ヴィラン名 『チェンソーマン』   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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前回の感想皆さんパワーちゃんへの対応ひどくて笑う。


デンジ、就職。

「…校長、その話は本当なのですか?」

 

世に蔓延る悪──『(ヴィラン)』への対抗戦力であるプロヒーローを育成する学校、雄英高校。その校長室にて、神妙な雰囲気を醸し出しながら会話をする二つの影があった。

一人は、今や知らない者は居ない『No. 1ヒーロー』のオールマイト。

そしてもう一匹は異例の『個性ある動物』───雄英高校の校長、根津。

ヒーローというこの時代に極めて関わりを持つこの一人と一匹は、今ある少年について話していた。

 

「ああ、僕が今思いつく最善の一手はコレしか無いんだ」

「しかし…、大丈夫なのでしょうか。…彼をここの職員にするというのは」

 

そう。オールマイトが根津から聞かされたものは、つい先日保護をした少年──。デンジを雄英高校の職員として雇う、というものだった。しかし、オールマイトはその提案に難色を示す。

 

「…彼は生まれてこの方ひとつも勉学を学んだことは無いと言っていました。ここで働くのは無理があるのでは?それに、世間の目も良いとは言えません」

 

そう。オールマイトが懸念している点は二つある。

一つ目は、義務教育を受けていないデンジが教師として働くのは出来ない事。

二つ目は、デンジを雄英高校に就職させることでの世間の反応だ。雄英高校の教師に就職したかった者も多数おり、そこにたまたまオールマイトに拾われた少年が入るなどデンジが優遇されている事によって、自分はどうなんだと異論を唱えることで雄英高校の評価を下げてしまう。しかも、保護対象のデンジにまで悪影響が及ぶ恐れもあった。

この事から、オールマイトは否定的な態度だったのだ。

 

「オールマイト、僕は最初から彼に教師を任せようとは思っていないよ!デンジくんには、この雄英高校の『用務員』になってもらおうと思っているのさ!」

「用務員…?」

 

オールマイトの呟きに後ろ手を組みながら頷く根津。

 

「用務員であればメディアに姿を出すわけでもないし、デンジくんは今までいろいろな仕事をこなして来た!まさに彼にうってつけの仕事なのさ!…それに、多少のバッシングは慣れてるからね!特に『校長がネズミで大丈夫なのか』とかね!僕は君たちより偉いのにね!」

 

HAHAHAHAHA!と鬼気迫る雰囲気で大笑いをする根津。それを見たオールマイトは内心冷や汗をかいていた。

 

(気にしてたんだ…)

 

そして一通り笑ったあと、根津は真剣な表情をする。

 

「…デンジくんは良くも悪くも素直な人間だ。彼が黒になるか白になるか、それは僕たちにかかってるんだからね」

「…ええ、わかっています。彼の『個性』は…正直言って凶悪すぎる。万が一の『間違い』が起こらないように私たちがしっかりしないと」

 

そう言ってオールマイトは机の上に置かれた紙を見る。それはデンジに自身の個性を聞いた時に記録したものだった。…ちなみに、デンジは文字が書けなかったので代筆はミッドナイトがした。

 

 

 

 

『個性 チェンソー チェンソーを出せる。頭部が変化する仕組みは不明。個性使用時にチェンソーが皮膚を突き破って露出する為、激痛と共に大量の血液が噴出する。そのため、血液の補充は必須である』

 

 

 

それを見ていると、不意に校長室の扉がノックされた。根津が入室を促すと、3人の人物が入ってきた。

 

「波動です。デンジくんをお連れしました」

「ありがとうね!波動くん!パワーくん!」

「おうおう!ありがたくひれ伏せネズミよ!」

 

ねじれがパワーのツノを握って頭を激しく揺らすのを横目にしながらオールマイトはデンジにソファに座るのを促した。

言われた通りに座るデンジ。しかし、座った途端そのソファの柔らかさに笑顔になった。

 

「なんだコリャ!?ふわっふわだ!」

「喜んでもらえて何よりさ!お菓子もあるよ!」

 

根津がそう言って、菓子の入った籠を押しながら持っていく。またそれに目を輝かせるデンジは袋に閉じられたキャンディーをそのまま食べた。

 

「ああ、デンジくん。それはね、袋を開けて食べるんだよ」

「えッ、…本当だ!甘え!」

 

オールマイトの指摘を受けたデンジは、一旦口の中にあるキャンディーを取り出して、袋を開けて食べる。その甘さに顔が自然に笑顔になるデンジ。

 

「あんがとな!ネズミ!」

「僕の名前は根津さ!…まあそれはさて置いて。デンジくん、提案があるんだよね!」

 

その言葉を聞いたオールマイトは心の中で少し焦りが出ていた。断られたらどうするのか。素直な少年とはいえ、自分の危機を救ってくれなかったヒーローの手伝いなどするのだろうか。そう思うオールマイトをよそに根津はその小さな口を開いた。

 

 

 

 

「デンジくん!…ここで働いてみる気は無いかい?」

「お〜、いいぜ」

 

 

 

 

その即答ぶりに自分の耳を疑うオールマイト。しかし、根津は笑みを浮かべて、両腕を広げた。

 

「決まりだね!今日から君はここの職員となる!よろしく、デンジくん!僕のことは校長と呼んでね!」

「ち…ちょっと待って!?デンジ君、本当に大丈夫なのかい!?分かって言ってる!?」

 

後ろでパチパチと拍手をしているねじれ。そしてオールマイトは余りにもの即決ぶりにデンジに詰め寄った。

 

「だってココで働くっつーことはあの胸もいんだろ?チャンスだチャンス!…それによ〜、()()()()()()()もこれで果たせんだ、願ったり叶ったりだぜ!」

 

その理由にオールマイトも何も言えなくなる。それを見た根津はオールマイトを諭す。

 

「まあ何であろうと彼が決めたことなんだ。僕たちがとやかく言う事じゃ無いんじゃないのかい?」

 

その言葉にオールマイトはため息を吐く。そして、立ち上がり、デンジに向けてこう言った。

 

 

 

「私はNo.1ヒーローのオールマイト。今年から雄英に配属される事になったから君とは同期ってことになるね、これからよろしく!」

 

 

 

そのワイルドな笑みのまま手を差し出す。その手をじっと見つめていたデンジだったが、しっかりと握手に応じた。

 

 

「ああ!よろしくな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────あるバーにて、一人の男が悪意を撒き散らしていた。

 

「ああクソクソクソ!!いつ思い出しても腹立つなあ…腹立つなぁ!!」

 

 

 

 

 

────ある路地裏にて、一人の男が自分の信念を全うしていた。

 

「俺を殺っていいのはぁ、オールマイトだけだ……!」

 

 

 

 

 

 

ある街角では、一人の少女が頬を赤らめていた。

 

「どこに行っちゃったんだろ、デンジ君…早く会いたいなァ♡何しようか、何しようか!…とりあえず、わたしから勝手に離れて行っちゃった事、反省させないと。……はぁあぁ〜、早くチウチウしたいです♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

一見バラバラなこの三人。しかしその背後には共通して────『人間の死体』が転がっていたのだった。




あれ…デンジ君?チェンソー出してる?(すっとぼけ)
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