名前上げていいのかわからないので、上げませんがいつも誤字報告や言葉の間違いをコメントしてもらってありで本当に助かってます。ありがとうございます。
いつも書いて、プレビューで見直してで投稿してましたけど、2~3日置いて推敲しないとミス無くなりそうに無いですね……
どんなことだって自分の意思で決めてここまで来た。
自分の意思って誰が決めているのかもわからずに
9,変わるということ、変えるということ
響ちゃんが私達と同じシンフォギア装者になって次の日、今日は改めて細かいことなどを説明するために本部まで来て貰う予定だ。流石に学校が終わってからなので、私もそのタイミングに勤務時間を合わせれば良かったのだが運悪く今日がツヴァイウィングのイベントが有るらしく36時間勤務が確定している。仮眠有りとはいえそろそろ体力的にも無理できないし勘弁して欲しい。
ノイズが現れれば私一人で対処しなければいけないので、体力を温存せねばならず、トレーニングで時間を潰すことも出来ないので暇な時間が続いている。
どうしても目の前のやるべきこと、考えることが増えてきているはずなのにやる気が出ない。いざ課題に直面すると動ける人もいるが私は逆のようだ。動かなくていい時に焦ってぽかをやらかし、動かないといけない時にぱっと動けない。中々難儀な性格だこと。
「紫香ちゃんじゃない、ちょうど良かった、ちょっと手伝ってくれない?」
「了解です。やることなくて暇してたんです。なにを手伝えば?」
「今日響ちゃん来るじゃない?その時にもう一回色々検査する予定なんだけど、比較用にデータが欲しいの」
「そういえば、響ちゃんなんか私達と違うんでしたっけ?比較になるんですか?」
「逆よ?同じ検査をして、なにか違いが出るかを見たいの。比較というなら同じ聖遺物の奏ちゃんが一番なんだけど今お仕事中だからね」
今の段階では原罪が消えてないし普通の融合症例なはず。いや、普通の融合症例て意味がわからないか。
私と了子さんは割と仲良しだ。この時の了子さんの意思はもう無いとか言ってた気がするけど、そうなると私はフィーネと仲がいいってこと?まあ、この人も愛が重すぎるだけで純粋な人なのかもしれない。
「ねえ、紫香ちゃん最近どう?また新しい子が来て平均年齢下がったけど、平均を釣り上げている原因として思うところはないの?」
「あなたがそれを…… いえ何でも無いです」
こ、こえー。……一瞬顔が滅茶苦茶恐ろしくなったじゃん。フィーネさん煽られ耐性低くくない…?
「ま、まあ年齢のことは置いておいて、彼女たちは私の仲間ですけど、同時に可愛い妹たちですから。あの年齢で自分の生活を犠牲にして、命がけで戦ってるんですよ?それなのにあんなに笑顔が溢れてるのは見ていて温かい気持ちになります。なら年齢異常値の私は支えてあげるしか無いじゃないですか?」
「ほんとここにいる人たち、いい人ばっかりね。自分より他人なんて悲しい恋をしちゃうわよ?」
「未だにお相手の影も形も無いですからね…… 経験値が低すぎて大怪我しそうですよ」
「大丈夫よ!この櫻井了子が何かあっても初デートの相談から失恋の慰めまでしっかり面倒見てあげるわ」
「はは……。その際はよろしくおねがいします……」
本当にこのラスボスは…、気さくすぎるでしょ。このままだと絆されてなにか間違えそうで怖い感じ。
「はい、おしまい。協力ありがとうね」
「いえいえ、これもお仕事ですから」
「そんな固くならなくてもいいのに。あら、そろそろ良い時間じゃない、このデータ解析に放り込んでくるから一緒にお昼しない?外に良いお店見つけたのよ」
「良いんですか? 私待機指示出てるんで離れるのまずいと思うんですけど……」
「大丈夫、まっかせなさーい」
了子さんは自信満々いつもの表情で端末で通話を始める。多分流れ的に相手は司令だとは思うけど
「はいOK許可取ってきたわよ、じゃあ20分後ぐらいに駐車場で、運転手よろしくね~」
手を振りながら離れていく了子さんを見ながら、これタクシー代わりに使われてるだけでは?て疑問は浮かぶけど、美味しいお店を知れるならまあそれぐらいはいいかな。
なんとまあ、まさか高速まで使わされるとわ……、代わりにお昼代を出してくれるらしいがこうなるとどんなお店に連れて行かれるか不安になってくる。
「ごめんなさいね、そのお店ランチしかやって無くて。しかも本部から遠いから中々行けなくて」
謝罪をしてくれるのは良いけど全く申し訳なく思ってない声色で逆に清々しい。まあ、その楽しそうな顔を見ればもういいか、となるのは人格のおかげか。
「そこまでして行きたくなるようなお店なんて期待が膨らんじゃいますよ?」
「上がったハードルを見事に飛び越えて見せましょう」
こうして私達は仲良くおしゃべりをしながら車を走らせ、目的のお店に到着した。車を降りる時に時間を見れば私の昼休憩の時間の半分を過ぎており、そのことを了子さんに伝えると
「昼休み延長を許可取ったから大丈夫よ、本来ならまだ休暇期間だったはずでしょ? 休める時に休んでおきなさいな」
傍から見ると気遣いしてもらってるだけなんだけど、裏を知ってると私を本部から離そうとしているのでは?と勘ぐってしまう。司令が許可出したから大丈夫だと思いたいし、こんな思考を続けるとまた無駄に考え込むパターンになっちゃいそうだし今は棚に上げてしまいましょう。
本題の昼食に関しては宣言通り期待値は飛び越えていった。レトロな雰囲気の洋食屋でランチ限定のメニューを二人共頼んだが、これは車を飛ばしてきただけの価値があると思える。
「紫香ちゃんいい人いないの?。恋しないと女の子は可愛くなれないわよ?」
「もうどこから突っ込んで良いのかわかりませんが……、 まあ職業柄ということで。了子さんはどうなんですか?そんな噂全く聞きませんけど」
「私ぐらいになるともう100人レベルで言い寄られてもう、大変なレベルよ」
「どうせなら、了子さんが恋した話聞かせてくださいよ。そんな恋愛マスターな了子さんが恋した人がどんな人か知りたいです」
「良いわよ~、あの人は……」
そこまで言って急に了子さんのトーンが下がった気がする。何も考えず美味しい食事食べて女子の恋愛トークの流れだったので油断してしまった。了子さんが恋した男性とか一人しかいないし、どう考えても特大の地雷でしか無い。
「そうね、あの人は本当に愛しい人だった。過ごした時間、共にいた場所、交わした言葉全てが今でも思い出せるし本当にきれいな記憶よ」
先程までとはまるで違う、落ち着いた大人の女性という感じだ。でもその落ち着いた声の中に確かにその思い出を大切に思っている気持ちがこもっているのが分かる。
「でもね、ある日急に私は捨てられちゃったの。どうしてかわからない、なんでそんなことをしたかわからないの…… だからもう一度会って話したいの……」
これ、いつまで昔の男引きずってるんですか?とか言ったら一瞬で死亡フラグ立つんだろうな。いやこんな真面目に話してくれた人にそんなこと言えるわけないけど。
「あ、あらやだ、なんか真面目に話しすぎちゃったわね、今のはまあ冗談よ、じょーだん」
「了子さん、その人のこと本当に好きだったんですね。でも了子さんがそこまで恋をしたような人ならもしかしたら了子さんと離れたのもなにか理由があったんじゃないですか?」
「理由……?」
「流石に私には何もわかりませんが、きっと了子さんと別れなければ誰かが不幸になるようなことでもあったかもしれないですね。」
あー、イヤダイヤダ。答えから逆算してそれを当事者に話すとか大分ひどいことしてる気がするわ……
「そう、だったら良いわね」
「そうに決まってますよ。今度理由聞きに行きましょうよ。今回の奢ってもらいましたけど、良いお店教えてもらったお返しに相談でも殴り込みの同行でも何でも来いですよ。」
「ふふ…ありがとう。 もしそうなったらお願いしようかしら?」
「是非是非」
なんか怪しい会話になってしまった気がするけど、これはこれで良かった気もする。この後食事と会話に夢中になりすぎていた結果、伸ばしてもらった休憩時間を更にオーバーし、流石に司令に注意を受けてしまった。
日が沈み始め、学生が家や遊びに向かい始める時間。響ちゃんは時間通りに本部に到着し今日のメインイベントが始まった。
「教えて下さい、あの力のこと。私に何が出来るのかを」
「じゃあ、一つずつ行きましょうか。まずはシンフォギアの説明から。紫香ちゃん」
「はい」
「これがシンフォギア。細かいことはこれから説明するけどまずは名前がわからないとね。シンフォギアとは世界各地より発掘された伝承に出てくるような異端技術の結晶のと思って頂戴。これらは現代の科学技術では再現できない不思議な物たち。もちろんこれらができてからの年月もそれなり以上のものばかり。経年劣化で失われたものも多く、残っていたとしても欠片程度というのがほとんど。そして欠片程度の大きさではその力を真には発揮できない。逆に完全に形を残していて100%のポテンシャルを持っているものを完全聖遺物と呼んでいるわ。そして欠片しか残っていない聖遺物に特定のアプローチを掛けて元の力を引き出すために改造されたのがこのペンダントというわけ」
「特定のアプローチ?」
「思い出してみて、あなたが始めてシンフォギアを纏った時なにか特別なことはなかった?」
「あの時…… 胸の中から歌が浮かんできました……」
「そう、特定の人間の特定の歌でシンフォギアは起動する。起動したシンフォギアを用いてノイズの位相差障壁を突破して人類で唯一ノイズに攻撃、打倒することが出来るのが紫香ちゃんたちシンフォギア装者というわけ」
さて、そろそろ響ちゃんがパンクし始めた頃かな?そう思い視線を向けると真面目なのだろう真剣に聞いているが頭から煙が出始めているようだ。
「了子さん、とりあえず概要だけにして先に響ちゃんの体の状態の詳細を伝えてあげた方が」
「あら、ごめんなさい。そうね細かい話は今後しっかりと聞いてもらうとして。響ちゃんと他の三人の違いを説明していきましょうか」
「……私がそのペンダントを持っていないのに変身できた理由ですか? 」
「あら、思ってたより鋭いわね?なにか思い当たる節でもあった?」
「あの時、何となくの記憶ですけど私の身体の中からシンフォギアが出てきたような気がして、でもあの後助けに来てくれた翼さんと奏さんはそんなことなかったので」
「そう…、まさにそこがあなたの違い。シンフォギアを起動させることが出来る人間を私達は適合者と呼んでいるの。あなたも起動は出来るけど厳密に言えば適合者とは違う」
「そう……なんですか…」
「まあ、その辺りはこれからゆっくり調査していく予定よ。何も問題が起こさないとこの櫻井了子を信じなさいな」
「響くんには整理する時間が必要だろう。少し休憩して後は今後の扱いなど事務関係を含めて進めていこう」
とりあえず、一旦終わりかな。これから事務関係ということは私は力に成れそうにないから離席してもいいんだけど、響ちゃんを一人にするもの気が引けるし。
特にやりたいことも無いし、響ちゃんに付いておこうと思っていると司令に声を掛けられる。
「紫香君、この後少し打ち合わせを行いたいのだが良いか?」
どうやら、次の厄介事が流れ込んできそうだ……