がっこうぐらし!RTA_ヤンキーちゃんで覚醒特殊エンド 作:どけどけうに
一瞬の出来事だった
その日、私は生まれてはじめて、死というものを間近に感じた
高校も3年生になり、元々勉強は出来た方だった私は、真面目にコツコツ授業を受けていたので、単位も落とすこと無く、学校も少なくなった授業と園芸部の菜園に顔を出すくらいだった。
その日丁度るーちゃんの、妹の小学校の送り迎えに来ていた時だった
姉妹揃って、というか、私も活発な方ではなかったので、妹もかなり大人しい方だった
最近自由な時間が多く取れているためか、高校三年生ということもあって、進路について考えることはあれど、どうしても余裕を感じられずにはいられなかった
この後るーちゃんを家に連れ帰ったらどうしようか?
夕飯の買い物を済ませてしまおう、1度園芸部に顔を出すのもいいかもしれないし、何なら帰り道に少し寄り道でもしてしまおうか?
そんな風に、るーちゃんと手を繋ぎながらぼうっと考えていた
今思えば、それは油断だったのかもしれない。
急にるーちゃんが走り出してしまった、風で帽子が飛ばされてしまったのだ
ぼーっとしていたためかワンテンポ遅れて止めに行こうとした
視界の先の光景に、全てを奪われていた
帽子が飛ばされた方角は車道
クラクションを鳴らす車に当たる寸前だった
一瞬、後悔と喪失と恐怖が入り交じった感覚が、私を支配した、凍ったように体が動かない
まるでその先に何があるのか、わかってしまったようで、心臓が冷たい何かに、握り潰されるような感覚を覚えて
「しゃらぁぁぁぁ!」
瞬間、雄叫びと共に何かの影が私を掠めていた
受け入れられない、しかし起こるはずだった惨劇が、私の前に起こっていなかった、
2転3転する現場に何が何だかわからないまま、ゴォン!と鈍い音がする後ろを、釣られるように振り返った、
「いっっだぁ゙...くっそ、アホガキ......」
余りにも衝撃的な体験だったのか、1秒事がまるで写真のように焼き付いていた
悪態をつきながら倒れ込む女性は、背中まで伸びた長い髪の茶髪、顔立ちはマスクをしているものの、キツめではあるが大人びて整っているのがわかる、上からスカジャンを羽織っているが、自分と同じ学校の制服なのがわかった。
「おい、ガキンチョ、どっか痛いかぁー?」
「((・・。)(。・・))フルフル」
先程のそれで、強く背中を打ったのか、少し怠そうな声でるーちゃんにきいた
るーちゃんは、ぽかんと口を開けたまま、その女性の胸の中で、首を横に振っている
かく言う私も未だに口が塞がらなかった
るーちゃんが生きている
「...るーちゃん......
るーちゃん!」バッ
マスクの女子から出て来たるーちゃんを、気づけば抱きしめていた
るーちゃんはまだ小さい子供だ、大切な家族なのだ
私が、もっとしっかり周りを見ておけば、くだらない事を考えていなければ
取り返しのつかない事になっていたかもしれない、一生苦しむような事になっていたかもしれない
心がえぐり取られる寸前だった
先程のそれが現実にならなかった事に震えて、安堵して、泣いていた。
「よかった...よかったぁ...うぅ...」
「りーねぇ...うー」
「...次はちゃんと見とけよ?おっとり女」
そう少し微笑んで呟いて、その人はどこかに行ってしまって、私はるーちゃんと一緒にそのまままだ倒れ込んでいた。
その後、警察との軽いやり取りをして、パトカーに送られて無事2人で帰宅した、るーちゃんと一緒に両親に怒られたが、いつもより我が家のありがたさが身に染みた、本当にこれから気をつけなければ、姉妹揃って顔を見合わせてそう思った。
卒業する前に助けてくれたあの人に、お礼を言わないと、同じ学校でよかった。
背中を打っていたようだから、何かその分も返さないと行けない
もうあんなに死と恐怖を感じる事はそうそうに無いだろう
りーさんに怒られたい人生だった