~孫策軍。前話のまま視点なし~
見事、呂布と華雄を敗った連合軍。
明命
「深紅の呂旗と漆黒の華一文字!旗が後方に下がっていきます!」
思春
「その横にある張旗も下がっていきます……我が軍の勝利かと」
冥琳
「劉旗はどうなっている?」
明命
「賈駆の軍勢を押し込み、更に追撃の姿勢を見せてますね」
雪蓮
「ふむ……私達もそうしましょうか」
向田
「そうするって……どういう事?」
雪蓮
「余勢を駆って、このまま洛陽まで追撃しようかって事」
向田
「そう……じゃ俺達も行くよ」
冥琳
「……よし。劉備と曹操に伝令を出せ!我らはこのまま一気に洛陽に迫るとな!」
兵士(モブ)
「はっ!」冥琳の指示を受けた兵士さんが劉備と曹操の元へ向かった。
~曹操軍~
荀彧
「華琳様。孫策より伝令です」
曹操
「内容は?」
荀彧
「孫策軍はこのまま洛陽まで追撃すると」
曹操
「ふむ。まぁ当然の選択か……我らも共に行くと返事をしておきなさい」
荀彧
「御意」
夏侯惇
「これで董卓は表舞台から退場となるな」
夏侯淵
「そうだな……しかし華琳様。孫策……少々危険かと思われますが。それにヤツらが従えている魔獣、あれは厄介かと」
曹操
「そうね。だけど今はまだ捨て置きなさい……私達がもっと力をつけてから、晴天の下、魔獣もろとも堂々と決着をつけましょう」
夏侯淵
「御意」
~劉備軍~
張飛
「お姉ちゃーん。孫策お姉ちゃんから伝令がやってきたのだ」
劉備
「伝令?何て?」
張飛
「孫策お姉ちゃん、このまま洛陽に向かうって」
関羽
「このまま向かうか。ふむ……流石機を見るに敏、ですね」
劉備
「私達はどうしよっか?」
関羽
「ここは行動を共にするのが良策かと」
劉備
「じゃあそうしちゃおう。鈴々ちゃん、孫策さんにお返事しておいてね」
張飛
「了解なのだ!」
~再び孫策軍~
兵士(モブ)
「曹操、劉備より伝令!我らも行動を共にする、との事です!」
雪蓮
「ま、状況を考えれば当然よね~……じゃ、ちゃっちゃとやっつけちゃおっか」
冥琳
「ああ……全軍前進!このまま敵を追撃し、洛陽に迫る!各員奮闘せよ!」
兵士達(モブ)
「「「「応っ!」」」」
~向田視点に戻る~
こうして──。
俺達は部隊を纏め、洛陽に向けて敵軍追撃を開始した。退却する敵軍を追撃し、追走し──散り散りになっていく董卓軍を更に追い込み、洛陽に向けて疾走していく。やがて俺達は洛陽にまで迫り、軍を展開したのだが……
雪蓮
「……なーんかおかしいわね」
冥琳
「何がだ?」
雪蓮
「潰走した董卓軍を追撃。呂布はどっか逃げたし、張遼は曹操に投降。華雄は関羽に討ち取られた……そこまでは良いの。残っているのは董卓の軍師、賈駆一人……その賈駆も洛陽に逃げ込んだ……となれば、洛陽を守る為に徹底防戦の構えを見せると思ったんだけど……洛陽に迫っても動きなし。どうなってる?」困ったなぁ……俺としても、肝心の董卓が見つからなければ助けようがない。
冥琳
「ふむ……確かに、城の目の前に敵が迫っているというのに動きがないのはおかしいな……追撃を受けて対応が遅れていると判断していたのだが……興覇。城内に一隊を潜入させろ。中の様子を探ってきてくれ」
思春
「御意」あ、あぁちょっと!思春が先に行っちゃうよ!
向田
「待って!」俺は慌てて思春を呼び止めると、1つの提案をする。
向田
「俺が城に潜入しても良いかな?」
雪蓮
「え、剛が?」
向田
「たまにはそれぐらいやらせてよ」
冥琳
「……まぁ中の様子さえ分かれば、誰が行っても構わんしな」
向田
「ありがとう……じゃスイ、ドラちゃんはついてきて。フェルはすまないけど、みんなとここで待機な」
フェル
『うむ、我は目立つからな。潜入には向かん』良し。何とか当初の打ち合わせ通りに上手くいったな。俺は雪蓮達を言いくるめるのに苦労しつつも、数人の兵士さんを伴って、門をくぐって中に入った。
洛陽の街は妙に静かで、さっきまで戦の中心地だったとは思えないくらいだ。なんか却って気味が悪いな。そこに、先行してもらっていた兵士さん達から叫び声が聞こえた。
向田
「……っ!?どうした!?何があった!?」
兵士(モブ)
「貴人らしき少女とそのお付きらしい人物を保護したのですが、それを追うように白装束の一団が乱入してきて……更に謎の巨漢も乱入してきて、門前は大混乱に陥ってます!」白装束!?謎の巨漢!?何が一体、どうなってんのぉー!?
門を出ると、そこでは錐状の白い頭巾と白装束を纏った謎の軍団と兵士さん達が激しい闘いを繰り広げていた。そして、こちらの軍勢にはナゼか蜀の現代人3人が加わっている。
向田
「あなた達は……!何でここに!?」
竜馬
「話は後だ!今はこいつらを倒す!」竜馬さんは柄が自らの背丈ほどある巨大な斧を振るい、白装束を凪ぎ払っている。
隼人
「どうも見覚えのある格好だな」マシンガンを手に、白装束を撃ち殺していく隼人さん。なんか一瞬微笑んでたような……気のせいかな?うん、きっとそうだ。忘れる事にしよう。慶子さんは白装束の襟を掴むと、柔道技で連中を投げ飛ばす。
慶子
「ぬおぉぉーっ!大・雪・山・おろしぃーー!」3人共頑張ってるけど戦況は……どう見てもこちらが不利だ。
向田
「全員退却!一般人の保護に回って!スイ!白装束は任せる!ドラちゃんはフェルを連れてきて!」俺は一応、兵士さんより上の指揮官クラスの立場にいるので、彼らに指示を出して、スイとドラちゃんを白装束にけしかける。
スイ
『あいつら悪いやつだね~。スイがやっつけるよぉ♪』
ドラちゃん
『フェルなら呼ばなくても、もうそこまで来てるぜ。おいスイ!独り占めすんなよ!俺にも闘わせろ!』もうそこから先は説明するまでもなく、スイとドラちゃんの独壇場だった。ドラちゃんは白装束に火の玉や氷柱を落としまくり、スイは触手を連中の足に引っ掻けて転ばせると、前もって地面に作っておいた窪みにハメる。しかもそこは酸の溜め池である。
白装束(モブ)
「な、何だこれはっ!?」
白装束(モブ)
「か、身体が熔けるぅー!」
白装束(モブ)
「そ、んな……っ!」大勢居た白装束の連中の数がドンドン減っていく。更に門を跳び越してフェルも合流した。
フェル
『スイもドラも楽しんでいるな。では我も参加するとしよう』そして前足を一振り。見事白装束達の首と胴が離れる。これで一安心かと思いきや、突如どこからともなく再び白装束達の大軍が現れた。
向田
「何なんだこいつらは!?」
フェル
『こやつら魔物か?……いや違うな』
ドラちゃん
『倒しても倒してもキリがないぜ!』
スイ
『もうーっ!あっち行けぇー!』続々と押し寄せてくる白装束共に、俺もトリオも流石にイライラが募っていた。蜀現代人トリオも体力の限界が近づいているらしく、少しずつ動きが鈍くなっていた。
??
「ふんぬーーー!」白装束の後方から、この世のモノとは思えない雄叫びが聞こえてきた。
向田
「な、何だこの奇妙な音っ!?」
フェル
『分からん!何かの魔法か……?』
??
「ほわぁたたたたたっ!ふんぬっ!」
白装束(モブ)
「ぐえっ!」
??
「ふんぬっ!」
白装束(モブ)
「た、助け……!」え?えぇ!?雄叫びと同時に白装束共がポンポン、空に打ち上げられていく。な、何なんだ一体!?
??
「アタシのお家を壊しておいて、逃げようなんてそうは問屋が卸さないわよーっ!」
スイ
『なんか変な音がする~』
フェル
『イヤ、音ではない。これは人の声だ!』声!?この耳障りな音がっ!?
ドラちゃん
『見ろよ!敵の後ろから砂煙が上がってるぜ!』ドラちゃんの言葉に振り向くと、砂煙の根本に、魔獣並の咆哮と共に白装束達を千切っては投げ、千切っては投げを繰り返す影が見えた。しかし慶子さんのような柔道技じゃなくて、ただ力任せに投げ飛ばしているだけだ。一見すると人影のようだけど、それにしてはデカいな……
向田
「あれは人なのか……っ!」信じられない光景に自失している中、フェルだけが冷静にこう付け加えた。
フェル
『正確には人ではない。かといって魔物でもない。むしろ神々に近しい存在だな』そうなのか?まぁそれはさておき……
向田
「今が絶好の機会だ!兵士さん達は保護した人物と撤退!フェル、スイ、ドラちゃんは、反撃のチャンスだ!」
フェル
『久し振りに大暴れ出来るな』
ドラちゃん
『覚悟しろよ、悪党共!』
スイ
『スイも怒ってるんだからね~』思わぬ闖入者に一瞬怯んだけど、何とか我に返った兵士さん達は俺の指示に従ってくれ、街の隅に避難していった。
隼人
「竜馬!慶子!俺達も撤退だ!」
慶子
「董卓はどうするの!?」
竜馬
「どっちにしろ、今はムリだ!ここは向田さん達に任せるぞ!」ん?あいつら、何か気になる事を言ってるけど……って!それどころじゃない!
その後ウチのトリオは謎の人影の助力もあって、奇襲による不利を大きく覆して白装束の一団を次々と撃滅していった。その勢いは勇猛苛烈で、白装束達が全滅するまで5分もかからなかった──。
フェル達が白装束達を始末すると、俺達は兵士さん達及び、蜀トリオと街の隅で合流した。
向田
「何とか撃退は出来たけど、しかし……あいつらは一体……」
竜馬
「……何者なんだろうな。俺達の知ってる三国志の正史にも演義にもあんな連中、居なかったぞ」
隼人
「イヤ、この世界はそもそも、どっちでもない。全くの別物だ」
慶子
「何れにしても放ってはおけないわね」白装束の事は考えても仕方ない。後でデミウルゴス様に問い質せば良いだけだ。今は董卓を助ける策を考えないとな。しかしこの3人は何でヤツらと闘っていたんだろう?
向田
「そうだな。それより、あなた達はどうしてあんな所に?」
竜馬
「……あんたこそ1人か。孫策達は?」俺が無言で頷くと、蜀トリオは自分達と俺が連れていた兵士さん達を人払いする。
隼人
「同じ現代人のよしみで打ち上げるが……俺達の目的は董卓の保護だ」何だって!?
慶子
「公孫賛って居たでしょ?」ああ、あの地味な目立たない人か。
竜馬
「公孫賛はウチの大将と親しくてな。義勇軍を立ち上げる時には何かと世話になっててさ。その公孫賛に依頼されたんだ」
隼人
「公孫賛は董卓とも知り合いらしくてな。ヤツ曰く『董卓は世間で噂されているような悪人じゃない。人知れず助けてやってくれ』と劉備に頼み込んできたんだ」
向田
「奇遇だな。俺もさるお方に頼まれて、董卓の保護にきたんだ」俺の話を聞いて、3人共驚いてたよ。まさか同じ目的で動いてたなんて思ってもみなかったしな。まぁ、お互い様だけど。そしてもう1つの疑問。
向田
「そういえば……白装束の後方に居たのって結局何だった訳?」
竜馬
「……さあ?」アメリカ人が良くやる、『I don't know』のポーズをとる竜馬。
隼人
「知らんな……」隼人は小さく呟き、火打ち石を使ってポケットから取り出した葉巻を吸う。
慶子
「分かんない」竹の水筒に入った水を飲みながら、慶子は首をかしげる。
??
「それはアタシよん❤」寒気のする声がしてそこに目を向けると、スキンヘッドで後ろ髪をお下げにした気色の悪い筋肉ダルマのオカマが居た……。
原作との違い
・偵察に行くのは思春→ムコーダ
・城内で白装束と闘うのは一刀、関羽、張飛、呂布→ムコーダと食いしん坊トリオ、蜀仲間になった現代人トリオ。このシーンは無印版をベースにしてます。
・最後に現れたのは何者か?……恋姫シリーズを知ってる方はご存じでしょう。
(^_^;)