異世界現地調査   作:赤地鎌

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男達は今日も挑戦する。
どんな事でも…


縛りプレイ

 私は、ネオ・サーペイント・バハムート

 今のありのまま、起こっている事を話す。

 まず、縛られている。

 両手足を後ろに縛られ、吊されている。

 拷問でも受けるように、白い糸達で縛り上げられている。

 

 自分の隣には、同じく縛り上げられている天使のクリム君がいる。

「なんで、ぼくまで…」

と、クリム君は泣いている。

 

 ここで、冷静な方なら…自分達がダンジョンか、何かの依頼で捕まったと思うだろう。

 

 残念ながら…違う。

 目の前には、白い糸、蜘蛛の糸を束にして鞭にしているアラクネ族の女のリリスガール、ここではサキュ嬢というらしいが、そのアラクネの彼女が

「さあ、女王様に従いなさい」

と、蜘蛛の糸の鞭をベチベチと床に叩き付けている。

 

「はぁ…」と私は溜息を漏らす。

 

 私達がいる場所、サキュバス街のアラクネの巣という、れっきとしたサキュ嬢とニャンニャンを楽しむお店だ。

 

 そう、このアラクネの巣は…女王様プレイがあるお店だ。

 

 こうなった理由は、数時間前。

 

 

 食酒亭の食堂で

 

「おい、テメェは…嬢の遊び方を分かってねぇ!」

と、スタンクがネオに絡んできた。

 

 ネオはルディリと共に、様々なこの地域の情報が載った情報紙を見ていた。

 そこへスタンクが絡んできた。

 

 ネオが眉間を寄せ

「別にどんな遊びをしようとも、犯罪ではないなら問題ないだろう」

 

 スタンクが鬼気としてネオを指差し

「お前のプレイは、癒やしじゃあねぇ! 傷を広げるだけだ!」

 

 ネオが怪しむ笑みで

「何か昔のトラウマでも過ぎったのか?」

 

 それを聞いてスタンクがカッとなり

「いいか! オメェのは、間違ったドMプレイだ! 真のドMプレイってヤツをオレが教えてやる」

 

 ネオは視線を見ている視線に戻して

「すまんが、お前の遊びにつき合っている余裕はない。我々は仕事でここにいる」

 

 スタンクがドンと、そのテーブルを叩き

「オレがお前に、大魔導士デミアを紹介した恩は果たしてねぇ」

 

 ネオが殺気に近い視線でスタンクを見る。

 スタンクが身じろぎして引く。

 

 ネオが

「お前に紹介として魔導都市に来たが…。その大魔導士デミアと繋がっているデコイの女と交渉したが…決裂した。お前の恩義は…そこで終わっている」

 

 そう、スタンク達と共に魔導都市へ来たのだ。

 移動手段は、ネオが変形した宇宙戦闘機にスタンクとゼル、クリムにルディリの四人を乗せて、音速を突破しようとするとぶつかるマナの壁をエネルギーに変えて加速、超音速の数分で、通常なら二日もかかる距離を移動した。

 

 で、魔導都市で魔導具店のデコイの女に、そのデコイである女の主、本体と直接交渉を持ちだした。

 

 デコイのデミアが

「ごめんなさいね。ちょっと信用がない相手は…」

 

 ネオが

「信用か…私は、ドラグ・アース帝国の皇帝ロンバルディアの弟、ライディリアの娘達を妻に持つ竜族でもあり、マキナ族でもあり、帝国の海運を一挙に担う海運財閥エンテイスの会長だ」

と、告げて右腕の袖を捲り、腕にあるナノマシン端子から無数の武器を伸ばす。

 

 デコイのデミアがそれを見て笑みながら

「そうね…じゃあ、アタシと遊んでくれたら…考えるかも…」

 要するにデコイのデミアをサキュ嬢として買えという事だ。

 

 ネオが鋭い視線で

「お断りだ。私のサンプルを取りたいのだろう」

 

 どうして…大魔導士デミアが、デコイを使ってこの商売をしている理由を察知していた。

 自分達と同じだ。この世界の様々な生体サンプルが欲しいのだ。

 おそらくだが、そのお陰で…火耐性の魔導具を作り出せたのを…。

 

「じゃあ、ダメね」

と、デコイのデミアは肩をすくめて拒否した。

 

 交渉は決裂、帰ろうとしたが…スタンクとゼルは残るとして、ネオはクリムとルディリを変形した宇宙戦闘機形態に乗せて、飛び去って帰った。

 

 デコイのデミアはそれを見て、好奇心の瞳を向け

「何! アレ! どういう技術なの!」

 

 益々、ネオのサンプルが欲しいとして、スタンクとゼルにある話を持ちかけた。

 その話をスタンクやゼルの背中に隠し仕掛けた極数のナノマシン端末の膜からネオは聞いた。

 

 そして、今に至る。

 このアラクネの巣で、ネオの歪んだどM性癖の矯正をするとして、女王様プレイのアラクネ嬢の元にいる。

 

 じゃあ、なんで乗り気ではなかったのに、スタンクにつき合っているかと言うと…。

 

 エルフのゼルが

「ここにあるサキュバス街には、大魔導士デミアと繋がりある連中がいるんだ。そういう連中と懇意になれば、ダメだった交渉が上手く行くかも」

 

 ネオは、渋い顔をする。

 要するに、外堀から攻めるという事だ。

 直接ではダメだった。

 だが、外堀…大魔導士デミアの仲間を味方につければ、ダメだった交渉が上手く行くという事をゼルは言っている。

 流石、200歳のエルフ、隣にいる若い人族とは経験値が違う。

 

「分かったよ」とネオはつき合う事になった。

 

 そして、スタンクにゼル、ネオとクリムに、何故かナルガミと、五人が来て、サキュバス街にあるアラクネ族のお店、アラクネの巣に来た。

 来た、来た…その結果が…蜘蛛の獲物のように吊されている。

 

 アラクネのサキュ嬢が、鞭にした蜘蛛の糸を振って

「さあ、この女王様が、お前達を最高の快楽に誘ってやる」

 

 ネオの隣で同じく吊されているクリムが本気泣きしている。

 それをネオが見て、アラクネのサキュ嬢に

「あの…止めて貰えませんか?」

 

 アラクネのサキュ嬢が

「一応、結構な額のコースなので、キャンセルされると…」

と、トーンがマジになる。

 

「う、ぐす、う、う…」

と、マジ泣きしているクリムの声が響き、何か痛々しい空気になる。

 

 ネオが

「どうして、こんなコースになっているんですか?」

 

 アラクネのサキュ嬢が微妙な顔をして

「お連れの方が…その…そういうサービスが好きな方だと…」

 

 ガックとネオは項垂れ

「それは、勘違いです。解いて貰えませんか?」

 

 アラクネのサキュ嬢が

「でも…料金が…。以外と楽しいって方もいますから」

 

 ネオが

「キャンセル料も料金返却もしません。こちらの勘違いなので…」

 

「ああ…そうですか。分かりました」

と、アラクネのサキュ嬢は、蜘蛛の糸の拘束を解いて、ネオとクリムを解放した。

 

 まだ、泣いているクリムにネオが

「大丈夫か?」

 

 呼びかけても泣いている。

 

 そこへアラクネのサキュ嬢が来て「ほら…」と、クリムを人型と蜘蛛型の手足で抱き上げる。

 最初、クリムはビックと怯えるが、アラクネの上半身にある豊満な人の胸に顔を埋められて、子供いたわるようなアラクネのプレイが始まった。

 

 本来は、こういうプレイらしい。

 

 ネオは別料金を出して、別のアラクネのサキュ嬢に普通のプレイをして貰った。

 

 その頃、スタンクとナルガミは『オウ マイ ゴーーーーード』と叫んでいた。

 

 ネオはアラクネのサキュ嬢と共に、店内に張られた蜘蛛の巣のベッドで、揺り籠のように揺られて、緩やかなアラクネのサキュ嬢との交わりを楽しむ。

 

 蜘蛛の巣のベッドは、ハンモックに近いが…その伸縮自在で、強度もある蜘蛛の巣のお陰で落ちる事もなく、その蜘蛛の巣のベッドで、アラクネのサキュ嬢を下にしたり、上に乗って貰ったりして、ゆっくりと楽しむ。

 

 アラクネのサキュ嬢の致す秘部は、人型の上半身と蜘蛛型の下半身の付け根にあり、そこにオスの棒を挿入して、がんばって貰う。

 基本、アラクネ族は、女性しかないので、夫は他種族になるらしい。

 アラクネ族は体格も大型の方で、力としてはオークやオーガといった大型異種族でも組負けする事はないらしい。

 さらに、男性が生まれない種族なので、絶えず異種族から男性を欲するので、一夫多妻制になりやすい。

 ここのような異種族が多く暮らすアラクネの女性は、一夫一婦制ではあるが…ここより離れた元国、故郷の国、アラクネが大半を占める本国では、男を求めて戦争して奪ってくる事もあるらしい。

 

 奪ってくるのでもルールがあるらしく、妻がいるとか、犯罪者とか、恋人がいるとか、そういう男性を攫うのはNGらしい。後々、面倒な問題があったので。

 

 なので、偏屈で変わり者の男性を捨てる場所としてアラクネの国が機能している事もあるらしい。

 犯罪者ではない偏屈な男性、いわゆるオタクやニートな男がアラクネの国で捨てられて、繁殖の種馬になるが…決して非道な扱いはされない。

 ママ味な感じで、接するので以外と関係は良好だ。

 だけど、やっぱり、その大きな体格と蜘蛛のような体なので、怖い女性と勘違いされているらしく、その誤解を解く為と丁度良い男性を探す為に、各地にこのようなお店を出店している。

 

 どうしても、この外見で女王様プレイを望む人がいるので、本来のママ味プレイへ行かせる為に、女王様プレイの料金は三倍増しにしている。

 

 アラクネの身体が大きく有数な戦闘民族の割に、そのプレイは優しく、とことん甘やかしてくれる。

 無論、蜘蛛の胴体から出る糸は、とても頑丈でシルクのような手触りで、アラクネの糸で編まれた服や衣類は人気商品の一つだ。

 

 恐怖で怯えていたクリムは、アラクネのママ味プレイで存分に癒やされるのあった。

 

 プレイが終わって、スタンクとナルガミはゲッソリ、ネオとクリムは平然としている。 ゼルは外にいて

「よう、スタンク、ナルガミ。どうした?」

と、ニヤニヤと笑っている。

 

 スタンクがゼルに

「なんで、お前は普通なんだよ」

 

 ゼルは

「オレは途中で止めて、ミツエさんの所で時間を潰していたからなぁ…」

 

「く!」とスタンクは忌々しい顔をした次にネオとクリムに向いて

「レビューを書け」

と、紙を渡した。

 

 ネオは受け取り

「なんで、自分がやった事を書かないといけなんだ?」

 

 スタンクが

「それがここのルールだ!」

 

 まあ、一応…お金を出したのはスタンクなので、書く事にしたネオ。

 

 

 スタンク、人族

 ふざけんな! 何が女王様プレイだ! こんなプレイ編み出したヤツを見つけ次第、ぶっ殺したい。

 終始、縛られて吊されて、鞭で叩かれて、大事な息子を糸で縛り上げて、しごくだ!

 地獄も良い所だ!

 大事なあそこが千切れると思ったぞ!

 10点中2点

 

 ナルガミ、ラミア族

 いや、蛇の体だから、変な感じに縛られた。とにかく痛い。

 縛られた蜘蛛の糸も変に動くと余計に食い込んで痕が残る。痛い。

 そして、フィニッシュは蜘蛛の糸でしごかれるのよ。

 あんなに痛いフィニッシュは初めてだ。

 魚の養殖時に、オスの魚が無理矢理にアレを絞られるのってあんな感じかなぁ…って思った。

 10点中3点

 

 ネオ、マキナ族

 連れてきたヤツの手違いで、女王様プレイにされたが…途中で変えて貰った。

 女王様プレイは、店のサキュ嬢も、イメージから来る誤解で広まっているので困っているようだ。

 アラクネの基本プレイは、とにかく甘えさせてくれる。

 小さい子をいたわるように優しくしてくれる。

 まあ、180センチの自分の二倍以上の体格差なので…ほぼ、子供状態といっても過言では無い。

 とにかく、甘えさせてくれる母プレイに、怖いと聞くアラクネ族の印象とは違って、なかなかに癒やされた

 10点中7点

 

 クリムヴェール、天使

 どういう訳か女王様プレイにされて、泣きました。

 でも、変更してくれ、普通のプレイにして貰いました。

 大きい体との体格差で、本当に子供のようになった感じなので、優しく甘やかしてくれるのは、とても癒やされました。

 よくある激しい動きとかはありませんが。

 とにかく、大きな体で包んで愛おしんでくれるプレイに癒やしを感じ、アラクネの方に対する見方が変わりそうです。

 10点中8点

 

 そのレビューを見たスタンクが

「があああああ! そういう事があったのかよーーー」

 アラクネのイメージの通りに、女王様プレイしかないと思っていたのが運の尽きだ。

 隣でゼルはフンと鼻で笑った。

 

 離れたテーブルで、ネオがルディリと一緒に、この地域の様々なアイテム情報の情報紙を見ていると、メイドリーが来て

「あの…ごめんなさいね。あのバカにつき合わして」

 

 ネオが額を押さえて

「今後、これで終わりにして欲しいね」

 

 メイドリーも頷き

「私の方からも言っておく」

 

 

 

 そうして、ネオが、この国の情報紙に目を通して、技術関係との連携を探っていた。

 大魔導士デミアのいる国だ。

 求めている対属性防御の魔導具と似たような何かが無いか探っている日々。

 

 そんな時、とある冒険者が長期の冒険から帰って来た。

 鬼人の青年、オーガの男、ラミアの男の三人。

 その鬼人の青年が、少し咳き込む。

 

「大丈夫か?」

と、オーガの男が気遣う。

 

 鬼人の青年が

「ちょっとむせた程度さ」

 

 そう、この咳き込みが始まりだった。

 

 

 

 またしてもスタンクは、ネオを引き連れてサキュバス街へ行く。

 それにルディリもいる。

 スタンク、ゼル、ネオ、ルディリの四人は、サキュバス街のとある店に向かう。

 

 スタンクが

「今度こそ、お前の性根をたたき直してやる」

 

 ネオが

「大魔導士デミアが、どんな方法でもいいから、私からサンプルを採れるようにしろって依頼されているんだろう」

 

 それを聞いたスタンクは、ヒューと口笛を吹いて

「何のことだ?」

 

 ネオが

「お前達には見えないが、盗聴する装置を付けて置いてあった。そこから全部、聞いていたぞ」

 

 ゼルがヒヒ…と笑い

「スタンク、終わったなぁ」

 

 スタンクがチィと舌打ちして

「たっく。ああ! そうだよ! お前がやりたくてやりたくて仕方なくなるように、しろって頼まれたのさ」

 

 ネオが

「ネタがバレたんだ。帰らせて貰うぞ」

 

 ゼルが

「おや、でも良いのか? 今回、行く店は…本当に大魔導士デミアの関係だぜ」

 

 ネオが訝しい顔で

「本当だろうな…」

 

 ゼルが

「水槽のハーレムっていう店で、客の魂を水槽にいるエビやカタツムリに魚へ移させて楽しむ店なんだよ。そこにいる店主が、デミアの知り合いさね」

 

 ネオが訝しい顔をしていると、ルディリが

「何か、怪しいよ。止めようよ」

 

 ネオは「分かった」と告げて行く事にする。

 ちょっとでも繋がりは欲しい。

 

 ゼルが

「じゃあ、決まり…行くか!」

 

 四人は、魂を移して水槽の生物となって楽しむ店へ訪れる。

 

「ちぃーす」とスタンクが先頭を切る。

 

 入ったそこは、大量の水槽が並び、水槽で飼える水棲小型生物が飼育されていた。

 

 スタンクは水槽が並ぶ奥を見詰め

「あれ? 店主の魔女っ子は?」

 

 ゼルが

「奥じゃあねぇ?」

 

 ネオは嫌な感じがして、レーダー波を飛ばすと、店の奥、椅子が並んでる場所を探索して「ん!」と驚愕して「止まれ!」と呼びかける。

 

 スタンクとゼルが止まり、ルディリが

「どうしたの? ネオ…」

 

 ネオはレーダー波を連発する。

 そして、店の奥、客が座るであろう椅子達の前で倒れている店長の魔女のソールが、倒れて吐血しているのを確認した。

 そして、今度は、微細レーダー波に変えて調べる。

 

 店長の魔女ソールは、眼鏡を別に外して落とし、蹲って吐血、そして…体温異常と生体異常を確認。

 この症状に該当するのは、ウィルス疾患だった。

 

 ネオは、ナノマシン端子から、殺ウィルス電磁波を放つガスマスクを装着、それをルディリやスタンクにゼルに渡して

「早く装着しろ!」

 

 鬼気迫る言い方に、ルディリは直ぐにそれを装着、スタンクが

「なんでだよ」

 

「いいから! 被れ!」とネオの荒い口調に渋々、殺ウィルス電磁波ガスマスクを装着する。

 

 ネオを先頭に、店の奥へ行くと、吐血して倒れている店長の魔女ソールを発見して

「おい! 大丈夫か!」

と、告げたスタンクより早く、ネオが苦しむ魔女ソールに駆け寄る。

 

 ネオが様々なレーダー波を照射して魔女ソールを調べる。

 魔女ソールの顔には、青いアザが幾つも浮かんでいる。

 

 ゼルも近づき

「なんだこれ? まさか…病気か?」

 

 ネオの探査レーダー波が詳細な魔女ソールの現状を知らせる。

 熱は39℃まで上がり、気管支と肺にウィルス疾患、さらに全身にも炎症疾患が確認される。

 

 スタンクが

「お、おい…どういう…」

 

「動くな!」とネオは怒声を張り動かないようにする。

 

 ゼルが

「そんなバカな…サキュバス街には性病や妊娠を防ぐ…は、これは…性病じゃあ無いのか…」

 

 ルディリが冷静に

「ネオ…現状は…どうなっているの?」

 

 ネオは立ち上がり、何度も周囲をレーダー波で探索して

「現状を説明する。ウィルス疾患だ」

 

「な…」とスタンクが絶句していると、ゼルが

「何の病気か…分かるか?」

 

 ネオは、右腕から医療検査用のナノマシンのハンドを伸ばして、吐血した血を調べると

「これは、この世界で…確認されているエルデトウィルスの変異だ」

 

 ゼルが

「は、青いアザ、吐血…そうか…」

 

 ルディリが

「エルデト病? それって確か…なった人に触れない限り…」

 

 ネオが

「ガスマスクを外すなよ。検査した結果、空気感染を始めている」

と、告げた後に背中のナノマシン端子から、医療用ポッドを取り出し、魔女ソールを抱える。

 スタンクが

「おい、アンタ!」

 

 ネオが、ソールを医療用ポッドに入れながら

「私の体にはナノマシンがある。それが、この病原菌を理解して排除するから問題ないが…」

 

 ルディリが

「ネオじゃあない、ぼく達は…」

 

 ソールが無事に医療用ポッドのカプセルに入ると、治療用ナノマシンが満たしてソールの治療を始める。

 

 ネオが

「みんな用のターゲット学習用免疫ワクチンを作らなければ…マズい事になる」

 

 スタンクが

「はやく、ここをみんなに知らせて隔離しようぜ!」

 

 ネオが

「この病気は、マズい事に潜伏期間中でも、病原である自身をばらまく性質がある」

 

 ゼルが青ざめ

「まさか、ここの店主は…その自覚なく、ばらまいているヤツに…」

 

 ネオが頷き

「そうだ。感染が始まっているぞ」

 

 スタンクが驚愕して

「ウソだろう…」

 

 ネオは直ぐに、海上都市エンテイスの管理をしているDIメイドランに連絡を入れる。

 

「マスター、どうしました?」

 

「今、とあるウィルスのデータを送信している」

 

「ええ…はい。受け取りました。この世界の病原体のウィルスですね。ああ…変異している。これは…」

 

「メイドラン。シュミレーションしてくれ…。これがパンデミックした場合…」

 

「今、演算を…この世界の社会構造では…1918年のスペイン風邪のような事態になるかと…」

 

「億人が死ぬんだな…」

 

「このタイプのウィルスは、限定された接触感染から、空気感染タイプ、インフルエンザウィルスのような急速に広がる性質を、何らかの方法で獲得しています。下手をしたら…国が滅ぶレベルに…」

 

「メイドラン、エンテイスの持っている生産能力で、このウィルスのターゲット学習用免疫ワクチンは、どのくらい製造できる?」

 

「一時間もあれば、一万人分は…ですが、それをやれば…この世界にいらぬ干渉を…」

 

「メイドラン、人命は…何よりも尊いモノじゃあないのか?」

 

「後で、本国から…」

 

「本国からの罰則だけで、この世界の人々が億人も救われるなら安い」

 

「マスター 分かりました。10隻の輸送艦を向かわせます」

 

「追加で、医療用ポッドも大量に必要になるぞ」

 

「了解です。本国の方にも協力を要請します」

 

 通信を終えたネオが、外に出る。

 そこへスタンクが

「どうするんだよ!」

 

 叫んだ後、となりにサキュバス店、水棲族の娘のお店でダゴンのサキュ嬢が

「誰かーーーー 店の子が、店の子がーーーー」

と、悲鳴を上げて飛び出した。

 

 直ぐにそこへネオが駆けつける。

 入口には水棲族のダゴンの女の子が、痙攣して吐血に青あざを顔に出して倒れている。

 

 ネオは、感染したダゴンのサキュ嬢に近づきレーダー波で調べ

「感染している」

 

 ついて来たルディリが

「ネオ!」

 

 ネオが

「心配するな」

と、告げた次に、サキュバス街の上に、ネオが手配した海上都市エンテイス、いや、大型システム島アルヴァス型時空戦艦の援軍が到着した。

 

 ネオが殺気立つ視線で

「さあ、この一週間が勝負だ!」

 

 ここでもネオが、ネオデウス1982号305番であった時のように、伝説を作る事になった。




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