とあるオタク女の受難(僕のヒーローアカデミア編)。   作:SUN'S

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第6話

κ月┰日

 

エリ、この見た目が悪くてヘタレそうな少年の名前は天喰環と言ってね。食べたモノを再現する個性を持っているんだ。環君、今日こそ昆虫類も食べれるようになろうな。

 

なに、心配することはない。

 

その生き物の戦い方は映像撮影してある。まあ、最初に食べるのは昆虫類ではなく甲殻類だけど。みんな大好きな紋華青龍蝦(モンハナシャコ)だーーー。

 

この生き物は「海中のボクサー」と呼ばれるほど卓越したパンチ力を持っているが、私がシャコを選んだ理由は「目の良さ」だ。

 

細めている目でも相手の攻撃を避けることが出来るように配慮したつもりだったんだけど。シャコを食べるのは嫌だったかな?

 

ほら、このパンチ力はエグいだろ。しっかりとエビフライにしてあるし、お腹を壊す心配はない。

 

さあ、再現できるまで頑張ろうな?

 

κ月$日

 

なぜか相澤に怒られた。いや、まあ、食べさせ過ぎたとは思っている。それでも戦闘方面には使えるモノだったんだ。少しは褒めても良いんじゃないか?

 

エリだってエビフライを美味しそうに食べていたのに、そこまで言うなら私の作ったエビフライを食べさせてやろうか?

 

なんと、大きめのお弁当箱でいいのか?

 

その「必要最低限の筋肉しか必要ありません」みたいな体型なのに大きめのお弁当箱なんて完食できるのか?

 

まあ、作る側の人間からすればお腹一杯になるまで食べてもらえるのは嬉しいことだな。

 

それでも栄養バランスを考えたものを提供しようではないか。なに、作ろうと思えば五人だろうと十人だろうと作ってやるさ。

 

むっ、相澤の分だけでいいのか?

 

κ月㎜日

 

すまないな、まさか一般人が倉庫の中に居るとは思わなかったんだ。……怪我とかしてないよな?ああ、それなら良かった。ん?「なんで崩れない」と言われても崩れるような体型ではないと自負しているが、変なところに脂肪でも付いているか?

 

そうか、君の個性の話だったのか。しかし、崩壊とは聞いたことの無い個性だな。成る程、五指接触で発動するのか。

 

よし、私と握手しよう。

 

気にすることはない。ちょっとした個性での実験を兼ねているだけだ。治癒力の活性化を使えば君の個性を打ち消せると思ってね。

 

ほら、思った通りーーー。

 

君の個性でも壊せないモノはあったよ。そんなに心配する必要はない。個性の制御を覚えたいなら私を使えば良いじゃないか。私の家の場所と事務所、二つとも住所は教えるから会いたくなったら来ると良い。

 

ん?ああ、ヒーロー名は「スピキュール」だけど。そこまで有名ではないよ?最近だと「変身し過ぎだろ」とか「この前のライオン丸っていうの最高でした」とかファンレターに書かれることが多いからね。

 

なに、君だって頑張れば認めて貰えるさ。なにより「なにかを諦める」なんてこと「諦めればいい」。善だろうと悪だろうと貫けば真実となるーーー。

 

まあ、受け売りだけどね。

 

じゃあ、トムラ君も気を付けて帰るんだよ。

 


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