。そこにいたのは、水色の毛先が内側にカールしている、一般的に「可愛い」とされる顔の少女だった。

その少女に思わず見惚れるデンジ。そしてデンジにしがみついている少女はその顔色を真っ青に変えた。

 

「ね、ねじれ……」

「ねえねえ、私パワーちゃんがそこの子起こしに行くって聞いて保健室に来たの!そしたらパワーちゃん血飲もうとしてたよね!血を飲むのは止められてるんじゃなかったの?」

 

 

その水色の髪の少女の怒涛の質問に冷や汗をかき、青い顔をした少女は体を震わす。それを見たデンジは不思議そうに見つめる。数秒の沈黙──。すると、ツノの少女はデンジの方をゆっくりと指を指し、口を開いた。

 

「きょっ…、コイツが血を吸えって言ったんじゃあ〜〜」

「はぁ〜〜〜〜!?」

 

突然冤罪をかけられたデンジは口をあんぐりと開き、驚愕する。そのままツノの少女はまくし立てるように言い訳を始めた。

 

「コイツが勝手にワシの体を引き寄せたんじゃ!最低!女の敵じゃコイツ!」

「てめ〜が急に抱きついて来たんだろうが!」

「嘘じゃ!これだから青臭いガキは嫌いなんじゃ!すぐ嘘を──」

 

 

「パワーちゃん?私今そういう感じじゃないよ?」

 

 

それを聞いた瞬間にツノの少女は素早くベッドから降り、床に正座をする。そして水色の少女は笑顔のままそこに佇んでいた。

 

(こ、怖…)

 

その有無を言わさない迫力に、デンジは恐怖を覚えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は波動ねじれ!雄英高校三年生!気軽にねじれちゃんって呼んでね!」

「ハイ!デンジです!ねじれちゃん!」

 

『お話』が終わった後、うってかわって天真爛漫な表情でデンジに話しかける。その可愛げのある笑顔を見たデンジは顔が熱くなるのがわかった。

 

「さっきはゴメンね?パワーちゃんいつもは血は飲まない筈なんだけど…」

「ぱ、ぱわー…?」

「あれ?パワーちゃん、まだ自己紹介してなかったの?」

 

首を傾げるデンジを見たねじれは背後で正座をしている少女に問いかける。すると少女はぴょーんと立ち上がった。

 

 

 

「おうおうおう!紹介が遅れたのう!デンジよ、しかと聞くが良い!ワシの名は『パワー』!史上最強のヒーローじゃ!」

 

 

 

決めポーズをとり、ベッドに立ち上がってドヤ顔を決めるパワー。

 

「パワー!?名前パワー!?てかヒーローなの!?」

 

驚き、思わずねじれの方を向くデンジ。それを受けたねじれはにんまりと笑った。

 

「パワーちゃんなんだよ、不思議だねー!あ、あとねー!パワーちゃんよくウソ吐いちゃうから気をつけてね!まだヒーローの『卵』だからね!」

「グヌ…」

 

釘を刺されたパワーは顔を顰める。そしてねじれは呆けているデンジに顔を近づけた。それによりデンジの頬が紅潮するが、それには気にも留めずに口を開いた。

 

 

 

「ねえねえデンジくん!ヒーロー、興味ない!?私、あなたのヒーローの姿、見てみたい!」

「ありまァす!」

 

 

 

 

雄英高校の保健室に、欲望に塗れた声が響いたのであった。




「祝え!読者の皆様にクソ雑魚イングリッシュを晒した愚か者の誕生である!」
「なんか…いける気がする!」
「(いけ)ないです。」
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