とんでもスキルで真・恋姫無双   作:越後屋大輔

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蜀バージョンのその後の話やオリ作を書きながらだったのもあってかなり遅い更新となりました。楽しみにしてくれていた方々(居るのかな~?)にはお詫び申しあげます


第五十三席向田、曹操を救わんとするのこと④

雪蓮

「剛っ!?」

向田

「くっ……!」悲鳴にも似た雪蓮の叫び声を聞きながら、弧を描いて頸を狙う得物を、俺は咄嗟に手にしていたミスリルの槍ではじき返す。白装束兵の剣は普通に鉄製だったのか、弾かれた衝撃で、粉々になる。

蓮華

「無事か、剛っ!?」

向田

「あ、ああ、何とか……っ!」

蓮華

「良かった……っ!」安堵の吐息を漏らした蓮華を嘲笑うかのように、大勢の足音を響かせて現れた白装束兵達が、蟻の這い出る隙もなく俺達を取り囲む。こいつら、有希君とクィンテット相手じゃ敵わないと見て、俺達を標的に変えたんだな。きっと……

思春

「クソッ……あちこちからワラワラ涌いて出おって……っ!」

「キリがないのう。魔物よりは幾らかマシじゃが」周囲を見据え、得物を構えるみんなの横で

雪蓮

「……さないっ」震える声で雪蓮が呟く。

雪蓮

「許さないわよっ、あんた達はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!」

明命

「わっ!?しぇ、雪蓮様っ!?」

雪蓮

「私の剛に刃を向けるなんて言語道断よっ!あんた達全員、生かして帰さないからっ!」これまで見たことないほどの怒りを露にした顔になる雪蓮。これが鬼の形相ってヤツか?呆気に取られている俺にデミウルゴス様からの神託が聞こえた。

 

デミウルゴス

『ふむ。この娘ごならちょうど良かろう。今、そっちに聖剣を送るぞい』……え、えぇっと……デミウルゴス様?今何と?

蓮華

「剛、何を呆けている!?」大声を揚げた蓮華にハッとした俺が、何となくヤな予感がして空を見上げると雲を切り裂くように1本の剣がものスゴいスピードで下へスッ飛んできて、そのまま俺と雪蓮の間の空を切るように地面に突き刺さった。

冥琳

「……これはっ!?莫邪の宝剣!?」

蓮華

「春秋時代の呉に存在したという、あの剣かっ!」

雪蓮

「何だって良いわ、この際……」雪蓮は地面から剣を抜いて、白装束達を横一文字に凪払った。

雪蓮

「でぇぇぇーっいっ!」

白装束(モブ)

「ぐふっ……」白装束共は腹を切り裂かれその場に倒れると、ただの土くれに返っていく。

雪蓮

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ザマーみなさい下郎共」

向田

「おお、スッゲーっ。一気に50人ぐらい消し飛んだな」

冥琳

「ふっ、愛の為せるワザといったところか……だが見ろ。敵はまだまだやってくる」冥琳の言う通り、白装束共は尽きることなく俺達を襲ってきた。

白装束(モブ)

「御遣いは悪なり!」

白装束(モブ)

「御遣い死すべし!」

「喧し( やかま )いわ!バカの一つ覚えのような、同じセリフばかりぬかしおって!」

明命

「くっ……!奴ら、まだまだ増えていきます!」

思春

「何人来ようとも雪蓮様、蓮華様には触れさせん!」

「無論じゃ……行くぞ二人共!」祭さんの気合いの乗った声に明命、思春と共に、3人が腰を屈めて飛び出そうとした時───。

 

 ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン!風を切る音と共に何か弾丸らしきものが殺到してきた。ズキュン!ズキュン!ズキュン!音は拳銃のような爆音に変化して白装束にぶつかっていった。

白装束(モブ)

「ぐっ……!」

白装束(モブ)

「ぐはっ!?」

白装束(モブ)

「ひぐっ!?」爆音の先には矢が突き刺さった白装束の姿がある。有希君の弓矢が放たれていた。

 

有希

「向田さんっ、無事ですかっ!?」

スイ

『あるじを苛めたら、スイが許さないんだからね~』

ドラちゃん

『魔物はあらかた始末したぜ♪』

ジョージ

『あとはこいつらだけだなっ』

フェル

『我らに楯突いたこと……後悔するがいい』

プリウス

『覚悟するっス!』有希君&クィンテットもこちらへ合流してきた。更に強力な助っ人も現れた。

関羽

「蜀の勇者達よ!今こそ我らの力を天に轟か( とどろ )せる時ぞ!」

馬超

「勇を奮え!惰弱を捨てろ!我らの意地を貫き通せ!」

趙雲

「友が倒れればその屍を( しかばね )を越えよ

!屍を越えた数だけ敵の屍を踏みつけよ!」

張飛

「敵を喰らえ!味方を喰らえ!蜀の旗に逆らう者は、その全てを滅殺するのだ!」

関羽

「構えぃ!」関羽の号令に合わせて蜀の兵士達が一斉に抜刀する。

関羽

「突撃ぃぃぃぃーーーっ!!」

兵士達(モブ)

「応ぉぉぉぉぉぉーっ!」蜀のみんなが駆けつけてきてくれた。ところであの手の号令って普通、大将が率先して掛けるよな。劉備は何してんだろ……?ま、あのホンワカ娘にゃあんな力強い号令は似合わないか。

 

向田

「劉備の旗だっ!あいつらもきてくれたのかっ!」

雪蓮

「今こそ反撃の好機ね……思春、明命!蜀の兵と呼応して逆撃するわよ!」

思春

「はっ!」

明命

「はいっ!」

「うむ、腕が鳴るわい!」

雪蓮

「蓮華、号令を!」

蓮華

「はい、姉様……!孫呉の勇士達よ!援軍の来た今こそ逆撃の好機ぞ!今こそ起つのだ!剣を構えよ!矢をつがえよ!我が軍はこれより逆撃に移る!」

雪蓮

「全軍突撃ぃぃぃぃーーっ!」こうして蜀呉連合(呉蜀(ごしょく)と言わないと冥琳は怒るが)は白装束を蹴散らしにかかった。

竜馬

「俺達も忘れんなよ!」

隼人

「ふっ……まさかこいつも駆り出すことになるとはな」一瞬、雲が出たかと思い空を見上げると

向田

「何だありゃ!?」影を作っていたのは雲ではなくて、なんと3機の零戦隊だった。

慶子

「爆雷投下!」地面に落とされた爆雷は白装束を次々に屠っていく。于吉は残った僅かの手勢と共に逃げようとしたがさっきの少年がそれを阻み、棍棒で思いっきり横腹を叩きつける。

于吉

「ギャーーーー!」忽ち于吉は何処かへと吹っ飛ばされて俺達の視界から消えていき、白装束も地面に吸い込まれていく。

 

~視点なし~

 

夏侯淵

「見ろ、姉者。敵が消えていくぞ」

夏侯惇

「ああ。孫呉の勝利だな……あの劣勢をあっという間に覆すとはな」

夏侯淵

「本当に敵に回さなくて良かった、な……」

夏侯惇

「認めないワケにはいかないだろうな。少し悔しくはあるが……」とはいえこちらは伝説の魔獣であるフェルに元々は選ばれし勇者として、この世界に転移してきた有希をはじめとした無敵集団である。元より並の人間が敵う相手ではない。

夏侯淵

「そうだな。だが華琳様を無事助けられたのだ。良いではないか」

夏侯惇

「うむ……ところで華琳様は?」

典韋

「まだお目覚めになりません……もしかすると一生このままなんじゃ……」

夏侯惇

「馬鹿なことを言うなっ!華琳様ともあろうお方がそんなことがあるハズなかろう!」

典韋

「そ……そうですよね。すぐに目を覚まして下さいますよね?」

夏侯淵

「ああ。きっとな」

許緒

「でも……華琳様、スッゴく可愛い顔で寝てますねー。なんだか赤ちゃんみたい」

李典

「ホンマ可愛らしい寝顔やわぁ……」

于禁

「……こういう顔されちゃうと、思わずプニプニしたくなるのぉ……プニプニ」

許緒

「……プニプニ」にこやかに曹操の頬を指で軽く突く于禁と許緒を夏侯惇が嗜める

夏侯惇

「や、やめんか沙和、季衣」

曹操

「ん……んん~~……」曹操は軽いうめき声上げる。どうやら目を覚ましそうな様子である。

夏侯惇

「え……っ!?か、華琳様っ!お目覚めくださいっ!」

曹操

「んん~~……何よ、春蘭……少しうるさいわよ」

典韋

「華琳様っ!」

夏侯淵

「華琳様っ!目を覚まして……っ!」

曹操

「もう!うるさいわよっ!」今度こそはっきり目が覚めたようだ。

夏侯惇

「あ、ああ……華琳様ぁ……(ウルウル)」

曹操

「え?……あら。どうして泣いてるの、春蘭」

夏侯惇

「ご無事で……良かった……」

曹操

「無事で良かったって……春蘭は一体何を言ってるの?」

夏侯淵

「華琳様は妖の者に操られていたのですよ」

曹操

「私が操られていたですって?」

楽進

「そうです。覚えていらっしゃらないのですか?」

曹操

「覚えてないわね……いいえ……朧気(おぼろげ)ながら思い出してきたわ。確か春蘭達の敗退の報を聞いて、出陣の号令を出そうとした時に桂花が来て……そこから記憶がないわね」

楽進

「やはり……」

曹操

「何?」

夏侯淵

「……凪達の話ではこの件に桂花が絡んでいると」

李典

「あいつも妖に操られとるみたいや。んで、華琳様に妖術を仕掛けて……」

曹操

「……でしょうね……私の身近な者を利用するなんて。汚い手を……その于吉とかいう奴、見つけたらただでは済まさない」

許緒

「ホントですよ!ギッタンギッタンにしてやらないと!」

夏侯惇

「ああ……っ!その時はこの私が華琳様に成り代わり、ギタギタのメタメタにのしてやる!」

曹操

「ふふっ、頼もしいわ春蘭。その時はしっかり頼むわよ?」曹操は信頼のおける配下にのみ見せる笑みを浮かべ夏侯惇を鼓舞する。

夏侯惇

「はいっ!」

夏侯淵

「……と、華琳様が大好きな子犬が尻尾を振ってじゃれついてますが、至急、現状の報告をさせていただきます」

夏侯惇

「だ、誰が子犬だっ!?私には尻尾なぞついておらんぞ!」

曹操

「春蘭、黙って」

夏侯惇

「あぅ……すみません……」

曹操

「それで報告というのは?」再び真面目な面持ちで尋ねる。

夏侯淵

「はっ……華琳様を操った于吉と桂花は魏の兵士達をも操り、呉との決戦に望みました」

典韋

「結果は呉と、戦いの最中に同盟を結んだ蜀との連合軍の勝利です。ただ……」

曹操

「ただ、何?」

夏侯淵

「華琳様を救うために、我々は呉の御使いの手を借りることになってしまいました」

典韋

「彼らが敵の軍勢と正面からぶつかって兵の注意を引いている間に、我々が突入して華琳様を助ける……そういう作戦で……」

曹操

「この私が、結果的に刃を向けた相手に助けられた……ということなの?」

夏侯淵

「……御意」

許緒

「で、でもでも!華琳様が戻っていらっしゃったんですし、約束なんて反故にして、反撃しちゃってもいーんじゃないですか!?」

曹操

「……それは出来ないわ」

許緒

「ほえ?で、でも……」

曹操

「この曹孟徳。恩を受けた相手に対して礼を失するようなことは出来ない」

夏侯惇

「華琳様……」

曹操

「命の恩人に向ける刃も持たない……もう闘えないわね」

夏侯淵

「……どういたしましょうか」

曹操

「これは最早、天命が私から去ったと見るべきでしょう」

程昱

「……天は覇王ではなく、均衡を求めた。そういうことでしょうか」

曹操

「天意など最早知らず……天が私を求めないのならば、私も最早天を求めず、よ……」

夏侯淵

「……我らはこの大陸を脱し、新しき天が広がる大地を目指す」

程昱

「新しい天の土地……新天地ですか」

曹操

「ええ……天は大陸だけにあらず。大陸の天を孫呉と劉備で二分するというのなら、私は違う天を独占して見せましょう。西方、東方……天は果てを知らず、よ」この大陸を去る決断をした曹操。そこに白髪を角髪(みずら)に結び、ナゼかマイクロビキニを身につけた何とも奇妙な老翁が、音もなく突然現れた。

??

「では儂が先導仕ろ( つかまつ )う。貴君を新たな外史の礎とするために───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここから先、エンディング手前までは無印がベースになると思います。

本編が終了したあと、追加話を書くかもですが「こんな話が見たい」なのはありますか?候補は次の通り

  • 月と詠に再会した呂布と陳宮の話
  • ゴン爺に出会う雪蓮の話
  • 呉vsルバノフ聖王国の話
  • 有希の三体目の従魔の話
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