とんでもスキルで真・恋姫無双   作:越後屋大輔

27 / 57
しばらく落ち込んでましたが、何とか持ち直して更新します。応援して下さった皆様、本当にありがとうございました!


第二十七席孫呉、反旗を翻すのこと

張勲

「──という事でぇ。袁術様は暴徒の鎮圧をお望みなのです~♪当然、行ってくれますよね、孫策さん♪」張勲のアホが意気揚々と雪蓮の元へ乗り込んできて、好き勝手な事を抜かし始めた。

雪蓮

「はぁ~……」

張勲

「あれ?どうかしました?」

雪蓮

「いや……張り合いのない相手って、ほーんと、疲れるモノだなぁって思ってね」

張勲

「おおー。英雄とか言われていい気になってる、孫策さんらしいお言葉ですねー♪」呆れている雪蓮に、まだその思惑に気づいてない張勲。

張勲

「暴徒なんて張り合いがない。うんうん、その気持ちはよーく分かりますよ♪だけど袁術様のご命令ですから、すみませんがすぐに行ってもらえます?」

雪蓮

「……了解。全ての兵士を連れて行くけど、問題ないわね?」

張勲

「相手は十万人って話ですからね~。当然問題なしですよ♪」

雪蓮

「分かったわ。じゃあ袁術ちゃんに、頚を洗って待ってなさいって伝えておいて」

張勲

「はぁ~い♪」

 

冥琳

「……開いた口が塞がらないとはこの事だな。全く……」言うだけ言って帰っていった張勲に冥琳がため息を吐く。あのアホっ振りには、俺ですら呆れたもんなぁ。

雪蓮

「まぁ楽だから良いんだけどさぁ……最後の皮肉にも反応がなさ過ぎて、なんかつまんないわね」

向田

「贅沢言ってるなぁ。相手が愚かな方がラク出来ていいじゃないか」

雪蓮

「そうなんだけどね……まぁいいや。興覇、幼平」

思春

「はっ!」

明命

「はいっ!」

雪蓮

「移動の準備、よろしくね」

思春・明命

「御意!」

「では私は剛さんと兵站の方を担当しますね♪」

冥琳

「頼む……準備が出来次第、すぐに出陣しよう」

雪蓮

「了解」

 

~袁術の城(視点なし)~

 

「美羽様ぁ~。孫策さんの部隊、たった今、出陣していきましたよぉ」

袁術

「おお、行ったか。ふむふむ……いくら英雄と言われようと、やはり妾の方が偉いという事じゃな」

張勲

「よっ!皇帝に最も近い美羽お嬢様!可愛いったらありゃしないぞ♪」

袁術

「うははー♪もっと言ってたも!もっと妾を褒めてたもぉー♪」あまりのバカっ振りに目も当てられない2人だった……

 

~向田視点に戻る~

 

 拠点を発した俺達は、江東の地に向かって粛々と駒を進めていた。

向田

「これからどうやって江東に入るんだ?」

雪蓮

「えっ?江東には入らないわよ?」

向田

「んおっ?どういう事?」

冥琳

「一揆に偽装した民兵を率いる蓮華様と合流し、そのまま反転。袁術を急襲するのよ」

向田

「偽装って……そうだったんだ……」

「そりゃそうですよ。本当に一揆が発生してるなら、それを鎮圧するのに時間とお金と人員を投入しなくちゃいけませんからね」

向田

「なるほどねぇ……」一揆に偽装して各地で武装蜂起(ぶそうほうき)し、その鎮圧に向かうふりして仲間と合流、逆撃急襲して袁術を叩くってワケか。

向田

「うーん……作戦って奥が深いなぁ」

冥琳

「奥が深いというのには同意だが、この策は袁術だからこそ効果があったという事も忘れるなよ?」

フェル

『あやつがバカだから通用したという事か?』

「そういう事です♪これが曹操さんなら、多分自ら鎮圧に乗り出すでしょうし……そもそも一揆が発生する状況を作らないでしょうしね」

向田

「なるほど……勉強になったよ」

雪蓮

「しっかり勉強して孫呉を支えてね」おいおい、国ごとかよ?しかし、ここは男を見せておこう。

向田

「国も雪蓮も蓮華も。みんなを支える為に全力を尽くすよ」

雪蓮

「あはっ、優しいなぁ剛は♪」

冥琳

「イチャイチャしてないで。そろそろ蓮華様達との合流地点に到着するわよ」

雪蓮

「あら、妬いてるの?……どっちにかしら?」

冥琳

「さぁ?ご想像にお任せするわ」

雪蓮

「むぅ……そんな事言われたら、私が妬いちゃうじゃない……」冥琳の言い方に、頬を膨らまして抗議する雪蓮を微笑ましく見ていると、前曲を率いている明命の声が聞こえてきた。

明命

「前方に軍勢を発見!旗は黄!そして孫家の牙門旗!黄蓋様、孫権様です!」

冥琳

「よし……興覇。どこに袁術の目があるかも分からん。警戒を怠らんでくれ」

思春

「了解です」

雪蓮

「三人姉妹、久し振りの合流かぁ……ふふっ、楽しみね」

向田

「3人姉妹?って事は雪蓮には蓮華以外にも妹が居るんだ?」孫策の妹の孫権。その妹って……えーっと……誰だっけ?

雪蓮

「そ。尚香って言ってね。弓腰姫とか呼ばれるぐらいおてんばだけど、とっても可愛い妹ちゃんよ」あ、孫尚香も女なのか。孫策、孫権が女性化してるから、逆に男だと思ってた。

雪蓮

「合流の準備が整ったみたい。行きましょ♪」ククッと喉で笑った雪蓮が、前方に大きく手を振った。そこに居たのは、袁術と同年代ぐらいの少女だった。

尚香

「おっねぇさまーっ!」

雪蓮

「シャオ!元気だった?」

尚香

「もっちろん♪毎日、水浴びしたり街で遊んだり。楽しかったよー?」

雪蓮

「ふふっ、遊んでばかりねぇ……勉強はちゃんとした?」

尚香

「もっちろん!」

蓮華

「嘘をつけ。子布に言いつけられた宿題を一度たりともやってなかったではないか」

尚香

「本当の智ってのは、机上の本読みで会得出来るものじゃないモンね」ペロッと舌を出しながら、尚香と呼ばれた少女は蓮華に抗議する。

尚香

「それに身体を動かす方が、今の私達にとっては大事な事でしょ?いつ袁術の刺客に襲われるか分からないんだし」

蓮華

「王として民を善く治める為に、学問も必要なのだがな」

尚香

「そういうの、シャオ興味ないもーん♪」屈託のない笑顔で言った後、尚香は俺の方を指差した。

尚香

「あなたが天の御遣い?」

向田

「ん。まぁそうかな?」俺は曖昧に答えてフェル達を紹介する。

尚香

「ふーん。私の名前は尚香。真名は小蓮っ( しゃおれん )ていうの。シャオって呼んでね♪」 

向田

「俺は向田剛……よろしく、シャオ」

小蓮

「ん♪よろしくしてあげるー♪」何と言うか、天真爛漫って言葉がしっくりくる娘だな。フェルやスイ、ドラちゃんを見ても物怖じしないし。将来は大物になりそうな予感がする……

蓮華

「……剛。元気だったか?」

向田

「ボチボチね……少しは成長したところ、蓮華に見せられると思うよ」

蓮華

「ふふっ……楽しみにしているわ」蓮華は俺に微笑みかけると、雪蓮に向き直る。

蓮華

「ところでお姉様。お姉様に引き合わせたい人間が居ます……亞莎(あーしぇ)

??

「は、はひっ!」蓮華がモノクルを掛けた女の子を連れてきた。ちょっとオドオドしているんだけど、大丈夫かなぁ?

蓮華

「この者の名は呂蒙。字は子命……我らの新たな仲間です」蓮華の紹介を受け、雪蓮は呂蒙に近づいていく。

雪蓮

「冥琳から報告は聞いてるわ……今回の一揆騒ぎも貴女が計画を立て、実行してくれたそうね……ありがとう。そして初めまして呂蒙」

呂蒙

「は、初めまして!」

雪蓮

「ふふっ、緊張しなくても良いわよ。これから共に闘っていく仲間なんだから……我が名は孫策。真名は雪蓮。貴女の真名も私にくれる?」

呂蒙

「は、はいっ!真名は亞莎と申します!あ、あの……英雄である孫策様にお会い出来て、光栄至極!です!」

雪蓮

「こちらこそ……亞莎。貴女の命、私が預かる……期待してるわよ」

亞莎

「は、はひっ!」

雪蓮

「蓮華。亞莎に剛の事、伝えているの?」

蓮華

「はい。その事については亞莎も承諾してくれました」俺の事って、やっぱアレだよなぁ……う~ん、こんな若い娘にそういうのを頼むのはどうも……イヤ、若くなきゃ良いって訳じゃないけどね。

雪蓮

「そ。なら……亞莎には剛の事も紹介しなくちゃいけないわね……亞莎、この男性が向田剛……貴女の夫となる人よ」

亞莎

「……っ!?あ、う……は、はい」顔を真っ赤にしながらも、呂蒙は険しい表情で俺を睨み付ける。

向田

「あー……向田剛。よろしく、呂蒙」

呂蒙

「……っ!」

呂蒙

「……」

呂蒙

「……っ!」何か……さっきから俺を見つめては、デカい袖で自分の顔を隠すのを繰り返してるが、一体何がしたいんだ?

向田

「えーっと……」

蓮華

「気にするな。亞莎は恥ずかしがり屋でな……照れているんだろう」

呂蒙

「て、照れてはいませんっ!ただちょっと怖いだけです!」怖い?ちょっとショックだな……それなら照れてる方がまだ良いんだけど。

向田

「怖いって……俺が?」

呂蒙

「いいえ、あの……見慣れぬ人が怖いんです!」

雪蓮

「どういう事?」

蓮華

「本人曰く、人付き合いが下手なんだそうだ」

呂蒙

「わ、私はその……目付きが悪く、人を不快にさせてしまいますので……」そうは見えないけどなぁ。

向田

「?どこが目付き悪いの?」ようするにコミュ障って事か。元居た世界で勤めてた会社にもたまに居たなぁ。能力は高いのに、そのせいで仕事が出来なかった奴。

向田

「むしろカッコイイ目じゃないか」

雪蓮

「うん。私もそんな風に思えないんだけど。亞莎、顔を見せなさい」

呂蒙

「う、うう……」雪蓮に言われては断る訳にもいかず、呂蒙はビクビクしながらも袖を下ろす。

雪蓮

「うんうん。いかにも軍師って感じの、鋭い目をしていると思うけど?」

蓮華

「そうでしょう?……私も何度も言っているのですが、どうやら本人は目付きが悪いと思い込んでいるようで……」

向田

「そんな事ない……こいつを見てみなよ」俺は呂蒙に、フェルを顔で指し示す。

呂蒙

「……ひっ!」

向田

「例え目付きが悪いとしても、こいつほどじゃないだろ?気にする事ないって」

フェル

『……お主、このところ何かと我を引き合いに出すが?』

ドラちゃん

『ヘヘッ、しょうがねえよ。実際フェルって目付き悪りぃしな(笑)』

スイ

『フェルおじちゃんは怖くないよ~』

呂蒙

「……こ、これが呉の隠し玉といわれる魔獣達……」フェル、スイ、ドラちゃんを順に見回し呆気に取られる呂蒙。

向田

「それに、俺は……呂蒙は良い目をしていると思う」

呂蒙

「……あ、あの……!私の真名は亞莎、です。この名前……あなたにお預けします!」

向田

「うぇ?!い、いきなりだねぇ……」

雪蓮

「剛の事が気に入ったんでしょ……そうでしょ、亞莎?」

亞莎

「……(フルフル)」再び大きな袖で顔を隠して首を横に振る、呂蒙改め亞莎。そんな思いっきり否定しなくても良くない?

雪蓮

「ふふっ、いくら否定したって、耳まで真っ赤になってるわよ」

亞莎

「……っ!」雪蓮も揶揄(からか)うなっつーのっ!

雪蓮

「まぁ……しばらくは慣れないかもしれないけど。徐々に仲良くなっていきなさい……剛もね」

向田

「ああ……よろしくね、亞莎」

亞莎

「は、はひっ!」うん、とりあえず悪印象は持たれてないようだな。

冥琳

「ふむ……これで顔合わせは済んだな。ではそろそろ動こうか」

雪蓮

「そうね」小さく頷いた雪蓮が、合流を果たした部隊の先頭に立つ。

 

雪蓮

「孫呉の民よ!呉の同胞(はらから)達よ!待ちに待った時は来た!栄光に満ちた呉の歴史を。懐かしき呉の大地を!再びこの手に取り戻すのだ!」

兵士達(モブ)

「「「「おおおぉぉぉー!」」」」

雪蓮

「敵は揚州にあり!雌伏*1の時を経た今、我らの力を見せつけようではないか!これより孫呉の大号令を発す!呉の兵達( つわもの )よ!その命を燃やし尽くし、呉の為に死ね!全軍、誇りと共に前進せよ!宿敵、袁術を打ち倒し、我らの土地を取り戻すのだ!」

兵士達(モブ)

「「「「おおおぉぉぉー!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
活躍の時を待って、人の下に屈する事。また、実力を養いながら活躍の時を待つ事




アホ2名の行く末が気になる方もいらっしゃるでしょうが、もう少しお待ち下さい。どんな制裁を与えようか今、色々と考えてます。

※今後、感想はログインユーザー様のみ受け付けます。感想を下さる方々はご注意をお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。