とあるオタク女の受難(僕のヒーローアカデミア編)。   作:SUN'S

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第12話(緑谷出久)

ヒーロー名「スピキュール」ーーー。

数多の武術を独学にて習得しており、細胞の活性化を中心とした肉体強化を行いつつ、ヴィランを捕獲することを優先している女性ヒーローである。

 

個性の発現する前、旧世代の漫画やアニメ蒐集を趣味としている。最近だと子供と歩いている姿が目撃されており、世間には知らされていない人妻だと噂されている。

 

「デク君、なにしとんの?」

 

「あ、いや、スピキュールさんのことを調べてるんだけど。本名不明、年齢不明、趣味以外は分からないんだ…」

 

「なんかストーカーみたいやね!」

 

「ストーカー!?ま、まあ、調べてる訳であってですね。スピキュールの動きを真似すれば強くなれるかな?なんて考えていたり……」

 

それに、かっちゃんと切島君の急激な成長にはスピキュールが関係している筈なんだ。

 

十数年間、かっちゃんの動きを観察してきた。爆破の個性を使用しない対人戦闘を自分から仕掛けてくるなんて有り得ない。優位性を捨てるような行為、今までのかっちゃんとは違うんだ。

 

そんなことを考えていると「緑谷君、ぼ…俺も良いだろうか?」と言いながら飯田君が話し掛けてきた。

 

なんだろ?いつもと違うよな。

 

「どうしたの?」

 

「兄さんの使っている技についてなんだが、どうやらスピキュールさんが関わっているようなんだ」

 

また!?スピキュールの友好範囲の広さに驚きしかないんだけど。いや、あの活性の個性は救命活動でも役に立つ汎用性の高さだった。

 

交通機関の鉄壁の法則者"インゲニウム"と接点があるとは思えないけど。……わざ?飯田君は技って言ったのか?

 

「ひょっとして(スピア)タックルのこと?」

 

「僕も兄さんに習おうとしたんだが『俺の使ってる未完成のスピアを覚えるより完全版のトライデントを覚えてこい』と言われた。兄さんがサイドキック時代だった頃の資料を漁ったんだ」

 

「そして、スピキュールに辿り着いた……」

 

う~ん、う~ん、ヴィランの動きを右手一本で封殺するスピアタックルの上位互換と捉えるべきなのかな?それでもトライデントっていうのは、どんな技なんだろう。

 

「切島君、スピキュールさんの使ってる技…どんな感じなのか教えてもらえるかな?」

 

「おお、そのぐらいお安いご用だぜ!!俺は硬化の個性と相性の良いギャラクティカマグナムって技を教わって、爆豪のヤツは「切島あぁぁ!!」……言っちゃダメみてえだな」

 

「あはは、そのギャラクティカって技を詳しく教えてもらえるかな?飯田君の聞いたトライデントに関することが分かるかもしれないんだ」

 

「よく分かんねえけど。マグナムは右の必殺技だな。完成すれば相手をブッ飛ばすほどスゲー技なんだとさ。この技を使ってたヤツは天才の中の天才だったらしいけど。俺はバカだし、使いこなせるまで努力あるのみだ!!」

 

天才の中の天才、そんな人の技を学生相手に教えるほど数多の技を有している。もしかすればワン・フォー・オールを使いこなすために必要な要素が含まれているかもしれない。

 

「(うち、話からはずれてるなあ……)」

 


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