(^_^;)?
劉備軍は俺達より一足先に、反董卓連合の大本陣へ合流していた。俺達が天幕に近づいて来ると、黒い髪をポニーテールにした女の子が額に手をかざしなから、こちらを眺めていた。
向田
「誰かに見られている……」
冥琳
「劉備軍の副将、関羽だな」へえ、あの娘が……鑑定してみるか。
【 名 前 】関 羽
【 真 名 】愛 紗
【 種 族 】人 間
【 レベル 】122
【 体 力 】809
【 魔 力 】 0
【 攻撃力 】761
【 防御力 】754
【 俊敏さ 】643
【 武 器 】青龍偃月刀
マジかよ……凄いステータスだな。魔力こそないけど、それ以外は俺のほぼ2倍じゃん。関羽は俺達の姿を確認すると、踵を返す。恐らく劉備へ報告に行くんだろう。
~その頃の劉備軍~
関羽
「桃香様。新たな部隊が到着したようです」関羽はおっとりした雰囲気の少女に報告する。この少女が後の蜀王、劉備玄徳である。
劉備
「新たな部隊って……どこの人かな?」
趙雲
「旗標には孫の文字……あれは江東の麒麟児の部隊だろう」ミステリアスな空気を漂わせた美女、趙雲が言う。
??
「へぇ~。やっぱり孫策も居るんだ」腕立て伏せをしながら趙雲に返したのは、この世界には不釣り合いな現代地球人でアマチュアレスラーの女性、巴慶子だ。こうして話ながらも、筋力を上げる為に腕立て伏せを続けている。因みにいつぞやのオリンピックでメダリストになった経験もある。
劉備
「江東の麒麟児?」
諸葛亮
「孫策さんと仰る方ですね。先代は孫堅さん。こちらの方も江東の虎と呼ばれた英雄です」説明するのは10才ほどの少女、諸葛亮孔明だ。いずれも本来の「三国志」ではありえない面々であった。
??
「うん?確か孫堅は反董卓連合に参加していたハズなんだが。俺が知ってる話と違うな」同じく現代地球人の北郷竜馬は首をかしげる。しかし、歴史が幾ら過去の地球に近くとも、ここは異世界。本来の三国志とズレがあっても、別におかしくない。そう思い直した竜馬は自身を納得させた。
劉備
「英雄さんの娘さんかぁ……スッゴく強い人なんだろうね」
関羽
「頼もしいお味方であってくれれば良いのですが」
劉備
「きっと大丈夫だよ♪」
張飛
「相変わらずのお気楽お姉ちゃんなのだ」
劉備
「うっ……酷いよ、鈴々ちゃん」
趙雲
「ふっ……まぁ孫策殿がどのような人物なのか、我らの敵になるのか、味方になるのか……その辺りは会って話をしてみない事には分からないでしょう」
??
「味方に出来んのなら、倒すまで。そうでなければ、精々利用させてもらうさ」3人目の現代地球人、及川隼人がニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。実はこの3人、元自衛官で、こちらに転移する以前は向田と同じ会社に勤めていた。但し、部署が違ったので直接会った事はないが。
劉備
「ん。そうだね……じゃあ今からお話しに行ってみよ♪」
関羽
「い、いけません桃香様。あと半刻ほどで軍議が始まるのですから」
劉備
「あ、そっか。忘れてた……んーと、それじゃ機会を見て、孫策さんのトコにお邪魔しよっ♪」
諸葛亮
「それがよろしいかと。ではあとで使者の方を出しておきますね」
劉備
「うん♪」
~向田視点に戻る~
大本陣に着いた俺達の目の前には旗が何本も揺らめいていて、大勢の兵士がそれぞれ自分が所属する旗標の下に控えていた。
向田
「おおっ……こりゃ凄い。黄巾党の時に比べると、更に規模が大きくなってる」
冥琳
「当然だ。袁紹や袁術、曹操……野心ある人間ならば勢力拡大に力を入れるさ」
向田
「だけどちょっと早すぎない?……前回の闘いの時よりも2倍の数になってる気がする」
雪蓮
「それだけ風雲が近付いているって事でしょ……それより冥琳~。軍議に行ってきて~」
冥琳
「軍の代表が出るべきだと思うけど?」
雪蓮
「却下。興味ないもの」しれっと言い放つ雪蓮にため息を吐く冥琳。
冥琳
「はぁ~……」
雪蓮
「冥琳はそうやって溜め息吐くけど……どうせみんなが主導権を握る為に、腹の探り合いをするの、目に見えてるんだから。そんなところ行きたくないわ」眉間に皺を寄せて、露骨に嫌そうな顔をする雪蓮。
冥琳
「私だって行きたくないわよ」呆れ顔の冥琳だけど、結局は雪蓮の代わりに出席するんだろうな……ホント、毎度毎度ご苦労様です。
雪蓮
「でも行ってくれるんでしょ♪冥琳優しいし」
冥琳
「……貸し一つよ」
雪蓮
「了解……今度、
向田
「ええっ!?」何言ってんのこの人は!そんな如何わ……いや、ってその……
冥琳
「変な想像をするなよ、向田」スミマせん、思いっきり想像しちゃいました。
雪蓮
「何で?良いじゃない。私達愛し合っているんだから♪」
冥琳
「……言ってなさい。じゃあ私は軍議に出る。穏!部隊への指示はお前に任せる」
穏
「は~い♪では皆さん、天幕を張っちゃいましょ~♪」相変わらずほんわかとした口調で、穏は兵士に指示を出して陣地設営に向かった。
向田
「雪蓮はどうするんだ?」
雪蓮
「私?私は剛とお話でもしてよっかな♪」
冥琳
「……だそうだ。雪蓮のお守りを頼んだぞ向田」冥琳は俺にそう告げると、軍議の場へと去っていった。
向田
「……お守りだって。俺の手に負えるかな?」
スイ
『赤ちゃんじゃないのにお守りするの~?じゃあスイもお守りしてあげる~♪』
ドラちゃん
『こいつ世話が焼けそうだしなぁ……しょうがねえ、俺も手伝ってやるぜ』
フェル
『……全く。我が知る人の王に、ここまで情けない奴はいなかったぞ』
雪蓮
「むぅ。何気に酷い事言うのね、二人共」正確には4人だけどね……フェル達にまで呆れられて、唇を尖らせてむくれてる雪蓮。でも今回ばかりはトリオの方が正しいよ。
向田
「何せ気分屋なお方ですから」
雪蓮
「気分屋って何が?」
向田
「軍議。……やっぱり軍の代表が出た方が良いんじゃないの?」
雪蓮
「大丈夫だって。他人の腹の探り合いなんて、見ていて楽しいモンじゃないし。それに私が出るより、冥琳が出た方が色々と情報を集められるでしょ?」
向田
「うーん……そりゃそうかもしれないけど」
雪蓮
「適材適所よ。それより剛、みんな。一緒に話そうよ」
向田
「話すったって……何を話すんだよ?」
フェル
『我はさておき、スイもドラも人の言葉は話せぬぞ。理解はしているがな』
雪蓮
「てきとー」
ドラちゃん
『適当って……』ドラちゃんよ、それ以上突っ込まないでやってくれ。この人の性格は今更変わらないから。
向田
「……はいはい」
雪蓮
「どう?生活、慣れた?」
向田
「慣れたよ……まぁ戦場に出るってのは、いつまで経っても慣れないけど」
雪蓮
「怖いの?」
向田
「怖いよ」
雪蓮
「あはっ、素直ねぇ~」
フェル
『どこへ行ってもお主のヘタレっぷりは変わらんな』フェルさんや。余計な事は言わんでいいからね。
向田
「強がったって仕方ないからな。怖いモノは怖い……俺は人を殺すなんて事、出来そうにないから」
雪蓮
「うん。剛はそんな事する必要ないよ。あなたは私達の傍に居てくれるだけで良い」
向田
「……大して役に立たないけどな」
雪蓮
「そんな事ない。軍の料理番をやってくれてるじゃない。それに……」
向田
「……それに?」まぁ料理番はフェル達の飯を作るついでだし、別に構わないんだけど。
雪蓮
「……こうして話をしてくれてるじゃない」
向田
「へっ?そんな事で良いのか?」
雪蓮
「それが重要なのよ……呉の人間はね。本来、自分達が所有していたモノを全て掠め取られたの。その持ち物を取り返す為にずっと闘ってきた……だけど、闘いだけの毎日じゃ、獣と変わらない」
フェル
『うむ。人間が獣と同様の生き方は出来ぬ、か』
雪蓮
「そう。私達が人間だって。やってる事は間違いじゃないんだって。再確認して一息吐く為に、剛はスゴく役に立ってくれてるわよ」
向田
「そうなのかなぁ……」
雪蓮
「そうだよ……蓮華だって、あなたと話している時に女の子らしい事言ってたじゃない」
向田
「へっ?」
雪蓮
「この前の夜よ……黄巾党の本隊と闘う前、二人で話をしていたでしょ?」
向田
「あ……見てたのか?」
雪蓮
「うふふっ♪そういうね……女なんだって意識を思い出させる事、それが重要なの」
向田
「その為に俺が居る……」
雪蓮
「勿論その為だけじゃないよ?政治的に利用はさせてもらうけど」
向田
「それは初めから言っていた事だから、特に問題はないさ……世話になってるんだ。担がれる事に反対はしないよ」
雪蓮
「そう言ってくれるのは嬉しいけど……ホントは後悔しているとか?」
向田
「ないってば……この大陸で生きていく為に、俺だって雪蓮達を利用してる。だから別に問題はないんだって」つーか、世界の創造神様に頼まれちゃってるからね。後悔も何もない。
雪蓮
「ホント?」
向田
「ホント。それに俺は……(デミウルゴス様云々を別にしても)雪蓮達を支えたいって思ってるよ」
雪蓮
「あはっ、私も剛になら寄りかかりたいかな♪」
向田
「肩ならいつでも貸すよ」
雪蓮
「肩だけじゃなくて、身体も貸してね♪」そう言うと、雪蓮は俺の頬に軽くキスをする。人生初の体験にドキマギするが、何とか取り繕う俺。
向田
「こら。冥琳が見たら怒るんじゃないの?」
雪蓮
「冥琳も剛なら良いって認めてくれるから、剛を食べちゃっても怒らないわよ♪」な……雪蓮って、ホントに自由奔放だな。
スイ
『あるじを食べちゃダメ~!』
ドラちゃん
『共食いかよ?』
フェル
『スイ、ドラ。この場合、意味が違うらしいぞ。しかしそれは男が女に使う言葉だと、我は認識していたが?』フェル……スイやドラちゃんにそういう事教えなくて良いからね?
冥琳
「……ただし、面倒事を押しつけてる時は除いてね」
雪蓮
「あ、あら冥琳~。お早いお帰りなのね……」
冥琳
「……」
雪蓮
「しかもちょっとご立腹?……私、まだ剛を食べてないわよ?」
冥琳
「そこじゃないわ……他人の腹の探り合いにあてられたのよ」
雪蓮
「ああ、そういう事……軍議、どうだった?」
冥琳
「反董卓連合の総大将は袁紹に決まった……が、恐らく裏では、袁術がしっかりと糸を引いている事だろう」
雪蓮
「ふむ……それで?」
冥琳
「連合軍は一致団結して洛陽を目指すそうだ」
雪蓮
「まぁ当然よね、それは……で?」
冥琳
「それだけだ」
雪蓮
「……はぁ?何それ。どうやって洛陽を目指すとか、そういう作戦みたいなのは?」
冥琳
「ない。いや、あるにはあるが、これを作戦と呼ぶのは軍師としての誇りが許さん」
向田
「どういう事?」
冥琳
「連合軍は洛陽に向かう。途中にある汜水関、虎牢関を力尽くで押し切ってな」
雪蓮
「うわぁ……」
向田
「えっ……策も何もなく?ただそれだけ?」
冥琳
「はぁ……呆れ果てて何も言えなかったわ」
向田
「そ、そりゃ呆れもするなぁ……」うちのトリオじゃあるまいし、無謀以外のも何でもない。雪蓮もこいつらを未だに使う気はないようだし。
雪蓮
「で、先陣は誰が取るの?」
冥琳
「劉備の軍が取る事に決まった……まぁ、捨て駒でしょうね」
雪蓮
「状況を見ればそうとしか考えられないでしょうね……劉備は受けたの?」
冥琳
「受けた……というか、受けざるを得なかったというのが本音だろう」
雪蓮
「圧力をかけられたか……まぁ仕方ないか」
冥琳
「まぁね……しかしこの状況を乗り越えれば、あの勢力は大きくなると見た」
向田
「その根拠は?」
冥琳
「天の時と人の和。それをこの目で確認したからよ。関羽、張飛といった豪傑を従え、知将も多く揃っている。また、
雪蓮
「天下を担う英雄の一人になり得るって事ね」
冥琳
「ああ。しかも曹操よりは与しやすかろう」
雪蓮
「味方に引き込む?」
冥琳
「可能だろうな」
雪蓮
「ふむ……よし。なら劉備を助けましょうか」
向田
「恩を売るって事か?」
雪蓮
「そういう事……ま、私が会って話してみて、気に入らなかったら捨てるけどね」
冥琳
「それも手か……では劉備の陣地に使者を出しておこう」それからしばらくして……使者の兵士さんと入れ替わるように雪蓮、冥琳、俺とトリオは劉備の陣地へ向かっていった。
オリキャラの名前ですが、竜馬と隼人は、蜀編で出したゲッターロボの本家パイロット(本編では違う人物でしたが)と同じく本家恋姫の現代人北郷一刀と及