小さな親切、大きな愛 [G編]   作:冬眠復帰

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テレワークになり気がつけば労働時間ばかりが増えていく。みなさまも体調にはお気をつけてください

気がつけばお気に入り500ありがとうございます!
そんなタイミングで申し訳ないのですが当面はリアルの事情より省エネ更新が続くかもしれません。引き続きがんばりますので宜しくおねがいします


24,抱え込んで吐き出して

もうダメかもしれない

でももう一歩だけ

 

24,抱え込んで吐き出して

 

 

 未来ちゃんからメールを見て胃に鉛が溜まってきたような気がするが、それでも仕事を進めなければいけない。血を吐きながらでも脳だけは動かさなければいけない。ただでさえフィーネに出し抜かれたような状態だ。私の身に起きたことを知りたいからって無防備すぎた。

 

(まずは情報を集めないと…… 知っていることと知らないことを振り分けないと)

 

 ここは司令室だ。まずは情報を集めよう。

 

「ひとまず戦闘は終わっているんですよね?」

 

「ああ、今は装者たちは現場で待機、現場の後処理を二課の職員が進めている」

 

「小日向さんに関しては?」

 

「彼女は今こちらに向かっている。民間人だがシンフォギア起動の瞬間まで見られてしまった以上、各種手続きが必要になるからな」

 

 この事件を機に民間人であった未来ちゃんがこちら側の事情を知るようになる。それだけだと響ちゃんの負担が減るからいいことなんだけどその流れが重要だ。未来ちゃんからすれば秘密を隠されてたわけで、きっと理性では正しいとわかっていても感情で納得できないんだろう。そもそもこんなややこしいことに15~16の少女を巻き込む方がどうかしてるんだ。

 それでも私は既に首を突っ込んでしまっている以上ここで逃げるわけにもいかない。

 

「司令。小日向さんへの説明は私が行おうと思うのですが」

 

「そりゃ、君の方が色々話は進めやすそうだけどいいのか? 先程まで麻酔が効いていたんだろう」

 

「だからですよ。寝てた分事務仕事ぐらいはします」

 

(そして恐らく二課で二番目に拗らせてるので話は進めにくいです……)

 

 司令は恐らく、同性でシンフォギア装者であることから都合がいいと言ったんだろうけどそれ以上に嘘付きなんて言われている以上話は拗れるでしょうね。最悪話を聞いてもらえないかもしれないわね。

 それなら大人の強権で話を進めましょう。私に悪意を集めて響ちゃんに話すのを禁止してたって流れを取れば少しは響ちゃんのへの棘も和らぐかな。

 

「それならば君に任せる。到着は30分程度掛かるそうだ。到着したら君の部屋でいいか?」

 

「そうですね、それでお願いします。あ、後誰か私の部屋に必要な書類一式用意しておいてもらっていいですか?」

 

「届けておこう」

 

「それでは宜しくおねがいします。こちらの報告は後ほど」

 

 そう声を掛け司令室を後にする。本来であれば直ぐにでも自分の執務室に戻り準備するのが一番だろうけど今はとにかく胃と肺の重いものを吐き出してしまいたい。このまま行け地面にめり込んでいけそうな自信さえある。いっそ私みたいなクソヤロウは埋まっておいたほう世のためな気もするけどせめて目の前のお仕事ぐらいはこなさないと。

 

 

 情けなくなるけど喫煙所に逃げ込んでしまう。何もなければ30分以上ここでため息で過ごしてしまいそうで、携帯のアラームを15分で掛けておく。胸のポケットから一本取り出し、ライターで軽く叩き葉を詰めておく。そうして咥え、ゆっくりと火を付けていく。先端が少し赤くなるぐらいに吸ってやれば火の役目は終わり後はゆったりと煙を肺と脳に回す時間だ。

 

「ったはーーー」

 

 声と息の間のような音を出しながら煙を吐き出していく。今日久しぶりに吸ったからだろうか少し頭がクラットする。この感覚が好きでタバコを吸い続けている人もいるそうで、私もどちらかと言うと好きな方だ。そうして吸った煙を一旦肺に落とし込んでそこから口に返し空気を汚していく。

 

 数度それを繰り返すことで少し気持ちが落ち着き、思考が回り始める。これだけ聞くと完全に中毒だよね…… 否定もできないしする気もないけど

 

「未来ちゃんにどう説明したらいいでしょうね、今の未来ちゃんは恐らく響ちゃんにも私にも不信感が強いはず。ここで奏ちゃんや翼ちゃんに同席してもらって不信感を抑え込む方法もあるけど流石にそれは後々遺恨を残しそうな気もするしできれば避けたい。」

 

 そこが一番の悩みどころだ。なんとか私だけにヘイトを向けるのがいいんだけど、響ちゃんとの関係をなあなあで終わらしちゃうと後々大爆発の規模が大きくなりそうだし。

 少しずつ方向性が決まっていく。後々のために奏者たちへの遺恨は残さない。でも響ちゃんとはしっかり喧嘩してもらう。そう誘導するために私自身をうまく使う。この方向で進めるとして後は実際の未来ちゃんの状態を見ながら決めましょうか。

 

 携帯を見てみればアラームが鳴る数分前。思ったよりスムーズに考えがまとまって良かった良かった。

 しかし、この胃の痛みはそろそろ市販薬で誤魔化せなくなってきた気がするな……

 

 

 臭いケアして自分の執務室に戻ればそこには書類が準備してあり、未来ちゃんがこの部屋に来る予定時刻が書かれていた。時計を見ればギリギリだったようだ。呼び出しておいて待たせるなんて事にならなくて良かった。

 さて私。表情を作れ。顔を作れ。気持ちを出すな。淡々といけ。

 

 そう自分に言い聞かせている内に部屋のインターホンが鳴る。声を掛け入室してもらえばあおいちゃんに連れられて未来ちゃんが居た。

 

「小日向さんですね? そちらの椅子へどうぞ。後はこちらで引き継ぎますのでここで結構です」

 

 前半を未来ちゃんに、後半をあおいちゃんい向けて言えば未来ちゃんは俯いたまま私の対面に座る。あおいちゃんはいつもと違う口調に変な顔になるけどそれでも何も言わずに退室していく。ここでいつもの軽い感じではダメなので勘弁して欲しい。

 さて始めましょうか。嫌われるためのお話を

 

「それでも説明を始めさせていただきます。名前の確認ですが小日向未来さんで間違いないですね?」

 

「……」

 

 未来ちゃんからはリアンクションすら返ってこない。口を聞いてもらえない覚悟はしていたけど返事なにももらえないぐらい嫌われているの結構辛いわね。まあ『嘘付き』なんてメールを貰っている以上ここまででも仕方ない

 ……帰りに胃腸薬買って帰ろう。キリキリしてきた……

 

「返事はなしですか。ノイズの現場に居合わせて命の危険を感じた以上仕方ありませんね。聞いておいてあれですが個人の特定は済んでいるで話を進めさせていただきますね。疑問点などあれば最後にまとめてお願いします」

 

 どうしてこんな突き放すような言い方をしないといけないのか。自分で決めたことだけど嫌になっちゃう。用意してもらった書類に沿って説明を進め最後にサインを貰う書類を差し出せば何も言わずにサインをしてくれた。一度も目を合わしてくれなかったけど話は聞いてくれていたみたいでお姉さん安心。

 

「ありがとうございます。これにて本日の説明は終了となります。この後はご自宅まで送らせていただきますので準備をお願いします」

 

「……聞きたいことがあるんです! どうして響があんな…… ノイズと戦っているんですか!?」

 

「……質問をするのであれば契約書にサインをする前をオススメします。中の条項に不要な情報を詮索をしないというものがありますのでサイン済みの小日向さんにお答えすることはありません」

 

「くっ……!」

 

 やめてー、そんな親の仇を見るような目でこっちを睨まないで…… 内容確認せずにサインするのは危険なんだよ? アプリの利用同意項目とは意味が違うということを理解して欲しい。

 

「本来ならばお答えすることはできませんが、知らない仲でもありませんし多少であれば回答させていただきます」

 

「ならもう一度聞きます! 響はどうして何をしているんですか!?」

 

「申し訳ありませんが、何でも答えれるわけでありませんので。そちらは機密事項になりますのでお答えすることができません」

 

「じゃ、じゃあどうして誰も私に何もおしえてくれなかったんですか! 響も紫香さんも嘘ばっかりで!」

 

「立花さんには私から言わないようにお願いしています。彼女は今重要な役割を持っています。それを民間人の小日向さんに伝えるわけにもいきませんので。本件に関して必要以上に小日向さんが情報を知れば貴方の身に危険が及ぶ可能性があります。それを私達は懸念しています。私に関しては言うまで無いと思うので割愛します」

 

「……もういいです! 少しでもあなたを信じようとした私が馬鹿でした! もう帰ります!」

 

「そうですか、では迎えを呼びますので少々お待ち下さい」

 

そうして迎えの職員が来るまで私達は気まずい空気の中を過ごすしかなかった。そうか未来ちゃん私のこと信じようとしてくれてたんだ…… それなのにこんなことになってしまって、でも謝るわけにもいかないんだ。許してくれとも言わないから装者たちとは仲良く戻って欲しい。

 そうして迎えとしてあおいちゃんが来たけど未来ちゃんはこちらに視線すら向けず進んでいくばかりだ。私にできることは

 

「余計な一言ですけど、響ちゃんは貴方に真実を伝えようと頑張っていました。それを握りつぶしたのは私です。だから少しは響ちゃんと向き合ってあげてください」

 

 あ、気が抜けてたせいで響ちゃんて呼んじゃった。そして未来ちゃんはいろんな感情が混ざったような表情でこちらを向くが何も言わずに部屋から出ていってしまう。あおいちゃんに改めてお願いして私は部屋に留まる。

 

 さて次は装者3人の話を聞いてどうするかを考えないと。

 

 

 

 

 

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