なので、ラディッツが来た時は別に甥っ子誘拐とかはせず、まずは話し合い。
でも、実弟からサイヤ人を批判する発言が出たため、殴り合いになった感じです。
ちなみに悟空は死なないで界王星で修行しました。
ベジータ達は一族の方針(この場合は自分達を飼い殺してる(この時点では惑星ベジータのことは知らない)フリーザ打倒に手を貸す)に従わない悟空と、弟に味方することにしたラディッツに焼きを入れることが目的で地球来襲。
別に地球人をどうこうって考えはなかったですが、売られた喧嘩は高く買うのがサイヤ人なため応戦したって感じです。
ちなみにこの時のナッパの死因は自爆です。その後ドラゴンボールで生き返らせるってことになったことあるんですが、本人が拒否したので死んだままです。
そんなわけでこの話ではラディッツが普通に地球で生きてます。
ちなみに原作レッドリボン軍編に出てきたスノちゃん(だったよね?)と結婚しており、娘がふたり、末っ子に息子がひとり、この話の時点で三人の子持ちです。
義妹のチチや甥っ子達との関係は良好で、人造人間編後悟空死亡中は週に一回ペースで子供を連れて野菜を持って来たりしてくれました(ラディッツは家庭菜園というか本業規模で農業やってます)
ラディッツは超サイヤ人になれません。
そのことを本人は非常に気にしているのですが、本人以外は全く気にしていません。
それよりラディッツがちゃんとお金稼いでる(修行もしてます)ことがチチにやたら褒められ「お義兄さんは偉いだなぁ。ちゃんと家に毎日帰って、野菜作って、子供の面倒見て」と悟空は兄が遊びに来るたびに肩身が狭い思いをしてます。
でも悟空は兄が好きです。
ですが、サイヤ人のこととか、両親のこととかは自分から聞いたことはありません。
本人としては無意識ですが、地球で大半生きてきたため、自分の根底が変わってしまうように感じたからです。
そんな感じの前提の話です。
ざっと読んで大丈夫だと感じた方。
お待ちしておりました。
楽しんでいただけたら幸いです。
「これからそなた達がどこで生き、どこで死のうと、自分達がサイヤ人の戦士であること、王家の血をひいていること、その誇りをけっして忘れるでないぞ」
ベジータが母からそう告げられたのはいつだっただろうか。
確か、初陣の直前だったような気がする。
もう数十年前のことで、時期すら曖昧にもかかわらず、その言葉と真剣な母の顔だけは鮮やかに記憶に焼き付いてた。
母は美しい女だった。
濡れ羽色の髪に、透き通るように白い肌。
華美なほどに整った顔立ちに、均整のとれた長身。
高貴な血筋に見合った高い戦闘力と非常に優れた頭脳を持つ戦士であり、誰よりも戦闘民族であることを誇りに思っていた。
今思い返せば母は遠くない未来、サイヤ人がフリーザに滅ぼされることを悟っていたのだろう。
そしてその時、自分の子らがどれほどの地獄に置かれるのかも。
だから言葉を贈った。
子らが忘れないと確信して。
現にベジータは忘れなかった。
星が消滅し、様々な物を奪われ、蹂躙されても、けっして忘れなかった。
※※※※※
「もきゅめんたりー?」
数人の友達を伴って訪ねてきた高校生の甥っ子に、ラディッツは不思議そうに聞き返す。
甥っ子が訪ねてくること自体は別に珍しくもないし、週に一度はラディッツが自作の野菜などを届けに行っているので久しぶりというわけでもない。
だが、こうして身内以外の人間を複数連れてきたのは初めてだった。
全員悟飯の高校の同級生。
シャプナー、イレイザ、ビーデル。
あの魔人ブウ戦の後紹介されたため、一応面識のある面々だ。
今回は何か知らないが、高校で出た課題を共同で行うのだと言う。
が、ラディッツはサイヤ人だ。
というか生粋の宇宙人だ。
同胞のベジータなどは、趣味が読書であるくらいだからこちらの文字をしっかり覚えているのだろうが、自分はすでに滅びた母星の科学の力によって地球で使われている言語が話せるだけで、読み書きはそこまで得意ではない。
時々近くの町の飲み屋でたちの悪い酔っ払いを追い払う仕事をしたり、自分で作った野菜を農協に卸したりしているので、生活に不自由ないくらいには覚えたがその程度だ。
そんな自分が現役高校生(しかも悟飯は学校一の秀才だという)に協力できることなどあるのだろうか。
素直にそう口にすれば、甥っ子は『もきゅめんたりー』を作るのに協力してほしいというのだ。
そもそもその単語自体に聞き覚えがない。
何をどうすればいいのかさっぱりわからないまま、、どこか緊張している様子の悟飯とその友達にブランデー入りのホットミルクと自家製の菓子を出してやりながら、自分も椅子に腰かける。
すると待ち構えていた末っ子のビーツが父の膝に乗って来た。
地球でラディッツは弟と同じように結婚して、三人の子供をもうけた。
上ふたりが女の子で下が男の子。
それぞれユキ、サクラ、ビーツと名付けた。
上ふたりが母親と北の都へ買い物に行っているため、留守番をしているのはこの子だけだ。
「悟飯お兄ちゃん」
ビーツが少しはにかんだ様子で従兄に笑いかけると、悟飯も笑顔で返す。
「可愛い!ぼうや、いくつ?」
金髪ショートヘアのイレイザが問えば、ビーツは誇らしげに掌を見せた。
「へえ、五つなんだぁ」
「悟飯の従弟かぁ。確かになんとなく似てるな」
室内の空気が一気に弛緩する。
毛髪量が多いビーツの頭を撫でてやりながら、ラディッツは悟飯に問いを重ねた。
「それで・・もきゅめんたりーっていうと・・なんだ。ドキュメンタリーと似たような感じか?」
「あ、はい。創作のドキュメンタリーというか、要するに本当にあったように作ったドラマのことです」
淹れてもらったミルクを一口飲んでからオレンジスターハイスクール一の秀才は頷く。
「学校の授業にメディア論というのがあるんですが、その課題でチームを作って映像作品を作るんです。それで、その」
少し言いづらそうに口ごもった後、意を決したように顔を上げた。
「サイヤ人のことを教えてほしいんです」
「?!」
予想外の発言にラディッツはぎょっと目を見開いて甥を見る。
悟飯の方はどこか必死さすら滲ませて言葉を重ねた。
「だ、駄目ですか?」
「い、いや。駄目っていうか」
ラディッツは困ったように甥の友人達を見る。
それは、彼らがどこまでの事情を知っているのか測るためためだった。
サイヤ人は宇宙人だ。
だが、辺境の辺境であり他星との交易がない地球ではそんなこと言ったら頭がおかしいと思われる。
地球育ちの実弟よりも地球の常識に詳しい兄はそのあたりのことで甥が変な目で見られないか心配したのだが、甥の彼女が慌てて首を振った。
「あ、ラディッツさん。私達は全員事情知ってるので」
「空飛んだりしてるの何回も見せられれば納得もしますよ」
そう言葉を引き取ったのは金の長い髪の青年=シャプナー。
ラディッツは逞しい肩を竦めて曖昧な笑みを浮かべる。
「あー、別にサイヤ人だから空飛べるとかじゃないんだけど。・・・うん、まあ。知ってるなら話すのは良いぜ?別に隠す内容でもねぇし。ていうか、さっき言ってた架空のドキュメンタリーってことで発表する内容がそれか」
「・・はい」
「でもなんで今更そんなことを?お前は地球産まれの地球育ちだし、戦うの好きじゃねぇんだろう?なら別に知る必要もないと思うけどな」
故郷への想いがないと言えば嘘になる。
たった八年間ではあったが、ラディッツは確かに惑星ベジータにいて、あそこにはたくさんの仲間がいた。
両親がいた。友達がいた。
だが、もう純血は自分を含めて三人だけ。
それぞれ地球で家庭を持ち、暮らしている。
全宇宙最強と謳われた強戦士族サイヤは滅んだのだ。
後はこの小さな辺境の星で細々と血を紡ぐのみ。
昔はそのことが苦しくて仕方がなかったが、実際の傷と一緒で痛みにも慣れてくる。
終わったことを考えても仕方がない。
どうせ裁きは死んだ後に受けるのだ。
今は守りたいものを守るだけである。
ラディッツが浮べた笑みの苦さに気付いたのだろう。
悟飯は僅かに苦笑めいた顔をして言った。
「それ、ベジータさんも同じこと言ってました」
「ていうかベジータにもう取材済みか」
「あ、いえ。何も教えてくれなかったので済んだわけでは」
「まあ、あいつならそうだろうな。あいつ思い出話とか苦手だし」
ベジータは頭が良くて真面目だが、そのせいか情緒的なことが妙に不器用だ。
興味がないどうでも良いと言いつつも、彼はけっして故郷や同胞達を忘れたことはないだろう。
あれから数十年経過しても、いまだに整理できないほど強く思っているに違いない。
適当にやるということが出来ないのは地味に不便だと思うが、ベジータの真面目さは憧れでもあるので、今まで何も言ったことはないが。
ラディッツは自分ゆずりの息子の髪をわしゃわしゃとかき混ぜて、甥に再度問いかけた。
「で?まだ聞いてないぜ?なんで今更とうの昔に滅びた民族の話を聞きたくなったんだ?」
「・・・・・何も知らないことに気付いたからです」
促せばおずおずと話し始める。
実を言うと昔からサイヤ人のことを知りたいとは思っていたという。
だが、聞きやすい父親は赤子の時に地球にきたため記憶がない。
他のふたりに聞こうにも、星が滅びていることを考えると聞きづらい。
そんなこんなが現在まで続いていたが、今回の授業課題を聞いた時、真っ先に浮かんだのが自分の血のことだった。
悟飯は戦うのが嫌いだが、それでも敵に勝利した時などに気持ちよさを感じたことはある。
強くなれたことに喜びを感じたこともある。
多分それがおそらくサイヤ人の血なのだろう。
強さを求め、戦いを好む一族。
本当にそれくらいしか知らないことに気付いたのだ。
「・・・良い機会だと思ったんです。僕は半分地球人ですけど、半分サイヤ人でもあります。 確かに惑星ベジータはもうありませんが、せめてそこがどんな場所で、僕はどんな民族の血を継いでいるのか知りたい。 発表する時は架空ということになってしまいますけど、これを機にきちんと向き合ってみたいんです」
優し気な目元を引き締めて、悟飯は語った。
「・・・なるほどね。まあ、・・・別に良いぜ。大したことは言えないけどな。俺もそんな長いこといたわけでもねぇし」
僅かに逡巡した後に頷いた叔父に、悟飯の顔がはっきりと明るくなった。
「あ、ありがとうございます!ラディッツおじさん!助かります!」
周囲にいた友人達も良かったよかったと胸を撫でおろしている。
そんな大袈裟なと思ったが、考えてもみれば、他ふたりが駄目で、最後のひとりだったのだからラディッツが答えないと企画自体が破たんしてしまう。
「・・地味に大役だな」
ラディッツは慣れない展開に、弟そっくりの困り顔でぽりぽりと頬を掻いた。
どこからというより、何を話せば良いのかと眉を寄せると、
「「!?」」
叔父と甥の顔が同時に跳ね上がる。
その双方の目は天井、正確にはさらに上である空の向こうへ向けられていた。
「ど、どうしたの二人とも」
「お父ちゃん?」
ビーデルやビーツが心配そうな声をあげるが、ふたりはそれには答えない。
ラディッツは元々鋭い双眸をさらに研いで声を低める。
「宇宙から気が近づいてきてるな。数が多い。50はいるぞ」
「結構大きいですね。なんか嫌な感じです」
大きいと言っても一番大きな気でさえ、ラディッツよりもかなり下だ。
しかし、彼らの基準では脅威に入らなくても、平均戦闘力が一桁程度である地球人にとっては十分すぎる脅威である。
全体的に邪悪さを感じるところをみると、辺境にバカンスに来たということも考えづらい。
ラディッツはおろおろと父と従兄の顔を見比べるビーツをそっと床に下して、重々しく溜息をついた。
「悟飯。とりあえず行くぞ。どこの誰だろうが、暴れられたら面倒だ。・・・・・あ、ベジータとカカロットはもう動いたな」
「ピッコロさんも向かったみたいですね。チビ達も一緒か」
「あー。悪い、嬢ちゃん達。急用が出来ちまった。多分そんなに長くかからないと思うが、うちの女房帰ってくるまでちょっと留守番しててくれねぇか? 冷蔵庫の中身は好きに食べていいから」
「あ、はい。それは大丈夫ですけど・・」
ビーデルは交わされる会話の意味はなんとなくわかっても、現状の完全な把握までは至らないのだろう。
しかし、やや緊迫した状況であるということはわかっているので、問い詰めたりはしない。
彼女以外の地球人達は何故先ほどまでの穏やかな空気が消えたのかわからず、置いてきぼり状態だ。
悟飯は彼らにどう説明するかと考えたが、良い説明が思いつかなったので、心苦しいが現在交際中の彼女に丸投げすることにし、不安そうに自分を見上げてくる小さな従弟に声をかける。
「ビーツ。お父さんと僕はちょっと出かけてくる。お姉ちゃん達と仲良くお留守番しててくれるかい?」
「うん!お父ちゃん、悟飯お兄ちゃんいってらっしゃい」
「いってきます」
首がとれそうなくらいの勢いで頷くビーツの頭を軽く撫でてやってから、悟飯はラディッツの家を飛び出す。
家主もそれに続き、あっという間に見えなくなった。
悟空を筆頭に、クリリンや天津飯といったいつものメンバーが着陸予測地点の荒野に集合した。
宇宙から来た連中で脅威でなかった者は知る限りいないと言っていい。
かつてフリーザの襲来を待ち受けた時のような緊張感こそないが、それでも油断してはいけないことぐらい骨身にしみてわかっている。
そして、待つこと数分。
皆が見守る中 地面に大穴を空けたのは見覚えのある丸型だった。
フリーザ軍の一人乗りポッド。
しかしこの場の多くの人間が見たことがあるものとは少しデザインが違う。
「妙だな」
上からそれを観察したベジータがぽつりと呟く。
「妙?」
「新しいのにデザインが古い。俺が最後に使っていた奴よりも4世代は前のものだ」
ピッコロの問いに端的に答えると、さっさと穴を滑り降りようとする。
その時だった。
宇宙船の扉が弾けるように開くと、中から小さな影が飛び出し、いきなり無数のエネルギー弾を放ったのだ。
幸いにも誰にも当たらずに済んだが、周囲の岩壁は盛大に破壊され、出来た大穴が全て埋まってしまうほどだった。
「わわっ!」
「あぶねっ!」
ヤムチャやクリリンが当たりそうになって慌てるが、ピッコロなどは攻撃してきた相手に驚く。
「子供!?」
そう出てきたのはせいぜい10歳くらいの子供だったのだ。
だが、その状態は悲惨の一言に尽きた。
着ている服はおそらく元はベジータが着ていたような戦闘服だったのだろうが、今は血と泥でまみれズタズタに裂かれている。
おそらく骨折しているのだろう。
左手が関節とは逆にひしゃげ、まだまだ丸みがある肩や太ももには痛々しい裂傷が走っている。
顔は血まみれで元の肌の色すらわからず、唯一血に染まらない目は焦点が定まらず見えているのかも怪しいがひどく殺気に満ちていた。
「お、おい。落ち着けって」
あまりに凄惨な状態に悟空ですら顔を険しくして、手負いの獣のような子供に手を貸そうとするが返事は気功波で返される。
さらには容赦ない蹴りなどが飛んできて、地球の戦士達は困惑した。
襲い掛かってくる動作は重傷者とは思えないほど機敏で、驚くほど正確だ。
しかし、容赦なく流れ落ちる血液量から考えてこのまま動き回らせると死んでしまうだろう。
だが手当をしようにもこの子は極度の興奮状態であるため、こちらの言葉が届いていない。
悟飯は怪我を覚悟で荒れ狂う子供を抱きこむ形で止めようとしたが、それとほぼ同時に急に空が暗くなった。
一瞬誰かが神龍を呼び出したのかと思ったが、見上げてすぐに違うと気づく。
それは巨大な宇宙船だ。
こちらも形状としてはフリーザ軍のそれに近いが、デザインはかなり異なる。
目の前で暴れている子供のインパクトが強すぎて忘れていたが、あれが地球の戦士達が感知した多数の戦闘力の正体に違いなかった。
「■■■e!!」
皆の目が空に向いた隙を逃さなかった小さな戦士は何語かわからない言語を叫び、悟飯の腕から無理矢理脱出すると躊躇なく宇宙船に向かって気功波を放った。
その一撃は船を破砕するまでは至らなかったが、その装甲を貫通し爆発を起こす。
「待って!!」
標的を宇宙船に変えた子供を悟飯が慌てて追いかけ、他の面々もそれに続く。
だがこの場で困惑の種類が違う人間がふたりいた。
ベジータとラディッツだ。
ふたりは飛び去る子供を見つめ、
「なあ、ベジータ。・・・あいつ」
「言いたいことはわかる。間違いないだろうな」
「でもよ・・・」
「それもわかっている。計算が合わん。まあ、そんなことは当人の口から聞けばいい。それより」
ベジータは先程の気功波で埋まった_いや、埋められた大穴を顎で指して言った。
「この下にいる奴を急いでポッドごと掘り返してブルマのところにでも連れていけ。 生命維持装置を使ってるようだが念のためだ。もうひとり回収したらカカロットに瞬間移動させる」
「!わかった!」
ラディッツは積み上げられた瓦礫を手早く消滅させながら、驚くほどの速度で掘り出しにかかる。
それを視界の端に映し、ベジータは爆発する宇宙船から飛び出してきた気を全て把握しながら皆の後を追った。
「■■■aA■aaAaa■aa!!!」
瀕死の戦士は荒々しい咆哮に、大型宇宙船からわらわらと出てきた異星人のひとりは舌打ちした。
出身の星が違うのか、人種は多種多様でそれもフリーザ軍を想わせる。
装備はばらばらだが、フリーザ軍のそれと似たようなものを身に着けている者もいた。
どう見ても友好のため来たようには見えないし、重症の子供を見て忌々しそうに舌打ちをする奴が善人なはずもない。
数としては明らかに不利だったが、宇宙からきた幼い戦士は果敢に挑みかかっていく。
状況を見る限りあの子とあいつらは敵対関係にあるらしい。
こちらから真っ先に加勢に入ったのはトランクスと悟天だった。
年が近い子供がひとりで戦っているのを見て放っておけなかったのだろう。
ちなみに他の大人が遊んでいたわけではなく、すぐに大怪我の子供を殺そうとする外道の駆逐にかかった。
数こそ多いが別段強いわけでもない。
Z戦士達に軽くひねられる形で、どんどん数が減っていく。
「なんで地球人がこのガキの味方するんだよ!?」
激減した侵略者?のひとりが地球と同じ標準語でそう叫ぶ。
あまりに今更な問いだが、おそらく事態を飲み込むのに時間がかかったのだろう。
しかし、現状を完全に理解しきる前に、その頭はベジータにかち割られる。
「貴様らは傭兵だろう?いくらで雇われたかは知らんが下手を打ったな」
その時フリーザ軍のプロテクターを身に着けたひとりが声を上げる。
「お前、ベジータか!?」
「馴れ馴れしく呼ぶな。俺は貴様など知らん」
おそらくは軍時代の顔見知りだったのだろうが、ベジータは全く記憶にない。
だが、相手は違うらしく慌てて弁明してきた。
「待ってくれ、お前が生きてるとは思わなくて」
「待ってどうなる?尻尾を丸めて逃げかえるか?傭兵としてはもう稼げなくなるな」
「ぐぐぐ」
傭兵は金でいくらでも雇い主を鞍替えすると勘違いされやすいが、実際は逆で一度でも雇い主を裏切ると仕事が来なくなる。
どんな契約を結んだかは知らないが、こいつらは失業か死かの二択を迫られているのだ。
おそらくフリーザ軍が実質崩壊してから傭兵に崩れたのだろうが、運が悪い話である。
「逃げるならわざわざ追わんぞ?・・・まあ、もう必要あるまい」
「え」
ベジータの言葉の意味を理解する間もなく、男の言葉は途切れる。
背後から抹殺対象者が手刀で首を刎ねたからだ。
「死ねば失業の心配はなくなるな」
面白くもなさそうに地面に頽れた死体を見やった後、よろめいて片膝をついた血まみれの子供と正面から向き合った。
「■■■。■■■o■■a?」
「!?」
ベジータの喉から零れた地球のそれとは明らかに異なる音に、子供はぎょっと顔を上げる。
大きな目が零れ落ちそうなほど開き、眼前の人物をまじまじと見つめた。
その反応を確認し、サイヤ人の王子はさらに続ける。
「■■■o■■■■a。■■■■o■■a」
「・・・・aa。■■■■」
傷付いた子供は救われたような笑みを浮かべ、力尽きるように昏倒した。