小さな親切、大きな愛 [G編]   作:冬眠復帰

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言葉遣い難し過ぎて心が折れそうに……
シンフォギアてみんなセリフ考えるのが難しすぎでは?

追記
ネフシュタンの設定おかしかったので修正しました。


17,考えて行動して

今がその時なのかもしれない

いつか来るその時のために

 

 

17,考えて行動して

 

「またこの天井か……」

 

目を覚ました私を出迎えてくれたのは始めましてではない病院の天井だった。ぼんやりと天井を眺めながらあの夜のことを思い返す。

 

(私は対応が遅れて到着した時にはもうみんなは倒れていた。そして私はなぜかクリスちゃんから勧誘を受けた。本来ならあそこでのフィーネ陣営の目的は融合症例である響ちゃんの奪取のはず)

 

そう、何かがずれているのだ。私は確かにシンフォギア装者としてみれば貴重かもしれない。でも四人いる中で飛び抜けてなにかあるかと言われればそうじゃない。

敵陣営の考えなんて分かるわけも無いんだけれどどうしても考えることをやめられない。

 

「取り敢えず起きたことを連絡しますか」

 

前回みたいにドタバタするのは楽しいけど病院的にはよろしく無いし。流石は二課御用達というところかサイドテーブルには私の端末も置いてあるし指令に一報だけは入れておこう。

そうして少しの間を開けて医者やナースさんが私の部屋に到着する。前回もお世話になった人たちで担当的なものがあるのだろうか。簡単な問診だけをすまし取り敢えず数日の安静という結果になった。ついでに他のみんなの状態を聞くと響ちゃんは軽症なので簡単な手当てでもう帰宅済み、奏ちゃんは意識は戻っているけどそれなりに重症らしく私より長い入院の予定。翼ちゃんは……

 

「意識が戻らずまだICUか……」

 

やはりきつい戦闘の後の絶唱は体に少なくない負担だったのだろう。色々考えないといけないことはあるがジタバタしても仕方ない。まずは自分の身体を治すことを考えるしか無いだろう。どこまでいても身体が資本の職業なのだ。それがなくては話にならない。

 

 

私が意識を戻して少し時間が経った頃だろうか、二課から確認と伝言を持った職員が部屋を訪ねてきた。二課装者が倒れて時間が経っていないことも影響しているのだろう。メインメンバーは大忙しらしい。そんな中多いとは言えない人員の中から見舞いを寄越してくれただけでも大事にされてるのだろう。

 

「立浪さんへのヒアリングは以上になります。まずは体調を戻すことを優先するようにと司令より伝言を預かっています」

 

今回お見舞いに来てくれたはオペレータの一人でたまに食堂でランチをするような仲の子だ。業務連絡の前に心配と無茶に対するお怒りの言葉を頂き、最近年下の子に怒られてばかりで情けないやら心配してもらって嬉しいやら。

 

「今後の二課の大枠でのスケジュールに関して何かありますか?」

 

「今回負傷者が出てしまい、サクリストDの輸送計画に関して上より急ぐように要請が来ています。司令と風鳴内閣情報官の協議で立花さん一人では厳しいと言う結論で立浪さんが復帰次第輸送計画が実行に移される予定です」

 

「それはまた大変なお仕事ね…… 分かったわ、ありがとう。今後なにか変更あれば私の端末の方にも連絡を回す様に伝言をお願い」

 

私のお願いに了解を返事を貰い、その後は軽く雑談と改めての身体の心配をされ彼女は本部へと戻っていった。

 

(しかし、有る種予定通りとはいえこのタイミングでデュランダルの護衛か……)

 

これでも一応は装者達の上司なのだ、そんな計画が出ているのは把握してしていたが私が確認したときはまだ輸送計画案でしか無かったはずだ。それをこの短時間で実行にまで持っていくとは永田町の狸共も常時からこれぐらい真面目に仕事をしてくれとしか思えない。

 

やることもないし、できることもないのでただベッドの上で時間を潰してたらドアをノックする音で現実に引き戻される。さっきの子曰く二課本部は後始末やら輸送計画の準備やらで大忙しらしく当面見舞いには来れないと聞いていたし、来るとしたら響ちゃんかな? ノックに対して返事をしながらプライベートでの友人関係が薄すぎるのでは? と悩みながら入り口の方を向けばそこにいたのは予想外の人物だった。

 

「失礼する、今回は大変だったと聞いているが具合はどうだ?」

 

「えっ!?」

 

「んっ」

 

「し、失礼しました、風鳴情報官」

 

咳払いで正気に戻りなんとか挨拶をし直したけどこんなの予想できるか! そもそもアンタ二期から登場じゃないですか!

 

そんな混乱で頭の中が一杯になるけれど目上の人を何時までも立たせるわけにもいか無いので椅子を準備しようとしたら、

 

「見舞いに来て患者にそんな事をさせるわけにいかんだろう」

 

なんて当たり前の事を言われて椅子の場所を伝えるだけしか出来なかった。一応何度か顔を合わしたことは有るが司令について行って軽く紹介されたぐらいだしほとんど書類上で知っているなんてレベルでしか無いのだ。そんな人が急に自分の病室に来ればこんなリアクションになるのも仕方ないとしか言えない。

しかしなんでこの人ここにいるんだ? 肩書以上に忙しい人だし平時ですら尋常じゃない仕事量だろうに今はネフシュタンの鎧は出てくるわ、それを纏う人間はいるわ頼みの綱の装者四人は負けるは半数以上が入院と。自分で言ってて改めて認識したけどだいぶまずい、状態よね。

 

「慌ただしくて申し訳有りません。本日はどのような要件でしょうか」

 

あー、怒られるのかなー、嫌だなー。私悪くないのに……悪くないとは言えないかもしれないけど頑張ってはいるんだよー。なんて突然の襲撃に頭の中で言い訳ばっかりがこだまするけど腐ってもアラサー社会人。顔色には一切出さずに出方を待つ。この人相手に顔芸腹芸なんてできる気がしないけど顔色隠しぐらいはなんとかなると思いたい。

 

「病院に入院中の者を訪ねて来ているんだ。見舞いに決まっているだろう。と言っても弦との会議のついでではあるが」

 

そう言いながら立派な果物の盛り合わせをもらってしまう。こんな時どうすればいいのか、知識では何となく分かっていても行動に移せない。そもそも上司が見舞いに来るなんてレアケースだろうし、直属の上司はいい意味に軽い人が多いからこうカチッとしてる人に対応出来ているか不安しか無い。

 

「わざわざありがとうございます」

 

さて、ただのお見舞いならこの後少し話す程度で終わるだろうけどそんなに甘くは無いんだろうな。

 

「さて、少し時間がるのでな、雑談程度に聞いておきたいんだが今回君も戦ったという完全聖遺物を身にまとったという者の話だがどう思う」

 

どう考えても雑談の話題じゃないと思うんですが…… 多分正式な記録としては残さないから所感が欲しいてことなんだろうけどね。

 

「どこから話ししましょうか。性別は恐らく女性。私が到着するまでに装者三人に五分以上を保っていたことから完全聖遺物もしくはそれに準ずる能力を持った人間ということになると思います」

 

「なるほど、書類上の報告と相違ないな。他になにか感じたことなどは有るか?」

 

その他のことか、私が会話したのは少しの間だけだし個人を特定できるようなレベルのものではない。そうなると出せる情報はかなり少ないし、この人だと一握りの情報から真実までたどり着きそうだしどうしたものか。

 

「私の主観で無茶苦茶な事を言うかもしれませんが構いませんか?」

 

「むしろそちらの方が価値がある。書類上でわからない現場の声を聞きに来ているのだからな」

 

もう完全にお仕事で聞きに来てっるて言ってしまっているが、促された以上仕方ない。

 

「あのネフシュタンの鎧と使用者に私達とシンフォギアの関係に似た何かを感じました。纏って使っている以上使う人間は当然としてメンテナンスをする人間がいるかも知れません。特に最後全身に傷やヒビも有ったので次に万全の状態で戻ってくるならそれなりの技術を持った何かが背後にいるかも知れません。櫻井女史以外に聖遺物に関して知識技術があるような存在はあるのでしょうか」

 

「いくつかは心当たりはあるが、聖遺物を運用しあまつさえ我が国のシンフォギア装者を襲撃してくるようなものはすぐには思いつかんな。もしくは我々が把握していない存在の可能性か。なるほどそうなると二課のシンフォギアの技術や情報が流出している可能性もあるな……」

 

完全聖遺物とシンフォギアの関係ってどうなるんだろ?そもそも違う武具だから無関係だろうけどネフシュタンの鎧でシンフォギアを使ったら親子関係にでもなるのかな。

そんな無駄話は置いといて、ここからが博打だ。

 

「そしてここかは考えたくない話ですが、襲撃者は天羽奏と風鳴翼がいた事を予定外と言っていました。彼女たちは芸能人ですしその仕事であればファンや関係者であれば予定を把握できる可能性はありますが発言者を考えると……」

 

「それ以上は今は話さなくても良い。その意見に関しては弦とも共有しておくが君の方から何もしないように」

 

「承知しました。以上が一先ずの私の所感です」

 

「助かった。実際にあの者と話した内容は貴重だ。他の者にも聞いたらしいががどうも感情が入りすぎていたそうでな」

 

それはそうだろう。ライブの被害者に、大きな傷を心に残している二人だ。冷静に会話しろという方が酷だろう。

 

「他の装者には直接お会いしてないのですか?」

 

「彼女たちも今は混乱しているだろう。顔見知りの聞き取りですらあまり参考にならない内容だったのだ。知らない人間がいきなり言っても無駄足だろう。そういう意味では君が目が覚めたのが今でタイミングも良かった」

 

大人もどきですかね、それ以上に知ってるからこその冷静さであってそこを評価されるのはなんとも後ろめたい気持ちになる。

 

「ありがとうございます。話は変わりますがお嬢さんに大怪我をさせてしまい、装者としても上司としても申し訳有りません」

 

聞き取りは終わりと言う感じの空気になったし、やはり言っておかないといけないと思ったことを一気に言い切ってしまう。

 

「その謝罪は不要だ。風鳴の、防人であればこの程度難なく対処できなければいかん」

 

「そう言われてしまうと私達全員が叱責されないといけなくなるのでもう少し甘めにして頂けると」

 

「あれと君たちはそもそもの生い立ちが違う。あれはこの国を守る防人でなければいけないのだ」

 

うーんこの堅物。この親にしてあの子供有りって感じ。やっぱりあなたは翼ちゃんの父親に間違い無いですよ。

 

「他人である私が口を出すものではないと重々承知していますが、共に戦うものとして、一人のファンとしてお嬢さんの頑張りを見てあげて欲しいと考えています」

 

「……一つの意見として受け取っておこう。今日はこの辺りで失礼させてもらう。情報共有感謝する」

 

そう言って綺麗な動きで退室していった。一人になって冷静になるとあんなこと言うべきじゃなかったと後悔しそうになるけどきっと言わないともっと後悔するような気がする。どうせ出世欲も無いんだし私の評価や首であの親子が仲良くなれるのなら安いものだ。

 

「もうどうせなら翼ちゃんの写真司令経由で送ってしまおうかしら」

 

 

 

そんなしょうもない事を考えてる間に数日が過ぎ私は晴れて退院となった。未だICUから出れない翼ちゃんは仕方ないとして奏ちゃんも響ちゃんも来なかったのは少し寂しい。疲れてて忘れてただけなら笑い話で済むから良いけど、そこに意識が向かないほど落ち込んでたり追い詰められてないかが少し不安だ。

 

「どうも、立浪紫香本日より復帰しました」

 

挨拶は元気よくといつもより気持ち声のボリュームを上げて司令室に入ればギョッとした視線を受けてたじろんでしまう。何か悪いことをした様な気持ちになるが退院して元気に帰ってきただけだしなにもないはずなのに……

 

「立浪さん!どうしてここにいるんですか!?」

 

あおいちゃんにそんな事を言われてしまった…… たった数日で好感度が激下がりしてる? まあ装者の子たちを守れなかった私なんてそんなもんよね…… なんて黄昏れていると続けざまに原因を指摘される。

 

「司令から連絡が合ったはずです。サクリストDの輸送計画を伸ばすために十日はこちらに来ない様にと」

 

「なにそれ初耳なんだけど……」

 

どうやら私が嫌われているのではなく、業務命令を無視したことによる驚きだったようだ。そしてそれはそれで非常にまずい気がする。

 

「連絡は送ったはずだがな。ちゃんと確認ぐらいはして欲しいものだ」

 

「……司令、取り敢えず退院しましたので挨拶だけでもと思いまして……」

 

「それは結構。で、退院したばっかりだと思うが体調の方はどうなんだ? 俺の見立てでは後数日自宅で安静が良いと思うが」

 

「……はい、私もそう思います……」

 

失礼なのは重々承知だが会話しながら端末を叩いていけば確かに今言われたことと同じ内容の連絡が来ている。業務連絡なんて機密も有るし職場で見ればいいやと考えていた数日前の自分を呪いたい。

 

「それでは、挨拶も終わりましたのでお先に失礼しますが、響ちゃんと奏ちゃんの様子はどうですか?」

 

「彼女たちもあの夜の事をそれぞれ重く受け止めている。だが今は彼女達自身で向き合う段階だと俺は思う。君が優しいのは分かるが甘くなってはいかんぞ」

 

そう言われては何も言い返せない。流石に自分でも甘い認識も有るし過干渉は悪影響もありそうだし今日はこのまま帰るのが良いだろう。

 

 

 

 

 

そうは言っても今日は溜まった仕事を片付けていく予定しか無かったので、やることなんて当然無いし、一応は安静にしないといけないから遊びに行くのも気が引ける。

 

「仕方ない、ご飯食べて帰りましょうか」

 

まだ昼前のこの時間家に帰って昼食作る気分でもないし、いつもの店で軽くお腹に入れて家で適当に過ごしましょう。

そう決めてから早いものでもはやナビを使う必要も無く覚えている道を通りいつもの喫茶店に

 

「マスター、久しぶり」

 

「久しぶりなんて一ヶ月空けてから言うんだな」

 

私の中では久しぶりな気がしたんだけど、入院してたとは言え数日でそこまで久しぶりじゃないのかもね。それでもマスターはそこまでこの店に通ってるお得意様にサービス良くしても良い気がする。

 

「はいはい、取り敢えずいつもの。今日はご飯食べに来たからメニューもお願いね」

 

そう言いながらいつもの奥まった席に向かっていく。さっきの確認漏れも合ったから一応周りに見えないように気をつけながら端末を確認しておく。そのまま席に近づけば

 

「お前は!?」

 

そんな風に大きな声が飛んできて、聞き覚えのある声に嫌な予感を感じながらそちらを見れば

 

「……奇遇ね」

 

机の上のナポリタンで汚れたのだろう、真っ赤な口を大きく空けてこちらを見て驚いた顔のまま固まっているクリスちゃんがそこにはいた。

 

さて、私はどうしたら良いのかしら……

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