リアルのほうが落ち着いてきたので更新再開していきたいと思います。
今後もリアルの影響受けるかもしれないので活動報告とか書いたほうが良いですかね?
私は一体誰なんだ?
何が一体私なんだ?
2.3 命の天秤
マリア達の宣戦布告? から一週間、特に動きもなくなんとも言えない時間を過ごしていた。
「ライブ会場での一件からのすでに一週間立ちましたけどなにあれ以降動きもなく、不気味な沈黙を保ったままです」
確かにあれだけ派手なパフォーマンスをぶち上げてこの期間何もないってのは不思議でしか無い。本来であれば各国の動きが整わない間に電撃的に動くのが常套手段よね。内情わかってる身として同情してあげたいぐらいだけど残念ながら雇われの公務員である以上表立ってはそんなことできないしね。
「考えられるのは2つかしらね、この不気味な沈黙も作戦内、もしくは私達の感知できない水面下で動いているか。もしくは……」
「もしくは?」
勿体つけた言い方のせいでみんなの視線を集めてしまう。
「もしくは、あのライブ会場での決起の後すぐに動けないような問題を抱えた貧乏グループか」
わざとらしく言ってみれば誰彼なくため息が返ってくる。
「いくらなんでもそれはないだろう。あそこまで大掛かりな動きをした奴らだ。そんな希望的観測だと足元をすくわれるぞ」
司令にたしなめられて可愛く会釈するけどこれが真実なんだよなー。そして私達はどこまでも対応する組織なのだと突きつけられる。なんだったかないつだって悪の大王は目的のために計画を立てて実行し、正義の味方はそれを邪魔することしかできない。そこにあるのは一面的な善悪だけで、それを取り除いてしまえば化けの皮が剥がれるとかなんとか。
「いつまでも待つなんて嫌な時間ね」
「そう言うな、もうそろそろ緒川たちがなにか情報を持ってくるだろう。それまでは俺たちは辛抱。来るときに備えて力を温存する。これも大事な任務だ」
「頭ではわかっているんですがね。頭脳明晰に見えるかもしれませんがこれでも頭より先に手足が出るタイプでして」
「安心しろ。まったくもってイメージ通りだ」
司令に断言されて司令室のあちこちから笑い声が漏れてくる。あんな事件の後何も進展がないのだ。苛立ちがそろそろ顔を出す頃合い。少しでも気分転換になってくれたのなら。
「ここで待ってても何もなさそうなので煙でも摂取してきますねー。何かありましたら連絡をお願いします」
「それに関しては問題ないが君も装者、喉を使う仕事だろう。そろそろ禁煙したらどうだ?」
「司令、仕事をするために必要な三要素って知ってます? ニコチン、タール、カフェインなんですよ」
背中にため息と白い目を受けながらダラダラと司令室を後にする。記憶どおりならこの後慎次くんがヤから始まる職業の方々から情報を持ってきてくれるはずだ。そうなれば後は廃病院になだれ込む筈だけど、流石に脇が甘すぎるとしか思えないのよね。あれだけ真正面から世界なんてもんに喧嘩を売ればどんなところからでも痕跡は見つけられるものだ。明らかに怪しい医療機器なんて目立つなんて考えなかったのかしら。まあ、あのメンツを考えれば仕方のないことかもしれないけど。子供が二人と実質子供が一人。大人組は専門知識はすごくても学者に過ぎない。汚い世界は知っていてもそれが自分に牙を向くとき真正面から来るわけがないなんいて想像できてないのかもね。
「そういえば、予想外の子供がもうひとりいたわね……」
ある意味一番のサプライズだったセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。見た感じ肉体年齢的には刃物コンビと同じが少し下? ぐらいでしょう。おそらくは私の知っているセレナだとは思うけどそれでもなんで生きているかがわからない。もちろん彼女が生きていることに関してはどちらかと聞かれれば嬉しい。しかし彼女の生存は些細でない揺らぎになるだろう。彼女がアガートラームを纏うのであればマリアはガングニールもしくはシンフォギアなしになる。あれから調べたけどセレナは表舞台に出てきていない。そうであれば彼女がアガートラームを使い続けるとして果たして七十億の絶唱は起こるのだろうか。いや、あれがなければシェム・ハの顕現は起こらないだろうしそうなればアダムも出てこないかもしれない。今の私にはそれが正解かなんて判断できないけど。
「でも、せっかく生きているのであれば笑って生きて欲しいわよね」
何があってもFISのあの子達が牢獄で一生を過ごすなんて絶対に許せない。これからどんな事が起こるかなんてわからないけどこれだけはぶれちゃいけない。誰かのために自らを犠牲にする覚悟で立ち上がった子どもたちを見捨てるなんて大人のして良いことでない。
「さてはて、結局はケセラセラね」
そろそろ私専用って書かれそうな喫煙所をでて司令室へと向かう。最近私が愛飲してる缶コーヒーの枠が増えてるのは気の所為ではないと思う。
「姐さーん、何してんだ? サボりか?」
「あなたと一緒にしないで。仕事を効率よく進めるための必要な休憩よ」
「またヤニかよ。姐さん口臭はケアしてるんだろうけど、なんかこう、雰囲気が臭い……」
あれまファブリが足らなかったかしら? 追いファブをしようにもそれがあるのは未だ煙渦巻く喫煙所の中だ。申し訳ないが少しの間我慢してもらおう。
「んで、私は司令室に戻ってマリア達の情報が来ないか待機する予定だけど奏ちゃんは?」
「アタシもそうしようかな。さっきまで新曲のイメージとか考えてたけどやっぱだめだ。アイツラのことが気になって集中できない」
「奏ちゃんは一個のことに集中するほうがきっとうまくいくわよ。あれこれ手を出すのはもう少し器用になってからね」
「へーへー、そういや書類仕事はいいのかよ? いつもだったらまだ山積んでヒーヒー言ってる時間だろ」
「流石にあんなこともあったわけだし、私は即応体制で待機任務よ。本来は奏ちゃんもそうなる予定だったけど私が握りつぶしておいたから」
「あ? なんでだよ。アタシも居たほうが良いだろ」
「戦力としてはね? でもこんな時だからこそ貴女にはいつもどおり歌っていて欲しいのよ。きっとそれは少なくない人に希望と安心を届けることができる。私にはできない、奏ちゃんと翼ちゃんにしかできないことだから」
「……しかたねーな、姐さんや響、クリスの分まで歌ってきてやるよ」
「期待しているわよ、歌姫さん?」
そんな感じで仲良く雑談しながら司令室に入ればちょうど慎次くんから通信が入ってきたようだ。内容は記憶通り廃病院を根城にしていそうってお話。
そうして現場に出ている慎次くんを除いた二課のメインメンバーで作戦会議と相成った。流石に学生組は学園祭も近いということで緊急での呼び出しは行われなかった。それに申し訳ないけどあの子達が居てもそこまで役に立てるとも思えないしね。
「さて、詳細は今説明したとおりだ。確実ではないがそれなりの確率でマリア・カデンツァヴナ・イヴを筆頭に彼女たちの一派がいると思われる。この件に関しては向こうにソロモンの杖もあることから時間をかければかけるほど被害が出る可能性があるので可及的速やかに突入しこれを制圧する。何か意見があるものはいるか?」
「99%却下されると思いますが良いですか?」
「念の為聞いておこう」
こんな事言いたくないんだけどなー
「場所がわかっているのなら隠密作戦で爆破、もしくは砲撃かミサイルかわかりませんが長距離兵器でドカン! とかいかがです?」
「……理由を聞こう」
あ、司令のトーンが二段階ぐらい下がった。こりゃまたお説教かな。
「方法はちょっと横に置いといて、拠点がわかっているのであればわざわざ殴り込まずに適当にドカンして明日の朝刊にガス爆発とホームレスの死体が複数て記事が出るのが一番かと。彼女たちは思想犯です。であれば彼女たちの動きが広がれば広がるほど彼女たちの味方が増える可能性がある。ただでさえノイズを操って見せたんです。表も裏も彼女たちに接触、もしくはすでに援助を申し出ている組織があってもおかしくない。そしてそう考えればこの一週間の沈黙にも納得が行く。であれば中途半端なことはせずに一気に跡形もなく掃除するのがベストかと」
「なるほど確かに一理はあるだろう。だが逆に質問するがその案が通ると思っているのか?」
「まさか、最初に言ったじゃないですが99%却下されるって。それでも誰も言わないなら誰かが言わないといけないないじゃないですか。そしてそれはあの時追い込んだのに取り逃がした私が適任です。もし何かの間違いで実行されても切られる尻尾は明確な方が被害は少ないでしょう?」
「……紫香君の案に関してはこれ以上議論するつもりもない。記録からも消しておくように。作戦は最初に言ったとおり今夜突入する。リディアンより装者が揃い次第決行する!」
半ば無理やりに打ち合わせは終了。まあ仕方ないよね。でも流石にみんな揃って突っ込め作戦しかないのはどうかと思うし、今更綺麗事を言える身分でもない。すでに血と呪いで染まったこの身だ。もうどこまで堕ちることに躊躇なんてしない。
「な、なあ姐さん。この前の戦闘の時もそうだったけどなんか最近おかしいよ。アタシの知ってる姐さんはあんな残酷なことを言える人じゃ無っかたはずだ」
「ありがと、こんな私をそう言ってくれて。でもね奏ちゃん。これの戦いは今までの戦いと明確に違うものだと思うの。フィーネはただ自分の愛のためだけに世界に戦いを挑んだ。でも、彼女たちは、マリア・カデンツァヴナ・イヴはあの場で国土の割譲を求めた。つまり、これは戦争なんだよ。自らの利益のための闘争それは戦争でしかない。そしてルールのない戦争であれば綺麗も汚いもない。勝者と敗者しかないのよ」
「なんだよそれ……」
奏ちゃんの化け物を見るかのような視線で我に返る。今私は何を言っていた? 戦争だ? いつから私はそんの血なまぐさい性格になったのか。そうでなくてもついさっき彼女たちを助けるって決意したばかりだろう。それがあんな彼女たちを殺す前提のような作戦を提案なんて……
「……ごめんなさい、なにか思考が混乱してるみたい。さっきまでの話は忘れて。ね?」
できる限りの作り笑いをして両手を合わせて拝むようなポーズを取る。訝しんで入るがとりあえずは奏ちゃんも先程までの不信感は少しは収めてくれたようだ。
「変なこと言ってごめんね? ちょっと頭冷やすために煙吸ってくるわ」
なにか言われる前に早足でその場を後にする。
果たしてあの夜、そしてさっき私の口で私の声であんなおぞましい事を話していたのは誰なんだ?
主人公以外の視点の話は読みたいですか?
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二課の話が読みたい
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FIS組の話が読みたい
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いらない
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全部書けば良いのでは?