祖龍だけど、一人は寂しいのでハンターになります。   作:やいやいのやいの

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卵が食べたかった等と供述しており…

「きゃーーーーーッ!!!何で!!?何でこんなに執拗に追ってくるのよぉ!!!」

 

「わっかんねぇ!でも危ないぜこの状況!!!」

 

「ええ…!本当…一体どうして……!!」

 

「えっほ、えっほ」

 

 

現在、アイナから南に進んだ場所に存在する森へ例の特産キノコ狩りにきた4人はとあるモンスターに小一時間追いかけ回されていた。

ちなみに、この森の名は深林森(しんりんもり)と言いその名の通り草木が生い茂った森山である。

目撃情報から推測される主な生息モンスターは、有名所で言えばイャンクックやリオレウスなどが代表的だが、他にも様々なモンスターが集まる場所だ。

 

そして、今4人を怒りの形相で追いかけ回しているモンスターは…。

 

「おい!また火吐くぞ!避けろッ!!」

 

「また!?もうっ!毒といい炎といい……何で“リオレイア”にここまで追われなきゃいけないのよーーーーーッッ!!!!」

 

「えっほっほ」

 

そんな訳でリオレイアであります。

先に名前が上がったリオレウスを雄個体だとすると、このリオレイアは雌個体でありリオレウスの番だ。

本来ならCランクに上がる為の試験モンスターレベルの存在だが、その生息地は広く割と何処にでもいる。(流石に極寒の地にはいない)

 

リオレイアは通称「大地の女王」と呼ばれており、夫である「空の王者」リオレウスとは違って陸戦が基本である…が、勿論夫同様に空中戦も問題なくこなせてしまう。

 

 

「もしかしたら、彼女の縄張りに入ってしまったのかもしれないわ!このまま森を下れば…!」

 

「残念だったなチサ!もう麓だぜ!」

 

「えっほー」

 

中腹でキノコを狩り倒した4人はキャンプに一度戻り納品アイルーに物を届けようとしていた時に、何故かリオレイアが突如として現れ怒り狂ったように追いかけてきたのだ。

ここでまた説明が入るが、納品アイルーとは採取クエストにのみ同行するサポート役のことだ。普段はキャンプから動くことはなくハンターから依頼の品を受け取ればそのままギルドまで向かい報告するのが仕事だ。赤箱みたいなもんである。

 

「誰かリオレイアの巣でも刺激したんじゃないの!?さっきそれっぽい巣があったでしょ!!」

 

「あったけど近づいてすらないぜ!こんな風に追われたくなかったからな!」

 

「結局追われてるのよねぇ…!アーシャちゃん、どうする!?」

 

「そうねぇ…!!」

 

「えっほっほっほ」

 

「……ていうか、あなたはさっきから何をえっほえっほ言ってんの!?随分余裕ね!?」

 

最後尾を走るミラの緊張感のなさ(いつも通り)に青筋を浮かべながらアーシャはチラリと後ろを見た。

 

「えっへへ、見て下さい!キノコだけじゃ足りないかと思って……じゃん!!おっきなタマゴ!取ってきました!!」

 

「あ、あああああああなたたたたたた…っ!そ、そそそれ!!」

 

“おっきなタマゴ”とか能天気に答えるミラを見て、アーシャは戦慄した。先頭を走るアーシャの顔色が蒼白に染まった事に残った2人は全てを察したのだった…。

 

「それにしても、リオレイアしつこいですねー!」

 

「あ・な・た・の!!!!!持ってる(それ)が元凶じゃないのぉ!!?」

 

アーシャの絶叫が森中に響き渡る。

彼女が言う通り、ミラが腕に抱き抱えている『飛竜の卵』が全ての原因であった。

その理由はリオレイアの生態に隠されている。基本外に出て食料を集めるのは夫の役目だが、その間の巣の警備はリオレイアの担当なのだ。

…つまり、ミラが巣からウキウキ気分で手に入れてきた『そいつ』を取り戻そうと母親がブチ切れているのである。

 

「捨てちまえよ!そったら追ってこねぇだろ!」

 

「ダメよヒビキ!そんな事をしたらリオレイアの怒りが治らないわ!そっと、そっと卵を置くのよ!!」

 

「そんな時間どこにあるのよぉ!!もう終わりじゃないの!ミラのバカぁ!」

 

最早半泣きアーシャになってしまった。追ってくる理由は分かったけど、解決法が見当たらないのだから仕方ない。ガン泣きしないだけ彼女の心は強いのだ、強く生きろ。

 

「え?それって私がみんなから離れれば大丈夫なんじゃ?」

 

「ば、バカ言わないで!確かにあなたはバカでアホで一回そいつに食べられた方がいいかもしれないけど、本当に死ぬわよ!?ドスランポスとは格が違うんだから!!」

 

「ドスランポスもリオレイアも、私からすれば同じ雑多ですよ!じゃ!」

 

「あっ、ミラちゃん!」

 

「あのバカ…ッ!!」

 

卵を持ったまま道を逸れ、リオレイアもミラを追っていく。

残された3人はミラの能天気さに呆れながらも放ってはおけないと頷き合ってミラの走った方へ向かったのだった。

 

 

 

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