とあるオタク女の受難(僕のヒーローアカデミア編)。   作:SUN'S

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第27話

Χ月Κ日

 

死穢八斎會本拠地にて思い悩んでいるキモダサ前髪を放り投げるように避難させ、地面や正面から飛んできた拳撃を受け流す。

 

うわっ、筋肉の塊しかいないんだけど。しかし、困ったな。個性を使えないから治してやれない。うん、手加減してあげよう。

 

さあ、掛かって来なさいな。

 

ん?おお、おおおっ、君は北斗百裂拳みたいな技を使うんだね。そっちの人は「触らせろ」ってうるさいけど。流石に怪我してる状態だし、北斗神拳の使い手を相手するのは骨が折れそうだ。

 

まあ、拳を振るう前に捕まえれば問題ないけど。動けないのは五輪砕きっていう、簡単に言ってしまえば逆式羽交い締めを仕掛けてるからだよ。

 

そんなに心配する必要なんてない。

 

今から放つジョー・ヒガシ膝地獄を受けて立ち上がってきたヤツはいない。ん?おお、ずいぶんと打たれ強いんだね。ひょっとして、膝地獄より破壊力のある攻撃を受けたことがあるのかな?

 

Χ月Ь日

 

折角、倒したのに逃がしてしまった。

 

しかし、世の中には地面や壁を動かすという摩訶不思議な個性を使うヤツがいるんだな。

 

あのキモダサ前髪は居なくなってるし、迷路みたいな場所を動き回るのはダメだな。体力を消耗したところを襲われると負ける可能性だってある。治崎さん、暴れないからエリに会わせて貰えるかな?

 

ん?おお、治崎さんを避けるように壁が動き始めた。なんて言えば良いのか、悪役の登場みたいだね。

 

あらあら、手錠なんて悪趣味だね。

 

それじゃあ、エリのところまで行こうか。あ、ちょっ、抱っこされるのは恥ずかしい。逃げないし、攻撃しないから降ろしてくれない?

 

あはは、やっぱりダメなのね。いや、拘束する意味合いだと適切な行動なんだろうけど。

 

イケメンフェイスが近すぎるんだよ。

 

おばさん、ショック死しちゃううぅ……。

 

Χ月ヱ日

 

エリのご飯を作っていると地鳴りや爆発音が聴こえてきた。通路を組み換える度に地盤変動させ過ぎたせいかな?

 

そんなことを考えていた瞬間、キモダサ前髪が「ここから出やすよ」と言ってきた。

 

ふむ、拠点を移動するということだね。

 

通路を進んでいると通形君が壁を透過しながら飛び出してきた。しかし、通形君の戦闘する動きを見るのは初めてだな。

 

ほとんど透過するタイミングや範囲収縮を叩き込んできたけど。

 

あれほど動けるようになってるとはビックリした。うん、あのまま強くなればオールマイトを越えるかもしれないね。まあ、表情を変える練習しないとダメそうだけど。

 

おお、私を透過しながら殴り飛ばすとはスゴいことを出来るようになったね。ちょっとエリを引っ張ろうとするのは止めなさい。

 

おっ、おおっ、危ないじゃないか。

 

あらあら、まあまあ、すごい勢いで地面が崩れていくね。このままだと怪我しちゃうわね。

 

そういうことなので、死にたくない人は抱き着きなさいな。こよキッチンから持ってきた箆で壁を叩きながら落下速度を低下させるからさ。

 

名付けてお母さんのヘラッシュです。

 

うん、まあ、なんとか着地することは出来たね。あと、キモダサ前髪には「ダサい名前でやすね」なんて言われたくないんだけど。

 

 


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