がっこうぐらし!RTA_ヤンキーちゃんで覚醒特殊エンド 作:どけどけうに
いつまでかかるかわからない亀更新ですが見ていただけると幸いです
初投稿です
耳に纏わりつくような、断末魔のような悲鳴が浮島さんの言葉を遮った
さっきまでの睦まじい空気を壊すには充分だ
「ヒッ......な、なに?」
「...めぐねぇ、今の悲鳴のあげ方は」
「そうね、浮島さん」
普通じゃない、ここにいる全員が声だけで理解出来るほどに
「先生が見てきます、2人はここを離れないで」
「待った!、今の悲鳴が普通じゃないのはあたしらにも理解出来る、1人にならない方がいい気がする...もし行かせちまったら、あんたに何か起こるような、そんな気がする」
「1人にしないで?!...教室の外、凄く、物凄く怖い気がするの、なっちゃんもめぐねぇも、離れちゃ嫌ぁ」
そう、私と浮島さんの袖を掴むゆきちゃんの手は、小刻みに震えていた
他の先生方も今日はもう少ないし、確かに、現状で離れ離れになる方が危険かもしれない
「わかりました...もし何かあったら先生の誘導に従う事、いいわね?」
教師として生徒の安全を守る、私がやらなければ行けない事は明白だ
無言で頷く2人を背に、廊下へ出た
ーーーー
「クソが、なんなんだ...」
最初に声を上げたのは浮島さんだった
やっぱり、聞こえた悲鳴はただの悲鳴じゃなかった
断末魔そのものだったのだ
「い゙あぁ、あぁぁぁぁぁあ」
痛みにもがき苦しみ白目をむきだした生徒を押さえ付けるように何かが複数群がっていた、顔を歪める生徒の腹から何か伸びているのも見えた
グチャグチャ、グチャグチャ、グチャグチャと粘り気のある音がする
体液と肉が混ざりあった、咀嚼音だと気づいた
「「ア゙ー」」
群がって押さえつけているソレらは、人の形をしていた
「た、タスケ、ア、ア」
壊れたように口から泡を吹く生徒の腹は、内蔵が飛び出ていた
「何...コレ」
理解が出来なかった、いや、頭が理解するのを拒んでいる、理解しては行けない
鼻をつく腐臭は血の匂いが混ざっている、先程まで叫んでいた生徒はこと切れた人形のように動いていない
人が人を食べている
地獄だ
「うっぷ...うえぇ」
「...…いや、やだ、やだ、やだ」
浮島さんが吐き出していた、ゆきちゃんもその場にへたり込む
思考がおいつかない
あの生徒は無事?、確かめるために何をする?、あれは何?、何をして、私は何処にいるの?、夢なの?、じゃあ体で感じるこれは、怖い、嫌、ダメ、どうすれば、違う違う、今は、どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう考えて考えてどうしようどうしようどうしよう考えて考えて考えて考えて考えて考えてどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうシヨウどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうシヨウカンガえてカンガエテ
「めぐねぇ!」
「ア゙ー」
「!?、ヒ...」
ゆきちゃんの叫び声で僅かに正気に戻った、群がっていたソレの1つが、1番前にいた私に迫ってきていた
所々爛れている肌、生気のない目、口からはダダ漏れの体液、この世のものとは思えないおぞましい姿だった
放心していたからか、まるで目の前に急に現れたかのような感覚と、目の前のそれの醜悪さが恐怖に拍車をかけていた
なんとか距離を取ろうとしても体が石になったように動かない
「あ...いや」
もはや何の感情も乗せていない瞳と目が合ったような気がした、ただただ濁っただけの眼球は蛇に睨まれたようで、ただ命の危険とは別の、得体の知れない恐怖が私の心臓を精神腐らせようと侵食してくるのがわかった
「だぁぁぁ!」
体にソレの1つが触れるか否かの瞬間、横から弾丸のように影が見えて、ソレは壁に激突し転倒した、胃液と黒々とした体液が口から漏れ出ているソレは痙攣して立ち上がる素振りは見せていない
「無事か?!」
それが浮島さんだとすぐにわかったのは、私の生存本能が働きかけたのか、1周まわって放心状態から抜け出して冷静になったのか、はたまた両方かわからない
助かった、と意識した途端、死にかけたという恐怖と、はやくここからみんなを避難させないとという意志が体に駆け巡った、けれど反発しあうような2つの感情が体の中でごちゃ混ぜになって、頭が働かない
どうする?、まずは何を
「...早く行こう、やばい」
呟くように言った浮島さんの顔は正常とは言えない、顔面蒼白で今にも倒れそうだ、そう、避難だ、ここは離れなければ
「行くって、どこに?」
「...あぁ、あ」
引き攣ったような声で返すゆきちゃんの言葉に、浮島さんは返せていない、彼女もまた現状にギリギリなのだ
先程からそこらじゅうから悲鳴やうめき声が聞こえてきていることは、ここにいる全員がわかっていた
学校中がこの有様なら、人が1番多く出入りする1階は危険、仮に出られたとしても校外も同じ状況のはず
火事場の馬鹿力なのか、思考が一気に回り出す
校内でかつ安全を確保できる場所へ行くべき、職員室は、きっと同じ事になっているはず、体育館も、ダメだ広すぎてまず絶対に侵入されてる
出入口が1つで、なおかつまだ侵入がされていない場所
1階のそれより、まだ2階は悲鳴は聞こえてきていない、少なくとも周囲にそれらしいものは目の前のそれらしかいない、なら...
「...屋上へ向かいましょう」
捻り出すような声でそう告げた、2人は教室から出る時と同じように無言で頷く、ゆきちゃんに手を貸して立たせて階段を急ぐ
私もゆきちゃんも浮島さんも、自由のきかない足で屋上を目指した、恐怖という感情がこれ程までに体に機能する現状を、いつ内側にまでおよぶかも知らずに、ただ目先のせいに向かって、上へ上へと登っていた
「がぁ、ぁぁぁあぁぁあ!」
ただそれは天国への階段ではないのは確かだった
生徒がまた、食べられていた、生きながら
先程よりも生気を宿したその顔で
生きたいと手を伸ばす
助けてと手を伸ばす
痛い痛いと手を伸ばす
「もうやだぁ、もうやだぁ」
「あ、クソ、クソ、あ゙ぁ」
「...」
2人の顔がいっそう酷くなるのがわかった
私まで叫ばずに居られたのは、2人を生かしたいと思ったのか、ただの生存本能か、それとも教師としてのちっぽけなそれか
目の前のそれに、薄情さを超えた何かが心にのしかかるのは当然だった
ただ、思考が止まらずとも肉体まではそうはいかず、その場に張り付いたいたのは変わらなかった
「ア゙ー」
ゆきちゃんの近くにソレが近づくことを許してしまう
「ゆきちゃん!」
「!」
「うあああぁぁ!」
叫んだのはゆきちゃんではなく浮島さんの方だった
さっき私を助けてくれた時よりも無理矢理に、己を鼓舞するかのように、自分の内側を爆発させるが如く叫ぶと同時にソレに体当たりして、階段の下へと吹き飛ばしていた
「はぁ、はぁ、はぁ」
下から起き上がってくる気配は無く、浮島さんは体制を崩したままだ、肩で息をして目の焦点もあっていないように見える、限界だ
焦る気持ちとは逆に体は動いてはくれない
「あ゙ー」
だけど待ってなんてくれない、待つなんて意味をソレは知らない
浮島さんの後ろにソレはいた
「だ...め......」
もう何度目かわからない、死の恐怖と、惨劇の予兆
私を、佐倉慈という存在を支配するのはそれだけで充分だった
体に力が入らない、脳が回らない、息ができない
何も、出来ない、感じられない?
「..!?、ちくしょう...」ギュッ
「……やだよ...やだ...」
浮島さんがせめてとゆきちゃんを抱きしめて庇っている、けれど肝心のゆきちゃんはもう動く気配は無い
ゆきちゃんの小テストで満点を取った時の嬉しそうな顔が、
浮島さんの不器用にそっぽを向く照れくさそうな顔が、
場違いな程に鮮明に頭を過る
「ダメ!」
ドンッ
もう何度目かわからない、死への恐怖
緊張も殺気もない、ただのなし崩しの突き飛ばしが、2人を救った、体が勝手に動いたとしか言えないそれは、確かに窮地を救った
「しっかりして!」
ここにいてはまずいと呼びかける本心に体を預けて、ゆきちゃんを再度引っ張り起こし、浮島さんに肩を貸し、屋上へ向かう
この階段は天国へ向けたそれでもない
断頭台へ向けたそれだと考えたくもない
悪夢が現実になる感覚は、私たちを蝕んでいた
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RTAチャートと噛み合わない部分は、次のキャラ視点でしっかりと補填しますのでご安心を、次は僕らのお嫁さんのくるみちゃんです