とんでもスキルで真・恋姫無双   作:越後屋大輔

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資料代わりのソフトが行方不明に……

月の両親の真名は藤村紫炎さんのアイディアを採用させていただきました。ありがとうございます。


第二十四席酔っ払いのお守りとソーセージポトフ、のこと

~前話の続き、孫策軍(視点なし)~

 

冥琳 

「興覇が帰ってきてから考えよう」

思春

「もう帰ってきております」何の前触れもなく、気づいたら傍に立っていた思春。対して雪蓮は全く動じてない。彼女らにとっては、これも日常茶飯時なんだろう。

雪蓮

「あら、相変わらず気配を隠すのが上手ね、思春」

思春

「はっ。ありがとうございます」

冥琳

「それで向田は?」

思春

「はい。実は……」思春が城内の様子と向田が何をしていたのか、説明しようとすると……

向田

「ゴメンゴメン。ちょっと戸惑っちゃってね」従魔3匹と共に向田が合流した。

 

~ここから向田視点に戻る~

 

 思春と1度別れた俺は董卓ちゃん達と話し合い一家と賈駆、元黄巾党の3人をあっちの大陸に連れていく事になった。とりあえずはカレーリナにある俺の屋敷でアルバン達と同じ仕事をさせるつもりだ。勿論、他の職に就きたければその支援もするつもりだぞ。

 カレーリナに着いてから、董卓とお父さんの董君雅さん、お母さんの地陽さんと賈駆。それと元盗賊トリオは一旦屋敷で寛いでもらう。その間俺はランベルトさんや冒険者ギルドを訪ねて、職の斡旋をお願いするかもしれない旨を伝えておく。

 屋敷に帰ると、今度は服やら日用品を買いに街の中へ連れ出す。フェル達は久し振りの我が家でさっさと昼寝をしだしたので、タバサに護衛と服選びの手伝いを頼んでついてきてもらった。董君雅さんや元黄巾党トリオは良いとして、女物は俺には分からんからね。董卓ちゃんや賈駆みたいな年頃の女の子は尚更だ。

 買い物を終えて屋敷に戻り、ネットスーパーで新しく石鹸にシャンプー、トリートメントを購入してからみんなに指示を出して、俺は再びど○でも○アを開いて呉に戻ろうとする。

董君雅

「お待ち下され。御使い殿」董卓ちゃんのご両親に呼び止められる。

向田

「向田で構いませんよ。それよりどうしましたか?」何か不満でもあるのか?それとも何か説明し忘れた事でもあったかな?

地陽

「いえ、助けていただいただけでもありがたいのに仕事まで……不満なぞあろうハズもありません」

董君雅

「そうではなく、こちらには……その……真名の風習がないと窺ったのですが?」

向田

「はい……それが何か?」

地陽

「……さっき娘や賈駆とも話し合ったのですが、あなたに真名を預ける事に致しました。そしてこれからは真名のみで生きていこうと思います」彼らにとって真名は重要な意味を持つ名前だ。それを今日会ったばかりの俺に許した上で、かつ本来の名前を捨てるっていうのか……きっと相当な覚悟を決めたんだろうな。

向田

「分かりました。俺で良ければ真名をお預かりします」そう返事をすると董卓ちゃんとご両親、賈駆が俺の目の前に来て1人ずつ真名を名乗る。

董君雅

「では私から……董君雅。真名を浮雲と言います。向田殿、今回の事改めてお礼を申し上げます」アルバン達と同じタイプの作業着姿になった董君雅さんが頭を下げる。

地陽

「私は( わたくし )妻の地陽。真名は夜空と申します。今後は向田様の下で働かせていただきます」

董卓

「董卓。真名は月です。ご主人様、これからよろしくお願いします」

賈駆

「うぅ……癪だけど、旦那様に奥様、月が決めたなら仕方ないわ。賈駆、真名は詠よ。ホ、ホントはイヤなんだからね!」この娘も蓮華と同様、元の世界でいうツンデレなんだなぁ。因みにこの3人はタバサ以外の女性陣と同じメイド服を着ている。

フェル

『フンッ、ならば貴様だけ連合軍とやらに処刑されれば良かろう』と、詠に冷たく言い放つフェル。こいつにツンデレは通用しないね。でも脅かすのは止めよっか。

スイ

『あ~るじ~。この子、あの変なおじちゃんより変だね~』

ドラちゃん

『助けてやったのに何で怒ってんだよ?意味分かんねえ(怒)これならチョーセンって奴の方がまだマシだな』……スイにドラちゃんよ、いくらなんでもアレ(・・)よりってのはヒドくないか?

向田

「あ、ああ。こちらこそよろしく。じゃあ俺は洛陽に戻るから。何かあれば他の人達に聞いたり、冒険者ギルドを訪ねて」今度こそ、孫呉と合流しようとする俺。

アニキ

「向田の旦那ぁーっ!」そこに元黄巾党の3人も慌てて駆け寄ってきた。

チビ

「まっ……待って下せぇよ!」

デク

「……ハァハァ。俺達の真名も預かってほしいんだな」別に息を切らしてまで追いかけてこなくても……また来るし。

向田

「……分かった。預かろう」

アニキ

「あっしは(こう)って言いやす」

チビ

「俺は(ふみ)っす」

デク

「お、俺は(だい)っていうんだな」

向田

「晃に史に大か。覚えておく」こうして俺はカレーリナを出発して、再び雪蓮達と合流した。

 

雪蓮

「董卓に捕らわれていた一家ね……」合流した俺は董卓の正体は伏せて、一連の出来事を伝える。話を聞いて、何となく訝しげに呟く雪蓮。

冥琳

「その連中はお前に任せよう。あっちの大陸に連れていったなら私達の知るところではない」そうしてもらえると助かるよ。ホッとする俺をスルーして、思春は報告を続ける。

思春

「それと……城内に董卓軍は存在せず。住民の間には董卓は既に撤退したとの噂が流れているようです」

雪蓮

「撤退?洛陽を捨てて?」

思春

「はっ。そう噂されているというだけではありますが、城内に董卓軍の兵士が居ないところを見ると、恐らくは間違いないかと。また、城内のあちこちでボヤ騒ぎが起こっております。状況は未だ不明ではありますが……」

冥琳

「ところどころ火の手が上がっているのはその為か……ふむ」

向田

「董卓が洛陽を捨てたって……あり得るのかなぁ?そんな事」ワザと惚ける俺。白々しいのは自分でも分かっているが、何も知らない振りをする。今度ばかりは神託だからか、フェルも協力的だ。

フェル

『そんな奴居なくても構わん。しかし中は酷い有り様だったな』まぁ確かにな……

冥琳

「あり得るだろう。董卓にとって洛陽は、既に重荷にしかなってないのだからな」俺よりフェルのスッとぼけの方が効果があったようで、冥琳も雪蓮も誤魔化しに気がついてないようだ。

雪蓮

「諸侯の前に餌を蒔いて逃げる、か……良いけどね。別に」

向田

「その様子だと不満ありってところ?」

雪蓮

「不満はないけど……暴れ足りないかなぁって」

冥琳

「闘いがないという事は、それだけ戦力が温存出来るという事だ……文句を言わないの」

雪蓮

「……はぁ~い」

明命

「敵が居ないと分かった以上、我らが一番乗りという事になりますね」

雪蓮

「思春に一番乗りしてもらって、盛大に名乗りを上げてもらおっか。甘寧一番乗り!って」

思春

「命令であれば、やってご覧にいれましょう」

雪蓮

「やりたいわねぇ……けど、一番乗りの功は劉備と曹操、二人に譲りましょ」

冥琳

「二人にか?ふむ……洛陽一番乗りという栄誉を捨てるのは、あまり賛成できないわね」

雪蓮

「孫呉の軍勢の勇敢な闘い振りは充分に示せたと思うし、剛の献策を受けて、各地に間諜を放ってるんだから、一番乗りの栄誉なんて、譲っちゃっても良いんじゃない?それにあの二人には、ここまで色々と利用させてもらったしね。そのお返しよ。ただし……どっちが一番乗りを取るかは、それぞれで競争してもらうけどね♪」

冥琳

「……分かった。ならば軍勢一番乗りの栄誉は劉備と曹操に譲るとしよう。ただし、私は先に洛陽に入らせてもらう」

雪蓮

「その心は?」

冥琳

「台帳と地図よ」

雪蓮

「了解。それは冥琳に任せるけど……目立つ事をしたらダメだからね」

冥琳

「分かっているわよ……興覇」

思春

「はっ!」

冥琳

「潜入部隊を再度構築し、供をしてくれ」

思春

「御意」

雪蓮

「私達は外で陣地で再構築した後、劉備と曹操の一番乗り争いを肴に一杯いっとくわ♪」

向田

「趣味悪いなぁ」

雪蓮

「人の難儀は蜜の味なんだモン♪」

冥琳

「穏。雪蓮が呑み過ぎないように監視しておけ」

「あははー、あんまり自信ないけど了解でありまーす」

雪蓮

「えぇ~……一仕事終えたんだから、お酒ぐらい好きに呑ませてよぉ~」

冥琳

「却下……状況はまだ予断を許さないんだから、気を抜きすぎないでよね」

雪蓮

「むぅ~……」

向田

「勝利の祝杯は冥琳達が帰ってからにしよう……な」

雪蓮

「……分かった。じゃあ冥琳、さっさと行ってさっさと帰ってきて」オイオイ。冥琳と酒、どっちが大切なんだよ……?

冥琳

「ふっ、ムチャを言う主殿だ……行くぞ興覇」

思春

「はっ!」10人ほどの兵士を護衛にして、冥琳と思春は極秘に洛陽城内へ入っていった。その後ろ姿を見送った後、俺達はブーたれる雪蓮をあやしながら、部隊の構築に掛かった。さて、雪蓮がグズりだしたとなると……うちのトリオのセリフは決まってるよな。

フェル

『とりあえずメシだ』

スイ

『あるじ~、ご飯~』

ドラちゃん

『腹減った。もう我慢出来ねー』……確かにメシ時だしね。そんじゃ、事前に作っておいた料理を鍋ごとアイテムボックスから出すとするか。

 

 取り出した鍋はポトフだ。フェル達の分は具の殆どがソーセージで俺、雪蓮と穏、兵士さん達には野菜もバランス良く入れた2種類作ってあるぞ。今回は付け合わせにおにぎりをチョイスした。

兵士(モブ)

「今日の昼メシは腸詰め入りの汁物だ。皆、向田様に感謝して食うように」隊長らしい兵士さんが号令を掛けると、一斉に俺の方へ頭を下げてから食い始める兵士さん達。ここまでされると、俺の方が恐縮しちゃうね。さっきの隊長さんにああいう号令はしなくて良いからと伝えておく。

 

ドラちゃん

『ソーセージって煮ても旨ぇんだな。焼いたのよりアッサリしてるけど、食い応えもあるぜ』

スイ

『茹でてもパリッとしてて美味し~い♪』

フェル

『うむ。スープにも肉の味が染みていて、幾らでも食えるな』かなりの大鍋で作ったポトフがみるみるなくなっていく。ま、いつもの光景だよね。

フェル・スイ・ドラちゃん

『『お代わり』』あー、ハイハイ。兵士さんを見習えとは言わんけど、君達ホントに遠慮がないね。食いしん坊3人に要求されるまま、お代わりを出して雪蓮の方へ移動するとポトフを肴にチビチビと酒を呑みながら城門に殺到する劉旗と曹旗の動きを眺めていた。

向田

「楽しそうだなぁ。結局呑んじまうし」

雪蓮

「こんな楽しい見世物、他にはないでしょ?」

向田

「気持ちは分からんでもないけど……あ、こら、お代わりしたらダメだっての」俺は慌てて雪蓮から徳利を取り上げる。

雪蓮

「えー……だってこれ、まだ二杯目よぉ?」

向田

「2杯じゃなくて2本目だろ……しかも大徳利」

雪蓮

「私にとっては二杯目なんだってば。それに剛がいつも美味しいモノ作るから、お酒が進むんじゃない?」

向田

「ハイハイ。人のせいにしない。つか俺が冥琳に怒られた後の穏に怒られるだろ?」そう。穏は雪蓮のお守りを俺に押し付け、自分はさっさとどこかへ行ったのだ……いやまぁ仕事しに行ったんだけどさ。

向田

「自分じゃ止められないからよろしくぅ~とか、穏もああ見えて、案外ズルいところがあるよなぁ~」

雪蓮

「一筋縄でいかない人間だからこそ、軍師なんてやってるの……冥琳を見たら分かるでしょ」

向田

「……えー。なら雪蓮も軍師にならないと」

雪蓮

「酷いわねぇ、私ほど素直で純朴で心優しい女の子は居ないのに」

向田

「……」

雪蓮

「突っ込んでよ」あ、ボケてたのね。

向田

「……ムリ?」

雪蓮

「何で疑問系なのよぉ。ぶー……」

向田

「と、可愛く拗ねた振りをしながら3本目に手を伸ばさない!」全く、油断も隙もあったモンじゃねえな……

雪蓮

「あ……バレたか」

向田

「最近、ようやく雪蓮の考え方とか行動の仕方とかが分かってきたからな」

雪蓮

「あら、じゃあちょっと聞いてみようかな?剛は私の事、どう理解しているの?」

向田

「まず行動の根底にあるのは勘……勘で動いているところがかなり多い」

雪蓮

「うっ……」

向田

「次に、結構甘えん坊なところがある……特に冥琳には甘えているだろ」

雪蓮

「……甘えてないもん」

向田

「ハイハイ……後はまぁ……なんやかんやと言いながら、人の言う事はちゃんと聞いてくれる、素直なところがあるってトコかな」

雪蓮

「……むぅ。そんな事言われたら、お酒に手を出せないじゃない……」そう言いながら背後に隠していた、4本目の酒の大徳利を俺に渡してきた。ふふ……作戦通り。

向田

「はい。ありがとう」

雪蓮

「剛、性格悪くなったわよ。昔はもっと純朴だったのにぃ……」

向田

「生憎、酒好きの上役には慣れててね」サラリーマン時代、酒好きの上司や、取引先の偉い人が酔っ払った時には、ちょいちょい介抱したモンだ。元社畜を舐めんなよ。

雪蓮

「むぅ……」などと2人で漫才のようなやり取りをしていたら、用事を済ませた冥琳が俺達の側までやってきた。

 

 

 

 

 

 

 




切り方が半端になってしまいましたが、これ以上書くとバランスが悪くなりそうなので、続きは次話に。

原作との違い
・戻ってきた思春にビックリする一刀→向田は別行動中。
・カレーリナに移住した月一行の話はオリエピ。
・劉備と曹操の勝負を肴に一杯呑む雪蓮→更に向田手製のポトフを肴にする。
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