ヴィラン名 『チェンソーマン』   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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お久しぶりです。


最高[最悪]の再会

校長室での対談が終わり、オールマイトを含めた一行は廊下を歩いていた。するとオールマイトがデンジに語りかける。

 

「これからデンジ少年には、私と一緒にA組に来てもらうよ」

「あ〜?何でだよ?」

 

その言葉に不満の表情を浮かべながらオールマイトに問うデンジ。それを見たオールマイトは苦笑する。

 

「そんな顔をするもんじゃあないよ。そのクラスは、この前敵たちが襲来した時に居たクラスだ。…一応デンジ君もあの子等からすれば『敵』として認識されてしまっているかもしれないからね。その為の顔合わせってやつさ!」

 

その言葉を聞いたデンジはふと、脳裏に疑問が過ぎる。

 

(ん〜?な〜んか忘れてるような…。なんだったっけ……)

 

その場に立ち止まって唸るデンジ。そのわずかな引っ掛かりを思い出そうとする。しかし、やはりしっかりと思い出す事は出来ない。

 

「デンジくん!どうしたの、急に立ち止まったりして!不思議だね!」

 

ねじれに呼ばれた事により、意識は完全にそちらに行く。そして、()()を見てしまった。

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

手をこちらに振るねじれ。すると必然的に体は揺れる事となる。…ところで、唐突な話なのだが、波動ねじれは結構『ある』。その幼い顔つきからは考えられない凶悪なプロポーション。男であれば必ず目に映るその双丘を見たデンジは、脳裏にある場面が映し出される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私の胸でこの場が切り抜けられると言うのであれば──!』

 

 

『私たちを、助けて──!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あああッ!!」

 

 

急に叫び出したデンジに驚きの表情を浮かべる三人。しかし、今のデンジにはそんなもの目に止まらない。彼の脳内は、もうすでにある少女へとシフトチェンジしていた。

 

「な、なんじゃあ、あいつ…とうとう頭をやってしまったか?」

「デンジ少年…、くっ!やはり皆と会わせようとするのは早かったか…?」

「デンジくん不思議ー!」

 

 

 

刻々と、再会の時は近づいているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しみだな!『雄英体育祭』!」

 

赤いツンツンヘアーの持ち主、切島の言葉に緑谷や他の生徒も頷く。

雄英体育祭。それはつい先程、担任である相澤から知らされたものである。年に一度、己の個性を駆使して生徒らが競い合うイベントだ。しかし、ただ競うだけではなく────、

 

「プロヒーローも観にくるんだもんね!気が抜けないな〜」

 

そう、この雄英体育祭。年々開催されているのだが、主に活躍するのはヒーロー科である。自身のヒーロー事務所に所属させるのに十分な『個性』を所持している生徒をチェックするため、現役のプロヒーロー達もスカウト目的として観戦に来るのだ。

一方、生徒側にもメリットがある。生徒からすればこの雄英体育祭は、プロヒーローに『自己PR』ができる場だ。この体育祭でアピールをする事により、それがプロヒーローの目に留まると、自身をスカウトして貰える可能性が生まれてくるというわけだ。

 

(僕は『個性』を使う授業の成績はあまり良くない…この体育祭で、結果を残さないと…!)

 

緑谷が強く拳を握る。その個性───『ワン・フォー・オール』は、極めて強力なものだ。しかし、緑谷の体がその力についていけず、自身の身を傷つける諸刃の剣となっている。そのため、普段の授業では個性を使うことができなかった。故に、緑谷は密かに心の内で闘志を燃やしていた。

 

 

 

 

 

「ところでよー、どうなってんのかなぁ、あのノコギリ敵!」

 

その場に陽気な声が新しい話題を出す。その声は金髪の少年、上鳴電気のものであった。その話題に大きく動揺した二人の女子生徒をよそに、彼はまた口を開く。

 

「けっこーいい奴だったんじゃね?あのバケモンから俺ら守ってくれたしよ!」

「上鳴君!そんな楽観視してはならない!あの敵が絶対に俺たちの味方とは限らないんだぞ!」

 

上鳴のその発言に、A組の委員長である飯田がそれを非難する。元々彼は生真面目な性格だ。故に、今の上鳴の敵を擁護するような発言は彼のヒーローとしての責任に反したのだった。

 

「確かにねー、救ってくれたのは確かだけど…ちょい怖かったかも」

 

「うんうん!なんか…こう、がおーって感じだった!」

 

頭にツノが生えた少女、芦戸が頬をかきながら苦笑する。そしてその意見に同意したのか、透明人間の葉隠も身振り手振りで伝えようとしていた。

 

 

「…チッ!」

 

 

机に足を投げ出して舌打ちをした目つきの悪い三白眼の少年、爆豪はその会話を聞き、気を荒立たせていた。それを見た切島は彼に近づいて行く。

 

「おいどうしたんだよ爆豪、そんな逆三角形みてーな目して」

「ああ"!?うっせーなこれが地じゃボケ!」

「おお…悪い」

 

自身の個性に負けぬ勢いで噛みつく爆豪に、切島はタジタジになる。しばらくして、爆豪が口を開いた。

 

 

 

「…関係ねえだろうが」

「え?」

 

「あのデンノコ野郎が俺たちを守ろうが守らんとか、()()()()()()。俺たちは『ヒーロー』で、アイツは『敵』だ」

 

「………」

 

その言葉に今まで賑やかであった教室が、静まり返った。その視線は、全て爆豪に寄せられている。

 

 

「それは絶対に覆ることはねー。アイツは俺にぶっ殺されて当然の立場だ。どんだけいい事をしたとしても、『敵』は『敵』っつってんだろが。騒いでんじゃねーよ」

 

 

その言葉に一同が静かになる。クラスが静かになったのを確認して満足したのか、爆豪は鼻を鳴らしてまた机に足を乗せた。教室に気まずい空気が流れたその時、一つの声がその場に響いた。

 

 

「分かったわ、爆豪ちゃん。アナタ、あの敵に助けられたからイライラしてるのね?」

「ッハァ!?何で俺があのクソノコギリ野郎に助けられたことになってんだクソが!!」

 

 

今にも爆発しそうな勢いで爆豪に詰め寄られるカエル顔の少女、哇吹梅雨は口に指を当て、爆豪をじっと見つめていた。その反応を見たクラスメイトはここぞとばかりに煽りに行く。

 

 

「あっれ〜?もしかして図星なの?助けられた爆豪クン」

「うっせぇぞ図星じゃねえ助けられてねぇ!!」

「ケロ、ごめんなさい爆豪ちゃん。私、思ったことをすぐに口に出してしまうの」

「謝んじゃねぇぶっ殺すぞカエル女!」

「敵に突っ込んで行った時も先生に怒られてたもんねー!」

「ぐ……ッ!…ッ!ッ!ッッ!!」

「まってそれは俺にもダメージ入る」

 

 

ぐうの音も言えなくなり、人がしてはならない顔になって自分を押さえている爆豪。その横で予想外の方向から攻撃を受け、うずくまる切島。いつもの空気になり、どこか皆が安堵したその時、甲高い声が場を制した。

 

 

「いや、爆豪は正しいぜ。ヤツは許されざる行為を犯した」

 

 

その言葉の方向に全員が振り向く。そこにいたのは髪がブドウの様になっており、人より小柄体格をしている少年の峰田実だった。

 

「峰田…許されざる行為ってなんだよ」

 

その彼のいつもとは違う雰囲気に動揺しながらもしょうゆ顔の瀬呂範太が問う。他の生徒たちも固唾を飲みこみ、次の一言を待つ。

 

 

 

「それは…」

 

『それは…!?』

 

 

 

 

「俺に断りを入れずヤオヨロッパイを揉みしだこうとしたことだーーッ!!」

 

「死ね!!」

 

 

峰田の右目に耳郎のイヤホンコードが突き刺さる。悲鳴を上げながら悶え苦しむ峰田を冷たい眼差しで見下ろす女性陣。男子はいつものことかとため息を吐いた。しかし、あまりにも酷い惨状に緑谷が駆け寄っていく。

 

 

「大丈夫!?峰田君…」

「あー緑谷。大丈夫だよそんなゴミの心配しないで」

「辛辣!耳郎さんどうしたの!?いつもより当たりきついよ!?」

 

 

容赦の無い粛清にあの爆豪さえも「お…おう…」となっている状態である。八百万は顔を赤くして、自分の胸を隠す様な動作をしていた。それを倒れたまま見た峰田は即座に立ち上がり、耳郎に指を差す。

 

「耳郎!ヤオヨロッパイにお前は嫉妬しているんだろう!オイラには分かるぞ。あのおっぱい魔人がお前のそのギリギリ胸を触った時になんて言ったかオイラはよーく覚えてる!」

「は、はぁ!?」

 

 

その言葉に耳郎は頬を赤らませ、動揺を見せた。その峰田の言葉を受け、上鳴はその場面を思い返す。

 

 

「えーっと、確か…壁ェェェェェアァアアッ!!」

 

 

また一人、粛清の対象となった。その姿を見た瀬呂は上鳴に呆れの表情を見せる。

 

「なんで目に見えるくらいの特大級の地雷を思いっきり踏むんだよ」

 

 

 

 

 

 

「はーい!みんな席に────何この状況!?」

 

自分が受け持つ授業のため、A組に来たオールマイトが来るまでこの混沌は収集つかなかったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は勉強はお休みさ!みんなにお知らせがあるよ!」

 

先程とは一変して、皆姿勢を正して席に座ってオールマイトの話に耳を傾けていた。その空気にオールマイトは苦笑いをする。

 

(やはり、いつまで経ってもこの空気は慣れないな…)

 

No.1ヒーローとはいえ、オールマイトは今年から配属された新米教師だ。今まで人を救って来たことは何度もあるが、人を教え導くといったことは初の試みである。故に、今はまだカンペなどに頼っている状態だった。

 

 

「君たちのヒーローとしての生活を支えてくれる新しい用務員さんが来てくれたんだ!」

 

 

その言葉にクラス中ではさまざまな反応が起きていた。

 

(誰なんだろう…やっぱり雄英高校だからプロヒーローが来るのかな?ここに敵たちが襲って来た今、強力な個性を扱う人が来るのかも知れない例えば今急激に人気が上がって来ているシンリンカムイとか、他にもMt.レディとかギャングオルカとかいるけど誰なんだろういやそもそもヒーローではないのか?雄英高校が直接スカウトした強い個性の持ち主が────)

 

 

「あーあ、また始まったよ緑谷のアレ」

「周りに『ブツブツ』の文字が漂ってますわ…」

 

 

 

 

「綺麗なお姉さんがいいな〜!おっぱい大きめの」

「確かに」

「愚問だな」

 

 

 

「HAHAHAHAHAHA!焦らずともすぐに会えるさ!おーい!入っておいでデンジ少年!」

 

その言葉にA組の教室の扉が開かれる。クラス内の好奇、期待などといった視線がそこに集まった。そして、入って来たのは───。

 

 

 

「……!やっぱり居た!胸だァ!!」

 

 

 

入って来て早々騒ぎ始めたその少年は、金髪の髪を揺らしていた。細身ではあるが、全体的にはヒョロくなく、どちらかと言えばしなやかな筋肉と言ったバランスの取れた体格をしている。そしてある生徒を見てそのギラついた目を輝かせ、興奮している様子だった。

その容姿にA組の面々は戸惑い、そして徐々に驚きと恐怖の表情を見せる。それは、まるでここに居るはずの無い、さっきまで自分たちの話していた話題である犯罪者が突然現れたような絶望感であった。

 

「お…」

「お?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっぱい魔人だーーーーーーッ!!!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英高校ヒーロー科一年A組の教室に、高らかな少年の悲鳴が響いたのであった。

 

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