小さな親切、大きな愛 [G編]   作:冬眠復帰

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遅くなりますといいながら、日間ランキングに載ったのが嬉しすぎてつい勢いで書いちゃいました。

引き続き宜しくおねがいします。


追記

装者、奏者いつもごめんなさい……

会社のIME変更したい……

投稿済みに関しても順次読み直して修正中です


11,老いに短し若きに長し

どこまで生きれば成功なのだろう。

いずこで死ねれば成功なのだろう。

 

11,老いに短し若きに長し

 

なんの前置きも無く戦えと言われても、動ける人間のほうが少ないだろう。特に最近まで日常生活を送ってきた響ちゃんは特に顕著だ。既にシンフォギアを纏い臨戦態勢な奏ちゃんは準備万端だ。流石に無防備な人間に突っかけるほど熱くはなっていないようだが、響ちゃんがシンフォギアを起動したらすぐにでも飛びかかろうとしているのが分かる。

 

「ほらほら、響ちゃん、ノイズとの戦いは急に始まることも有るのよ。いつまでもボケっとしない」

 

「でもでも、私には奏さんと戦う理由がわかりません! この前司令と話した時で終わりじゃないんですか!?」

 

「アンタに無くてもアタシにはあるんだ。さあ、早く構えろ!」

 

おーおー、奏ちゃんも追い込んでいくなぁ。いきなり話もわからずに戦えとか、しかも負ければ装者を止めろと言われてハイそうですか。と戦えるような人間のほうが少ないだろう。このままだと埒が明かないし、奏ちゃんも焦れるだろうし背中を押してあげよう。

 

「響ちゃん、難しいこと考えずに今の君の全部をぶつけてごらん。それが君の命を助けた、君にガングニールを受け渡した奏ちゃんへの恩返しになる。私を信じて」

 

「っ……! 姐さん!」

 

奏ちゃんが冷静になると余計に響ちゃんの勝ち目がなくなるしついでにかる~く煽ったつもりだったけど、やっぱ虎の尾を踏んだかな?あれは後で詰められるかな?

 

「……奏さん! 立花響、全力で行きます!!」

 

流石は全力少女。眼差しから迷いが消えてやる気が見える。私の言葉で背中を押せたのかもしれないけど、誰かの言葉でしか決断出来ないままじゃ駄目なんだけどね。まあ初回サービスてことにしておきましょう。

 

予想通りというか、奏ちゃんが一方的に攻め手を譲らない展開になっている。まあ、装者としての経験。槍と拳のリーチの差その他諸々何をとっても響ちゃんに勝てる理由が見つからないか。

 

「立浪さん! どうしてこんなことを始めたんですか!? それに立花を装者にしないって!」

 

「奏ちゃんと約束しちゃったかね。この喧嘩の後そうするべきだと思ったら私はそうするよ。司令になんて言われようが、響ちゃんにどれだけ恨まれようが約束は守るよ」

 

「……っ、 私はどうしたら……?」

 

翼ちゃんに答えを出せっていうのは酷かな?この子も優しすぎる子だし二人の願いのどちらかを踏みにじれってのは辛い選択になる。

 

「いい加減諦めろ!お前はこっちに来なくて良いんだ!」

 

奏ちゃんが自分の思いを穂先に載せて攻め続ける。理由を飛ばして伝えているのは戦闘中だからか、伝えないつもりか

 

「っ! あぐ……! どうして、そうしてそんな事言うんですか!?」

 

響ちゃんもなんとか耐えているけど反論できるような状態じゃないわね。いま持ちこたえているのも本人の実力というより大怪我をしないように手加減されているからでしょうし。

 

「いいか!アタシはお前を戦わせるために命を掛けて守ったんじゃねえ!アタシの気持ちも分かってくれよ!」

 

奏ちゃんは怒涛の攻めを継続はしているが、その表情はもはや泣く直前のようだ。それはそうだろう、今だって相手の事を思って怒っているような子だ。守りたい相手を自分が今傷つけている事実が何より心を痛めつけているのだろう。

 

「頼むよ! もう諦めてくれ! アタシは響をガングニールで呪っちまった!だからせめてこれ以上危ない世界に来ないでくれ!」

 

もはや懇願するような叫びと共に大ぶりの攻撃を放つ。今までで一番力を込めていたのであろう一撃は煙を撒き散らし二人の姿を隠していた。訓練室ということもあり煙はすぐに晴れるがそこにいたのはこの勝負始めて攻撃を完璧に受けきっている響ちゃんの姿だった。

 

「私は呪われてなんていません!奏さんが守ってくれたこの生命、だったら私は誰かのために生きるのを諦めません!」

 

そう強く言い返す響ちゃんの姿が一回り大きく見えた。

 

「私は奏さんに命を救われました、だったら私は次の誰かを助けたいんです!」

 

叫びながら受け止めていたガングニールを弾き飛ばす。勢いに負け奏ちゃんがよろけ、態勢を崩す。そのスキを見逃さず響ちゃんは右手を弓なりに引き絞る。型もなにもない勢いだけの拳だろう。でもそれが今できる精一杯で最高の一撃なのだろう。

 

「私は!全部を!諦めません!」

 

叫びと同時に轟音と先ほどとは比べ物にならない煙が辺りに飛散する。でも見なくても分かる。響ちゃんの渾身の一撃は奏ちゃんの体と心に深く突き刺さっただろう。

 

 

 

 

 

「へっ、言うじゃねーか! 良いぜ。ここからが本番だ!」

 

えー……、そこは奏ちゃん普通に受けきっちゃ駄目でしょ…… まあ不意を突かれたとはいえ不器用な一撃なら防げるもんか。でもあそこは受けてあげてお互いに認め合う所じゃないの? とはいえ奏ちゃんも少しは納得してくれたのか気持ちさっきよりは表情がマシになっている

 

「私の全部ぶつけます!」

 

響ちゃんも盛り上がっちゃって、まあこのまま若い二人で青春タイムかな? 殴り合った後土手じゃなくて訓練室のコンクリの上で寝そべってもらう事になりそうだけど。 もう二人の顔にはさっきまでの悲壮なものはなくお互いの実力を試すような笑みを浮かべている。

 

二人共そこから数分の間戦い続けている。途中からもう最初の理由なんて吹き飛んでいる様に見えるのは気のせいじゃないと思う。

 

 

「奏も……立花も……」

 

ほとんど聞き取れなかったけど翼ちゃんもが二人の名前を呟いているのは聞こえた。まあ二人を心配していたのだろう。

 

「翼ちゃん、良かったわね。二人ともなんとかなりそうね」

 

私としては普通に話しかけたつもりだったんだけど、どうやら翼ちゃんの様子が変だ。

 

「翼ちゃん?どうしたの?」

 

 

「立花!!奏!!あなた達二人は人に心配ばかり掛けて!」

 

「うえ!?」

 

「翼!?」

 

あー、二人のことが大好きな翼ちゃんはすごく心配してたんだね。それが勝手に解決して置いてきぼりを食らって堪忍袋の緒が切れたんだね。

 

おーすごい。こんな狭い所で天ノ逆鱗とか。おおすごいコントロールしてるね~

 

そうしてそのまま当然の結果として今日一番の轟音を訓練室に響かせる。途中から司令室にもなにか連絡が行っていたのだろう。司令と慎次くんが駆け込んできた。

 

「お前たち!何をやっているんだ!?」

 

そこで私達三人が見たのは床に大穴を開け、ガングニール姉妹を尻に敷き不機嫌そうな顔をしている翼ちゃんだった。響ちゃんと奏ちゃんも特に大怪我はしてい無いようで一安心。

 

「いやー、みんな全力でぶつかって仲良くなって万々歳!じゃあ汚れ落として着替えてご飯に行こっか!今日はお姉さん奢っちゃうぞー!」

 

そう宣言し、そのまま逃げるように訓練室を後にしようとしたがそうは問屋、というより大人が許してくれなかった。

 

「飯に行くのは良いが、君はまず俺と話し合いからだな」

 

 

 

 

 

そのまま、私達は取り敢えずシャワーと着替えを済まして一旦司令室に集合になった。そのまま若手三人は取り敢えず司令の拳骨一つで解散となった。私は殴られた上に今からお説教と状況説明があるらしい。

 

「ダンナ、アタシたちこのまま晩飯に行くのに姐さんの財布がいるんだけど」

 

そうか、もう財布扱いか、悲しいな……

 

「諦めろ、今回は長くなる」

 

「じゃあしょーがねえや、姐さん財布だけ預かるよ」

 

……ほんっとにこの子は。この憎たらしい顔にデコピンの一つでもぶつけてやりたいが、私はできる女。ぐっと飲み込み財布の中身を丸々渡す。

 

「えっ……? 姐さん流石にこれは……」

 

「良いから持っていきなさい。どうせそんなに入ってないし。好きなものでも食べてお土産買って帰りなさい」

 

中身的には私の1ヶ月の食費よりも多いけど使いみちも無いし良いだろう。そのまま奏ちゃんを抱きしめて他には聞こえないように伝える。

 

「響ちゃんは全力で伝えてくれたし、翼ちゃんがあんなになるまで溜め込んでたのよ。年上らしくしっかし受け止めて上げて話し合ってきなさい」

 

「……分かったよ。でも、姐さんもさっさと終わらして合流してくれよな」

 

大きくなっても可愛い妹分の頭をクシャクシャになでてやると、髪型がー!とか叫びながら三人は外へと向かっていく。あの表情を見ればきっと大丈夫だろう。

 

「さて、そっちの都合が終わるまで待ったんだ。しっかり話してもらうぞ」

 

かっこよく締められないのが中間管理職の悲しい所……

 

「簡単に言うとチーム内の不和が広がりそうだったので、問題が大きくなる前に解決しようとした、それだけです」

 

「君の言う簡単な解決の中に訓練室が一つ使えなくなることは入っているのか?」

 

「まあ、それぐらい安いものだと思いますよ。彼女たちはまだまだ若い。ちょっとした切っ掛けや自分でも気づけないよう胸の内の影響で個人の調子が落ちるかもしれないし、チームとして機能しなくなるかもしれない。それを未然に防げたのなら訓練室の一つや二つ安いものだと思います」

 

「まあ、それはそうかもしれんが…… あそこまで大事にしたんだ、君だけではなくあの三人にもそれなりに責任は負ってもらうかもしれないぞ」

 

「それは駄目です。あの子達は意見が噛み合わなくて、それでも全力でぶつかってわかり合ったんですから、終わりでいいんです。責任なんてそのための私ですから」

 

「……君はそれでいいんだな?」

 

「無茶をするのが若きの仕事。無茶を止めるのが大人の仕事。どっちでも無い私は責任を取るぐらいしか出来ませんので」

 

「俺から見れば十分大人だがな。よし分かった!では紫香君これから始末書と訓練室の復旧計画と関係部署とのすり合わせ。その他装者たちの訓練スケジュールの変更案を大至急だ。あの規模になると上にも予算を取りに行かないといけないからそれにも同席してもらうぞ」

 

「立浪紫香了解です。じゃあ執務室に行って大丈夫ですか?」

 

「おいおい、君はこの後食事じゃないのか? 流石に今すぐでなくとも大丈夫だぞ?」

 

「まあ、財布は渡してきましたし、置いておくといつまでも残りそうなんで一部だけでもやって帰りますよ。必死こいて仕事してる姿はあんまり見せたくないですし」

 

「まあ、君がそう言うなら良いが、ちゃんと相手してやらないと拗ねるぞ?」

 

「若いものは若いものだけの方が良いってことも有るでしょう。……それに今行くと全方位から責められそうで……」

 

「そういうことほど後回しにすると手ひどいしっぺ返しを食らうぞ」

 

 

そんなこんなで私の仕事はやんちゃした後の後始末ということで残務処理の目処がたった段階で深夜に近い時間になっていた。携帯を見れば三人からの早く来い攻撃から合流しなかったことに対しての文句がズラズラと続いていた。嫌がらせのつもりか三人仲良く食事をしている写真が送られてきたが私にとっては頑張ったご褒美のようなものだ。

 

 

しかし、結構な金額を渡したつもりがお釣りがジュース数本分しか返ってこなかったの流石に驚きだ。今月残り貯金切り崩すしか無いか……

 




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