様々な事や、なぜ、ここに金属生命の化石があるのか?調べながら…
ネオ達は、例の金属生命の化石を探る調査へドラグアース帝国から西の大陸で最北西端にある山脈地帯に来ていた。
高度千メートル級の山々が並ぶこの地域は、主に火山活動が活発らしく、僅かではあるが、活火山があり、その活火山の恵みによる熱と温泉によって麓の町は賑わっていた。
ネオ達…ネオ、ルディリ、レリス、ドリン、ムラマサの五人は、スタンク達に連れられて…サラマンダーの料理店に来ていた。
無論、不健全な方だ。
ネオは目の前で裸体になっているサラマンダーの女の子が寝そべる石のベッドに、眉間を押さえて呆れる。
これって何の意味があるの?
スタンクとゼルは、さも当然の如く裸体になっているサラマンダーの体にお肉を乗せて焼いて食べている。
ネオ達は手を付けない。
スタンクが
「どうしたんだ? 食べないのか?」
ルディリが顔を引き攣らせて
「いや…コレって…衛生的な部分と、色んな意味で大丈夫なの?」
鉄板になってくれるサラマンダーの女の子が笑顔で
「大丈夫でーーーす。サラマンダーは表面温度が百度以上だから、ばい菌もウィルスも焼き殺されているので、衛生的に全く問題ありませーーん」
ネオ達は「お…おう…」と理論的には納得したが…倫理的な問題にぶつかり全く手を出さない。
ドラグアース帝国にもサラマンダーの女の子が、その熱い火属性の体温で、お料理を出してくれるお店はある。
だが…自分を鉄板にして焼かせて食べさせるなんて発想がない。
スタンクがゲスな笑みで
「じゃあ、仕上げと行こうじゃないか!」
と、フランクフルトを頼んだ。
それをスタンクやゼルが、サラマンダーの女の子の大事な穴で焼いて食べる。
もう…ネオ達はゲンなりとして
「悪い出るわ」
と、ネオがお代を置いて出て、それにルディリ、レリス、ドリン、ムラマサも続いた。
スタンクが
「なんだよ。これからが楽しみだってのに」
と、火属性の力に対して耐候性を与える防御の指輪をして、サラマンダーの女の子をおいしく頂いた。
外に出たネオ達一行、ルディリが
「普通の料理してくれるお店に行こう…」
『うん』と他も同意した。
ネオ達が歩いていると…
「あら、奇遇」
と、デコイのデミアに、赤くなって俯き浮いているクリムがいた。
ルディリが
「二人は、どこに行っていたの?」
デコイのデミア、Dデミアが
「あっちよ」
と、示した方向は、あのスタンクとゼルと一緒に行ったサラマンダーの女の子のサキュ嬢店だった。
ネオが渋い顔で
「何を目的に…?」
Dデミアが笑顔で親指と人差し指で輪を作り、その間を指して
「クリムくんが、サラマンダーの女の子を抱いた時にどんな風になるのか? データを取っていたのよ。今後の各属性防御の装備に関して必要だからね」
クリムは恥ずかしくて顔を覆い隠した。
致しているのをマジマジと観察されたクリムに、ネオ達一同は同情する。
そこへ…
「あ、先生…」
と、デミアの弟子のヘパティアと、魔族代表のデモンティアが来た。
ここに集まった全員が別の食堂へ入り話を始める。
大きなテーブルを囲んで調査した部分の記録を広げる。
ネオが調査した部分の地図の山脈部分を指差し
「想定した通り、ここには大量の金属生命の化石が埋まってた」
デモンティアが
「これ程、容易に見つかるとは拍子抜けだわい」
ルディリが
「こんなに沢山あったって事は…昔、ココがその金属生命の化石のホームだって事?」
Dデミアが
「でも…この金属生命の化石は、生命のように代謝をするんでしょう? それだったら…捕食する存在がいるはずよね」
デモンティアが
「もしかして、地面を食べて…体を構築する物質を得ていたのでは?」
ネオが渋い顔で
「それなら、もっと大地に近い、シリコンや鉄、マンガン、リチウムといった物質で出来てる筈なのに、その主な体組成は、チタンやニオブ、タングステン、イットリウムといった希少土類だった」
Dデミアとヘパティアにデモンティアが黙る。
ネオも鋭い顔をして黙る。
レリスが
「その組成物質…ですか? そんなにおかしい事なんですか?」
ネオが眉間を寄せて
「希少土類は…元素的に重物質、重い元素だ。地上には極少数しか存在しない」
ヘパティアが
「希少土類が地上に姿を現すには、火山噴火しかありません。重元素なので星が誕生する時のマグマの海の奥深く、地核へ沈んでしまいます。それが出てくるには、火山噴火といった地中奥深くのマグマが噴出して、それに混じるしか…でも、それでも…含有率は低いですよ」
ネオが額を抱えて
「希少土類を生成するには、核融合か? 縮退…ブラックホールのような超質量を生成する方法しかない」
Dデミアが
「魔法で元素を作る事は可能よ」
ネオが
「それでも、銅から金から向こうの含有率が高い元素だろう」
Dデミアは肩をすくめて
「まあねぇ…」
クリムが挙手して
「あの…思ったんですけど…。もしかして…それを作る金属生命がいたって事じゃあないですか?」
全員が視線をクリムに向ける。
クリムが
「だって、僕たちだって植物や動物を食べているじゃあいですか? つまり、そういう食物連鎖のように始まりとなる植物か動物のような存在がいて、それを食べていて、そうなっていたと…」
ヘパティアが
「つまり、地面を食べて、それを希少土類に生成して、それを金属生命の化石達が食べていたと…」
ネオがDデミアを見て
「デミア殿、この世界に物質を違う物質に変換できる生命が…」
Dデミアは首を横に振って
「聞いた事がないわ」
クリムが自身を無くして
「そうですか…」
ネオが
「とにかく、もっと周辺を調べてみよう」
全てが推論の域を出ない。
翌日、再び見つけた金属生命の化石達が埋まる山間に来る。
魔法を使って…魔法の専門家である魔女のDデミアとヘパティアにデモンティアが、地中を探る魔法を使って金属生命の化石を探す。
見つけた場所を、ネオ達がネオの持っている装備で掘る。
人が乗れる人型重機で地面を掘り返す。
普通なら化石という脆いモノを扱うのだが、重機は危険だが…相手は金属生命の化石だ。金属で構築されているので、雑に扱っても問題ない。
ネオ達が発掘作業をしている周囲をスタンク達が、クリムを使って三色スライム退治をするが…。
スタンク達の前に百人近い一団が来る。
スタンク、ゼル、クリム、ブルーズの四人を囲む一団は
「なぁ…兄ちゃん達。ちょっとばかし、オレ等を通してくれないかね?」
ゼルが
「悪いね。今、調査してんだ。別の道を行ってくれ」
一団はゲスな笑みを浮かべ
「へへへ。分かってんだよ。オレ達の獲物は、その発掘しているモノなんだからよ」
ネオがスタンク達の方へ来る。
カンチャルとルディリは、高い丘で周囲を見渡して警戒している。
ネオに連絡が入ったのだ。
ネオが団体に近づき
「悪いね。ここは通れない。大事な調査をしているんだ」
団体の前に大柄なオーガの女が立ち
「悪いね。アタシ達の獲物はアンタが調査しているモノなんだよ」
二メートル半の巨体のオーガの女を前にネオは冷静に
「この調査は、国の許可を得ている。もし邪魔をするなら…貴方達に罰則が降りかかるが…」
オーガの女は、ズンと背中に背負った身長と同じ二メートルの巨斧を外して握り
「そんなの盗んじまえば分からないさね」
ネオは団体の全体を見る。
こういうのは男達の野盗が定番なのに、甲冑や服装から半分くらい女性が見える。
各種族、それも戦闘が得意そうなケンタウロス、有翼人、オーガ、トロル、オーク、爬虫類人、獣人系悪魔もいる。
ネオは改めて野盗風情でもバリエーションがある事に驚くも、ネオは額を掻いて
「ここの調査したモノは、七割は国のモノになる。だが…三割は我々の報酬になる。その三割の報酬の額は…少なく見積もっても30億Gだ」
野盗の一団から「マジかよ! 三割でもそれくらい行くのかよ!」と驚きが漏れる。
スタンクが剣の柄に手を置いて
「まどろっこしいのは」
と、告げて前に出るのをネオが右腕を出して止める。
ネオが
「因みにだ。現在…まだ、発掘している。今日は今の段階で昨日に見つけた量と同等だった」
オーガの女が
「よっしゃあーーー。このお宝を」
ネオがズンと地面を叩き踏み締めると、周囲へ足下が揺らぐ程の小地震が発生して
「話を聞け!」
と、ネオが鋭く超重量級の殺気を放つ。
オーガの女や、一団が本能的に一歩引いた。
ネオが冷静に
「今の段階で、昨日の二倍も見つかった。つまりだ…我々がえる三割の報酬の額が倍の60億Gになった訳だ」
オーガの女が
「で、それがどうした!」
ネオが
「我々は10億Gさえ貰えれば、報酬として十分なんだ」
一団がざわざわを混乱する。
オーガの女が
「まどろっこし! 何が言いたいんだよ!」
ネオが
「つまりだ。この見つかった金属生命の化石を受け取ってくれる町まで運搬する人足が大量に欲しい。君達が護衛兼運搬をしてくれるなら…今日の報酬として50億Gは渡す」
一団が「マジで!」「いや、でも…」「本当か?」とざわざわする。
オーガの女が「ハッタリだ!」と全体を一喝する。
だがネオが
「ハッタリじゃあ無い。事実だ。今日…もう…50億Gが用意されている。君達はこの山奥まで来られる程の強靱な種族達の集まりだ。それを頼むのに十分な程だ」
野党に来た一団達が混乱する。
ネオがダメだしに
「今、ここで…我々と戦って重症を負って得るか? 我々を手伝って50億Gを得るか? どっちの方が得だと思うかね?」
一団達に困惑が広がっている。
オーガの女が巨斧をネオに向け
「もし、アンタ達を手伝って50億G得られなかったら、アンタを殺す!」
ネオが巨斧を横に流して
「好きにしろ。出来ない約束はしない」
こうして、野盗だった者達を護衛兼運搬人にして、発掘した金属生命の化石達数十体を麓の回収者達が待っている町まで下ろした。
回収者には、悪魔族や魔法使いといった学者達の一団が来ていて、ネオ達が発掘した金属生命の化石を丁寧に調査する。
ネオがそのリーダーである魔法使いの男性に近づき
「どうですか?」
リーダーの魔法使いの男性は
「いや…素晴らしいです。お約束の額以上の価値があります。差額分は後で…」
ネオは頷き
「では、頼んだ額の…」
「はい」
と、リーダーの魔法使い男性は、運搬用につなぎ止めている飛空艇達から60個の宝箱を運び出させ
「お約束の60億Gです。よろしいのですか? 国家予算専用のプラチナ金貨でなくて?」
ネオが呆れ顔で
「現地での協力者に支払いがあってね」
こうして、金属生命の化石は飛空艇に乗って回収され、様々な魔導具や魔導装備へ。
そして、ネオは一団のリーダーであるオーガの女へ
「じゃあ、後の報酬は約束通りに」
スタンクがゼルと共に宝箱一つを持って行き
「じゃあ、約束通り、貰って行くわ」
とネオ達は、10個の宝箱10億Gを持って行く。
手伝った百人の各種族の者達は呆然とするが、一人が宝箱へ飛びつき
「マジかよーーーーーー」
宝箱を開けると、1億Gの金貨の山があった。
野盗くずれであった自分達には、一生拝めない額の宝箱達50個がそこにあり、全員が飛びつき歓喜する。
オーガの女がズンと巨斧を地面に突き刺し
「山分けだよ。分かっているねぇ!」
一人が
「オレ達で山分けしたって! 一人、数千万Gだぜーーーーー」
ネオ達は…まあ、スタンク達はサキュ嬢店へ遊びに行き、ネオ達は今日の成果を話し合う。
とある宿屋の一階の食堂で、スタンク、ゼル、ブルーズの三人を除く全員が大きなテーブルを囲んで地図を睨んで話し合う。
Dデミアが
「残念だけど、後…今日の数倍、おそらく5、6倍は埋まっているかも」
カンチャルが
「人手が全く足りないね」
ドリンが
「発掘になれば、一日は潰れる」
レリスが
「どうして…こうなっているのか? ここだけに集中しているのか? その調査が疎かになってしまいますし…」
クリムが
「人手を頼むとか…」
ヘパティアが
「そんな事をすれば、我先に周辺の国々が挙手して争いになりますよ」
デモンティアが
「エルデトの英雄達がやっているという事で国の厄介な事が入らないんじゃから。それを止めるとなると…ここを巡って国同士で戦争になるぞ」
クリムが青あざめ「うわ…」と呟いた。
ネオが額を抱え
「どうして、ここに集中しているのか? その理由も調査できない。かといって発掘を止めて提供を止めれば、国がウルサい」
Dデミアが
「さっきの野盗連中が手伝ってくれるなら良いんじゃない?」
ネオが
「その方が無難か…」
関係ない勢力の手伝いを受けるのが一番に安全だった。
ネオは、町の中を歩き、手伝ってくれた野盗連中を探していると
「あ」
目の前にあのオーガの女が来た。
「おーーーい」
と、ネオは声を掛ける。
オーガの女が近づき
「今日は、ありがとうよ」
ネオは微笑み
「いいさ。それより話があるんだが…」
オーガの女も頷き
「ああ…アタイもアンタに話があるんだよ」
ネオとオーガの女…ドルガが適当な酒場に入り話をする。
人手が欲しいというネオの話にドルガは頷き
「分かったよ。また皆に声を掛けてみるが、男共は大金を貰って何処かへ遊び飛んで行くだろうから、半分の四十くらいの女手しか集まらないかも」
ネオが頷き
「それでも十分さ」
ドルガがネオを見詰めて
「アンタ…エルデトの英雄だったんだね」
ネオはフッと笑み
「よく分からないあだ名だよ」
ドルガがネオを見詰め
「アンタにアタシの故郷を救って貰った。そんな恩人に…」
ネオは優しく微笑み
「いいさ。争わなかった。手伝ってくれた。そして、次も手伝ってくれる。それで良いじゃないか」
ドルガがネオの手を握り
「どうだい? 二人だけで話し合わないかい?」
ネオは察する。誘われているのだ。
浮気…ではない。今後の…好意を無下にはできないし、何より女からの誘いを断るのは、この世界ではしてはいけないらしい。
ネオはドルガの部屋に行き、密接な男女の肉体言語を交わす。
体格差はあったがネオのご立派な息子様のお陰で、お互いに満足して、ドルガが
「そういえば…思い出すなぁ…ばあちゃんが、こんな事を言っていたよ。この山々には、大陸のように大きな龍亀が住んでいるって。その証に、巨大な龍亀が歩いた足跡が残っていて、そこが泉や川になったって」
ネオは隣で一緒に眠る、一夜を過ごしたドルガを凝視して
「それ、ちょっと詳しく聞かせてくれないか?」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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