異世界現地調査   作:赤地鎌

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ネオは何時ものように探索を終えて、帝都で妻達と過ごして、若い竜族のラダントのつき合いに出かけると…


空からのお客

 ネオは帝都にいた。

 帝国の北部にある特殊な薬草の花を採取、そこまでのルートと様々なサンプルを持ち帰って、依頼者に渡す。

 

「ありがとうございます」

と、感謝するのはサキュバス種族の女性だ。

 

 ネオは

「これで、目的の新たな新薬が出来そうかい?」

 

 サキュバスの女性は頷き

「はい。新しい回復薬が出来るかもしれません。出来たら、お渡ししますね」

 

 ネオは

「いいよ。正規なルートで買うから。それにこっちは正式な依頼で採取したんだ。気にしないでくれ」

 

 帝国のサキュバス達は、無論、アッチのお店でリリスガールもしている子達もいるが、大半は、そのサキュバスが持っている特別なマナ、魔力を使って様々な薬を作っている。

サキュバスが持つマナは、様々なモノを活性化したり、融和性を高めたりする。

 まあ、要するにサキュバスが、男性から精力的なエネルギーを得る為に特化したマナ、魔力が、様々な薬品を生成する際に使えるので、帝国の製薬はサキュバス達によって賄われている。

 

 この世界の色んな種族には、その種族なりの特徴を生かして、様々な職業があるのだ。

 

 そんな様々な多様性が身近なこの世界に、ネオの好奇心は尽きなかった。

 

 仕事を終えてネオは皇帝城の奥にある、皇太子城へ向かう。

 そこにネオの妻達が暮らしている。

 そう、ネオの奥方は皇帝ロンバルディアの弟、第二皇子の娘だ。

 つまり…皇帝の家族、皇族な訳で……まあ、細かい事は気にしない。

 海上都市島エンテイスでもどう?ってネオは、薦めたが、この皇太子城で良いというので…そうなった。

 入門口から入り、妻達ティアマ、レティマ、マティアの三人が出迎えてくれた。

 三人のお腹は大きくなりハッキリと妊娠しているのが分かる。

 妊娠期間は人間より少し長い11ヶ月。

 竜の形態で生むと子竜として出てくるが、竜から人への変化は、五歳になるまで、母親が管理できる。

 人で産むと人の赤子と同じだが…少し成長しているらしい。

 なので、設備的な事を考えて人型で産む事が多いらしい。

 因みに、赤ちゃんが五歳になるまで、母親の竜は突発的に人から竜に戻る事は無い。

 これも不思議だが、子育ての為に、そうなっているのなら…合理的だ。

 ネオは暫し、竜の祖先って人間だった事があるのかなぁ…と過ぎる。

 

 まあ、そんな事がありつつも、自分の子を宿している妻達との一時を楽しむ。

 大半は、自分が何処へ行ったとかの話で、後、妻達の事を聞いて、色々と他愛もない話をする。

 

 そして、妻達と会話してフッと思うのが前の妻だった女との生活で、任務が多くなった時は、このように、いや…あまり、その元妻だった女とお喋りをした事がなかったような気がした。

 何時も、元妻の女からの言葉を聞いて頷いたり、不安だったのを落ち着けようしたり、そんな感じで、自分の事をあまり話さなかった。

 そう思うと、前の元妻だった女とは、やはり…相性が良くなかったかもしれない。

 そうだな、別の男の元に行くのは当然か…。

 なんて、思った。

 

 他愛も無い会話が続くネオ達家族、そんな夜、お誘いがあった。

 ラダントだ。

 ラダントは、竜族の中でも若い方…三百歳だ。

 三百歳で若いんだから、竜族の寿命は押して計るべしだ。

 無論、ネオも若い部類になるので、ラダントは若い竜族の者同士の交流として、ネオを帝都の街へ引っ張って行った。

 

 ネオは、妻達を見ると、妻達はネオの背を押して行かせる。

 これも必要な交流だとして…。

 ネオの妻達としては、ネオは自分達が妊娠した事で、ベッタリなのだ。

 竜族の感覚としては、一ヶ月が一週間なので、ネオの人間としての感覚では、そうでもないのだが…。

 ネオは色んな意味で、帝国に尽くす人物だ。

 前に別の国で、新型の病原菌を抑えた功績もあって、他国達の興味の的になっている。

 だから、帝国の人達に関わって欲しいというのが妻達の考えなのだ。

 ネオにとって帝国が安住地になって欲しいのだ。

 

 そんな気持ちをネオは察しているが、やっぱり…と思いつつラダントが引っ張って行く。

 

 ラダントも自分より若い竜族が近くにいて嬉しいのかもしれない。

 

 

 ネオはラダント共に帝都の散策をしていると…。

「おう」と懐かしい声がネオの後ろでした。

 ネオはフッと笑み

「もう、来たのか?」

 

 ネオが振り向いたそこには、五人の者達がいた。

 にやりと笑うスタンクと、その隣にゼル、そしてカンチャルにブルーズと、天使のクリムが浮いていた。

 

 ラダントは、天使のクリムを見て

「ああ…どうも…」

と、軽く会釈する。

 帝都の性転換のお店であっているのを憶えている。

 まあ、大して外見が変わらなかったからだ。

 

 そして、ゼルとラダントが見合った次に

「おまえ…」

と、ラダントが少し訝しい顔になる。

 

 ネオはその反応に

「知り合いか?」

 

 ラダントが微妙な顔で

「まあ…二百年ほど前に…ね」

と、告げつつゼルが隣にするスタンクを見て

「って事は…その人族の男…」

 

 ゼルがニヤニヤと笑みながら

「ああ…そうさ。コイツから…六代くらい前のヤツがそうなのさ」

 

 ラダントが忌々しい顔をして

「なるほど、お前と並ぶと思い出す」

 

 スタンクがゼルと横見して

「おい、何があったんだ?」

 

 ゼルが飄々と

「ちょっとな。二百年前くらいに、ドラグ・アース帝国と小競り合いがあってさ」

 

 スタンクが渋い顔をして

「嫌な予感がするから、聞かない事にする」

 

 ヒヒ…とゼルは楽しげに笑う。

 

 カンチャルがネオの前に来て

「こんにちは、アンタがマキナ族っていう武器とか色んなと融合している…」

 

 ネオが頷き

「ああ…そうだ。よろしく」

 

 カンチャルが手を差し出し、ネオが握手して、カンチャルが

「持っている装備を見られる?」

 

 ネオは右腕を捲ってナノマシン端末から何本かの銃身を伸ばす。

 それにカンチャルが触れて真剣な顔をしている。

 ネオもカンチャルと同じハーフリングのルディリがいるが、ハーフリングはかなり技術的な事に好奇心を持っているらしく、ルディリもネオの装備を見たり触ったりする事が多い。

 なので、ルディリが一番、装備を貸した場合に憶えがいい。

 

 カンチャルがネオから出ている銃身を触りつつ

「凄い、こんな技術あるんだ? どうやって作ったの?」

 

 ネオが微妙な顔で

「その教えられないんだ…」

 原子サイズの加工を可能とするナノマシン加工機をおいそれと渡す訳にはいかない。

 

 クリムが来て

「カンチャルさん。あんまり、馴れ馴れしいと…」

 

 カンチャルが

「じゃあ、体でも関係があるクリムなら問題ないの?」

 

 クリムが真っ赤になり

「カンチャルさーーーーん」

 

 ブルーズも来て

「アンタが、あのエルデト病を防いだ英雄か…」

 

 ネオが微妙な顔をして

「はぁ、英雄? 何? どういう事だ?」

 

 ブルータルが犬型獣人の巨体を前に出して

「アンタは、全財産をはたいて、病気の蔓延を防いだ英雄って事になっているぜ」

 

 ネオは………の次に「はぁ…」と呆れのような言葉を吐いた。

 いや、病気が蔓延したら、こっちだって困るし…何か、話が大きくなっているぞ?

 ネオは面倒な事になっている嫌な予感を感じる。

 そして、次の予感が

「お前達…どうしてここに…帝国に来たんだ?」

 

 スタンクとゼルが、親指を立てて

「もちろん、帝都のエッチなお店を回る為さ!」

と答えるスタンク

 

「違いますよ」とクリムが入り「ネオさんに会いたい人がいるから、その人達の護衛と、ネオさんを呼ぶ手引きをしてくれって依頼されたでしょう!」

 

 ゼルが面倒くさそうな顔で

「どうせ、顔を合わせたって、意味ないじゃん」

 

 クリムが

「ゼルさん! なんで、そんな事を言うんですか?」

 

 ゼルが怪しげな笑みで

「だって、絶対にこの帝国の皇帝は…コイツみたいな人材を手放す筈ないもん」

と、ネオを指差す。

 

 ネオはフッと笑み

「確かに、ロンバルディア皇帝陛下はそうだな…」

 

 スタンクが

「どうせ、護衛と呼び出し次いでの使いっ走りにしたフラスパ教の連中は、自分達の権威を高める為に出汁として引き抜きに来た程度なんだから…」

 

「権威を高める為の出汁とは、心外だな」

と、全体から離れた場所から声が放たれる。

 そこにはケンタウロス族の男が立っている。

 

 スタンク達は、苦い顔をする。

 それから、ネオは察して

「ああ…もしかして…」

 

 ケンタウロス族の男が近づき

「初めまして、フラスパ教会、教会軍陸軍のスレイプニルと申します」

 

 ネオは静かにレーダー波を放って、スレイプニルを調べると、その密度と構造が他の異種族とは違っている事に気付き

「何かの改造を受けているのですか?」

 

 スレイプニルはニヤリと笑み

「神の加護を受けていますので…」

 

 ネオは訝しい顔をして

「神の加護ねぇ…」

 

 スレイプニルはネオの手を取り

「貴殿の功績は耳にしています。どうでしょう…我らと共にこの世界の平安と安寧の為に寄与しませんか?」

 

 そこにラダントが入り、握られているネオの手からスレイプニルの手を離させ

「そちらこそ、勘違いしているようだが…彼は、ネオは、我らの者。勝手に話を通されては困る」

 

 スレイプニルとラダントが静かに睨み合う。

 

 ネオが

「悪いが…私は帝国から離れるつもりはない。ここには家族も仲間もいる。病気の流行を防いだのも、この帝国に害が広がると考えての事だ。世界の平安と安寧、かってにやってくれ。私は帝国の安寧さえ守れれば十分だ。それにだ」

 ネオの視線が鋭くなる。凄まじい圧力の静かな殺気を向け

「理想を唱えるヤツは、信じられない。自分は、その理想を唱えた愚か者によって何度も死の淵に立たされた。理想を論じるヤツは、信じるに値しない…それが私の格言だ」

 

 まるで爆心地のようなネオの殺気にスレイプニルは額から汗を噴き

「分かりました。では…またの機会に…」

と、スレイプニルが去る際に

「この世界での軍事は、全て我がフラスパ教会が管理しています。我々の味方になって置けば…得な事が多いですよ」

 

 ラダントが

「二百年前からの条約を忘れたのか?」

 

 スレイプニルが

「おっと失礼、ラグナロク条約でしたな…。では…」

 

 去って行くスレイプニル。

 

 スタンクが

「あの高圧な上からの態度、だから教会は嫌いなんだよ」

 

 ゼルが

「まあ、変わらんわなぁ…」

 

 ブルーズが

「おい、依頼は達成したんだろう?」

 

 その一言で、周囲が…主にスタンク達だが、グッドの指をして

「さあ、みんな! 楽しもうぜ」

と、スタンクが嬉しそうに言い放つ。

「おーーー」とゼル、カンチャル、ブルータスが腕を上げ、クリムは恥ずかしげに少しだけ腕を上げた。

 

 ラダントがゼルに

「相変わらずだな…」

 

 ゼルが楽しげに笑み

「おうよ。人生楽しまんと損だろう」

 

 ラダントが

「長命種であるエルフからそれを聞くとは…」

 

 ゼルが

「それはアンタも同じだろう。激竜のラダント」

 

 ラダントは少し眉間を寄せた顔をしていると、ネオが

「どういう関係なんだ?」

と、耳打ちする。

 

 騒いでいるスタンク達を前に、ラダントは

「昔…そう、二百年ほど前に、この帝都に来て、皇帝ロンバルディア様を倒そうとした輩がいました」

 

「え!」とネオは驚きを向ける。

 

 ラダントは胸を張り

「勿論、返り討ちにしましたよ。ですが…まあ、相当な手練れだったので…何かの人質にして帝都で管理していましたが…。まんまと逃げられた。その時の人族の男とエルフの男が…。あの人族の祖先と、それに付いていたエルフがアイツです」

 

 ネオはスタンクとゼルを見詰める。

 確かに実力は相当なレベルの者だった。

 まさか…そんな裏があろうとは…。

と、歴史を感じつつも、スタンク達の強引な引っ張り込みで、ネオとラダントは、共に帝都のリリスガール街へ向かう。

 

 何時ものように入口で8000Gを前払いして、帝都の桃色な魔法ネオンが輝くリリスガール街へ入ると、ネオに通信が入る。

 

「んん? どうした?」

と、ネオは通信相手のDIメイドランに繋げる。

 

 DIメイドランが

「マスター。大変です。そちらへ、帝都へ、宇宙から巨大な飛行物体が向かっています。全長は500メートルくらいの傘型円盤です」

 

 ネオの視界に、大型システム島アルヴァス型時空戦艦である海上都市エンテイスの衛星が捉えた上空映像が入る。

 

 傘型の巨大な円盤は…ゆっくりと夜景の帝都へ下りてくる。

 

 ネオは

「これは…何か分かるか?」

 

 DIメイドランが

「動かしている推進力は、この世界でのマナと同質の力です。ですから…この世界由来の何かだと推測は出来ますが…」

 

 ネオは

「何か…攻撃的な反応は?」

 

 DIメイドランが

「いいえ、エネルギーの増幅や集中は、観測されていません」

 

 そして、ラダントが空を見上げる。竜族の感覚が捉えたのだ

「ネオ…空に…」

 

 ネオも見上げ

「ああ…」

 

 低い重低音を響かせて空に傘型の円盤な存在が、このリリスガール街の上に鎮座する。

 

 その音に周囲が同じく空を見上げる。

 

 脈動するような光を明滅させる巨大なソレを見上げる帝都の人々。

 

 スタンクが

「なんだアレ?」

 

 ゼルが

「街の上に覆い被さっているようだが…」

 

 クリムが

「なんか不気味ですね…」

 

と、言っている間に、その覆う存在から、何かが伸びてリリスガール街を歩く男達を捕縛して行く。

 その捕縛する何かを避けるスタンク達だが、クリムだけが

「なんでーーーーーー」

と、叫んで掴まって引き上げられると、カンチャルが何かを投げて

「クリム! 絶対にそれを離すなーーーーー」

 

「うあああああ」とクリムは、投げられたそれを掴んで、浮かぶ存在に消えた。

 

 避けたネオはチィと舌打ちした次に全身のナノマシン端子から戦術装甲を出して装備すると、同じく避けたラダントに

「ラダント。陛下に報告してくれ」

 

 ラダントは頷き

「分かりました」

 

 ネオは、戦闘ロボットのような戦術装甲に身を包み、背面と脚部から炎を噴射して、掴まったクリムの追跡を開始した。

 だが

「オレも連れて行け」

と、スタンクとゼルが飛び乗り、飛翔して行くネオが

「お前達、邪魔だ」

 

 大きな肩の装甲に掴まるスタンクが

「うるせぇ、仲間がピンチなんだ。助けないでどうする!」

 

「ああ!」とネオは唸って、背面からガンダムのモビルスーツが乗るようなベースジャバーにスタンクとゼルを乗せて

「そいつが運んでくれる」

と、クリムの追跡を続ける。

 

 戦術装甲ネオと運搬ジャバーで運ばれるスタンクとゼル。

 目的の帝都の上に鎮座する巨大な存在に近づく寸前に、その存在から二つの光が飛び出す。

 

 ネオがそれを捉えていると、飛び出した二つの光は、人型をした何かだった。

「え?」

と、ネオにスタンク、ゼルが戸惑っていると、その飛び出した二つの光が爆発して、その衝撃波でネオ達の進行が止まり、ネオ達は空中で留まる。

 

 ネオ達の目の前、大凡、二つの100メートルくらいの光の波紋が出現すると、そこから白銀に輝く巨体が出現する。

 

 それは片方が200メートルくらい、もう片方が少し小さい180メートルくらいだろう。

 白銀に輝くゴツゴツとした巨体、赤く輝く四つの目、両足は結晶の鉤爪が伸びる獅子の如き脚部、臀部から四つの結晶の尻尾が伸びるそれは、白光と輝くキメラのような怪獣だった。

 

 ヴォオオオオオオオオオ

 

 二対のキメラのような怪獣が空に結晶のかぎ爪の脚部を突き立てると、そこにマナの力、魔力が固まった足場が出現して、空中で怪獣の巨体を保持する。

 

 ネオは唖然として、ゼルとスタンクは顔を引き攣らせて、スタンクが

「おい、何だ? あの宇宙怪獣みたいなモンは…」

 

 200メートル級のキメラのような宇宙怪獣が、空中にいるネオとスタンクにゼルの三人を赤い四つの目で捉えると

 

 ゴオオオオオオ

 

 咆吼と共に、結晶が突き出る背面と、顎門から無数の光線を放ち、ネオ達に向けた。

 縦横無尽に走る光線達が、ネオ達に向かって行く。

 

 スタンクが「ヤバい!」と叫んだが、ネオが素早くナノマシン端子から巨大な装甲盾を取り出し防御するが、威力によって後退、その巨大装甲盾へサーフィンするようにネオ達三人が乗り押し出されたが…。

 

 それをキャッチしてくれた者達がいた。

 ドラゴン化した竜族の者達だ。

 二柱のドラゴンが、ネオ達が乗る巨大装甲盾を掴み保持。

 ネオが右で持っているドラゴンを見ると、それはラダントが竜化したドラゴンだった。

「助かったよラダント」

 

 ドラゴンのラダントが

「大丈夫ですか?」

 

 ネオは頷き

「ああ…それよりも…」

 

 多くの竜、オスの竜達が、出現した自分より大きな白光と輝くキメラの宇宙怪獣の二頭を包囲、更に出現したであろう傘型の巨大存在も包囲して、そこへ帝国最強の大魔導士戦士ディオの軍隊が飛翔魔法で来て、大魔導士戦士ディオが

「汝の所在と、汝の目的を明らかにせよ」

と、二頭の宇宙怪獣の何かに宣言する。

 

 睨み合う二頭の宇宙怪獣と、包囲する帝国の者達。

 

 だが、二頭の宇宙怪獣は、背面の結晶群と顎門からの光線を放って、応戦する。

 

 それに防壁を展開する竜達と大魔導士戦士ディオ達。

 そして、大魔導士戦士ディオが

「やむを得ん」

と、右手を上げて攻撃開始を合図する。

 

 竜達の数千℃のブレスと、大魔導士戦士ディオ達の強力な魔法攻撃が集中する宇宙怪獣の何かだが、その攻撃が宇宙怪獣の二頭の結晶部分に触れた瞬間、吸収されて消えた。

 

「な!」と驚く大魔導士戦士ディオ。

 

 その間、ネオはラダント達が抱える巨大装甲盾に乗りながら、宇宙怪獣の二頭をレーダー波で調べていた。

 そして、攻撃吸収で分かった事があった。

「マジか。あの宇宙怪獣みたいな二頭は、中心部分以外、全部…高密度のマナによって構築されている」

 

 隣にいるスタンクが

「どういう事だよ」

 

 ネオが

「高密度のマナを、鎧のように纏っているようなモンだ」

 

 ゼルも隣にいて

「なるほど…魔力のオーラスーツみたいなもんか。だったら…全部の攻撃が吸収されたのも納得するわ」

 

 ネオが巨大装甲盾から飛び出し、ナノマシン端子から全長が40メートルのロボット型の機動兵器を取り出して乗ると、応戦する大魔導士戦士ディオ達の隣を横切り、機動兵器の腕部に備わる砲口から物理のプラズマ砲を放つと、今度は吸収されずに当たって爆発するが、マナの防壁が構築されて当たる前にそこで爆発する。

 

 ネオは、大魔導士戦士ディオの隣に来て

「ディオ殿。これは…」

 

 大魔導士戦士ディオは頷き

「魔法、ネオ殿の物理、両方に戦い慣れている」

 

 攻撃が止まった次に、宇宙怪獣の二頭は、再び攻撃の構えをすると、今度は、攻撃する場所から先程放った魔法攻撃が返礼される。

 竜達と部隊、ネオは防壁を展開して防御する。

 

 大魔導士戦士ディオは、眼下の帝都を見る。

 今の所…被害は無いが…。

「ネオ殿、セロアークド(大封印)を行う」

 

 ネオが

「封印したフィールドで対処…と」

 

 大魔導士戦士ディオが頷き

「帝都に被害が広がる。その前に…」

 

 セロアークド…対象を強力な封印のフィールドに閉じ込める魔法で、超位種を封印する為に使われる。これに閉じ込められれば、魔王級や、大精霊、超位種でも出る事は不可能だ。効力が切れるまで…。その効力も数千年単位。

 

 大魔導士戦士ディオが

「掴まっている者達は、その封印の中で我々が助け出しましょう」

 

 そう、告げて全員に、用意を促したそこへ

「待ってくださーーーい」

と、巨大装甲盾にスタンクとゼルに、別の竜族でそこへ運ばれたカンチャルとブルータスがいた。

 巨大装甲盾の上にいるスタンク、ゼル、カンチャル、ブルーズ。

 そして、カンチャルが右手に持っている水晶のアイテム、遠くの相手と会話をする魔導具からクリムの声が

「攻撃を待ってください!」

と、訴える声が放たれる。

 

 ネオ達が動きを止める。

 

 通信魔導具から聞こえるクリムが

「お願いです。引いてください。この帝都の上にあるスカイリム(天空城)から距離を取れば、二人は攻撃を止めるそうです」

 

 その言葉を聞いて大魔導士戦士ディオが

「全員、一定の距離まで撤収」

と、信号の魔法弾を放つ。

 

 それを合図に、囲んでいるドラゴン達や、帝国の部隊が離れる。

 

 そうすると、あの宇宙怪獣の二頭が、攻撃を止めて、その場、空中に佇む。

 

 通信魔導具からクリムが

「お話を聞いてください。この人達は…争いに来たんじゃあないんです」

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いします。
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