アイドルマスター 最高への挑戦   作:ヒロ@美穂担当P

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全ての始まりの人物は明日翔達に何をもたらしたのか。
伝説を追った紅いGT-Rが明日翔に伝えた物は?


Memory04 蓮

「明日翔、帰国直後だっけ?小日向さんは」

「小日向さんも美世さんも帰国したばっかりだって言ってた。すごいよね、DTMとかいろんなレースに出たと言ってたけど」

「小日向さんは車を丁寧に走らせるし速いし……。憧れるんだ」

「んで2人はアメリカのストリートレース界でスター的存在って……。映画かな?」

「だね。でも……本当に映画みたいだよね。出会いは」

 

 

 

次に思い出したのはある意味全てのはじまりである人達。

皆が2人と出会い……今日に至る。

 

 

 

 


 

 

 

 

夢斗達に会って一週間後。

バイトを終わしていつものようにアパートに帰る。

 

 

 

 

「ん……?何これ」

あたしの部屋の扉の前に置かれている荷物。あたしの部屋に入れていた家具なんですけど。

 

 

 

「やーっと来たかい」

「げっ」

振り向くとアパートを管理する大家さんが立っていた。

「あんた、こっから出ていってもらうよ」

「はぁ!?おかしいでしょ!?」

「その台詞はこっちが言いたいっ!!あんた、家賃を2ヶ月滞納とはいい度胸してるじゃないか」

あたしはバイトでの給料を普段の生活費に回していた。だが当然バイト代では足りなくなり2ヶ月前から家賃を払えず、大家さんに待ってもらっていた。

 

 

……とうとう限界だった。あたしは必死に大家さんにせがむも……。

「あんたが何してるかは知らん。けどあんたの事はウチには関係ないだろう」

「住む所なくなるんですよ!?」

「あんたがどうなろうとウチは知ったこっちゃない」

「そんなぁ!待ってくださいよ!!」

「全部あんたが悪いんだからね」

「うるせぇぞ!」

びっくりしてあたしの部屋の方を見ると知らない男の人が。

「す、すみません……」

「やっとわかったかい。彼は部屋の新しい住人だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか家具をGT-Rに詰め込んだ後。

静かなGT-Rの車内でこれからどうするか考えていた。が、ちょっと浮かんだらすぐに考えは消えてしまう。

やがて自分の今までの行動が頭に浮かぶ。こうなってしまった理由をあたしに突きつけるように。

 

 

 

 

 

 

 

「お前は出ていけ。勝手な事をするお前は助ける気もならん」

「1人で生きるのがどれだけ大変か身をもって知れ」

 

 

 

 

 

家を追い出される直前の親父の言葉があたしに突き刺さる。あの頃は親という「檻」があった。あたしは檻の中で過ごす「鳥」だった。

檻から放たれたあたしはたった1人で生きる事の辛さを知った。

あたしの親はなんで……あんな風になってしまったんだろう。親父の親友の菊地真一さんがレーサーになる前後には今の厳しい感じになってしまった。なぜ車を嫌うようになったんだろう。

 

 

 

 

 

 

「……あっ」

あたしはあるアイデアを思いつく。ただしそれは希次第で成功かどうか決まる。

 

 

 

 

 

 

 

僅かな希望と大きな不安を胸にスマホに登録されている連絡先リストをスクロール。

「柊木希」の名前はあった。震える指で発信ボタンを押す。

 

 

 

 

 

「……もしもし」

「明日翔?どうしたの」

「あたし……アパートを追い出されちゃった。行くあてがなくて……」

「ええっ!?」

「希に頼みがある。あたしを希の家にしばらく居させてほしいの。バカな事言ってるってあたしでも思ってる。突然だし、あたしの自業自得だし」

「希の言うことは必ず守る。言われた事なんでもやる。だから……」

「いいよ」

「えっ?」

希の返事はすぐに返ってきた。あまりにも呆気なくOKと。

「私の部屋1人で使うには大きいし。それに私1人だと家事が大変で」

「えっ、でもあたし家事は自信ないよ」

「明日翔ができる事を私が教えるから。明日翔ができる事をしっかりやってくれれば文句なんて言わない」

ああ、神様。女神って本当にいたんだね。

「とりあえず……私の家まで来れる?」

「あ、うん。大丈夫」

 

 

 

 

 

 

電話が終わった後、人生で一番深いだろうため息をついた。

「……どうしようかな」

希の家に居させてもらえると言ってもあくまで居候の身。なるべく早くあたしの居場所を探さないと希に負担をかけてしまう。

それにあたしは現在住所不定。しかも掛け持ちしていたバイトは現在1つだけになっていた。

学校の出席日数の不足を考慮してコンビニでのバイトを辞めたのだ。まだ辞めていないガソリンスタンドのバイトも店長や他の店員との関係が悪く、正直辞めたい。

働かないといけないけれどそもそも今生きるのすら苦しい状況でどうしろと。

 

 

 

 

 

 

 

(行くか……)

GT-Rを走らせて都心へ向かう。目指すのは希の家であるマンション。都内のマンションでは比較的新しめのマンションだ。

 

 

 

 

マンションそのものはあまり大きくない。

けど一部の部屋の住人専用のガレージが隣接しており、希は自分の持つシルビアをメンテできる。

聞けば希が大学に入る際に実家を出て一人暮らしすると父親に言ったら希の父親がガレージ付きのマンションを見つけてくれたらしい。

また、広い部屋にしてくれたそうで希1人ではちょっと余るくらい広い2LDKだとか。でかい。

 

 

 

 

20分くらいGT-Rで走って希の家に到着。希の部屋は3階の端っこの方にある。

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

「明日翔!」

あたしを迎えてくれた希は笑顔。嫌な顔一つせずに迎えてくれるとかマジ女神。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……大変だね」

苦笑しながらあたしの話を聞いてくれた希。今まで体験した事の無い苦労。そんな事を希に話すと苦労はどっかに飛んでいくようだった。

「とりあえず明日翔を1人にしたら何があるかわからないし。私の家にいながら考えてもいいんじゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず……明日翔の部屋は作っておいたからそこに荷物とか置いて。GT-Rの部品はガレージに置いて」

希に言われた通りに荷物を持っていく。

部屋は整頓されていてあたしが住んでたアパートの部屋とは大違い。これはあたしが片付けれないからだけど。さっすがあたし!女子力皆無!(自虐)

 

 

あたしのGT-Rは希のシルビアと一緒に置かれる事になった。

屋根付きで空調完備。住人個人で使えるガレージとしてはあまりにも贅沢だ。これならGT-Rを青空駐車する事もないのが個人的に嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、明日翔にやってもらいたい事を教えるね」

あたしは希に家事のやり方や担当する事を教えられた。

女子力皆無でそもそも家事もできないあたしにとって1から教えて貰えるのが大きかった。手先が不器用なあたしのできる事はちょっとだったけど。

 

 

 

 

 

 

 

あたしが希の家に居候し始めて3日後。なんだかんだであたしのこれからの見通しは立った。

あたしはバイトを完全に辞める事にした。んで希がGT-Rに関わる事を全部やってくれるそうだ。あたしはGT-Rの整備代の計算で困った時は希にそういうのをやってもらってたからコレはありがたい。希のできること多すぎない?

その代わりあたしは希のメンテ作業の手伝いを必ずやる事になった。でもそれでよかった。

希のメンテ作業を手伝って希に車のメカ部分を教えて貰えたからだ。

少しでも自分の乗る車を深く知ろうとあたしは一生懸命に希のサポートをした。

あたしはバイトを辞めた後どうやって金銭面を工面したかと言うと希頼りだった。希に「お小遣い」としてある程度お金をもらっていた。そのお小遣いは希のお手伝い分としての報酬みたいな物だった。……うん、やっぱりあたし普通じゃなかったな。居候先の人に全部支えてもらうって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

希の家に居候してあっという間に2週間。その日はGT-Rで環状線を走っていた。以前希に依頼していたGT-Rのギア比の変更後のテスト走行を行っていた。

6速を純正の0.796から最高速アタック用に0.709に変更した。これに加えてフルブースト時の負荷に耐えれるように2、4、6速ギアを強化品に変更した。

 

 

GT-RのミッションであるDCTは奇数段(1・3・5・R)と偶数段(2・4・6)それぞれの変速系統を専用クラッチで交互に切り替えて変速している。しかしその構造上クラッチへの負担は大きくクラッチ周りの不具合が多いと希や圭介さんから教えてもらった。

GT-Rのスペシャリストである圭介さん曰く初期型のR35GT-Rはクラッチの中の部品であるオイルシールって部品が欠損する事でギアチェンジ不能になるトラブルがあると言う。ただし初期生産ロット内の稀な不具合らしく全てのGT-Rに当てはまるわけではないらしいけど。

そういう事までしっかりと把握している希や圭介さんって本当にGT-Rを知り尽くしていたんだと今改めて思ってる。

 

 

 

 

 

話を戻すと変更されてギア比でGT-Rがどう変わったかを確かめていたあたし達。

希によると6速で7000回転回って計算上時速352km出るというセッティングだった。

しかし超高速エリア湾岸線ならその効果をはっきり体感できただろうけどその時走っていたのは曲がりくねったコーナーが多い環状線。速度を乗せれずに悪戦苦闘していた。

その時あたしは早く湾岸の方に出たいと思っていた。

でも……その時C1を走っていなかったら出会えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「エンジン自体変わったんじゃって思うくらいだ」

大パワーを発揮するGT-Rの心臓部VR38。アクセルを踏めばもりもり下からトルクが出るタイプのエンジンであるVR38で「踏めない」。

排気量拡大を行った4リッター仕様のVR38を生かせないなんて当時のあたしにとってショックだった。

 

 

 

 

 

軽く気持ちが沈んだあたしを呼ぶ希の声が聞こえた。

「明日翔っ、前!」

希の声に従って前を見ると紅いGT-Rがスピンしたらしくこちらの方を向いているのが見えた。

「やっば、助けないと……!」

あたし達はGT-Rを降りて紅いGT-Rの元へ。

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか!?」

紅いGT-Rのドライバーは女性だった。左腕は包帯が巻かれており、左足はなんかゴツそうな物が着いていた。今のあたしならわかるが当時のあたしはそれがギブスなんてわからなかった。

どうやら痛みを感じるらしい女性を希と2人がかりで降ろす。

「病院に運ばないと……!」

あたしは女性をあたし達のGT-Rに乗せた。希にあたしのGT-Rの運転を頼み、あたしは女性のGT-Rを動かす事にした。

事情を理解したらしく女性はあたしにキーを渡した。

「ごめんね……巻き込んで。……うっ」

痛みで苦しげな女性を一刻も早く運ぶべくあたし達は走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走り始めて数分後。

明日翔のGT-Rを運転する希に女性が聞く。

「この35Rって……君が作ったの?」

「はい。私がエンジンとか全部」

「エンジンも……。すごいなー。見たとこ君はあたしよりも若いみたいだけど……」

「19歳ですよ。私も明日翔も」

「明日翔?」

「今あなたのR34を運転してる子です。私の幼馴染でこのGT-Rの持ち主です」

「私は車を仕上げる事はできるけど車を上手く走らせられない。けど、明日翔は車を誰よりも上手く走らせる事ができるんです。……車の事はほとんど私任せですけどね」

「君の言う通りみたいだね」

「えっ?」

「初めて乗るハズのあたしのR34を……あれだけ上手く乗れてるんだもの。GT-Rの『走り』を知り尽くしてみたい」

「明日翔はGT-Rしか知らないってのもあるんですけどね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅いR34の車内。

あたしは初めて乗る他人のGT-Rに気持ちの昂りを感じていた。

 

 

 

 

 

(この感じ……K6に似ている……?)

(K6とは違う……ハズなのに)

(本気の作りなのに走る楽しさを見失わない)

(そして感じる……。『本物』だって)

 

 

 

 

 

圭介さんのトコのK6GT-Rとは全く異なる車。なのにあたしはどこかK6に似たこのGT-Rの雰囲気に安心感を感じていた。

だがK6とは明らかに異なるモノ。「本物感」だ。

K6も煮詰められたセッティングで走りに妥協がない。しかしこの紅いGT-Rは快適性などを完全に無視した「走り」に全てを振った車だとわかる。エアコンとかを外したとかそういう物とはまた違うレベルの。

まるで競う事だけを狙ったような。その為の足回りやエアロパーツ。

そんな競う走りの中で「走る楽しさ」を見出していくかのような……。

 

 

 

 

 

 

「このGT-R……何馬力出てんだろ?あたしのR33より明らかにパワー出てるし……。K6以上だよね」

K6GT-Rは500馬力くらいだったような気が。ならこのGT-Rは何馬力なんだ。多分あたしのGT-Rの普段の出力と大きな差はない……?

 

 

 

 

 

 

 

 

湾岸線に入る。

あたしはこのGT-Rで踏んでみたかった。そう思った時には体が動いていた。

 

 

 

 

(フルスロットル……ッ!)

アクセルを床まで踏み抜かんばかりに踏み込む。

GT-R……スカイラインGT-RはあたしのGT-Rとはまた違うエンジン(RB)サウンドを響かせた。

あたしの乗っていたR33GT-R以来のRBサウンドがあたしに馴染んでいく。荒っぽい音があたしの感覚を研ぎ澄ませていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「踏んだっ!!」

「明日翔、自分の車じゃないでしょ!?」

急激にスピードを上げていくR34。丸いテールランプが希達から遠ざかる。

 

 

 

 

 

「……もーっ!怖いからあまり踏みたくないのに!」

希は観念したかのようにブーストコントローラーを操作。ブースト1.7kgで推定1000馬力を叩き出すモンスターGT-Rが咆哮する。

 

 

 

「何馬力出てるんだ……!?」

女性は驚いた表情だ。無理もない。公道で1000馬力の車なんて乗りこなせる物ではない。

「今の状態でたぶん1000馬力ですね」

希が軽く顔に緊張を見せる。確かにこのRを作り上げたのは自分。しかし乗るのは明日翔。このRで限界まで攻めれるのは明日翔だけだ。

「1000……本当に1000馬力なんて存在したんだ……」

「どういう事ですか?」

「あたしはかつてあるGT-Rをチューンしたの。持ち主は全盛期の時には1200馬力出たって言ってね。さすがにやりすぎだなって思って。車への負担も考慮してあたしがセッティングし直して……あのRBは800馬力くらいに落とした。NOSも使ってギリギリ900馬力ちょいだったけど」

「なんか……すごいですね」

「でも常に使える訳じゃなかった。けど……あの35Rは本当に出てる」

「あなたは一体何をしてるんですか?」

希は聞く。自分もそうだがそんな車を作るなんてまず普通はしない。(自分)のシルビアでも約500馬力といったところ。女性は自分達のGT-R以上のパワーを持った車に手を入れた。チューナークラスの知識量がないとそんな事は決してできない。

 

 

 

「アイドルの端くれだよ。今は全然仕事してないけどね」

苦笑いしながら女性は自身の左足を見ていた。女性は怪我で仕事ができないと希は悟った。

「そして……首都高ランナー。憧れを追うためにあたしは来たから」

そう語った女性の横顔にはまだ諦めないという意志の強さが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首都高を降りて病院前に到着したあたし達。あたしは希と協力して女性を車から降ろす。

 

 

 

 

 

「美世さん!一体どうしてここに!?」

声のした方向には黄色いRX-7と男が。何故か真そっくりで可愛さがある顔立ちの男はこっちに走ってきた。

「勝手に出歩いちゃダメですよ!」

「ごめん。でも……」

 

 

 

「君達が美世さんを?」

「あ、はい」

美世と言うらしい女性をここまで連れてきたのか聞かれる。

「その人のRがスピンしてて」

 

 

 

 

 

 

「ねえ……明日翔。美世ってもしかして……」

「え……?いやいやまさか……」

 

 

 

 

「「原田美世さん……?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あたしの事知ってるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

女性、もとい美世さんの言葉が本当である事をあたし達は痛感する。

彼女は「紅のシンデレラガール」と呼ばれる首都高トップクラスの首都高ランナー。346プロのアイドルでもあり、そして去年の春にスーパーGTのGT500クラスでモチュールのドライバーとしてデビューした。

あたしは彼女の活躍に度肝を抜かれた事がきっかけでサーキットを駆ける赤いGT-Rのような真っ赤なGT-Rを買う事を決めたほど。

 

 

 

 

「あ、そういえばそのRX-7って……この間埼玉で見た」

あたしは美世さんと話していた男の車だろうRX-7を少し前にCRSからの帰り道に見た事を思い出す。

あの夢斗(自由人)のインパクトが強くてあまり目立っていなかったが、このRX-7も相当速かった。

そして美世さんと対等に話している。只者なわけが無い。

 

 

 

 

「僕は346プロのプロデューサーの小日向蓮って言います。……美世さんと同じくレーサーをやってます。あんまり目立たないけどね」

 

 

 

 

 

 

「あの……すみません、聞いた事ないです」

希が申し訳なさそうに言う。あたしも知らない。

「あ、でもチームわかれば多分出るかも……」

チームとか何かしらわかれば多分わかる。そう思ったあたしは聞いた。

 

 

 

「『D-LINE』。僕はスーパー耐久に出てるんだ。監督は片桐マサキさん」

「ちょっ……ええええ!?」

とんでもない名前が出てきた。日本のモータースポーツ黄金期に大活躍した「ミスターGT」なのだ。そんなビッグネームが出てくるなんて思ってなかった。

 

 

 

 

「いつか君達のGT-Rと走ってみたい。夢斗君も交えて」

「知ってるんですか?」

「ああ、夢斗君は……って。君達も知ってるのかい?」

「あー……色々あって」

「夢斗君は常識に囚われないんだよ。けど、ああ見えて結構努力家なんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「美世さん連れてきてくれてありがとうね」

小日向蓮さんと美世さんと別れてあたし達は帰る。

しかし美世さんと小日向さんの印象の強さが残ってた。シビれるくらいに。

 

 

 

 

 

 

後日、街中で夢斗に出会い小日向さんと会った事を話した。夢斗はまるで知ってた風に言ってくるモンだから夢斗の足を踏みたいって思うくらいにはイラッと来た。

でも夢斗は小日向さんの事を本当にレベルの高い人と言っていてこの自由人が認める走りをするんだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首都高(ストリート)でトップに立ち、世界に挑んで……今はトヨタのドライバー」

「2人ともトヨタ(同じチーム)でル・マン24時間レースに出場ってもう運命かなにかだよ。そして3連覇かつ3年連続のワンツーフィニッシュが懸かっているなんて……」

「希、小日向さん達は2連覇の時が初参戦だから」

「あ、小日向さん達にとっては2連覇目を目指す事になるんだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小日向さんは何回か帰ってきてるって言ってたけど美世さんが帰ってきたなんて聞いた事ないや」

「美世さんは1回も帰ってきてないんじゃ?」

「あー、ありえる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰ってくる……か。

あたしの脳には娘の(スープラ)と同じ色の車の前で話をしてくれた菊地真一の姿が浮かんでいた。




今回少し長め。というか今回から話の密度が濃くなるのでだんだんと長くなっていきます。





《次回予告》
昔の首都高を知る男、菊地真一。
彼はあたしの親父が変わってしまった理由と真の走り出した理由、そしてレーサーになって思う事をあたし達に伝える。
父の話を聞いた真は……。
「生きて帰ってくるんだ。もう彼のような人を増やしてはいけないからね」
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