とあるオタク女の受難(僕のヒーローアカデミア編)。   作:SUN'S

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第41話

‡月;日

 

ヒーロー科の生徒達には、ゆっくりと流動する水のように身体を動かし、危機察知能力を強化しながら個性を無意識でも発動することを前提とした流水演舞を行わせている。

 

この「流水演舞」本来の名称は流水制空圏なのだが、爆豪君を筆頭とした衝動の性質を持つ人でも扱えるように改良してある。

 

欠点といえるのは「精神統一」を行うため、雑念を抱けば抑えていた疲労感が津波のように押し寄せてくるところだけ、私は最初から使えてたから問題ないけど。

 

素人が見ても切島君と鉄哲君は苦しそうだと分かるし、あのまま続けると倒れる可能性だってある。

 

そのため、二人には二重の極み龍門の解放を伝授することにした。

 

上鳴君や物間君は「ずるい」だの「贔屓」だの言っていたが、セメントスの作り出したセメント山を「二重の極み」で壊せば黙ってくれた。

 

うん、分かり合えてよかった。

 

‡月⌒日

 

治崎さん、結婚式場のカタログを見るのは良いですけど。そろそろ仕事を探さないとダメですよ?

 

えっ、アイテム作成を行う会社ですか?たしかに治崎さんほどの人であれば会社経営なんて楽々ですね。成る程、社員は死穢八斎會の人を雇うんだ。

 

それじゃあ、私は資金を提供するスポンサーとして応援していきます。ん?おお、会社を建てる前に子供用移動補助機を作ったんですね。

 

コレって「エア・ギア」なのでは?

 

まあ、子供達の間では流行りますね。キャッチコピーは「インゲニウムより速さを目指せ」とかですかね?

 

それじゃあ、試してみましょうか。んっ、ちょっとだけ大きめですけど。なんとか履けますよ、それでは行ってきます。

 

なんと言えば良いのか、自転車より速いのに安定して進んでいける感じだった。とりあえず、これは使えるということが判明しました。

 

‡月Ζ日

 

今日は死穢八斎會改め「S.H.C.C.」の門出のため、豪勢な料理を用意してみた。品種改良を重ねてきた宝石の肉をメインとした焼き肉である。やはりベジタブルスカイを作るのは難しかった。

 

ちなみに「S.H.C.C.」の意味は「死穢八斎會ヒーローアイテムコーポレーション」の略称らしい。もっとマトモな名前は無かったのだろうか?

 

まあ、あの「エア・ギア」じゃなくて「エア・ウォーカー」の売れ行きは初日なのに凄まじいと聞き、インゲニウムは人気なんだと再確認することができた。

 

治崎さんからエリ専用「エア・ウォーカー」を貰ったのだが、蜥蜴の壁や天井に張り付く能力をナノマシンで再現しているため、転けたりすることはないらしい。

 

うん、過保護なのは良いことだ。

 

なによりエリには怪我してほしくないし、怪我するような行動は控えてほしい。そういうことなんだ、天井から降りてきてくれないか?

 

頭に血が上っちゃうぞ。

 

ああ、そのまま壁を滑って降りてくるのよ。

 

はは、何処へ行こうというのかね。

 

 


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