小さな親切、大きな愛 [G編]   作:冬眠復帰

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趣味と手癖でダラダラ書きなぐってたらこんな文字数に。
次回からG編に入っていく予定です

※ここまでの話を章分けしました


1.4割とヒマじゃない係長の一日

 クリスがうちに居候して結構経った頃、そろそろ夏本番。最近は平和な日常を満喫できていて何より何より。

 

「……最近ほんと健康的な生活してるわ」

 

 起き抜けの頭で時計を見れば以前より1時間は早い時刻を指している。流石に以前のような自堕落な限界アラサー生活は見せるわけにもいかないし最近は強制的に規則正しい生活を強いられている……

 

「クリスがまだ寝てる時間か。とりあえずコーヒーだけ準備してシャワー浴びるか」

 

 最近熱くなってきて寝汗も流さないといけないし余計に規則正しい生活。朝食も前みたいに飲み物だけなんてできないし面倒くささが強い……

 

 とりあえず汗を流して一服しながら朝食のメニューを考える。窓の外を見ればクリスを起こす時間も近づいてきてるしさっさと朝食の準備に取り掛かろう。

 

 

 

「クリス、そろそろ起きなさい」

 

「うー……、もうそんな時間かよ……」

 

「もうそんな時間ね。はい、おはよう」

 

「あー、おはよう……」

 

 最近わかったことだがクリスは朝が弱いみたいだ。というより誰かに起こしてもらえる環境だと急にねぼすけになるみたい。

 

「シャワー浴びて目を覚ましてらっしゃい」

 

 そう声をかければ声にもならないようなうめき声を出しながら浴室へと向かっていく。さて戻ってくるまでに朝食の準備終わらせちゃいましょう。

 

 

 

「「いただきます」」

 

 二人仲良く声を合わせて手を合わせ朝食を食べ進める。朝の時間はテレビを見ながらの朝食が多いけど聴き逃がせない情報も聞こえてくる。

 

『デビューからいきなりランキングを席巻しているマリア・カデンツァヴナ・イヴさん。今日は彼女の魅力に迫りたいと思います』

 

 そんなニュースを流されては画面を凝視しないわけにもいかず、手が止まってしまう。

 

「あんたそのマリアって歌手が気になんのか?」

 

「まあね、前から気になってたの」

 

 ぶっちゃけ前世がマリア推しだったりもする。彼女が表舞台に出てきたと言うことはそろそろなんだろうけど、彼女たちとも仲良くなれればいいんだけど。

 

 割と平和的に朝食を終え、二課本部に出勤だ。未だ仮設の本部だけどそろそろ正式な本部ができるらしいけどどんな建物になるんでしょうね( 

 クリスも本格的な登校は9月からの予定だけど、慣らす意味も含めてリディアンの制服を着てもらって私と一緒に二課に通う日々だ。今日もクリスが来るまでは物置のようになっていた姿見を使って全身をチェックしている。

 

「なあ、変なところないか?」

 

「大丈夫よ。可愛い女の子しか見えないから」

 

 本当のことを言ってあげれば顔を真赤にしながら反論してくる。このやり取りも何度目になるかわからないぐらいだしそろそろなれればいいのに。

 

 

「クリスを乗せるようになってから渋滞に巻き込まれたことないわね」

 

「そんなにトラブル多いんなら他の道探せよ」

 

「やーよ、合法的に遅刻できなくなるじゃない」

 

 真実を教えてあげれば心底呆れたような表情が返ってくる。諦めなさい。不良社会人は平和なときは如何にしてサボるかだけを考えて生きているのよ。

 そんなクリスを信号待ちのときに眺めてるんだけど、やっぱりご立派なものをお持ちで。流石にこっちから言うのはセクハラなので言わないけど男の頃から見ていた子の胸部装甲は気になるものだ。不躾な視線に気づかれたのか手で隠されたけど全然隠れてないし、シートベルトと手の相乗効果ですごいことになってるけどやっぱり口にするのはやめておきましょう。取り敢えず謝って機嫌を直してもらおうとすれば帰りにケーキを買って帰るのを約束させられましたとさ。

 今後小さい子も増えるしセクハラになりそうな発言は減らしていかないといけないかなー、奏ちゃんとかマリアならいい気もするけど、まあ気分のいいもんでもないしね。

 

 

「おはよーござまーす」

「お、おはようございます」

 

 二課に付けばまずは司令室に顔だして問題ないかの確認から。

 

「おはよう。しかし、紫香君、君はもう少しまともに挨拶ができないのか?」

 

「まあまあ、TPOはわきまえますので」

 

 あっちゃー、司令もここだったか。いるとわかってたらもうちょっとまともに挨拶したのに。クリスはクリスでまだここの空気に完全には慣れていないのか緊張気味だし余計に私の不真面目さが目立ってしまった。

 

「それは横に置いておいて、なにか連絡事項とかありますか? なければ予定通り部屋に籠もって事務仕事とクリスの面倒見る予定ですけど」

 

「特にはないな。書類進めるなら予算関係のものを優先して進めて欲しい。新設の本部もそろそろ稼働を始めるしな。今回は臨時予算で通るが来年のことを考えるとすり合わせをしておきたい」

 

「了解です。なんか向こうの担当変わる的な連絡見た気がするんですが」

 

「そうだ、それも有って早めに新しい担当にコンタクトを取っておきたい」

 

「了解です。何割ぐらい下駄はかせます?」

 

「初めての相手だからな、取り敢えず1.5倍ぐらいで盛っておいてくれ」

 

 了解ですー、と返事をしながら頭の中で雑な計算を始める。今回の新本部の件は復興予算に紛れ込ませて満額取れたけど、通常予算であんまり大きく取ろうとすると監査とかめんどくさいからな~。どうしたものかと悩んでいたらクリスが唖然とした顔で眺めてきている。

 

「どしたの?」

 

「……いや、お前もちゃんと仕事してるんだなって」

 

 ひどくない? これでも管理職なんだよ? 正式名称にシンフォギア係長なんてかけないから、名刺の肩書は確か特殊救助係係長か何かだったけど。

 

「ははは! 身から出た錆だな。これに懲りたなら平時ももう少し真面目に働くように」

 

「……クリス、今日の晩ごはんおかず一品没収ね」

 

「んでだよ!」

 

 なにもない日常はこんなものだ。

 

 

 

 

 特に火急の仕事もなさそうだし自分の部屋に籠もって書類仕事の続きだ。クリスも連れて、応接のスペースで入学までのお勉強中だ。ここでなくてもいいんだけど、装者の24時間監視中なんて言っちゃってるからね。

 

「なー、なんでこんな簡単なテキストまでやらないといけないんだ? なんかの罰ゲームか?」

 

「文句言わないの。あなたがそれぐらいできるのはわかってるけど、できるだけ普通の学生と同じ手順を踏んで欲しいの。」

 

 そうは言ってもクリスにすればただの作業でしか無いんだろうけどね。本人も面倒くささが顔に出ている。

 

「あなたがこれから先どんな人生を歩いていくかはわからないけど、その時に足枷にならないようになってほしいの。人生なにがどう転ぶかわからないしできる限りのことはやっておいて。貴方はシンフォギア装者の雪音クリスじゃなくて、雪音クリスがシンフォギア装者をやってるだけなんだから」

 

「アタシはシンフォギア装者だろ」

 

「今はね。あなたが他にやりたいこと見つかればそっちに進めばいいのよ。もちろん今すぐにというわけにはいかないけど、将来あなたが希望するならいくらでも力になってあげるわ」

 

「アタシの将来……」

 

 考えたこともなかったのだろう。考え込んでしまった。クリスであれば音楽の先生なんかも似合いそうなものだけど。

 

「勉強以外にもできる限り学校行事も体験させてあげるからね。夏休みには装者みんなで遠足に林間学校も予定してるから」

 

「遠足てなんだよ遠足って……」

 

「新加入の装者を含めた今後想定される街中以外での戦闘時における連携及び個別戦闘の評価及び強化訓練。なんて名目で予算計上してますから。実態は楽しい遠足にお泊まりだけど」

 

 なんてゆるい会話をしながら午前中は終わると思ったけど、どうやらそんな優しさは私はもらえないようだ。

 

 

「姐さん! どういうことだ! アタシがシンフォギア使えないなんて聞いてないぞ!」

 

 怒り心頭なんて言葉がぴったりな奏ちゃんが部屋に怒鳴り込んでくる。

 

「どうしたの大声出して。少しは落ち着きさなさい」

 

「これが落ち着いてられるか。訓練に使おうとリンカー貰いに行ったら今後は渡せないと、しかも姐さんがそれを決めたって聞いたぞ」

 

 あれま、連絡漏れが有ったか。そう思いながらスケジュールを思い出してみれば今日は訓練の予定はなかったはずであれば私は悪くないかな。

 

「了子さんがいなくなって今の私達では完全な状態でのリンカーを作ることができない。数に限りがある以上慎重に扱わないといけないの。わかってくれる?」

 

「なら、アタシはもう装者として戦うことができないってのかよ」

 

「流石に緊急時はこんな事言わないけど平時ちょっと自重してねってこと。これでもあなたのことを思って譲歩してるのよ」

 

「どういうことだよ」

 

「ぶっちゃけ平時は装者の数は少ないほうがいいのよ。装者足りませーんの方が予算なりいろんな都合がいいのよ。予算も物もあるところからは減らされるのがお役所仕事の辛いところなの」

 

「大人の都合でアタシには大人しくしてろってことかよ」

 

「本当はあなたを完全に装者から外して、ガングニールも研究用として別の場所に移す話も合ったのよ? 流石にそこまで行くと納得できないだろうし、頑張った私を少しは褒めて欲しいんだけど」

 

 理解はできても納得はできないのだろう。今は歌手としての活動にも本気だけどはじめの理由が理由だしね。守る力を奪われるのは苦しいだろう。

 

「今後のノイズ関係の情勢次第だけど基本的には2週間に1本程度でお願い。自衛用に一つは渡す予定だけどあくまで緊急事態用。」

 

「そんな頻度じゃんカンがにぶっちまうぞ……」

 

「いいじゃない。そのまま平和な世の中ならこんな物騒な組織やめちゃって翼ちゃんと頑張りなさいな」

 

 本当にそれが一番いい未来だろう。血みどろの世界なんて関係なくキラキラした世界で笑ってるのが一番なんだけどね。そうはならないだろうってのが朝のニュースから見えちゃったのが悲しいけど。

 

「わかったよ。でもなんかあったらそんな約束忘れるからな!」

 

「その時は頑張ってもらうから覚悟しておきなさい。さて、時間もちょうどいいし、お昼ごはんに行きましょうか。クリスも行くでしょ?」

 

 蚊帳の外になっていたクリスにも声をかけて三人仲良く食堂に行こう。

 

 

 

 三人揃って食堂に来たけどちょっと早めの時間てことも有って結構空いている。ここは職員なら無料だし、年上らしく奢ってあげるなんてできないけどまあ仕方ない。

 

「おばちゃん、私日替わりのAで」

 

「あいよ、最近食べる量減ったんじゃないの?」

 

「事務仕事ばっかりになっちゃって、食べたら食べた分返ってききそうでね……」

 

 昔のようにいくらでも食べれるような私はもういないんだ……。そんな私を横目にガッツリ注文してる二人を見ると羨ましさよりすごいなー、なんて感想しか出ない辺りもうダメかもしれない……

 

 いつまでもジメジメしてても仕方ないので気分切り替えて適当な席を見つけて食べ始める。最近はクリスの食べ散らかしもほとんど無くなって嬉しいやら寂しいやら。

 

「あ、紫香。テレビでマリアってやつ出てるぞ」

 

「ホントだ……。新曲出すんだ。買いに行かなきゃ」

 

 どこかで聞いたことのあるような英語の歌詞にぼんやりと昔の記憶が蘇る。

 

「姐さん、あいつのファンなのか?」

 

「そうよ? デビューから新譜は全部集めてるし結構本格的にハマってるかも」

 

「……アタシたちの新曲も今度出るんだけど」

 

「知ってるわよ? 限定版も予約したけど。何か有った?」

 

 なんでも無いとそっぽを向かれてしまった。何か嫌なことでも有ったのかな?横目でクリスに助けを求めて残念なものを見るような目で返されてしまった……。どうしてこうなった。

 

 

 

お昼ごはんを食べて午後も引き続き書類仕事だ。と思ったけど午前中に結構進んだし、結構な量が外部の確認が必要なものだしこれぐらいにしておいてもいいかもしれない。司令に頼まれた予算関係の書類も資料の取り寄せを依頼掛けたし今進めてもなーて感じ。

 

「よし、体動かしに行きますか。クリス、貴方も行くわよ」

 

「えー、今日そんな気分じゃないんだけど……」

 

「諦めなさい。貴方を連れて行かないと私もここ動けないんだから。何なら見学でもいいし着いて来なさい」

 

 それでも文句を言うクリスを半強制的に引きずってトレーニングルームに向かう。仮設だし無いと思ってたけど畳を敷いただけとはいえ武道場まで有るの順番間違えているような気もするけど便利だからOKとしましょう。

 

 途中で捕まえた奏ちゃんに慎次くんを引き連れて結構な大所帯で武道場に入る。

 

「じゃあ慎次くん、お手合わせをお願いできるかな?」

 

「了解しました。条件はどうしますか」

 

「そうね、体術だけでお願い。私もシンフォギア使わないから」

 

 さて、今の私は人間やめてるかの確認だ。

 

 

「勝ち越しだー」

 

 そんな気抜けるような勝利の雄叫びを上げる。5回やってギリギリの勝ち越しだけどそれで生身で慎次くんに勝ち越したのは嬉しい。

 

「いやはや、流石です」

 

「何いってんの。忍術縛ってもらってギリギリこれなんだから。まだまだ慎次くんのほうが強いわよ」

 

「それでも体術の冴えは流石のものでした。最近どんどん強くなってますけど何か秘密の特訓でもされたんですか?」

 

「乙女の秘密を詮索するのは良くないなー」

 

 なんて煙に巻くけど原因はなんとなくわかってる。この前司令に告げられた融合症例的ななにか。それが原因だろう。早い話が私は人間をやめ始めているのだ。ナチュラルに慎次くんを人間扱いしてないのは申し訳ないけどそうでもないと私程度の鍛錬で彼の人生のほぼ全てと言っていい鍛錬に打ち勝てるはずがない。

 

「すっごーい! 紫香さんシンフォギア使わなくてもそんなに強かったんですね!」

 

「立浪さんがここまでとは……。私も鍛錬を重ねなければ……!」

 

「響もあんな感じになっちゃうの……?」

 

 そんな声に振り向いてみてば翼ちゃん、響ちゃん、未来ちゃんのリディアン組が合流していた。三者三様の感想だけど未来ちゃんの感想はちょっと傷ついちゃいそう。

 

「三人ともこんにちは。どう? 私の肉弾戦は?」

 

「すっごくすごかったです! 私も頑張って映画をもっと観るようにします!」

 

 うーんこの司令流の申し子は。それでもその方法で強くなれるんだから不思議なものだ。私も暇な時映画見る癖でもつけようかな。

 

「なあ、あんたらもあれぐらい動けるのか?」

 

「流石にあそこまでは無理だよ。あそこまで生身でもできるのは弦十郎のダンナに緒川さん、んで姐さんぐらいだよ」

 

「鍛えてますから」

 

 そう言いながら全力の笑顔とボディビルのポーズを取ってみたけど受けは残念なようで。

 

「まあいいわ、丁度いいから装者組は生身での組手と行きましょうか。響ちゃんクリスをよろしくね」

 

「おい! 見学でいいって言ったじゃねーか!…って引っ張んな!」

 

「行くよークリスちゃん! 特訓だー!」

 

 さて皆が準備に行ってる間未来ちゃんともお話しておこう」

 

「はあい、未来ちゃん今日はどうしてこっちに?」

 

「響に誘われて。お邪魔でしたか?」

 

「そんな事は言わないけど。ここに来るなら目的を持つことをおすすめするわ」

 

 目的? なんて可愛く首をかしげる未来ちゃん。今の私が汗をかいていなければ抱きしめていた自信がある。

 ふざけた話はこれぐらいにして真面目な話もしておこう。

 

「響ちゃんたちはここに訓練や検査のためにここに来てるの。それは言い換えれば生き残るためであったり、ノイズへの対策のため。でも貴方はここで何をする? もちろん響ちゃんたちが心配で見に来ているというのを私は否定しない。でも将来あなたがなにか夢を持ってそれに向かう時にこの時間が足を引っ張るかもしれない。それだけは覚えておいて。それにここに来る頻度が高いとこわ~いお兄さんたちに目を付けられちゃうかもよ」

 

 あーあ、また未来ちゃんを曇らせちゃった。でも仕方ない。今の彼女は明確な目的もなくここに通っている状態だ。

 

「……響が心配なんです。それじゃだめですか?」

 

「いや、全然だめじゃないよ」

 

 話が繋がっていないような私の態度にポカンとした後少しふくれっ面になってしまった。そんな顔されても怖いというより可愛いって感想しか出ないんだけどな。

 

「私は真面目よ。貴方が今は響ちゃんが一番大事って言うならそれを否定はしないしいつでもウエルカムよ。ただね天秤の反対側には何が乗っているかそれだけは認識しておいてって話」

 

「なんとなくは分かりましたけど、実感がわきません……」

 

「今はそんなもので充分。それでもどこかで決めないと行けない時は来るからその時に迷わないようにね」

 

 今はいくら迷ってもいいのだ。然るべき時にちゃんとできればそれでめでたく百点満点だ。

 

 

「いっちばーん! 紫香さん相手お願いします!」

 

「元気ねえ、じゃあやりましょうか。慎次くん他のこの相手頼める?」

 

「僕で良ければ」

 

 そうして私&慎次くんタッグ対装者一同の訓練が始まる。結果としては申し訳ないけどポイポイ投げてる間に終わった感じだ。うまく教えてあげれなくて悪いけどなにか掴んでね?

 

 

 

 

 

「はーい、それでは姐さん、緒川さん被害者の会を始めまーす」

 

 奏ちゃんの号令でふらわーでの夕食会が始まるけど名前がひどくない?

 

「おまえあれどう考えてもいじめのレベルだからな」

 

 横に座るクリスからジト目で睨まれてしまう。確かにこの子は生身での戦闘は得意じゃないしちょっと重点的に鍛えたけどそこまで言わなくてもいいじゃない……。悲しくなってどこに目線を向けても私の味方はいないようで。

 

「ねえ未来ちゃん。私そんなに酷かった?」

 

「ああ、この人鬼なんだなって思いました♪」

 

 え……、なんでそんな笑顔で怖い事言われないといけないのか。確かに響ちゃんは本人のやる気と性格も合って何度も向かってきたからついついやりすぎちゃったけど、そこまで言わなくても……

 

「はいはい、私が悪かったです。今日はご飯にデザートまで全部面倒見てあげるから好きなもの頼みなさい」

 

 諦めて全面降すればさっきまでのあれは何だったのかってレベルで態度変えて急に楽しんじゃってまあ。

 

「ちょっと待ちなさい! 奏ちゃん、クリス。あなた達流石に飲み物三杯目は見逃さないわよ!」

 

「おらーお前ら!今日は姐さんの財布空にすんぞ!」

 

 もうどうにでもなーれ。騒ぎすぎてるから声を出さずにおばちゃんに謝ってみれば苦笑いが返ってきた。

 その後は以前の約束通りに未来ちゃんに奏ちゃん、翼ちゃんセットになったサインを送ってあげたり、それを見た響ちゃんがねだってみたり。なんとも言えない平和な時間が過ぎていく。できればこのまま続けばいいんだけど次は目前まで迫ってるわけで。私も次の準備を始めないと。

 

クリスと約束していたとはいえ全員分のお土産のケーキまだ買うことになるとは……。とりあえずは、ちょっと今月残業増やしてお給料増やすべきね……

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