とんでもスキルで真・恋姫無双   作:越後屋大輔

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やっとメシ話。しかし、もっとスローペースのハズが……蜀編は1話にもっと時間かかったのに、盛りが少ないせいか?色々おかしいなぁ……。


第三席厚切りハムカツサンド、のこと

 孫策さんからとんでもない条件を突きつけられた俺は内心では戸惑いっぱなしだったが、表面上は平静さを保って話の続きを聞く。

孫策

「さっきも言ったけど、あくまで合意の上でないとダメよ」

向田

「勿論。嫌がる子にそんな事をするの、俺だってイヤだ」

孫策

「なら良いんじゃない?私はいつでも良いよ♪」

黄蓋

「儂も構わんぞ」

向田

「か、構わんと言われましても……」何だかなぁ。

周瑜

「……まぁその辺りの話については追々、話し合っていけば良いだろう」

向田

「そ、そうしてくれると助かるかな」今は、突然の状況の変化に頭がついていかない。一杯一杯ってのが正直なところだ。

孫策

「あら?大乗り気になると思ったけど、案外そうでもないのね?ウチの可愛い女の子達と、公認でイチャイチャ出来るんだから、もっと喜びなさいよぉ」

向田

「……いや、そりゃ正直なところ、嬉しいって気持ちはあるよ?だけど……結局のところ、俺の胤だけ求められてるって事だろ?それを素直に喜ぶのって、男としてどうかと思うんだよなぁ……」

黄蓋

「ほお。案外、骨のある事を言いよるの」

向田

「軟派野郎ならそれでも良いんだけど……軟派には成りきれないというか」

孫策

「そんなのどうでも良いわ……受けるの?受けないの?」けど参ったなぁ、断ればデミウルゴス様との約束も果たせないかもだし。仕方ない……

向田

「……受けるよ」ここまできたらもうしょうがない。後は野となれ、山となれだ。今の俺にはそれしか方法がない……言い訳がましく聞こえるけどさ。

孫策

「じゃ、決まり♪冥琳(めいりん)。通達よろしくね」

周瑜

「はいはい……はぁ。何て言って説明すれば良いんだか」

孫策

「それを考えるのが冥琳の役目でしょ♪」

周瑜

「簡単に言ってくれるものね」

孫策

「信じてるからね♪」

周瑜

「答えになっていないわよ、全く……まぁ何とかやってみましょう」

孫策

「ん♪」周瑜さんの言葉に満足そうに頷いた孫策さんが、くるりと俺の方を向く。

孫策

「じゃもう一度自己紹介」え、何で?

孫策

「姓は孫、名は策、字は( あざな )伯符、真名は雪蓮よ」

黄蓋

「ほお。真名までお許しになりますか」

孫策

「だって身体を重ねる事になるかもしれない男なんだし。それぐらい特別扱いしてあげないとね♪」詳しくは知らないけど字って確か、成人してから付けるミドルネームみたいなモンだっけ?それよりも……。

向田

「あの……まなって何?」

周瑜

「真なる名と書いて真名と読む……私達の誇り、生き様が詰まっている神聖な名前の事だ」

黄蓋

「自分が認めた相手、心を許した相手……そういって者だけに呼ぶ事を許す、大切な名前じゃよ」へぇー、そんな風習があるのか。

孫策

「他者の真名を知っていても、その者が許さなければ呼んではいけない。そういう名前」そうか、雪蓮と冥琳ってのは孫策さんと周瑜さんの呼び名だったのか。実は気になってたから、尋ねようかどうか迷ってたんだよね。教えてもらって良かったよ、下手に聞いたら殺されていたか……?つまり俺は信用されてるって事なんだろうか。

向田

「責任重大だな……」

雪蓮

「そう思える?」

向田

「そりゃ……相手から信用された証なんだし。それを裏切る事なんて出来ないだろ?」

周瑜

「ふむ……中々。よくぞそこまで考えが回るものだ」

向田

「……?どういう事?」

雪蓮

「案外頭が良いわねって事よ……それじゃ私の事は今後、雪蓮って呼んでね」

向田

「ん。よろしく雪蓮」

「我が名は黄蓋。字は公覆。真名は(さい)じゃ」

向田

「祭さん……よろしく」

「応。よろしくしてやろう」

冥琳

「姓は周、名は瑜。字は公謹。真名は冥琳……向田よ。貴様には期待させてもらおう」

向田

「が、頑張るよ。精一杯ね……よろしく、冥琳。それと俺の名前。姓は向田で、名が剛。向田でも剛でも好きに呼んで」頭を下げながら、3人と握手を交わしながら挨拶をしていると、ほんわかとした声と共に、ほんわかオーラを纏ってる巨乳の女性が部屋に入ってきた。

??

「孫策様~。袁術さんが呼んでるみたいですよー」

雪蓮

「袁術が?用件は何?」

??

「さぁ~?また何かワガママでも言うんじゃないですかねぇ~?」

雪蓮

「……全く。私はあいつの部下って訳じゃないのに。こき使ってくれるわね」

冥琳

「時が来るまでの辛抱だ、雪蓮」

雪蓮

「分かってるわよ。けど……むかつくなー」ブツブツと文句を言いながら、雪蓮は振り返りもせずに部屋を出ていった。

向田

「えーっと……現状ってさ、一体何がどうなってるの?」

「ふむ。まずはそれを説明せんとならんか」

冥琳

「ええ。まずは我らの生い立ちから説明しよう」そんな前置きをした後、冥琳は自分達を取り巻く状況を淡々と説明してくれた。

 

 今、俺が居るこの場所は荊州というところで、その荊州の太守に袁術という人間が居る事。孫堅という孫策の母親に率いられ、一時は荊州近くまで領土を広げていた孫策陣営だったが、孫堅が戦死した事によって衰退した事。孫堅戦死と共に内乱や逃走が相次ぎ、後を継いだ孫策は仕方なく、荊州太守袁術の客将という立場に甘んじている事。しかし、いつまでも今の立場に甘んじているつもりはなく、いつかは独立し、天下統一に乗り出したいと思っている事。平穏とは無縁の生活を送る事になるから、充分に覚悟しておけ──そんな脅し文句と共に、冥琳の状況説明が終わった。って何じゃそりゃーっ!?

向田

「……俺、もしかしてもの凄く大変な時期に保護されたの?」

??

「まぁそういう事になりますねぇ~、あはは♪」

向田

「あははって。笑い事じゃないんだけどね……っていうか、ええと、こちらの方は?」

「穏。自己紹介せい」

陸遜

「はぁ~い。姓は陸、名は遜、字は伯言……ええと、皆さん、天の御使いの男性に、どこまで自己紹介したんですか?」

冥琳

「皆、真名を伝えた。雪蓮が認めた人物よ」

「それなら、私の真名は(のん)って言います。穏とお呼び下さいね、御使い様♪」

向田

「あ、よ、よろしく……俺の名前は向田剛。呼び名はどっちでも良いよ」ほんわかというか、のんびりというか……陸遜と名乗る女性が持つ独特の時空に巻き込まれ、脳みそが溶けかけてくるのを、グッとこらえる。

冥琳

「穏は動物が好きそうだし、向田の世話は穏に任せる。頼むぞ」動物好きって……フェンリルにスライムにピクシードラゴンだぞ?ただの動物好きってレベルじゃ、相手し切れないと思うんだけど……

「まぁ二人共仲良くやれ……では儂は部屋に戻るぞ」

冥琳

「了解です……向田。これからの事はまた明日にでも話し合おう。今はゆっくりして居ればいい」

向田

「ん、了解……これからの事も含め、ゆっくり考えておくよ」

冥琳

「そうしろ……穏、行くぞ」

「はぁ~い。じゃあ剛さん、また明日お会いしましょう~♪」そして3人が玉座の間を出ていって、ここには俺達だけになる。

向田

「ふぅ……」大きく息を吐きながら、1人玉座の間に残された俺は、手近にあった椅子に腰を掛ける。

向田

「とんでもない事になったなぁ……」胡散臭いって処断される可能性はなくなったけど、それよりももっと胡散臭い存在にされてしまった……

向田

「天の御使い、か……」何となく呟く。単に神様に頼まれてここに来たってだけで実際、自分がそんな特別なモノだとは思ってないけど……一風変わった三國志の世界で、女性と子供を作るように命令されるって……まぁ明らかに普通じゃないよな、この状況は……考えても仕方ないけど。……ああ、眠くなってきた……これって多分現実逃避だろうな……今日はもう寝よう。物事なんて結局、為るようにしか為らん。諦める訳じゃない。だけど現状もしっかり把握していない俺が、どんな予想をしたところで、結局、それは妄想でしかない。ただ俺は1人じゃない。フェルもスイもドラちゃんも一緒だ。今は側で寝ている、こいつらだけが心の拠り所だよ……その内、デミウルゴス様に相談してみよう。少し乱れた布団の上にダイブして、俺はゆっくりと目を閉じた。

 

フェル

『オイ腹が減ったぞ』

ドラちゃん

『俺も俺も』

スイ

『あるじー、お腹空いた~』毎度お馴染み、食いしん坊トリオからの飯の催促で目が覚めた俺。普段はやれやれと思うけど、あんな事があった翌日の今日に限っては却ってホッとする。

向田

「ちょっと待ってな」まずは魔導コンロを出しても良さそうな部屋はないか、聞いてみるか。

雪蓮

「アラ、朝食の支度?ならウチの料理人に作らせるわよ」いやいや、任せられませんって。信用してないとかじゃなくて、この子達の食う量は半端ないですから。身体保ちませんよ。で結局、玉座の間を借りて朝食を作る事になった。さて、今朝は何を作ろうかね?昨夜のミノタウルスの肉はまだ解体してないから今回は温存して、アイテムボックスに入れといた作りおきをアレンジして出そうか。

 取り出したのはこちらに来る前に、大量に作ったハムカツだ。フェル達用に厚切りにしてあるこれをサンドイッチにしようと思ってる。キャベツは屋敷の畑で奴隷(従業員)のアルバンが育てていたのが用意してあるから、それを使うとしてパンだけど、実はここしばらく手作りパンに凝っていたんだよね。これもアイテムボックスに沢山入れておいたから、基本の材料はO.K.だ。後はとんかつソースにマヨネーズをネットスーパーで買い足して、早速調理しましょうかね。

 

 大量に作ったハムカツサンドを皿へ山盛りにしてフェル達に出してやる。

フェル

『うむ、薫製肉に衣をつけて揚げたのか。中々に旨い。しかし、野菜は要らんな』好き嫌いするなよフェル。とか言いつつ、キャベツごとバクバク食ってるよ。

スイ

『お肉と野菜とパンが美味しい~♪スイ、この白いヤツも好き~』スイはマヨネーズが気に入ったか。

ドラちゃん

『この肉の揚げたのが、野菜と合うよな。2種類のソースも絶品だぜ』意外にグルメなドラちゃんもお気に召したようで何よりだな。俺は朝から揚げ物は重いから、薄切りハムをそのままキャベツと挟んだシンプルなサンドイッチで済ませたよ。で、周りでは雪蓮、祭さん、冥琳、穏が興味津々で俺達の食事風景を見ている。

雪蓮

「ねぇ……何だかそれ、スッゴく美味しそうなんだけど?」

「朝から旨そうなモノを食うとるのう」

冥琳

「野戦においては食事も重要になる。参考にしたいな」

「剛さん、お料理上手なんですね~」はいはい、つまり貴女達も食べたいんですね。ハムカツは昼か晩に出すとして、俺と同じ朝食サンドイッチを4人に振る舞う。

雪蓮

「美味しい!これは薫製にした肉ね。けど食べた事のない味だわ」

「この具材を挟んだモノ……穀物ではあろうが、何をどうしたのじゃ?」

冥琳

「食器が要らないのは良いわね。書類仕事中にも摂れそうだし」

「天の国には、こんな食べ物があるんですねぇ~」あの、穏さん?普通にこの世界にもサンドイッチはありますよ?ただ、貴女達が訪れた事がない大陸に、ですけどね。どうやら俺は元居た大陸の知識以外に、料理の事も色々教えるハメに為りそうだ……

 

 

 




原作との違い
・冥琳は「年齢が近そうだから」と穏に一刀の世話を言いつける→ムコーダは一刀より10才年上。なので「穏は動物好きそうだから」に変更。(原作にそういった描写はない)

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