異世界現地調査   作:赤地鎌

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ネオが向かう次の依頼、鉄の実を回収
だが、そこに…


圧倒

 

 ネオは、海岸都市ミューヘンでの依頼を熟して、帝都へ向かう途中、鉄の実を取る為に、鉄の実があるとされるアイアンウッドが生息する山脈へ向かう。

 ネオの同伴者として、ルディリが付いてくる事になり、ドリン、レリス、ムラマサの三人は、ミューヘンで分かれた。

 五人は、海岸都市ミューヘンでの美味を…夜の美味も堪能して満足な気持ちで歩みが軽かった。

 

 ネオが

「じゃあ、行くか…」

と、ルディリを見て

 

 ルディリが頷き

「行こう!」

 

 ネオはルディリを連れて、アイアンウッドがある山脈へ行く。

 その後ろをステルスで隠すトルーマン大佐達が続く。

 

 アイアンウッドがある山脈麓までは半日で到着、明日、山脈を登る為に準備を整える。

 アイアンウッドがある山脈麓は、珍しい凍結系の魔法資源が採取できるらしく、ここから取れた魔導鉱石が、冷蔵庫やら、冷凍庫やら、色んな食品保管庫の材料となる。

 

 山脈麓は、賑わっているが…山脈は…簡素だ。

 

 ネオとルディリは、一応…山脈頂上まで続くとされるルートの地図を手に入れた。

 だが、入山する人は少ない。

 あくまでルートは、休めるであろう場所の位置表示だけで、ルートはホボ…無いに等しい。

 なぜなら…。

 

 ネオは、麓の街から山脈の方を見ると、山脈周辺の空には、山脈の空を滑空する凍結系のドラゴン達が飛んでいる。

 

 さらに、山脈の森からは、大型のモンスターが姿を現す。

 

 この山脈は、多くの凍結系モンスター達が生息する一体で、それを回避か倒して進むしかない。

 その奥地にある山頂に生息するアイアンウッドに鉄の実がある。

 これが高難度の依頼とされる由縁だ。

 

 ネオにルディリオが

「どうして進む?」

 

 ネオが

「モンスターを避けながら進もう。出会うのをイチイチ戦うと倍の日数がかかるから」

 

 ルディリも頷き

「賛成、ボクもその方がいいと思う」

 

 ネオやルディリは戦闘を避けつつ頂上を目指す事にした。

 

 翌日、出発するネオとルディリ。

 ネオは、探査波を放ちながら進む。

 大型のモンスターと遭遇しそうになると回避か、隠れる場所に潜んで大型のモンスターをやり過ごす。

 

 上空にいる凍結系ドラゴンは、地上に…森の中にいる間は襲ってこない。

 森が隠れ蓑になってネオとルディリを隠すが、岩肌になったら姿が見える。

 そこをどう進むか?

 ネオとルディリは考えると、ヒントが通りかかった。

 ネオ達より小さな動物の背中が岩肌と同じ色だ。

 その小さな動物は、岩肌の斜面を登っても襲われない。

 擬態だ。

 凍結系ドラゴンも獲物は選ぶ。

 自分達の腹が満たされて、尚且つ丁度良い大きさの獲物。

 そうなると岩肌の斜面に現れる獲物より、森にいる大きな獲物を狙った方がいい。

 故に、岩肌に擬態した小さな獲物には興味も示さない。

 

 ネオとルディリは、自分達の上が岩肌に見える偽装の魔法と装備を使って岩肌を昇り始める。

 ネオは、自分達の上を岩肌の偽装して登っていると、空を飛んでいる凍結系ドラゴン達に共通する特徴があるのに気付く。

 背中に伸びる翼手の翼だが、それに釣られるような体勢で凍結系ドラゴン達が飛んでいる。

「なんだ? 妙だな…」

と、ネオは小型のドローンを飛ばして飛んでいる凍結系ドラゴンの観測をすると、面白い事が分かった。

「へぇ…この原理で飛んでいるのか…」

 

 ルディリが

「何か分かったの?」

 

 ネオが観測される結果を見ながら

「空を飛んでいるドラゴン達は、空気抵抗を使って飛んでいるんじゃあなくて、マナを使って飛んでいるだよ」

 

 ルディリが首を傾げて

「マナを使って? どういう事?」

 

 ネオが

「簡単に説明すると、ドラゴン、竜系統の存在は空気中にあるマナを吸収する力を持っている。凍結系ドラゴンは、翼の上部と下部で、マナを吸収する力を変えている。上部はマナを強力に吸って、下部はそんなに吸っていない」

 

 ルディリがハッとして

「そうか、マナの密度の急減少を利用して飛んでいるのか! まるで魔法で空を飛ぶのと同じように!」

 

 ネオが頷き

「そうだ。マナが減少するとそこを見たそうとマナが流れ込む。そういう性質をマナは持っている。翼で区切られた上と下の密度の違いがあると、濃いマナが薄いマナへ流れ込むが、それを翼で遮っているから翼がそれを受けて浮き上がる」

 

 ルディリが驚き

「そんな原理で…」

 

 ネオが

「この世界は、不思議な事が多いものだ」

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 ネオとルディリは、山頂に来る。

 そこには白い結晶の葉を広げるアイアンウッドが群生していた。

 ネオはアイアンウッドに触れて

「これ、鉱物で構築された植物か…」

 

 ルディリが結晶の葉が覆い茂る部分を指さして

「あそこに、鉄の実があるよ」

 そこには、数個の鉄の実がある。

 数と十個ほど、ぶら下がっている。

 

 ネオは他のアイアンウッドを見回すと、他にも鉄の実がぶら下がっているが、欲しい分は十個程度でいい。

 一個、十キロ近いから十個で百キロ

「これは…反重力カーゴで運ぶしかないな」

と、十個の鉄の実を採取して、反重力で浮かぶソリ、反重力カーゴへ乗せていると、ネオの背後からトルーマン大佐達がステルスを解除して姿を見せる。

 

 ルディリは直ぐに分かった。

「ネオ…あの人達って…」

 

 ネオが項垂れ気味に

「誰か多くが姿を隠して追跡しているのは分かっていたが…」

 

 トルーマン大佐が

「久しいな、アラタ少佐」

 

 ネオはトルーマン大佐達へ振り向く。

 トルーマン大佐、ジャンヌ、アグネス、セシリア

 同じネオデウスの適合者の四人を見て、ネオは微妙な顔をする。

 まさか、ここでも会う事になろう…とは。

 一生、会う事は無いだろう…と思っていたのに。

 

 ネオが

「どのようなご用件で?」

 

 トルーマン大佐が

「アラタ少佐、帰ろう。ここは君がいるべき場所じゃあない。こんな下劣で野蛮で品性もなく低劣な世界。君には…相応しくない」

 

 ジャンヌが

「アナタの帰る場所は、我々、天の川銀河連盟よ」

 

 アグネスが

「ええ…そうですよ。アラタ少佐。アナタは本来は、こんな野蛮な世界で生きるべき存在ではないわ」

 

 セシリアが

「アナタを追放した人工知性DI達は間違っていた。だから、帰りましょう」

 

 それを聞いてルディリはムッと怒りを感じるが、ネオを見る。

 

 ネオは静かに目を閉じる。

 そこに浮かんだのは、帰るべき場所、帝都にいる妻達と子供、城塞都市ラドリアの街、そして、そこで出会った人達の顔。

 もう、ネオには天の川銀河連盟が帰るべき場所ではない。

 通り過ぎた何処かでしかない。

「私が帰るべき場所は、そこではありません。この世界の…みんなの元です。どうぞ、お帰りください」

 

 それを聞いて、トルーマン大佐達はショックを受けるが、トルーマン大佐が

「どうやら、汚染されてしまったようだな。これは…救出が必要だ」

と、両手を構えて戦闘態勢へ

 

 ジャンヌも戦闘態勢へ構えて

「アラタ少佐、アナタは…この世界の邪悪に汚染された。救護が必要ね」

 

 アグネスとセシリアも構えて四人は左右に割れる。

 

 ルディリにネオが

「ルディリ、離れてくれ」

 

「あいよ!」とルディリは、ネオから離れる。

 

 トルーマン大佐が

「君を救うために荒療治になるが、許してくれ」

と、告げた瞬間に消えた。

 音速を超えてネオに迫る。

 

 ネオは右手を空、左手を地に天地の構えをして受ける。

 

 トルーマン大佐の音速の手刀がネオに迫る。

 無数の手に見えるトルーマン大佐の手刀をネオは両手を回転させる動きで弾く。

 

 それにジャンヌとセシリアが続く。

 二人も音速を超えてネオに迫る。

 

 ネオは後ろに倒れ込み、両手を地に着けて両足を回転させてカポエラの動きをして、トルーマン大佐とジャンヌにセシリアを弾き飛ばした。

 

 ネオが繰り出した技、それは鬼神族の妻バサラから得たモノだ。

 

 トルーマン大佐とセシリア、ジャンヌが驚愕する合間にアグネスが突きを持って突貫する。

 超音速の突き、それにネオはカウンターを決める。

 ネオの両手がうねりアグネスの突きを絡めるように動くカウンター

 この技は、竜族の妻達、ティアマ、レティマ、アマティアから得たモノだ。

 

 トルーマン大佐達は、ネオが今まで見せた事もない動きに翻弄される。

 だが、ここで止まる訳には行かない。

 

 トルーマン大佐達は再びネオへ

 

 先行するトルーマン大佐へ、ネオが突貫してトルーマン大佐を倒すと、トルーマン大佐を棍棒のように振り回してアグネス、ジャンヌ、セシリアを弾き飛ばす。

 オーガ族、ドルガの技だ。

 

 吹き飛んだ彼女達三人へ、トルーマン大佐を投げるネオ。

 

 トルーマン大佐を受け止める彼女達。

 

 トルーマン大佐は、困惑する。

 ネオが1982号305番が強いからといって、自分達四人がかりなら対処できるはずなのに…それが、全く歯が立たない。

 

 堕落した…とトルーマン大佐達は思い込んでいたが違った。

 ここでもネオは、1982号305番は強くなっていた。

 

 ネオが構えて

「もう、帰ってください。実力は明白でしょう」

 

 トルーマン大佐達は諦めない。

「私が先行する」

と、トルーマン大佐を前に、セシリア、ジャンヌ、アグネスの三人が続く総合アタックで来た。

 

 トルーマン大佐の無限のような手刀がネオに放たれるが、ネオはそれを弾く。

 その間にセシリア、ジャンヌが左右を固めてネオへ攻撃の手刀を、同時にアグネスが上から攻撃をする。

 全方向からの攻撃だが、ネオは舞踏の動きをする。踊るように四人同時の超音速を回避した後、流れる踊りのように手刀や蹴りを四人に放って、それを受けたトルーマン大佐達は吹き飛び地面に転がる。

 

「う、うが…」

 トルーマン大佐は時間が必要なダメージを受けた。

 他の三人も同じく動けない。

 

 ネオが襟を正して

「数時間もすれば、アナタ方なら回復するでしょう。では、お別れです。永遠にさようなら。後は、お迎えに…」

と、ネオはルディリと共に帰還へ向かった。

 

 トルーマン大佐は悔しくて涙しながら、去って行くネオの背中を見つめて、ネオの姿が消えた瞬間、周囲からステルスを解除した無人兵器達が出現する。

 恐竜型の無人兵器達、それは自分達の時空の兵器達だ。

 

 無人兵器達の一つが立体映像を投影する。

 それは人工知性体DIであり、最高議会長DIのネシェルだった。

「もう…十分かね?」

 

 動けないトルーマン大佐が

「キサマ等…最初から我々の行動を…」

 

 立体映像のネシェルが

「ああ…静観させて貰ったよ」

 

 トルーマン大佐が

「今や、他の銀河との交わした条約も…破られようとしている。アラタ少佐を帰還させなければ、我々は…」

 

 DIネシェルが溜息を漏らして

「相変わらず、地球時代の古代な考えだ。何も…条約も破られていないし、何の不利益も起こっていない。現実を見たまえ、そんな事を言っているのは無責任な連中と、権力が欲しい、権力の獣達だけだぞ」

 

 トルーマン大佐が

「我々が望む、男女平等が…」

 

 DIネシェルが

「今も男女平等は成されている。お前達、ナチュラル派が望む、男女の結びつきが必須の男女平等なぞ、化石の代物、失敗の再生産を繰り返す車輪の再発明だ」

 

 多くの無人兵器達達がトルーマン大佐達を回収する。

 山頂に、数隻の時空戦艦が出現し、無人兵器達はトルーマン大佐達を時空戦艦に乗せて回収する。

 

 トルーマン大佐が回収されながら

「アラターーーー オレ達がやっていた事は、間違いじゃあなかったよな」

と、遠くにいるアラタ少佐、ネオへ叫ぶ。

 

 ネオが呆れた顔で振り向き

「間違っていましたよ。本当に無能な人だ。無能ほど、自分の間違いを認められない」

と、告げて視線を外した。

 

 雄叫びのような声が響いて、トルーマン大佐は時空戦艦へ消えた。

 

 トルーマン大佐達の無能で愚かな企みは終わった。

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 ネオは、帝都に買って来て、皇帝城にいる家族達と過ごす。

 子供達が寝静まった夜中、ネオは五人の妻達を前に

「なぁ…オレ、ここにずっといようか?」

と、ティアマ、レティマ、アルティマ、バサラ、ドルガの五人は瞬きする。

 

 ティアマが

「どうして?」

 

 ネオは

「オレは…やっぱり家族のそばにいた」

 

 五人の妻達は視線を合わせて、微笑み。

 

 レティマが

「ねぇ…アナタ…アナタを必要としている人達は多いの」

 

 バサラが

「そうだぜ、旦那様。みんな、アンタがいないと出来ない事があるんだ」

 

 ドルガが

「アタシ達の事を大事に思ってくれるのは、すごく嬉しい。アタシ達が一番だって思ってくれるのも…でも」

 

 アルティマが

「突然、アナタが姿を消したら悲しむ人達が多いでしょう」

 

 ネオが色々と思い返す。

 この世界で出会った多くの人達の顔がよぎる。

「そうだな。ごめんな、こんな事を突然に…」

 

 ネオにティアマがキスをして

「私達もアナタが大切だけど、アナタを必要としている人も、アナタが大切だって憶えて置いて」

 

 ネオが頷くと、お互いに裸であるネオ、ティアマ、レティマ、アルティマ、バサラ、ドルガは、言葉では交わせないお互いの体を結びつける蜜月の愛の合体を全員で交わした。

 

 ネオの帰る場所は、ここにあるのだ。

 

 

   

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