アイドルマスター 最高への挑戦   作:ヒロ@美穂担当P

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「疾走のR」から始まった物語の最終章であるこの作品。
新主人公を交えて物語は始まる!!


Memory00 過去

真夏。

それは1年で最も暑い時期。

そんな真夏の深夜の湾岸線を走る1台の青い車。GT-R(R35)だ。

そしてそれに乗るのは女性2人。違和感すら感じそうな組み合わせ。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「……いるかな」

「いるよ、たぶんね」

運転する女性は助手席(ナビシート)に座る相棒に聞いた。

彼女に会うには数年ぶりだ。つい先程彼女を乗せたばかり。しかし昔からどこか抜けていて、でもはっきりとした強さを持つその性格は変わってない。

 

 

「いい加減結婚したら?希はいいお嫁さんになるよ」

「私はまだ結婚しないよ」

もうそんな歳になってしまった自分達。昔を懐かしむ事が最近多くなってきた。

「……あの人は今何をしてる?」

「アイドルというよりはタレントやってるよ」

「テレビ番組によく出てるよ。みんなと一緒にね」

彼女は憧れた人を思う。

「昔からかっこいいもん。今でも憧れる」

「はいはい」

変わらない所もあった。

 

 

 

 

 

 

「違いがよくわかる。年代が進んで進化したって感じる」

「あの時よりは確実にパワーないけどね(笑)」

このRを2人がかつて乗っていた愛機と重ね合わせる。それは当時としても現在から見ても明らかにおかしい性能だった。

各部のメカニズムは当時の物から洗練されている。このRは当時とはまるで別物だろう。

しかし、それはこのRをチューンしたかつての愛機と比べてるから出る答え。

純正(ノーマル)のこのRがまだ可愛いような化け物だったからだ。

「もうあんな感じの車は乗れないな(笑)」

「公道では絶対いらないよ。普通に走るなら軽自動車でもいいと思うな」

「だよね。でも、あの時が……あたし達の青春」

 

 

 

 

「そこ」に集まってる者達がどうなってるか想像しながら2人は進む。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

2012年11月。

富士スピードウェイを駆ける赤いGT-R。

「攻める……!行けーーーーっ!!」

勝利を目指して走る。リスクなんて関係ないようにハードプッシュ。

「これだけのアタック、車が持つのか!?」

実況者がヒートアップする。観客席全体が揺れるような熱気。

「2番手になった!!モチュールが2番手だーー!」

 

 

 

 

「あと……1台ぃぃぃ!」

アクセル全開。理性がどこかに吹っ飛んでいくのがわかった。

マージンを全部削る走り。鬼気迫るような走りだ。破錠という可能性が目に見えて高くなっている。

 

 

 

自分がオーバーヒートするのがわかる。

テンションが異常なまでに上がる。もうクーリングが効かない。

それでも前に出るために高いテンションを維持したまま攻め続ける。

「ラストッ!!」

前の車をパスした。

 

 

 

「速すぎるっ!!34号車、原田が今まで見た事がないような攻めを見せたーーーっ!」

サーキット中のボルテージMAX。誰もが彼女の勝利を確信していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……はずだった。

その赤い(R)が姿勢を崩し、コースオフしてクラッシュパッドに突っ込んでいくのは一瞬だった。

吹き飛ぶパーツの向こうでフェンスを乗り越えそうになっていた赤いGT-Rが見えたのだ。

 

 

 

 

 

回収班のスタッフ達がクラッシュしたGT-Rのドライバーを救出しにかかる。

彼女は動けないようだ。

「あああああああああああ……っ」

痛みに苦しむ彼女を車内から脱出させる。

どうやら足がやられたらしい。1人で歩行できず、スタッフの肩を借りている。やがて救急車が来た。

彼女は救急車に乗せられてコースを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

回収されたGT-Rは酷い状態だった。

フロント部分は全損、クラッシュ時にエンジンは破損していた。

フレームが大きく歪む程の衝撃。クラッシュの凄まじさを物語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モチュールGT-Rのドライバーだった原田美世は左足骨折と診断される。

他にもクラッシュ時の負傷が元で入院生活を余儀なくされ、彼女はスーパーGTとアイドル活動という表舞台から姿を消す……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は流れて2013年夏。

首都高に情熱を燃やした者達の物語の記憶はここから始まる。

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