異世界現地調査   作:赤地鎌

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ネオの調査の日々、その中である存在が…
今回はエロ無し。


新たな調査

「ただいま…」

と、ネオは妻達がいるドラグアース帝国の皇帝城へ帰って来た。

 一ヶ月半にも及ぶドラグアース帝国の北部山脈地帯の貴重鉱物やレア薬草の調査を終えて、その資料を皇帝城に持ち帰って整理、書籍化するのだ。

 

「おかえりなさい」

と、妻のティアマが赤ん坊を負ぶっていた。三人も…。

 

 ネオはティアマの背負う我が子達に近づき

「パパ、帰って来たよ」

と、眠っている我が子達の顔を撫でる。

 

 この三人の赤子は、ネオが妻としたティアマ、レティマ、アマティアが産んだ子供達で、そこに四人目で妊娠中のバサラが

「あ、アンタ、お帰り!」

と、顔を見せてくれた。

 そのお腹は四ヶ月になって目立つようになり、緩やかな妊婦服を纏っている。

 

 ネオはバサラに近づき

「ただいま? 体調の方は?」

 

 バサラが楽しげに笑み

「順風満帆! しっかりとお腹の子は育っているよ」

 

 ネオが心配げに

「あんまり、負担になるような事はするなよ」

 

 バサラは鬼神族、その高すぎる戦闘能力ゆえに、妊婦なのに皇帝城の屋根を飛び跳ねたりして運動不足解消するので、何時もネオを青ざめさせる。

 何かあったら怖いので、ネオはバサラだけにもしものナノマシン防衛システムを装着させた。

 危険な兆候が発生した場合、驚食装甲ガイバーみたいな、全長20メートルの機動兵器装甲が展開してバサラを守るようにしている。

 バサラいわく、大げさな…と言われた。

 

 ネオは、そっちの感覚がおかしいと思った。

 

 話を戻してバサラが、ネオが背負っている大きな書類のバックを見て

「これが今回の冒険で得た」

 

 ネオが背中に背負う書類バックというには大きいが、その書類バックを外して

「ああ…今回の調査で判明した情報だ。これを書籍化する」

 

 バサラが

「アタシにも見せてよ」

 そう、バサラはめちゃくちゃ頭いい。

 それは勿論、他の妻達三人、ティアマ、レティマ、アマティアもだが…。

 鬼神族で体力勝負だと思っていたバサラの頭の良さ、特に薬草関係の知識は、薬師を開ける程だ。

 鬼神族の教育らしく、自分の体調を管理する為に、徹底的に薬草や治癒関係の知識を幼い事から学ぶらしい。

 実際、バサラの本国では鬼神族は、貴重な薬草を作る一族として有名らしい。

 あんなに暴力的な性格なのに…。

 

 

 ネオは、今回の調査のデータ資料をテーブルに広げて、それをバサラ、ティアマ、レティマ、アマティアの四人が真剣に見ている。

 

 バサラがとある発見した鉱物の資料を指差し、ティアマに

「これ、薬の触媒になりそうだね」

 

 ティアマも頷き

「ええ…もっと純度の高い胃腸薬とか、回復薬のになりそうね」

 

 レティマが

「ああ…北部山脈地帯で最も高い山、エルマウントにも登ったんだ…」

 

 ネオが

「ああ…これを見てくれ」

と、そのエルマウントの氷河を切り裂き、山の岩肌を掘った場所から見つかった化石達の写真の資料を見せて

「こういう高い山脈には、ぶつかって出来た影響で、低い時代の化石が見つかる事があるんだが…金属の化石を見つけた」

 

 妻達がその資料を手にして、バサラが

「ウチらにとって珍しい事じゃあない。金属を骨格にしたスケルトンドラゴンとか、スケルトン系のモンスターがいるからね」

 

 ネオが額を抱え

「だとしてもだ。この世界の今までの集めた生体データを考慮して、構築している体が全て金属の生命体なんてありえない筈だ」

 

 アマティアが

「誰かが…魔導的に作ったホムンクルスとか?」

 

 ネオが額を小突きながら

「だとしてもだ…ホムンクルスは代謝しない。外部の魔力を得て動くロボットのような存在で、この見つかった金属の生命は外から何かを得て代謝する機能がある。更に…生殖のような機能まであった。つまり、生命だ。その他にも別の形態の金属生命の化石も見つかっている」

 

 レティマが

「確か、アナタが到達した嘆きの壁の向こうにあるアダマンタイトの大地にも金属を取り込んだ恐竜とかがいたんだよね。その祖先って可能性は?」

 

 ネオが額を抱えて

「この金属の生命の化石から採取した細胞データと、その嘆きの壁の向こうにいた金属を取り込んだ恐竜とは、その細胞データが一致しない。祖先ではない」

 

 バサラが

「そう考えると、あたし達の世界って複雑なんだね」

 

 ネオが

「今後、これに関して資料で追って見ようと思う」

 

 ティアマが

「でも…アナタ…次の仕事が…」

 

 ネオは頷き

「合間合間だよ」

 

 レティマが

「今後、色々な調査の仕事をしていれば、ひょんな事から分かるかもね」

 

 ネオは頷き

「そうだな…」

と、次の資料を見る。

 それは偶然にも崩落した丘から出て来た数十メートルもある巨大な獣の手の跡を撮影したモノだ。

 この数十メートルの巨大な獣の手に残された主であろう存在も、金属の生命だった。

 

 ネオは、ハァ…と溜息を漏らし

「全く、この世界は刺激がありすぎて、退屈しないよ」

 

 バサラがお腹にいるネオの子に

「アンタも将来、お父さんと一緒に、この世界の謎を解き明かしてね」

 

 ネオは妻達と共に冒険で得た資料の纏めをする。

 

 

 ネオは、皇帝城のテラス喫茶にいた。

 共にテーブルを一緒にするのは、ロンバルディア皇帝と大魔導戦士ディオである。

 

 ディオが最近、ネオが見つけた金属生命の化石の資料を向けて

「ネオ殿…これについてだが…」

 

 ネオがディオを見詰めて

「何か…」

 

 ディオがネオに寄って

「これに関して、実は帝国外の国でも山脈地帯から発見されている場所がある」

 

 ロンバルディア皇帝がスッと国外の山脈から発見された金属生命の化石の資料を見せる。だが、それはかなり古い、百年前のモノだ。

 ロンバルディア皇帝が

「厳しい山脈地帯にあるが故に、中々、調査がされない。これは百年くらい前の資料だ」

 

 ネオはそれを手にして凝視する。

 そう、それは確かに自分が見つけた金属生命の化石と一致するモノだった。

 ネオが

「陛下、竜族の歴史でこのような存在に関して…」

 

 ロンバルディア皇帝が腕を組み

「我ら竜族は十万年前に始まったが…。その記憶にない」

 

 ネオは内心、プーと鼻を吹く。十万年も続く一族なんて驚きだが、その十万年前でも憶えないなら…

「つまり、それより遙か以前、億年前の可能性が…」

 

 ディオが

「地層や骨から年代測定は?」

 

 ネオが厳しい顔で

「いや…炭素ベースの生命なら、構築物質であったカルシウムとか炭素の放射線測定とかで、年代を計測できますが。金属ですから…」

 

 ロンバルディア皇帝が

「ネオ、これに関して調べている者達がいる。一緒に調査へ赴いてくれないか?」

 

 ネオが微妙な顔で

「それって完全に長期の…」

 

 ロンバルディア皇帝とディオが顔を見合わせ、ディオが

「ネオ殿…汝の事を必要としている者達がいる。ネオ殿が奥方達や子供達を大切にしているのは分かる。だが…ネオ殿がいなければ…出来ない仕事が多い」

 

 ロンバルディア皇帝が

「ネオよ。ネオの妻達ティアマ、レティマ、アマティアにバサラの四人は、お前の仕事が素晴らしいモノだと理解しているし、それに探求者ネオの妻である事に誇りを持っている。それに答えてくれまいか?」

 

 ネオが額を掻いて

「これの調査が終わったら、長期休暇をください」

 

 ロンバルディア皇帝とディオが呆れた顔をした次に、ロンバルディア皇帝が

「分かった。お前が望む長期休暇を認めよう」

 

 

 こうして、ネオはルディリとムラマサ、レリスにドリンのメンバーを連れて、謎の金属生命の化石への調査の為に国外へ出た。

 

 帝都から出発する巨大魔導輸送船の甲板で、ルディリが

「三ヶ月半にも及ぶ冒険か…」

 

 その隣にネオがいて

「何時もすまんな」

 

 ルディリは楽しげに笑み

「いいさ! ネオといると何時も冒険していて、冒険者冥利に尽きるよ」

 

 ムラマサが来て

「二人で談笑か?」

 

 ネオもムラマサに

「ムラマサもすまんな。家族がいるのに…」

 

 ムラマサが

「子供達から、金属生命の化石の調査に行くって言ったら、大きな金属生命の化石を臣上げにねだられたさ」

 

 ネオが

「おお、持ってけ、ティラノサウルスみたいなヤツをあげるよ」

 

 ムラマサが苦笑いで

「どうやってそんなの家に置くんだよ」

 

 ネオが

「金属生命の化石なんだ。錆びる事は無い。家の屋根代わりにでもしれやれ」

 

 ムラマサとルディリは肩をすくめる。

 

 ルディリが

「でだ、国外の…現地コーディネイターには…あの…」

 

 ネオが頷き

「何時ものアイツ等を頼んでいる」

 

 

 ネオ達が乗ってきた大型船が、何時ものあの西側の港に到着して

「ちーす」

と、スタンク、ゼル、クリム、カンチャル、ブルーズの五人がいた。

 

 ネオ達は、もう顔なじみな面子に感慨もない。

 ネオがスタンクに近づき

「今回もよろしく」

 

 スタンクが顎を摩り

「しかし…金属生命の化石の調査とは…地味な事で…」

 

 ネオが腕を組み

「こっちは、お前達みたいに、ダンジョン攻略がメインじゃない」

 

 クリムがネオに近づき

「お久しぶりです」

 

 ネオが微笑み

「元気だったかい?」

 

 クリムが嬉しげに笑み

「はい…」

 

 ゼルが

「今回の山脈地帯にはクリムが必要だから連れてきたぞ」

 

 レリスが

「理由は?」

 

 カンチャルが

「三色スライムっていう厄介なスライムが蔓延っているからね」

 

 ネオ以外の仲間が「あああ…」と声を漏らした。

 ネオが顎を摩り

「三色スライムか…始めて遭遇する。サンプルに取って置くか…」

 

 三色スライム。幽体みたいなふわふわしたスライムで、取り付いた相手に対して雷、炎、氷の三つの内、どれかの属性となってダメージを与える厄介なスライムだ。

 主に鉱山とかに発生する。

 

 ブルーズが

「諸々の食料や装備を買って出発するか…」

 

 ネオが

「待て、今回の合同協力者と合流する予定がある」

 

 

 ネオ達一団は、街にある食酒亭とは別の店に入ると、指定されたテーブルに魔女達がいた。

「はぁ…い」

と、大魔導士デミアのデコイの一つに、デミア弟子で魔導具開発専門のヘパティアと、悪魔族の魔女でデスアビスの部下のデモンティアの三人がいた。

 

 ネオ達が席に着いて、ネオが

「まさか…アンタ達と一緒に仕事をするとは…」

 

 ヘパティアが

「金属生命の化石は貴重な魔導具の材料ですから」

 

 デモンティアが

「まじで、金属生命の化石は利用価値が高いんじゃよ」

 

 ネオが

「使い方を分かれば…だろう」

 

 デミアが

「まあまあ、雑談はここまでとして、話を始めるわよ」

 

 デミアの説明では、ここから数百キロ先にある山脈地帯に金属生命の化石が見つかったらしく、それがどのくらいで、どの規模のモノか?の調査と…。

 

 デモンティアが

「もし、大量に見つかれば…相当な資源になる」

 

 ネオが

「今までは一体二体の少量だが…もし、大量に存在しているなら…」

 

 デミアが

「大量に発見された場合、相当な…そう、一個師団クラスの魔導鎧兵団が出来るかもしれない」

 

 カンチャルが

「国に売り払ったら幾らになるかなぁ…」

 

 デミアが

「残念、そんな事はさせないわ。そんな事をしたら周辺の軍事バランスが崩れる」

 

 ドリンが

「なるほど、魔法技術集団であるデミアのアンタ達が、均等に国々に配ると…」

 

 デモンティアが

「デスアビス様達、各地の魔王達や国王達もそれで了承しましたので…」

 

 スタンクが面倒くさそうに

「そんな政治的…お?」

 その調査で泊まりにする町を見た瞬間

「なるほど…」

と、スタンクは好色な笑みを浮かべる。

 実は、前に筋トレのサキュ嬢店て取り逃がした鳥人族のサキュ嬢のお店があった。

「仕事の内容が分かっているなら、さっさと行こうぜ」

 

 スタンク以外の全員が、その通りだと思ってだいたいの話し合いを終えて、必要な荷物と食料を買い込み、ネオの変形した輸送戦闘機艇に運ばれて目的の町へ向かった。

 

 町に到着して、ネオの輸送戦闘機艇から荷物を下ろして、ネオが変形を解除した次に、町の隣の山の巨大な崖を見て

「これは…」

 そう、ドラグアース帝国で発見した数十メートル級の獣の手の跡があった。

 

 ネオが見詰める隣にスタンクが来てパンフレット片手に

「なんでも町の観光名所の一つだとよ。こんな巨大な手のバケモノがいたら目立つから、どうせ…自然と出来た跡だろうよ」

 

 ネオは厳しい顔の次に

「そうだな…」

と告げて、荷物を停泊する宿屋へ運び込んだ。

 

 ネオには嫌な予感がする。

 ドラグアース帝国でも、金属生命の化石があった場所にこの数十メートル級の獣の手形があった。

 もしかしたら…。

 この数十メートル級の獣の手型から予想される推定全長は、軽くキロメートル級の存在になる。

 それ程の存在なら、動く大地として存在して、その大地から金属生命の化石の元が…。

 ネオは飛躍し過ぎの考えと思った。




最後まで読んでいただきありがとうございます。
次話もよろしくお願いします。
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