とんでもスキルで真・恋姫無双   作:越後屋大輔

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無印と真のクロス具合がおかしい気もしますが········


第五十一席向田、曹操を救わんとするのこと②

~ここから向田視点~

 

劉備

「この戦乱を収める一人って言われてるあなたが、どうして孫策さんのところへ?」

向田

「分からないけど……天命ってヤツだからじゃないかな?」

劉備

「天命……ならこの戦乱を孫策さんが収めてくれるんですか?」

向田

「それはまだ分からないよ。だけど俺達はずっと、この戦乱を収めて、平和な世界を作りたいって思っているよ」

劉備

「そうなんだ……」

冥琳

「当然だ……それは劉備殿もそうではないか?」

劉備

「……はい。私も、力のない人達が笑って暮らせるようにって。武器を持って立ち上がったんです」

冥琳

「そうね……だからこそ、今は和睦するべきだと思うのだけれど」

関羽

「貴様達から戦を仕掛けておいて、今更和睦などと……どの口が言うのだ!」うわっ!なんだよ、いきなり怒鳴り付けることないだろ。この問答無用な態度、洛陽の詠以来だな。

隼人

「……落ち着け愛紗」

冥琳

「確かにな。だが他領を侵略し、自国を拡大していく事は天下統一を志す英雄にとっては当然のこと。そして状況によって和平を申し出る事もまた然り……特に巨大な敵が動き出した今となってはな」

趙雲

「……曹操か」

冥琳

「そうだ。この大陸に残っている英雄は、我らが王、孫策。北方の巨人、曹操。そして徳高き劉玄徳……だが今は勝手が違う」

馬超

「勝手が違う?」

向田

「既に曹操の軍師から聞いてるとは思うけど……」

竜馬

「……曹操が怪性の者とやらに操られているって話か?」

向田

「ああ。だから俺達は……」

鳳統

「同盟のご提案……という事ですか?」

冥琳

「そういう事だ」

関羽

「何を今更!つい先ほどまで殺し合いをしていた人間と同盟などとっ!」

向田

「フゥーッ。ちょっと君、黙っててくれる?」この娘はどうしてこう、短絡的なんだろうね?まだフェルやドラちゃんの方がまともに聞く耳持つよ……これも若さなのかねぇ。しかしここはまた、大人の対応だな。

関羽

「何だとっ?」

向田

「劉備には自ら望む世界があって、その世界に共感したからこそ、君達は劉備に付いていくんだろう?」

関羽

「当然だ」

向田

「その劉備が目指す世界が、今、まさに叶わぬ夢になろうとしているんだよ」

趙雲

「……我らが呉との同盟を拒否し、曹操と同盟したとして、桃香様の夢が消える確証はなかろう。怪性の者とやらの話も今一つ信用出来ん」

冥琳

「ほお……詭弁と思うか。では聞こう。貴様は曹操に付いた方が良いと考えるのか?」

趙雲

「……(困)」

冥琳

「自分で考えてもいない事を根拠に、我らの言葉を否定しないでもらいたいな」

関羽

「しかし!星の言葉も尤もな事ではないか!」

向田

「あのね。何度も言うようだけど、曹操は普通の状態じゃないんだ。そうじゃなければ俺達はここへ来なかったんだけど?」流石の俺も若干苛立ってきたぞ。

冥琳

「ふむ……お仲間はこう言っているが、諸葛孔明。お前はどうなのだ?」冥琳はクールな態度を崩す事なく、淡々と続ける。この辺りはやっぱり経験の違いを思い知らされるな。

諸葛亮

「怪性の者云々(うんぬん)は一旦置いておくとして……曹操さんの覇道の行き方を考えれば、残念ながら、周瑜さんの仰る通りになるでしょうね」

関羽

「何っ?どういう事だ朱里?」

諸葛亮

「曹操さんは己一( おのれ )人の考え、そして理想のみを正義とし、天下統一を押し進めていく英雄だからです。だから曹操さんが天下を取ってしまえば、桃香様の理想や夢は、霧散してしまうでしょう……」

劉備

「つまり、曹操さんは私のこと、認めてくれないってこと……?」

諸葛亮

「はい……」

向田

「曹操はそうだろうね。だけど俺達は違う……形がどうあれ、天下を統一し、民達か平和に暮らせる世の中が来れば良いんだ。だから……天下を2つに分ければ良い。大陸を二分して、孫策と劉備で治めれば、平和を実現する事だって可能だろう?」

諸葛亮

「天下を二つに分ける……そうか、そんな考え方もあったんですね……!」まあ、元の三国志の受け売りだけどね。

向田

「互いが仲良くやっていけるなら可能だろ?……呂布の件がなければ、俺達は仲良くやっていけてたんだから」

冥琳

「……だから考えて欲しいのだ。曹操に付くか。我ら呉形に付くかを。どちらについた方が、劉備の夢の障害にならないのかを……」

劉備

「……朱里ちゃん」

諸葛亮

「……はい。呉と同盟を組みましょう」

関羽

「朱里はこの二人の(げん)を信じるというのか?」

諸葛亮

「はい……想像してみたんです。私達が曹操さんに付いた時の事を。きっと……曹操さんは私達を受け入れてくれるでしょう。でも、それは曹操さんの夢や理想を実現させるための駒としてなんです。桃香様の理想や夢を認めたからじゃない……だけど周瑜さんの提案を聞いた場合、五分五分の条件が出せます。それだけでも不利じゃない」

趙雲

「五分五分の条件?」

諸葛亮

「私達だけで曹操さんと謎の敵には対抗出来ない。でもそれは呉の人達もそうなんです。呉の人達だけで曹操さんを倒すことは出来ない。だけど私達と呉の人達が手を組めば、戦力比は大きく縮まることになります」

関羽

「だから呉と同盟を結ぶと?」

諸葛亮

「はい。その方が桃香様の夢、私達の理想……そういった私達全員の想いを、実現出来る確率が高いですから……」

関羽

「ふむ……」

趙雲

「身を捨てて浮かぶ瀬もあれ、か」

冥琳

「天下二分の計。我らが互いに手を取り、大陸を二分すれば、闘いはなくなるだろう」

向田

「孫策だって好きで闘ってる訳じゃない……呉の民と平和と繁栄……それこそが孫呉の王、孫策の望みであり、俺達の望みなんだ」

劉備

「そしてそれは私達も同じ……力のない人々が笑顔で暮らせる世の中を作る。それが呉と協力する事で生まれるなら……私は呉の皆さんを信じたいって思う」俺と冥琳の話を聞いた劉備は、言葉をゆっくりと返す。一言毎にタメがあるけど、それだけ考えて話しているんだろう。

冥琳

「ならば決まり……と捉えて良いのですかな?」

劉備

「はい……呉と同盟を組みます。そして協力して曹操さんと、ついでに怪性の人達とかも倒しちゃいましょう!」う~ん。どっちかって言うと、曹操の方がついでになりそうなんだけど……でも当初の目的は果たしたから良しとするか。

関羽

「……分かりました。納得いかない部分も多々ありますが……」

趙雲

「今はそうも言っておれん、か」蜀の連中は渋々ながらOKって感じだな。

馬超

「おっ?どうするか決まったのか?」

張飛

「小難しい話を聞くと眠くなるのだ」

趙雲

「ふっ、決まったよ……呉と手を組んで曹操を叩くことにな」

馬超

「よっしゃ!」

張飛

「了解なのだ!」

慶子

「それじゃあ私達は……」

隼人

「ああ。ゼロ戦小隊を編成する」

向田

「……君ら、そんな物まで手配してたの?」

竜馬

「生憎、最新鋭の戦闘機って訳にゃいかんかったがな」イヤイヤ。この世界でゼロ戦って……充分常軌を逸してるよ。俺が言えたもんじゃないけど、こいつら何考えてんだ?

スイ

『あるじ~、お話終わった~?』おっ、スイやっと起きたか。

向田

「ああ。協力して白装束を倒すことになったよ」

スイ

『わ~い!スイもいっぱいビュビュッてやっつけるね~♪』それじゃあ、雪蓮達と合流しないとな。

 

 

 

~視点なし~

 

 同じ頃。前回語った通り、曹操軍を発見する有希と雪蓮達。

夏候惇

「華琳様っ!」

夏侯淵

「くっ……軍の先頭に立たせるなど、人質とでも言いたいのかっ、奴らはっ!」』

「そのようじゃの。輿を担ぐ役割の者以外にも、槍を持つ者が()る……逆らえば串刺しか」

蓮華

「あの者共を何とかしないと、闘う事も出来んぞ」

思春

「どうなさいますか?敵軍と対峙した時にあのままでは、勝ち目はありませんが?」

夏侯淵

「一応、親衛隊が控えてはいる。しかしどう出たモノか……」

夏侯惇

「……私が行く!」

有希

「行くって……どうする気だ?」

夏侯惇

「私達が突入して華琳様を助けてみせる!」

蓮華

「待て、夏侯惇。それが出来ないから我らの力を借りに来たんだろう。ムチャはするな」

夏侯淵

「いや……孫呉の力を借りられた今だからこそ、それが可能なのかもしれない」

雪蓮

「どういう事?」

夏侯淵

「敵の軍勢を牽制してほしいのだ。そうしてもらえれば、その隙をついて華琳様を助け出せる」

「敵軍を牽制して注意をこちらに向けさせれば、確かに可能かもしれませんが……」

思春

「……危険な賭けになるぞ?」

夏侯惇

「良い。華琳様は人質などという屈辱に甘んじる方ではない。もし賭けに失敗したら……」

夏侯淵

「その時は我らの手で華琳様を刺し殺し、私達もしぬだけだ」

思春

「……主君に殉じるか」

有希

「……その必要はないでしょう。みんな頼める?」

ドラちゃん

『応っ!やってやんぜ!』

ジョージ

『任っせといて!』

フェル

『うむ。我らなら一捻りだ』

プリウス

『サクッと片付けるっス♪』

有希

「話は決まりましたね。では打ち合わせに入りましょう」

亞莎

「分かりました。では……」亞莎が中心となって作戦会議が始まった。そして全ての打ち合わせが終わり、曹操救出作戦が開始された。

 

↓↓↓

 

 大軍を容れてもまだまだ余裕のある大平原。そこに布陣した呉魏連合軍。目の前には、白装束達が偉容*1を見せつけるように陣を構えていた。その数は呉と魏の軍勢を遥かに超えている。

 

「何て人数だ……?」

「兵士全てが白装束などと、悪趣味にもほどがあるのう……」

蓮華

「趣味の悪さはともかく……相手はこれほどの多くの魏の兵士を操る術者。油断は禁物だ」

雪蓮

「かなりの力の持ち主ってことね。だけど、それほどの力を持つ人間が、どうして私達の邪魔をするのかしら?」

フェル

『そんな事はどうでも良い……今は白装束を滅するために闘うまでだ』

有希

「イヤイヤ、曹操も救出するからね!?」

フェル

『フンッ。分かっておるわ』

プリウス

『ホントに分かってるんっスかねぇ?』

「……有希よ。しっかり手綱は握っといてくれ」

有希

「ハ、ハハッ(苦笑)それじゃ行くぞ、みんな……絶対に勝とう」

フェル

『フッ。無論だ』

ドラちゃん

『そういうこった。コテンパンにしてやるぜ!』

ジョージ

『ぜ~んぶ、やっつけるぞぉ♪』

有希

「ああ。そして闘ったあとは……」

プリウス

『みんなで勝鬨をあげるっス!』

蓮華

「うむ。では皆、配置につけ!天に掲げた孫の一字。その旗の下、雄々しく覇道を進むのだ!」こうして呉魏連合は白装束軍に立ち向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
いかめしく厳かな様子。重々しく、立派な姿




次回で曹操奪還を完結させたい……
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