宇宙戦艦ヤマト2199 孤独な戦争   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「孤独な戦争」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」の続編になります。


孤独な戦争5 冥王の残党

 ヤマトとアンドロメダ艦隊は、急ぎ冥王星からの一時撤退を行い、距離をおいていた。

「冥王星側に呼び掛ける! 通信回線を開け!」

「通信回線、オープンにしました!」

 山南は、通信用のマイクを掴んだ。

「こちらは、地球連邦防衛軍アンドロメダ艦長の山南だ。こちらに攻撃の意図は無い。そちらの所属などを応答せよ」

 山南は、通信長に向かって言った。

「どうだ? 反応あるか?」

 通信長は、通信チャンネルを確認していた。

「応答ありません!」

「今のメッセージを念のため、ガミラス語に翻訳して複数のチャンネルで呼び掛けろ!」

 通信長が、指示を実行に移すのを確認して、レーダー手にも確認した。

「後方から、追撃や、不審な動きはないか!?」

「ありません!」

 そこへ、戦術長が報告してきた。

「冥王星から戻した航空隊は、無事着艦しました」

 山南は彼に頷いて、技術科の士官に声をかけた。

「先程の攻撃は、反射衛星砲で間違い無いのか!?」

「ガミラス戦争時のメ二号作戦のヤマトの戦闘データと一致しています。間違いありません!」

 山南は、急ぎ考えを巡らせた。冥王星からの攻撃は、ガミラス軍のもので間違いが無い。一体何故、こんなことになったのか、防衛軍司令部への確認が必要だと考えた。

「冥王星への呼び掛けの反応は?」

「まだありません!」

「よし、すぐに土方総司令に繋げ!」

 

 暫くすると、亜空間リレーによって、リアルタイムで司令部の土方に通信が繋がった。アンドロメダの艦橋のスクリーンに、土方と各艦の艦長が映っていた。

「冥王星で、ガミラスの兵器による攻撃だと?」

 山南は、頷いて土方に状況を説明した。

「以前、ヤマトが冥王星のガミラス軍との戦闘で遭遇した反射衛星砲で間違いありません。また、偵察機一機が撃墜されました。パイロットは脱出した模様ですが、安否は不明です。同盟関係にあるガミラスとの戦闘を避ける為、我々は一時撤退を選択しました」

 土方は、暫しガミラス戦争後のことを思い出していた。

「……ガミラス戦争が終わった後、防衛軍の艦隊がある程度増産されるまではと、我々は地球圏に留まっていた。一年程後、艦隊が組めるようになってから、ヤマトと共に、ガミラスに占領されていた各惑星を巡って、残存兵力がないか調査した。これは、例外はなく、惑星やその衛星、アステロイドベルトに至るまでくまなく行われた。当然、冥王星や、その衛星もだ。しかし、聞いての通り、膨大な調査範囲であり、見逃しがあった可能性は否定できない」

 古代は、それを聞いて思いついた疑問について尋ねた。

「私は、当時ヤマトを降りていたので、直接関わっておりません。反射衛星砲は、エネルギービームを反射する為の人工衛星を使います。冥王星周辺のこの衛星はそのまま放置されたんでしょうか?」

 土方は、首を振った。

「いや。当然一掃した。すべての衛星を破壊したはずだ」

「すると、新たに散布された、ということになりますね……」

 古代はどういうことなのか考え込んだ。その古代に、続けてムツの井上も質問した。

「では、冥王星のガミラス軍基地は生きている、ということになりますよね。メ二号作戦で、基地は撃破したのでしょう?」

「そうです。私自身が、先程撃墜された山本と一緒に基地の捜索を行いました。その時に、ヤマトの砲撃で完全に破壊しました」

 土方は、それを補足した。

「そうだ。その基地の残骸はくまなく調査した。確かに、完全に破壊されていた。つまり、その時や、戦後の調査でも見つけられなかった他の基地があった、ということになる。つまり、我々の調査を逃れて海底や地下に築かれていた可能性が高い」

 それまで黙っていた大村が手をあげて言った。

「仮説ではありますが……。地球とガミラスの戦争が終わったことを知らず、そこに留まった部隊ではないでしょうか? 状況的に、そう考える方が自然だと思います」

 古代は、思いもよらぬ意見に、少し驚いていた。

「まさか……」

 土方は、鋭い眼光で睨んでいた。

「なるほど。それはありうるな。冥王星のガミラス軍の存在については、既にガミラス大使館へ問い合わせている。じきに返答を貰えるだろう」

 そこに、雪から報告があった。

「古代艦長、冥王星から、再び反射衛星砲が発射された時の高エネルギー反応があります!」

「どこに撃ったかわかるか?」

「冥王星周辺の小惑星に命中した模様です」

 

 冥王星から発射されたエネルギービームは、冥王星周辺の小惑星に命中し、それは炎を纏った。そして、その小惑星は弾かれたように速度を上げて、太陽系の内惑星方面に飛び始めた。

 

 アンドロメダでも、その様子を捉えていた。

「山南司令! こ、これは……! 遊星爆弾です! 遊星爆弾が飛来して来ます!」

 山南を含めて、全員がそれに驚愕していた。

 その間にも、速度を上げた遊星爆弾は、艦隊とは別の方角に飛び去っていった。

「何処へ飛んでいった!?」

 アンドロメダのレーダー手が、方角からコースを割り出していた。

「司令……。地球への衝突コースです……」

 山南は、それにショックを受けていた。再び、地球に遊星爆弾が落ちるなど、悪夢でしかなかった。そして、それを止めることが可能な兵装を備えた艦隊は、今ここに集結している四隻のみだった。

 山南は、すぐに気を取り直して、土方に進言した。

「土方総司令! あれは、ショックカノンでなければ容易には撃破出来ません! すぐに部隊を分けてあれを追わせます!」

 事態の推移に呆気にとられていた土方も、すぐに頷いた。

「山南、ガミラス冥王星基地の扱い以外は、お前の判断に任せる。いちいち俺に問い合わせていては、間に合わんからな! すぐに対処しろ!」

「了解! 井上、あれをすぐに追って撃破してくれ。撃破したら、次に備えてその座標でそのまま待機しろ」

「わかりました!」

「大村、お前の艦も、今すぐ次の飛来予想地点に艦を動かして待機しろ! 飛んできたらすぐに撃ち落とせ!」

「承知しました!」

「古代、俺と作戦会議だ。冥王星攻略作戦を、今後想定されるケース毎に立案しておこう」

「はっ!」

 古代は、敬礼で応えた。

 

 その頃――。

 

「それで? どういうことか、俺に説明しろ」

 地球のガミラス大使館にいたランハルト・デスラー大使は、地球連邦防衛軍からの報告を受けて、地球の衛星軌道上のガミラス護衛艦隊にその事実を確認していた。

 ランハルトの執務室のデスクの端末に、護衛艦隊旗艦の空母ダレイラのガゼル司令が映っていた。

「デスラー大使。申し訳ないが、我々にも新たな情報は無い。太陽系方面軍の司令官シュルツは既に亡くなっており、冥王星の我軍の基地も、ヤマトとの戦闘で全滅したという情報が記録に残っているだけだ」

「ならば、何故、こんなことになっている」

 ランハルトは、険しい表情でガゼルを睨んでいた。

 ガゼルは、以前デスラー総統と話した時、酷く緊張を強いられた時のことを思い出していた。忌々しい若造だ、とガゼルは内心思っていたが、おくびにも出さずにそれに返答した。

「それは、わからん。大使がよければ、これから我々も現地に向かおうと思う」

「いいだろう。……いや、ちょっと待て」

 ランハルトは、少し考えた。この事態は、地球とガミラスの関係を傷つける重大な事態だ。そもそも、只でさえ、ガミラス人を良く思わない勢力がいることも明確に知った今、立場上も、このまま人任せには出来ないと考えた。

「……俺も同行する。今すぐ迎えを寄越してくれ」

 ガゼルは、その話に驚いていた。

「大使が自ら行くと?」

「急いでくれ」

 ランハルトは、そこで通信を一方的に切った。

 デスクの傍には、そのやり取りを見守っていた秘書のケールが立っており、嬉しそうな表情をしていた。それに気が付いたランハルトは、少し苛つきながら彼を睨み付けた。

「何だ?」

 ケールは、少しデスクに身を乗り出して言った。

「もちろん、僕もついていっていいですよね?」

 ランハルトは、ケールの笑顔に腹を立てつつも、彼の力が役に立つかも知れない、と考えた。

「すぐに準備しろ」

「はい!」

 ケールは、執務室を急いで出ていった。彼が出ていったドアを見つめたランハルトは、ため息をついた。

「やれやれ……」

 

続く…

 




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開しています。
注)但し、以前pixivに連載した小説の加筆修正版です。以前のpixiv連載版とは、一部内容が異なります。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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