ヴィラン名 『チェンソーマン』   作:ナメクジとカタツムリは絶対認めない

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今回少々センシティブな表現があると思います。今更か。


チェンソーVSヒーロー殺し 

「うりゃあ!!」

 

チェンソーの凶悪なモーター音が路地裏に響く。その両腕から繰り出されるチェンソーの刃は、周りの建物やパイプを切り刻みながら『ヒーロー殺し』に襲いかかる。

その猛攻を軽くいなすヒーロー殺しは、何も手を出さない。どこか、デンジを試すかのような眼でじっと観察している。

 

 

「うらうらうらうらァ!!」

 

 

それを見たデンジはチャンスだとばかりに、次々とチェンソーのラッシュを放つ。しかし、それは全てかわされてしまう。それどころか、ヒーロー殺しはデンジの腹部に強烈な蹴りを叩き込む。デンジが吹き飛ばされ、その場に静寂が流れる。

 

 

「……ハア〜〜、何だお前は…。まるでなってない」

「あン?」

 

 

突如ヒーロー殺しが放った言葉に首を傾げるデンジ。それをふん、と鼻を鳴らし、ヒーロー殺しは続ける。

 

「なってないと言ったんだ…。ハア〜…、…お前の今の行動、アレの間に八回は殺せたんだぞ」

「ヘッ!八回殺せるだあ〜〜?そんなら俺は八回生き返って九回目にてめぇをぶっ殺してやんぜ〜〜!!」

「──ハァ…。話にならないな…──贋作が」

 

 

その幼稚な態度にため息を吐いたヒーロー殺しは、デンジの血液が付着した路地裏の壁に寄って行き──、

 

 

 

「──レァロ」

 

 

 

その長い舌で血液を舐めとった。その行動を見たデンジはあまりの不快感に鳥肌が立つ。

 

「──うげ〜!何してやがんだお前!?キモッ!お前キモ!────あ?」

 

その感情をチェンソーを振ることで追い払おうとするデンジだったが、突如その動作が止まる。それどころか、体が思うように動かなくなり、ついには無防備な状態で地に伏してしまった。

 

 

「お、おお!?…何だコリャ!体ぁ動かねえ!?」

 

 

どれだけ力を込めようとしても指先がピクリとも動きはしない。何故体が動かないのか。それを考えようとするデンジだったが、それは出来なかった。何故なら────。

 

 

 

 

 

 

 

「終わりだ」

 

 

 

 

 

 

 

眼前に佇むヒーロー殺しが、既にその手に構えていた錆びついた日本刀で異形と化したデンジの首を切り落とそうとしていたからだった。

それを横目で見るデンジは必死に体を動かそうとする──、しかし、その刀はゆっくりとデンジの首元に吸い込まれて行き───。

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ギッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デンジの首が宙を舞い、ごろん、と路地裏の隅に転がっていく。その断面からは夥しい量の血液が噴水のように吹き出した。

それを冷たい目で見下したヒーロー殺しは何も言わずに背を向けて路地裏の闇に消えていった。

 

──後に残されたのは、所々を切り刻まれた死体、そしてその傍らに転がる、チェンソーの様な生首と、いまだに血液が湧き出る首がない死体だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──あれ?あれあれあれアレアレアレアレアレアレアレアレ、アレぇ!!?もしかして、────デンジ君?」

 

 

 

──数十分後、その凄惨な光景に合わない様な、喜色に満ち溢れた少女の声が路地裏に響く。その声の持ち主は死体を一瞥すると、スキップしながら首の無い死体に抱きつく。その顔は、どこか──人間として大事なものがトんだ表情をしていた。

 

 

「こんな所で会うなんて、ねぇ!これってもう、運命なのかもしれないねぇ!?」

 

 

死体は答えない。それもそうだろう。首がないので発声器官が無くなっている。それ以前に、死んでいる者はもう喋らないのだから。

しかし少女はそれに構わず胸元に顔を埋める。それと同時に少女は幸福感で体が包まれていく感覚を味わった。

 

 

「──やっぱり、良いなぁ…!最近、補充してなかったからイライラしちゃってどんどんどんどん人を殺して我慢するようになっちゃったけどこの感覚がいちばんだよねぇ…♡」

 

 

その瞳孔が開いた眼で死体の首筋に鼻を当てたまま深呼吸をする。そして、死体の足に体をすりすりと擦り付ける。それは、どんどん速度が上がって行き──。

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ──ハッハッハッハッハッハッハッ!────ッ!ッ!」

 

 

少女の体が脈打つ。そのままぐったりと力無く体を預ける。しばしその状態でいたが、突然──むくり、と起き上がり、不満気な表情を見せた。

 

 

「うーん。やっぱりデンジ君が生きてる方がいいです。今のデンジ君は暖かくなくてイヤですね」

 

 

そう言って、少女はデンジのワイシャツのボタンを外し、その胸元をあらわにする。その目線の先は、鳩尾あたりにあるワイヤーに注目しており───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのでデンジ君、おはようです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

路地裏に、ヴヴン、とエンジンを噴かす音が響くのであった。

 




イ、一体ダレナンダー
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