異世界現地調査   作:赤地鎌

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ネオの日々は忙しい、やっと竜族の妻達から子供が生まれて、父親として育休を取ろうにも…


ネオの好奇心

 ネオは、獅子食亭にて掲示板に張られた情報張り紙のコピーを見ていた。

 テーブルに座り、張り出されている依頼や、様々な珍しい薬草や鉱物、モンスターの情報といった張り紙を見て、とある事を思い出す。

 

 ネオが会長である海運財閥、エンテイスの海上都市でDIメイドランと話していた時だ。

 

 海上都市エンテイス…その実体は、ネオがいた宇宙級超技術文明が作った最大幅30キロの超巨大宇宙戦艦をベースにした人工島である。

 このエンテイスの目的は、各地区と海運交流をしながら、この世界に満ちている異種族達の遺伝情報を収集して、ネオの本国である時空、宇宙級超技術文明に送る事だ。

 

 この世界の異種族達の遺伝情報を集積させ解析させた中で、人工知性体のDIメイドランが

「この世界では、共通の遺伝情報らしき部位は、確かに各種族に存在しますが…。それが元型、アーキタイプではありません」

 

 ネオがそれを聞いて鋭い顔をして

「つまり…進化の系譜、進化の樹のように始まりの単細胞から多種多様な生命に分岐したのではなく…」

 

 DIメイドランが

「信じられませんが。原初の初期生命が違う者達が、同時に存在して、それが系譜に分かれて、その分かれた者達が交わり、様々な異種族の群体を形成していると…」

 

 ネオが顎に手を置き

「そんな事が可能なのか? 惑星環境から生まれる生命は、その元を辿れば同じ祖先に到達するはず…。つまり、その共通の祖先がなく、更にバラバラな祖先達がいて、そのバラバラな祖先であっても、交配が可能…」

 

 DIメイドランが

「我々、天の川銀河連合では想像も出来ない程の不可思議な生命の成り立ちをしています」

 

 ネオは額を抱える。

 自分達の世界では、惑星環境から始まった種は、必ずその惑星が生み出した共通の祖先が始まりである。

 惑星が違えばその共通の祖先が違うのは当たり前であり、そして…その祖先が違うので遺伝的親和性がない。故に、違う惑星の知的種が交配するには、お互いに共通化させる遺伝子改造が必要なのだ。

 だが、この世界は…その共通化の遺伝子改変が無くても、遺伝子を混合させハイブリットを生み出す。

 自分達が持っている遺伝子の定説が狂いそうだ。

 

 DIメイドランが

「もしかして…なんらかの触媒か、システムを使って」

 

 ネオが

「その形跡はあったのか?」

 

 DIメイドランが

「その…ありませんでした。全く違う知的種同士が、何も処置されないで、交配している。そんな異常な常識で、この世界の異種族の多様性が成り立っています」

 

 ネオが額をコツコツと小突きながら、思い返す。

 この宇宙で、惑星外から来訪者、ユグドラシル族が来た時に、フラスパ教会のスレイプニルが、ユグドラシル族と会話した瞬間、ユグドラシル族が焦り態度を変えた。

 何が…この世界の深い部分にあって、この現状を作り出している。

 

 ネオが様々に思考して、仮説や仮定を想定する。

 確証は乏しい、だが…もっと色々と調べるべきだろう。

 

 

 そして、今…ネオは獅子食亭にて次の仕事を選びつつ情報を収集している。

 テーブルに座り、真面目な依頼書や掲示板の情報ペーパーを真剣に見るネオの姿には、かっこよさが見える。

 事実、ネオはここに来てから成果を上げている。

 冒険者の仲間内では、ネオの事を探求者とか、極限の冒険者と囁いている。

 ネオは、前人未踏の嘆きの壁という飛んでも地域を踏破した唯一であり、そして…余り表には出さないが…このドラグアース帝国で海運を担う海運財閥の会長でもあり、別の隣国では、パンデミック寸前だったエルデト病を私財をなげうってまで防いだエルデトの英雄とまで言われている。

 

 ネオに来る依頼は、多くが未知の地域にあるとされる薬草や鉱物、生物の調査とサンプル採取で、時々にドラグアース帝国の皇帝ロンバルディアからの依頼をこなし、嘆きの壁の向こうである極限地帯の踏破研究も行っている。

 

 ドラグアース帝国では、ロンバルディア皇帝の血族に当たる竜族の娘達三人を妻にして、更にドラグアース帝国に匹敵する皇国、ヤマト皇国から鬼神族という桁違いに強い種族の女性を妻にして、四人の妻を持つ一夫多妻である。

 

 そして、竜族の妻達から、竜族は男児が産まれ難いのに、三人の妻達からネオデウスのマキナの自分と竜族のハーフの男児達が誕生して、更に鬼神族の妻がそれと同時に妊娠するという。

 アッチの強さでも有名である。

 

 ネオは、懐から写真を取り出す。

 三人の竜族の妻達ティアマ、レティマ、アマティアが、ネオの赤ちゃん達を抱えて、その隣にニヤリと笑う鬼神族の妻バサラが妊娠するお腹を摩っている場景。

 

 ネオは「はぁ…」と深い溜息を吐く。

 本当は、三人の妻達の為に半年以上の育休を申し出たのに、全方向から断られた。

 なんでも、ネオをメインとした様々な事があるらしく、半年以上も休まれては困ると…。

 

 ネオは妻達と赤ちゃん達の写真を見て、人族形態の竜族のハーフの我が子を見ると、我が子達の腕に、ネオと同じくネオデウスのナノマシン端子が広がっているが見える。

 10000% 間違いなく自分の子だ。

 

 ネオにとっても初のネオデウスを持つ子供達の誕生だ。

 正直…仕事とか二の次にして子供達の養育に力を入れたいのに…現状がネオを必要としているので、どうにもならない。

 

 じゃあ、妻達は?

 不満がない、むしろ、夫が必要とされているのを理解しているので子供はチャンと育てるから、仕事を頑張って…と押された。

 

 実際、妻達は何度もネオが持ち帰った貴重なサンプル情報をネオと共に書籍化する作業を手伝っていた。

 ネオが書籍化した貴重サンプル書籍達は、ドラグアース帝国の各業界で必須本になる程の人気で、それは国外にも波及している。

 

 ドラグアース帝国でも諸外国でも、貴重なサンプル情報を書籍化するネオ・サーペイント・バハムートの名は鳴り響いている。

 

 そんな凄い男を引き抜きたいと諸外国が動くも、あの貴重人材マニアのロンバルディア皇帝が目を光らせているので、ムリである。

 

 まあ、ネオ自身も他にフラフラするつもりもない。

 

 とは言うものの「はぁ……」と溜息を吐くネオに

「どうしたんですか? ネオさん」

と、翼人族の看板娘ケニーが来た。

 

 ネオは額を抱えながら

「仕事半分、育児半分でやっていきたい」

 

 ケニーがハッとして

「ああ…お子さんが…」

 

 ネオが額を抱えながら

「ああ…三人も、しかも男の子で、自分のネオデウス…マキナ族の因子を受け継いでいる。一応は、暴走しないように制御するナノマシン…いや、術を掛けているが…やはり、心配だ」

 

 ケニーが微妙な顔をして

「そのお気持ちは分かりますが…ネオさんがいないと…出来ない仕事が多いですから。これなんて…」

と、一枚を示す。

 それは嘆きの壁の向こうから来る川の源流調査である。

 この川から嘆きの壁の向こうにあるオリハルコンの原料アダマンタイトの砂粒が、この川を通じて流れてくるので、その調査やら、雪深い山脈で未知の巨大なモンスターが出現してそれの調査とサンプル取りとか、山深い奥地にあるとされる貴重薬草の採取やら。

 ネオでしか出来ない探求調査の依頼が毎日のように舞い込んでいる。

 

 ネオが項垂れて

「ワーカーホリックになって死んでしまう」

 

 ケニーが苦笑いで

「ネオさんの子供達が成長すれば…きっと手伝ってくれますから…」

と、告げた次にハッとして

「じゃあ、ネオさんの持っているその…ネオ何とを誰かに分け与えて同じ仲間を増やすとか!」

 

 ネオがフッと笑み

「そんな事が可能ならとっくにやっているよ。本当にこのネオデウスの力は厄介だ。適正者でない者に、ネオデウスのナノマシンを与えた瞬間、暴走して殺す。実際、自分のいた本国でも自分のようにここまで生体と融合した適合例は、自分以外に無かったそうだ」

 

 ケニーの顔が固まり…

「そ、そうですか…」

 

 ネオが額を抱え

「一つ一つこなして、空いた時間に帰って家族と過ごすしかないだろうなぁ…」

 

 ケニーが笑顔で家族と過ごしたいと言う愚痴を見詰める。

 

 そこへ、ルディリが来て

「よう。ネオ!」

 

 ネオが

「お、丁度良かった。次の仕事で協力を頼みたいんだが…」

 

 ルディリが同じテーブルに座って

「オッケー。何人くらい欲しい?」

 

 ネオがテーブルに連結で行う仕事の依頼書を並べて

「ここのルートで…」

 

 ネオとルディリは、次の調査依頼の為の打ち合わせをして、夕方になった。

 

 ルディリが

「ざっと二十人くらいか…。それも…二ヶ月とは」

 

 ネオが

「必要な装備は、ネオデウスの武装の一端を分割して人数分は用意できるが…サンプル採取は人海戦術だからなぁ…」

 

 ルディリが

「いっその事…ネオがギルド長になって腕利きの冒険者と専属契約したらどうだい?」

 

 ネオが渋い顔で

「その…人の上には立ちたくないなぁ…」

 本国時代、とんでもない上司に散々な目に遭わされたトラウマがあるので、リーダーとか上司とかが嫌いだ。

 

 ルディリが

「ギルドって言っても色んなギルドがあるよ。軍隊な階級が厳しい所から、緩やかな横の繋がりみたいな、とか…」

 

 ネオが

「ネオデウスの装備は、一部貸せるからなぁ…。それがギルドメンバーの証でもいいが…貸せる量にも限度はあるぞ」

 

 ルディリが

「上等上等、限定メンバーにすれば、それなりに仕事の質も上がるし、人数が多ければ良いって訳じゃあ無いからさぁ…」

 

 ネオが顎に手を置いて

「少し…考えてみるか…」

 

 ルディリが、考えるネオの顔を見詰めて

「ネオ…最近、どうだい? 嫁さん達とは…」

 

 ネオが肩をすくめて

「依頼が多くて、会いに行けない。全員が子供を授かったから…なるべくは、傍にいたい」

 

 ルディリが卑猥な親指を挟んだ形にして

「こっちのほうは?」

 

 ネオが頭を振って

「妻達がいるんだ。そっちのほうは…」

 

 ルディリがニヤリと笑み

「ネオが来なくて寂しいってリリスガールの子達もいるんだぜ」

 

 ネオが微妙な顔で

「いや、だが…」

 

 ルディリが

「ネオの本国…まあ、あのとんでも超技術文明の世界の常識じゃあ、女遊びは問題だけど…こっちの世界じゃあ、いい男の嗜みなんだぜ。ネオみたいにスゲー男が、嫁さんが子供で忙しくて相手をしてくれないのに、女で遊んでないなんて…そっちの気があると思われて、男の優秀な冒険者が来なくなるよ」

 

 ネオが疑わしい顔で

「そんなモノなのか?」

 

 ルディリが怪しく笑み

「こっちじゃあ、それが常識なんだよ。いい男に抱かれれば女に箔が付くなんて諺があるんだ」

 

 ネオは内心、えええええ!と引いていた。

 昔に見た歴史の資料で、日本の総理大臣の一人、伊藤博文のような大の好色男が好まれる、この世界に常識に疑問が過ぎる。

 

 ルディリが

「だからさぁ…ちょっとつき合ってくれよ」

 

 ネオはフッと笑み

「そっちが本題か」

 

 ルディリが

「良いだろう?」

 

 ネオが項垂れ

「分かったよ」

 

 

 こうして、ルディリの付き合いでこの城塞都市のリリスガール街へ繰り出し、とある店の前の来た。

 ネオが看板を見上げ

「あれ? ここはアラクネの…」

 

 アラクネ族のリリスガールのお店だ。

 

 ルディリが

「分店じゃなくて本店の方が来たから、遊んでみようと思って」

 

 ネオが

「前に、スタンク達がいる街でアラクネのお店に行って、SMプレイが嫌だったから普通の方に…」

 

 ルディリが

「SMの方は分店だよ。こっちが本店…元祖だな」

 

 

 ネオとルディリは、受付のアラクネ嬢の話を聞いた。

 四階建ての建物の内部は、アラクネの蜘蛛の巣が張られて、その蜘蛛の巣のトラップを超えて屋上の宝箱に到達すると、宝箱の50000Gが貰えるらしい。

 途中で、少しでも蜘蛛の糸に掛かると、アラクネのリリスガールに捕まり、やられるそうだ。

 アスレチック兼そういうお店なのだ。

 ネオとルディリは、5000G払って、蜘蛛の巣の内部を進む。

 一階の蜘蛛の巣トラップは、穴だらけだ。

 

 ネオが

「これ…何の意味があるんだ?」

と、匍匐前進する。

 

 先をいくルディリが

「蜘蛛の巣トラップで遊べて、女の子とできる。そんな感じかなぁ…」

 

 ネオが訝しい顔をして

「需要があるのか?」

 

 ルディリが

「まあ、エッチを望んでいない客には、500Gくらいにして遊んで貰うみたいだし、それなりに集客はあるみたい」

 

 ネオはこの世界の懐の広さに「お、おう…」としか言えない。

 

 一階を超えて二階に行く。

 二階は、所々に体勢をキツくしないと入れないスキマが多くなり、三階になると何処を通ればいいのか?分からなくなる。

 ルディリがワザと

「じゃあ、オレはここで」

と、蜘蛛の巣に突っ込んでワザとアラクネに捕まり、いたす部屋へ運ばれた。

 

 運んでいるアラクネが「頑張ってねぇ…」と、エールを送ってくれた。

 

 ネオは困りつつも「行くか」と覆っている蜘蛛の巣の天井のスキマへ棒高跳びのように入り抜けた。

 こういうトラップを避けて通る遊びに、昔の宇宙級超技術文明時代を思い出した。

 あの超無能上司の無茶な計画に、超音速で飛び交う隕石群を単身で抜けて、目的の惑星に到達するという作戦があった。

 ネオだからこそ、超音速で飛び抜ける隕石達の間をすり抜けて目的の惑星に来て、任務である施設停止が出来た。

 それのレベルに比べれば楽な方だ。

 

 四階は、三角飛びのように壁と糸の間を飛んでスキマを抜けて、ついに目的の宝箱の前に来たが…

「これ…意味あるのか?」

 

 その隣にアラクネの女の子が来て

「おめでとうございます。どうします?」

 

 ネオがそれで察して

「どうしますって…もしかして宝箱の中身は取らないで…」

 

 アラクネの女の子は微妙な笑みで

「ええ…取らないで…」

 

 ネオはフッと笑み

「そりゃあそうだ。アラクネの女の子と…ね」

 

 アラクネの女の子が

「どうします?」

 

 ネオがアラクネの女の子に手を伸ばして

「今夜のお相手をお願いするよ」

 

 アラクネの女の子は頷きネオの手を取って

「はい、では…こちらです」

 

 ネオをいたしてくれる部屋に導き、その部屋のお風呂でアラクネの子に体を綺麗にして貰って、いたした。

 アラクネは、生殖器が二カ所もあり、一つは蜘蛛の胴体と人体の繋ぎ目に、もう一つは蜘蛛の胴体の腹部にある。

 ドッキングした感じは、本当に両方とも普通のドッキング部分だ。

 

 ネオはアラクネの子とゆっくりといたしながら、アラクネの事について色々と聞いた。

 まず、アラクネには大きく四つの種類があり。

 体が硬い外皮に覆われているタイプ。

 足や下部が硬い外皮に覆われているタイプ。

 下部の蜘蛛の足が硬い外皮のタイプ。

 全身が毛に覆われて人体のように柔らかいタイプ。

 これの四つに分かれるらしい。

 

 この四つとも蜘蛛の下半身があり、そこから頑丈な糸を吐き出すのは変わらない。

 このアラクネの形状で男児が産まれた事がない。

 アラクネは女児が多く産まれるので他の異種族から、特に人族から男性を融通して貰うらしい。

 勿論、体が大きいので質量もあって力と持久力が高いが…瞬発力は低めらしい。

 それが相まってか、捕まえる力を補う為に吐き出す蜘蛛の糸の粘性は高い。

 攻撃力も高い種族でもあり、とくに体が硬い外皮に覆われているタイプの力は、凄まじいらしく完全武装の騎士が十数人がかりでも歯が立たないらしい。

 

 基本、そんなに凶暴ではないのに、男児が産まれにくいので、オスを求める生殖に関しては凶暴になるという性質によって、アラクネ族は凶暴というステレオイメージがあって、困る事もあるとか…。

 話せば、とても温和な種族で、ママ味が強い。

 なので、ママ味を求める男には、アラクネ族のママ味を知って好きになる事があるらしい。

 

 とは言うものの、アラクネは強いというステレオイメージを払拭するまでには至ってない。

 

 と、ネオはアラクネのリリスガールと楽しんで、聞いた話を情報として纏めてファイルして仕舞う。

 城塞都市の宿にしているホテルで、ネオは今まで…各種族のリリスガールから聞いた話を纏めているファイルを見て

「何時か、これが溜まったら書籍にしてみるか…」

 

 ネオの好奇心がこの世界で尽きる事はなかった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いします。
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