とんでもスキルで真・恋姫無双   作:越後屋大輔

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妙に引っ張ってしまいました。ホントはすぐに決着つけたかったんだけどなぁ……


第二十九席袁術と張勲、死す?のこと

袁術

「待たせたな、孫家よ!この裏切り者がぁ~~!妾と七乃でキツーく灸を据えてやるからの。泣いても許してやらんのじゃ!」

張勲

「お嬢様、流っ石ー!ヒューヒューですっ♪」

袁術

「はっはっはー!そうじゃろ、そうじゃろ。決まったじゃろー♪」

蓮華

「うぅっ、こんな奴らに……(悔)」

「権殿!この屈辱も今、この時で終わりじゃ!行くぞっ。はああぁぁーっ!」

 

 先鋒を切った祭さんの部隊が、袁術軍の一般兵を蹴散らしていく。それだけなら、こっちが有利に聞こえるがやはり問題は白装束だ。祭さん率いる黄蓋隊が弓を引いて、1度に数人単位で討ち果たすが、何せ相手はいくらでも涌いて出てくるのでキリがない。

蓮華

「戦況は不利ね……」

思春

「蓮華様っ!」白装束の兵士、数人が一斉に蓮華に襲いかかってきた。蓮華を守ろうとクナイを振るう思春も、別の白装束に邪魔される。

「あわわ、こっちにまで白装束がぁーっ!」穏も白装束に囲まれる。これは絶望的だ。

 

 ……何て言うと思った?生憎と、こっちにはフェルとスイとドラちゃんが居るんだよ!

フェル

『この程度で我が臆すると思ったか!』咆哮だけでビビる白装束を文字通り蹴散らすフェル。

ドラちゃん

『お前ら、やり方がワンパターンなんだよ!』疑似ドラゴンブレスを浴びせるドラちゃん。

スイ

『悪いヤツらはメッ!なんだからね~』スイの酸弾を喰らい、次々と戦闘不能になる白装束。

思春

「……やはり強いな」

「これなら勝てますよぉ♪」喜ぶ穏だが、それも束の間の事だった。いつの間にか1人の男が俺達の目の前に姿を現した。他の白装束と違って、顔をスッポリ覆う頭巾は被らず、メガネはかけているがその素顔は曝け出している。

向田

(こいつ……貂蝉とは別の意味でヤバい!)そう感じた俺はフェルに乗ったまま、蓮華を引っ張り上げて前線から退かせようとしたが、当の蓮華がこれを拒絶した。

向田

「逃げるぞ蓮華!そいつはマジでヤバい!」

蓮華

「イヤ、私はこの男に聞きたい事がある」何言ってんだよ蓮華!?

蓮華

「貴様が白装束の大将か?」

??

「如何にも」

蓮華

「で、貴様は何者だ!?」

于吉

「私は于吉。我らが悲願を叶える為、貴女達には死んで貰います」

蓮華

「フフッ、簡単に言ってくれるな……」蓮華は剣を抜いて、于吉に翳す。

蓮華

「我が命を欲するなら実力でしてみせろ!」

于吉

「……後悔しますよ。尤も貴女の武力では、後悔する間もなく死にますがね」

思春

「れ、蓮華様!相手は素性の知れぬ者!ここは私に委せて蓮華様は後退をっ!」

蓮華

「後退はせん!私は江東の虎の娘の次女!名乗りを上げた敵に背を向ける事などせん!」立派な考え方だけど、そんなプライドの為に、命を失ったら何にもならないからね?

于吉

「誰が来たとて同じですがね。『防』」于吉と名乗った男が何やら呪文を唱える。するとそいつは球状の光に包まれた。ニヤリと人を小馬鹿にしたような、嫌みったらしい笑みを蓮華に向ける。

蓮華

「はあぁぁぁぁぁーっ!」于吉に剣を振るう蓮華。だけど光球は、鋼鉄かミスリルで出来たバリアーのように、カキーンと音を立てて剣を跳ね返す。

于吉

「ムダですよ。ではそろそろ死んでいただきましょう」悔しさに顔を歪める蓮華に、下卑た笑みを見せたまま、于吉は光球ごと空へ舞い上がる。その時、俺の脳裏に奇妙な発想が浮かんできた。

向田

「なあフェル。あの光球ごと于吉を攻撃出来ないかな?」

フェル

『ん?どういう事だ?』

向田

「あの光球に質量があれば、揺らす事が出来る。それなら中の于吉にダメージを与えられるかもしれないだろ?」

フェル

『ホウ……面白いアイディアだな。やるだけの価値はありそうだ。スイよ』

スイ

『なぁに。フェルおじちゃん?』

フェル

『あの光の球を落としてみよ。そして我とボール遊びをしようではないか』

スイ

『ボール遊び~?うん、やろう♪』スイは光球に触手を伸ばして、叩き落とす。俺の予想通り、光球は于吉ごと地面に転がった。

スイ

『え~い!』落ちた光球を触手で弾いて、フェルへパスするスイ。

フェル

『むぅっ!』スイの投げた光球を前足で受けとめるフェル。そして再びスイにパスする。

ドラちゃん

『オイオイ。2人だけで遊ぶなよ。俺も交ぜろ』

「何じゃ?面白そうな事をしておるのう♪」祭さんとドラちゃんまでこのボール遊びに参加し出した。つーか祭さん、部隊放っぽり出して何してんの!?

フェル

『パスだっ!』

「'ぱす'とは球を味方へ送る事じゃな。では、儂も……ぱすじゃ!」

ドラちゃん

『ヘイパース!』

スイ

『ヘイパス~』ゴロンゴロン転がる光球の中で、バランスを崩し、無様にコケ続ける于吉。その内に頭を抱えてフラフラになる。あ、こりゃ脳震盪起こしたな。

于吉

「何なんですか!こいつらは!」コケながらも、俺を目に捉えると今度は自身が顔を歪ませる。

于吉

「貴様はデミウルゴスのっ……!?まさか呉についていたとは!では董卓を逃がしたのも……」やっぱり。月を処刑寸前まで追い詰めたのもこいつらだったのか。それを知ると俺も腸が( はらわた )、煮えくり返ってきた。結局俺にゃ何も出来ないけどさ。

于吉

「覚えていなさいっ!」ボロボロの状態で、命からがらトリオから離れると、空気に溶けるようにその場を去っていった于吉。それと同時に白装束の兵達も、只の土くれに変わり、一陣の風に吹かれて散っていった。

 

亞莎

「蓮華様!敵軍が総崩れとなっております!今こそ突入の好機かと!」

蓮華

「お姉様っ!」

雪蓮

「分かってる……行ってくるわ、冥琳。明命もついてきて」

明命

「はっ!」

冥琳

「仕上げを頼む……向田!従魔を一体、雪蓮達の護衛に」

向田

「分かった。スイ、お願い」

スイ

『うん良いよ~』

 

~視点なし~

 

 闘いに敗れ、寿春城内を逃げ続ける袁術と張勲。途中で呉の兵士に見つかり、何とかこれを撃退するが……

張勲

「はぁ、はぁ、はぁ……こんな所にまで孫策さんの兵が入ってきてる……」

袁術

「ううー……七乃~、怖いのじゃ~……」

張勲

「大丈夫ですよ美羽様。七乃がついてますからね」

袁術

「ひっく……早く逃げるのじゃ~……」

張勲

「はい。お城を突っ切って、裏門から逃げちゃいますから、もうちょっと頑張って下さいね」

袁術

「……(コクッ)」

 

 こちらは袁術を探して、城を見回る雪蓮。

雪蓮

「……さて。袁術ちゃんはどこに居るかな?」

明命

「皆、周辺を探して下さい!」

兵士(モブ)

「応っ!」

スイ

『おバカさんどこ~?』

雪蓮

「………」ふと、何かの勘が働いた雪蓮がみんなとは別の方向へ進んでいく。

明命

「あ……雪蓮様、どちらへ?」

雪蓮

「こっちからね……匂いがするのよ」

スイ

『………』スイはこの時、いつだったか向田が呟いていた言葉を思い出していた。

 

~スイの回想~

 

向田

「……ふぅ。これだけの料理を作るのは、やっぱり大変だな」

ドラちゃん

『なんだよ?お前、こっちにきてからやけにボヤくじゃねえか』

向田

「そりゃ君らの分だけじゃないからね……別に嫌な訳じゃないけどさ」

フェル

『そんな事はどうでも良い。早くメシにしろ』

向田

「ハイハイ。分かってるって」

スイ

『あるじ~、困ってるのぉ?』

向田

「困ってるってほどでもないけどね。今は兵士さん達が交代で料理の手伝いをしてくれているけど、出来れば専属のアシスタントさんが欲しいかな、と思ってさ」

スイ

『ふぅ~ん……』

 

~スイの回想終わり~

 

 一方の袁術と張勲は何とか城を抜け出したものの、雪蓮達に気づいてか、ヒーコラと息を切らせてひたすらに逃げ回っていた。

張勲

「はぁ、はぁ、はぁ……美羽様大丈夫ですかぁ?」

袁術

「ひぃ、ひぃ、ふぅ……わ、妾はもう疲れたのじゃ~……七乃、おぶってたも」

張勲

「さ、さっすがにそれはムリですよぉ。私も体力の限界がジリジリ迫ってきてますし」

袁術

「うう~……みじめなのじゃぁ……」

張勲

「戦に負けちゃいましたからねぇ……」

袁術

「うー、七乃七乃!蜂蜜水が飲みたい!妾は蜂蜜水が飲みたいのじゃ!」

張勲

「もぉー。わがまま言ってる間に足を動かして下さいよぉ」

袁術

「ヤじゃヤじゃ!妾はもう動けないのじゃ!」

張勲

「そんな事言ってると孫策さんがやってきますよ。悪い子はいねがーって」

袁術

「(怯)それは嫌なのじゃ……でも蜂蜜水はもっと飲みたいのじゃー!」

??

「なら好きなだけ飲ませてあげようか?」聞き覚えのある、そして出来る事なら聞きたくなかった声がする……恐る恐る、声のする方へ振り向く2人。

張勲

「……っ!?」

雪蓮

「ただし……あの世でだけどね」まさに鬼の形相で、雪蓮の姿があった。

張勲

「きゃーっ!でたーっ!」

袁術

「きゃーっ!でたのじゃーっ!」まるでお化けでも見たかのように驚く2人。

雪蓮

「失礼ね。人をバケモノみたいに言って」とはいえ、今の袁術と張勲にすれば、バケモノの方がまだマシであっただろう。

袁術

「な、ななな何の用じゃ孫策!妾はお前になど用はないのじゃ!」

張勲

「そうそう!そうですよ!用はないんで、私達は先に行かせてもらいますね。孫策さんはどうぞごゆっくり~♪」何とかその場を誤魔化して立ち去ろうとしたが、雪蓮に阻まれる。

雪蓮

「つれない事言うわねぇ……でも残念。私にはとっても大切な用があるの」

袁術

「ほ、ほう何じゃ?用があるならさっさと言って、さっさとどっかに行けば良いのじゃ(怯)」

張勲

「そうですよ、こう見えても私も美羽様も、とーっても忙しい身なんですから(怯)」震えながらも惚けようとする2人だったが……

雪蓮

「ふーん……ならさっさと用事を済ませてしまいましょうか」シャキンッ!。雪蓮は腰の鞘から剣を抜いた。

袁術

「な、な、なぜ剣を抜くのじゃ!」

雪蓮

「え?だって剣がないと貴女を殺す事、出来ないでしょ?」雪蓮は、さも当たり前のように言ってのける。

袁術

「ひぃーっ!妾を殺すと言うのか!?」

雪蓮

「当然……今まで貴女にコキ使われてきたんだから。意趣返しするぐらい良いじゃない」物騒なセリフを悪びれる事もなく、淡々と述べる雪蓮。

袁術

「な、七乃!七乃七乃!妾を助けるのじゃ!」泣きながら青い顔で張勲にすがる袁術だが、当の張勲も頼りにならなかった。

張勲

「ムリ!」

袁術

「な、なんじゃとぉ!七乃は妾の傅役(もりやく)ではないのかぁ~!」

張勲

「だって絶っ~~~~っ対孫策さんには敵いませんもん!」

袁術

「それでも妾を守るのが七乃の仕事じゃろ!」

張勲

「守ってますよ!後ろから見守ってます!」

袁術

「何なのじゃそれはぁぁ~っ!」

雪蓮

「……はいはい。漫才はそこら辺でお終いよ……ついでに袁術ちゃんの命もそろそろお終いにしましょうね」痺れを切らした雪蓮は手にした剣を、2人に翳す。恐怖でヘタれ込む袁術と張勲。

袁術

「あぅあぅあぅあぅ~~~~……」

張勲

「うううー、美羽様ぁ~~~~……」

雪蓮

「あらら、泣いちゃった」

袁術

「やだやだやだ。死にたくないのじゃ~!」

張勲

「私もですぅぅ~~~~!」

雪蓮

「残念……そろそろ死ぬ時間よ。二人共覚悟は良いかしら?」袁術、張勲。まさに2人の命は風前の灯だった。が、意外な救世主が現れる。

 

 

 

 

 

 

 




原作との違い
・于吉との戦闘
・雪蓮は結局、袁術達を見逃す→この後、あり得ない展開が起きる。

・次回に限り、展開を予測する感想やメッセージはご遠慮頂ければ幸いです。
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