ダンジョン攻略していたらいつの間にか魔王に雇われていた件   作:とあるスライム好き

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驚愕の存在

地下に広がる岩造りの通路。

そこに響く金属音。

しかしその音は無限に続くわけではない。

今までで一番大きな金属音が響いたあと、その音は止んだ。

そして暗闇から返り血と思われるシミのついた服を着た男が出てきた。

 

 

 

ふう疲れた。俺はその能力の性質上狭い通路が苦手なのだ。

こんな狭いところで岩を元のサイズに戻してみろ。俺が死ぬ。

これが実は、俺がダンジョンが中々攻略出来ない理由だったりする。

だけどそれももうじき終了する。

俺が今いるのは第十九階層。

 ボス部屋のある二十階層はそこのボスであるエビルムカデのもともとの生息地である「封印の洞窟」に似た環境になっている。「封印の洞窟」というのは竜種である「暴風竜 ヴェルドラ」が入っても問題ない広さを有する巨大な洞窟だ。

そのため、そこをモデルとしている二十階層は広いのだ。

そして広いと言う事は俺も満遍なく本気で挑める。

そうこう考えている間に次の階層へ行く階段を発見した。

 

「ようやく見つけた」

 

かつて一度だけおりた階段だ。

なんだか変な気分だな・・・

いやまあそんなことはどうでもいい。

さっさとリベンジしに行こうじゃないか。前は負けたが今度は勝つ。

その思いを胸にひめ俺は階段を降りていった。

 

こうして二十階層へ来た俺だったが、ついて直ぐ違和感を覚えた。

壁に何やら溶けたような跡があったのだ。

ただ、そこではまだあくまで違和感のレベルであった。

 ここ二十階層はⅭランクの冒険者でもチームで来れば比較的簡単に来ることができる。

チームでなら簡単というのなら何故そうしないのか?と思う人もいるだろう。

答えは簡単。性に合わないのだ。パーティーを組んでも長続きしない。

 まあそんな俺のボッチなことは置いといて、となればその冒険者たちの仕業であるということも考えれるからだ。

だがそれも、俺の無意識のうちの現実逃避だったのかもしれない。

実は、俺の頭にはその溶けた壁を見た時からある魔物が浮かんでいた。

しかしそれを理性が拒んだんだ。そんなことはあり得ないと。

だが ボス部屋に近づけば近づく程、俺の違和感は現実のものとなっていく。

 それが完全に確信に変わったのはまるで毒物によって溶かされたかのようなボス部屋の扉を見た時であった。

ウソだといってくれ。あってほしくない。心からそう思った。

ただ現実というのは残酷だな。

 中の状況を確認しようと溶けたボス部屋の扉から中を覗いた俺の目に映ったのは、俺の盗伐目標だったエビルムカデをまるでオヤツの様に食い殺す、ここにいるはずのない第四十階層のボス。「封印の洞窟」の守護者として恐れられていた嵐蛇(テンペスト・サーペント)の姿だった。

 

 

 

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