更新間隔伸び始めてるけどなんとか週1はキープしたいのでよろしくおねがいしますです。
腹が満ちれば心が満ちる
心が満ちれば人が満ちる
19 ,いい笑顔は美味しいご飯から
「よし、紫香くんと響君の準備も出来たことだ。サクリストD移送計画の詳細を説明を行う」
奏ちゃんとの一悶着も数日前。未だにみんな本調子とはいかないけどそれでも事態も時間も待ってくれることはなくデュランダル輸送はいよいよ明日に控えている。未だに響ちゃんとしっかり話せていないことは心配だけど司令への弟子入りはしているらしいし大丈夫だと思いたい。さっき話した感じも普通だったし特に可笑しい感じもないし私の心配しすぎだったのかも。
すでに全体での内容説明は終わっており、現在は実行部隊の少数へ向けての説明が進められている。私も昔の記憶の比較しながら聞いているが大きな違いは無さそうだ。今回の移送計画に関してはもう止めらられないし実行することしか出来ないけど、それでももう少し時間が欲しかったっていうのが本音なところだ。響ちゃんの話もしたかったけどそんな時間も取れやしない。司令じゃないけどお上からの命令には従わないといけないのが悲しい所。
「さて、概要はこんなところだ。決行は明日の早朝、各担当者は本日20時までに本部に入り準備を完了しておくように」
司令の説明も終わったのだろう。今日はこれにて解散、そのまま明日に向けての準備だ。私としては特に準備するものも無いしこのまま書類仕事を終わらせて早めの仮眠と行くのが一番なんだろうけど。
「響ちゃん、よかったらこの後ご飯でもいかない? 最近話せてなかったし」
「あー、ごめんなさい。ルームメイトにご飯いらないって言ってなくて……」
「それなら仕方ないわね。しかし、発言が新婚夫婦みたいね」
「いやいやいや、夫婦なんてそんなまたそんな……!?」
いい感じに混乱して意味のわかならない焦りを口から垂れ流しながら混乱している響ちゃんの頭を撫でる。ふわっとしたくせ毛なんだけど響ちゃんの元気さも相まって子犬感がすごい。奏ちゃん、翼ちゃん、響ちゃんと年齢はそこまで離れていないはずなんだけど実際の数字以上の差を感じてしまう。
「そっか、呼び止めてごめんね。早く帰らないとね」
「すみません…… では一旦帰りますね」
そう言いながら響ちゃんは未来ちゃんの待つ家へと帰っていく。
「いいねえ、帰りを待ってくれる人がいるっていうのは」
自分の寂しさしか無い自宅を思い出して悲しくなってくる。
「姐さんどうしたんだよ」
そう言いながら今回は不参加の奏ちゃんが声を掛けてくる。体調が戻りきっていないこともあり、作戦には基本不参加だけどもしもの時のバックアップということで説明会には出ていたのだ。
「いやね、家に帰って温かいご飯作って待っている人が居るって良いなと思って」
「アタシの提案を断った人間の言うこととは思えないなー」
すねた口調で非難されても可愛いだけなんだけどね。奏ちゃんのお押しかけ同棲もあの後色んなことが起きて自然消滅になったけど、少しもったいない気持ちが出てきてしまう。
「はいはい、すねないすねない。どうする? この後時間あるならご飯でも行く?」
さっきの響ちゃんの嬉しそうな顔を見るとこの後一人でご飯を食べる気持ちにも成れず、つい誘ってしまう。
「いいねえ、姐さんのオススメの店でも連れて行ってくれよ」
「良いけど、ちゃんと変装しなさいよ? 奏ちゃんすっごく目立つんだから」
この子基本変装しないからいつも目立つんだよね。翼ちゃんといるときとかどう考えてもモロバレなんだけど、大騒ぎにならないのはファンの民度が良いからなのか。それでも晩に出歩く以上ある程度は変装して欲しい。無いと思うけど私は週刊誌デビューする気はないのだ。
「へいへい。この髪目立つからセットするの手間なんだよな。いっそのことバッサリ切ってみようかな」
「だめよ、そんな事したら絶対許さないからね」
奏ちゃんのボリュームのある赤い髪が私は大好きなのだ。少しくせ毛だけど名前の様な羽の様に見える艶のある髪の毛。それが元気に動く奏ちゃんに合わせて動くの見ているのがすごく好きなのだ。昔は良く髪の手入れをしていたんだけど、アイドルになってプロの手が入ったり、自分でもやるようになったりで最近は全然触れていない。そう考えると急に手入れをしてあげたくなった。してあげたいというより自分がしたいっていうのが正しいけど。
「奏ちゃん、今回の作戦が終わったら家に泊まりに来ない? 久しぶりに奏ちゃんの髪の毛を触りたくなっちゃった」
「いいけど、その発言大分怪しい人だぞ」
言われて気づいたけどたしかに、女の子の髪の毛を触りたいアラサーとか大分ヤバい人だ。今は周りに誰も居ないから良いけれど、ちょっと気を付けないと。
「たしかにそうね…… まあ気を取り直してご飯に行きましょう。色々準備もあるでしょうし1時間後に行きましょうか」
「そんな時間いらないよ、30分後に入り口に行くよ」
またこの子は…… ちゃんとわからない程度に変装してきてくれるんでしょうね。
そうして時間になってみれば、思った以上にしっかり変装している奏ちゃんが出てきた。よくよく見れば分かるけど、すれ違い様にひと目ではわからない程度にわからなくなっている。
「奏ちゃん、ちゃんと出来てるじゃない。安心したわ」
そう声をかけると少しふてくされたような顔をする。どうしたんだろう。私としたは褒めたつもり何だけど。
「最初自分でいろいろいじってたんだけど、友里さんに会って説明したらそれじゃダメ!て全部やられちゃって……」
なるほど。奏ちゃんにしてはよく出来ていると思ったらそんな裏が会ったのか。そしてそのせいで少し機嫌が悪くなってるのか。
「しかたないわね、今度化粧とか色々教えてあげるわ。あなたもそろそろ大人なんだし覚えないといけないでしょ」
うえーと言わんばかりの顔をしている奏ちゃんを眺めながら今日のお店を考える。流石に明日の早朝から作戦があるしアルコールは論外。内容も普通の女の子ならお洒落な店を考えるけど奏ちゃんの事を考えるとガッツリ系の方が良さそうにも思える。こんな時は本人に聞くのが一番だろう。
「それで奏ちゃんは何が食べたい? あんまり遠い所は行けないから選択肢あんまりないかもだけど」
「それなら行ってみたい店あるんだ。そんなに遠くないから歩きでも行けるはずだぜ」
ならお任せしましょうかと、二人夕暮れの街を歩いて行く。夕暮れと行ってもほとんど太陽も沈み暗い時間だ。女二人の歩きは良くないのかも知れないけれどたまにはこうやってゆっくりと歩くのもいいだろう。道すがら会話も弾み明日のことなんて忘れてしまいそうなぐらい楽しい時間を過ごしていく。最近見たテレビの感想、その時に見たCMのお菓子が美味しそうだったとか本当に他愛もないことを話していく。後で思い返せば何でも無いようなことだろうけど今この瞬間の気持ちはきっと得難いものだろう。それに今私はあの天羽奏を独占しているのだ。私自身からすれば何でも無いようなことでも世間から見ればとんでもない贅沢だろう。
そんな幸せと少しの優越感に浸っていると到着したと声を掛けられる。見上げればその看板には
「ふらわー、ね……」
「この前響に教えてもらったんだ。ここのお好み焼きは滅茶苦茶うまいって言うから一回来てみたかったんだ」
いつかは行ってみたいと思っていたけど、タイミングを逃していつの間にか忘れていたけどここも重要な場所に違いない。自分で行く機会がなかったからこうして連れてこられたのはラッキーだ。」
「粉ものなんて久しぶりね。あの響ちゃんがオススメするんなら味も期待出来るでしょうし楽しみね」
「だろ。アタシもお腹ペコペコ出しさっさと入ろーぜ」
奏ちゃんがペコペコっていうの可愛いな。なんてどうしようもないことを考えながら店の中に入っていく。店内はぼんやりとした記憶と同じ如何にも、という感じの街のお好み焼き屋という感じだ。私達二人は奥のテーブル席に案内してもらう。学生向けの店なのか夕飯時なのに他の客は居ない。バレて騒がれるのも面倒だしありがたいことだけど。
「姐さん何にする? 響曰くオススメは全部らしいぜ」
「それはオススメって言うのかしら。それだけこのお店が好きなんでしょうけど」
笑顔全開で美味しさを語っている響ちゃんが簡単の想像できて二人で笑い合う。
しかし、いざメニューを決めようとしても迷ってしまう。一人暮らしで時間も不規則、自炊もあまりしない身としては貴重な機会何だけれどメニューからどれを選ぶかは迷ってしまう。
「お客さんたち響ちゃんの知り合いなんですか?」
お冷を持ってきたおばちゃんに声を掛けられる。他にお客さんが居ないからって声大きかったかな。
「そうなんだよ。響がここのお好み焼きを食べないのは人生損してる! なんて言ってくるから気になって。オススメとかある?」
「そう行ってもらえるとありがたいわね。もちろん全部オススメだけど始めてなら特製ミックスがオススメかな」
「なるほど。ならアタシはそれの大で! 姐さんも同じものでいい?」
「そうね、私はシーフードでお願いします」
「えー、折角オススメしてもらったんだからそっちにしなよ」
「そっちは貴方からもらうわ。どうせなんだから色々シェアしましょ」
メニューをおばちゃんに返しながらそういえばすでに二種類の味を想像しているのか奏ちゃんは楽しそうに笑っていた。
「はい、ミックスの大とシーフードですね」
「あ、シーフードの方も大で!」
「私そんなに食べれるかわからないわよ」
「アタシが食べるから大丈夫!」
そんな自信満々に言われてしまっては何も言えなくなる。苦笑しながらそれでお願いします。というとおばちゃんも楽しそうにしている。
「すごく仲がいいですね。お友達なんですか?」
「そんな感じかな」
「手のかかる妹みたいもんです」
噛み合わない回答と、私の方を睨んでいる奏ちゃんを見て更に笑顔になるおばちゃんは調理のために戻っていった。
「なんだよ妹って。不貞腐れるぞー」
「そのリアクションが答えじゃない。良いじゃない。私手のかかる妹は大好きだし何人居てもいいと思ってるから」
そこからやいのやいの二人で話している間に注文が来る。なるほど確かに響ちゃんが全力でオススメするだけ有って味はすごく良い。だけどやっぱり学生向けなのか量がかなりのものだ。幸い目の前ですごい勢いで食べ進めているし、私は明日に引きづらない程度に美味しくいただきましょう。美味しいものこそ腹八分目。これが美味しく食べる鉄則だと思う。美味しいからと食べすぎてしまえば折角の料理も苦しい思い出と共に残ってしまう。
……それに気を付けないと最近食べたら食べた分体型に返ってきそうで怖い。流石にぽっこりお腹でシンフォギアを纏うの勘弁願いたい。
そうして7割ほど奏ちゃんが食べ、流石に少しキツイのだろう熱いお茶を貰って食休みをしていると誰かが入ってくる音が聞こえた。満腹で気分が良くなっている奏ちゃんは変装のための帽子も眼鏡も外している。バレたら厄介だなと少しそちらの方に視線を向ければ、予想外の人物がそこにはいた。そしてこちらが反応するより早く
「ツヴァイウイングの奏さん……?」
入り口でそう言いながら固まった小日向未来がそこに居た。
最近終わり方が同じ感じになってきててまずいなーと感じてます……