TS 盾役従者は勇者に付いて行けるのか?   作:低次元領域

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更新間隔もっと短くしたいゾ
それはそうと、体に気を付けて毎秒更新しろとか書くと規約違反で削除されるらしいっすね。泣きました、許してください


8.オークより怖い

「初めまして。私リバユラ王女の侍女長をしております、スティアナと申します。本日はテオ様の採寸を務めさせていただきます」

「あ、どーもよろしく……お願いします」

 

 キンキラ装飾が施され、窓には曇りが無し。埃一つ感じさせない程整った部屋の中。

 スティアナさんはペコリ俺に一礼をした。

 

 ……てっきり職人の下へ連れてかれると思ったんだがなんで姫様のお付き人が居る部屋に通されたんだ?

 というかここお城の中じゃねぇか。部屋が広いし落ち着かねぇ……マジでヤシドは後でボコる。

 

「……肌着までで?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 スルリ、と……何度脱いでも見下ろしても性的興奮を覚えることは無い体を差し出す。

 あぁ、胸がデカかったらきっと揉むだけで一日を潰すことが出来るほど楽しめたろうに。神よ、どうしてこんな楽しみのない体にしたのか。

 

 ……ふとももとかはどうだろうか、自分の体だと思うから微妙だが意識を薄れさせれば……。

 

「な、なぁ……ここまできっちり測らないとだめなんですか?」

「はい、申し訳ありませんが今しばしお待ちを。さぁ胸を張ってくださいませ」

 

 スティアナの指示で他の侍女が動く。肌着の上から巻き尺を押し当てる。

 次は胸の下、腹へと。様々な部位を測り、紙に記入していった。

 

 少しの息苦しさと恥ずかしさ。いくら女性になったとは言え同じ女性(推定50歳前後)に見られるのはちょっと……。

 

「う~恥ずかしいな……せめてもうちっと立派な体してりゃ胸張れるんだが」

「またまたご謙遜を。旅立たれて少しとは思えぬほどですよ」

 

 そう独り言を零せば、侍女さんは口元をニコリとさせてフォローする。

 ……はぁ、こんなんなら男に見てもらった方が気が楽なんだが。

 

 露出プレイの気はないんだよ俺は。

 

「はは、ありがとうございますー……もう少し大きくしたいんだけど」

「ふむ……? お肉(筋肉)の話でごさいますよね?」

「お肉(胸)だけど?」

 

 ……うんだめだ。表面は柔いってのに掴めば思いの外筋肉があってげんなりする。

 こう、女体ってのは触ったことないがマシュマロのごとき柔らかさと聞く。

 はぁ、一度触ってみたいもんだ。……勧誘はだいぶ先の話だけど、エーナちゃんが来たら同性だし触らせてもらおうか……杖でぶん殴られそう。

 

「……つかぬことをお伺いしますが、普段はどのように鍛えられていらっしゃるのでしょうか?」

 

 骨盤、太ももの太さなどを測っている内に、侍女さんが話題の為か尋ねてきた。

 トレーニングの内容……純潔の盾、あれに魔力通して巨大化、硬質化させてダンベル代わりにしてるとか言ったら怒られそう。

 でも手軽に用意できる重りとして優秀なんだよな……。ついでに魔力使うから魔力総量を増やすためにも使えるし。

 

 ……でも、こんな地道な特訓より、穴の中で魔力浴びながら戦闘重ねた方が伸びるんだよなぁ……。

 

 冒険小説とかで読んだ、レベルアップって奴に似てる現象だ。

 あっちは一定のラインまで溜めなきゃ成長しないらしいが、こっちは常に更新されるぜ。

 まあゴブリンの穴とかじゃ碌に強くなれんが。

 

 聖剣や魔槍持ちは何が原因なのか知らんがこの伸び率も高い。いやほんと羨ましい。

 

「といってもまだまだ始めたばかりで……重りを用い、一回の負担を大きくしております」

 

 まだそれやり始めて数日しか経ってないから変化出るわけないけど。

 今の筋肉はアレだ。酒場で鍛えられた方の筋肉だ。酒樽持ったり大量のジョッキ持ったりしてるうちに自然に鍛えられた。

 

 あと女性にモテるには鍛えるといいと聞いて、しばらく鍛えてた時期もあったからな。

 結局、あの村で出会いなんて無さ過ぎて半年で辞めたけど。

 

 ……こっちの世界の俺もそんな理由だったんかね? わからんが。

 ここはちと不便だな。村に戻った時、差異が出ちまうかもしれんから迂闊に戻れねーな。

 

「左様で……はい、お待たせいたしました」

 

 そんな考えをしているとようやっと採寸が終わった。

 スティアナさんは紙を何枚か複写、うち一枚を俺に渡してくる。

 これでここ以外で防具を作る時も採寸の必要性が無くなるだろうという気づかいだろうか。ありがたい。

 

「ありがとうございます……ではこれをどこへ」

「いえ、鎧師への手続きは我々にお任せを。テオ様はごゆるりと……」

 

 あらそうじゃあ自分の数値でも眺めて……うーむBのでかさもないか。まじめにお子様体型過ぎるぞ。

 前の俺が用意したであろう旅の荷物にタンクトップしかねーなとは思ってたが、こら必要ねーわ。

 

「そうですね……出歩くものも持ち合わせておりませんし、暇を──」

 

 で、なに? ごゆるりと?

 いやー……採寸で精神力削られたし、もう出かける気力湧かねーわ。それにヤシドと離されたせいで荷物もアイツ持ちだし。

 流石に食べ歩きするなら普段着になりたい。万が一のため盾はともかくとして。

 

「──今、お暇と申されましたか!?」

 

 ……そう言い切ろうとして、言葉に詰まった。

 突然部屋の扉が強く開かれ壁に当たり、大きな音を立てたのに驚き肩を震わす。

 

 耳に届くのは酷く懐かしい声。柔らかい風を感じさせる綺麗さと、確かな強さを思わせる、芯の通ったハリのある声。

 

 振り向けば……俺の心が素晴らしいと手を叩くほどの発育の暴力。

 それを包み隠さず魅力として昇華させるために整えられた、煌びやかなドレス。

 勇者の聖剣の光を想起させる、綺麗な金色の髪。

 

「……これはこれは、リバユラ王女。お久しぶりでございます」

「ええ、久しぶりですね。また会えて大変喜ばしいことです」

 

 この国の王女様にしてやがて勇者と婚約するお方。リバユラ・メイクーン様がそこに居た。

 ……いや、なんでいるのさ。しかも後ろに他の侍女まで連れて。

 

 待ってくれまだ肌着の上からシャツ一枚しか着てないんだ距離詰めないでせめてズボン履かせて!

 恥じらいが大事だと思うんですよ乙女には、これ仮に俺が男だったら絶対そんなことしませんよね、当たり前だけど! 

 

「リバユラ様!? 一体どうされましたか、今は勉学の時間のはずでは……」

「……ご苦労様です、スティアナ。折角勇者様方が王都にいらしているのです、その歓待もまた姫の仕事。……それに比べたら些細なことでございます」

「……つまり、勉学をおさぼりになられた訳ですね?」

 

 おおう、眉をひくひくとさせて少しお怒りになられているぞスティアナさん。

 姫を止められなかった方の侍女はスティアナに向かって頭下げまくっている。力関係がすぐ分かる光景だな……。

 

 その間にもリバユラ様は距離を詰め、手を伸ばせば届くほどにまで近づいてくる。

 な、なーんか俺が知ってるリバユラ姫さんと様子が違う。眼も口も笑っているはずなのにどうしてか、獲物として見られている気がする。

 

「ふふ、お説教はまた後で……そしてテオ様……いえ、テオちゃん?」

 

 テオ……ちゃん!?

 

 そんなの生まれてこのかた呼ばれたことないんだけど!?

 困惑している間に、リバユラ姫の手が俺の髪を撫でる。梳く様に緩やかに、姫のか細い指が引っ掛かるたびにむず痒い感覚がする。

 

 近い、顔近い! ご褒美だと思えるのになぜか怖い!

 

「な、なんでございましょうかリバユラ様」

「あら、つれないお言葉……前も申したでありませんか……様付けも、その話し方もよしてくださいと。私とあなたの仲ではないですか」

「そっ、さっ左様でございましたか……ましたね……だな」

 

 そうなんですか!? 少なくとも男子テオ君の記憶にそんなことはございませんねぇ!

 こっちの世界の俺どんな話した。どう考えても二日以上は会ってるはずがないのにぐいぐい来てるんだけど!

 

 あ、あれだ多分俺の事だから女性としての立ち位置を利用して姫様とお話をよくしたのか。それでこの時期だと姫様がレズだと知らねぇからな!

 ……あれ、それで姫様から見たら俺って同好の士?

 もしかして……目を付けられてます? こんな見た目なのに。

 

「ふふふ……本当に可愛らしい」

「そ、そそっそそんなことないです……ないって」

「いえ、お世辞ではありませんよ?」

 

 ひいっ、あのその……ほんと近づかないで……綺麗な女性にここまで顔近づけられたことなんてほとんどないから変な汗が。

 勘弁……マジ勘弁。顎クイとかしないで……心が乙女になる。

 

 ……なるな。お前は男だ。そうだそうだグヘヘ姫様相変わらずお胸大きいしですねグヘヘ。

 そして綺麗なお肌で……柑橘類の石鹸でも使ってらっしゃるんですかいい匂いしますねグヘヘ。

 グヘヘ……そのやっぱ刺激が強すぎるのであと1メートルぐらい離れて……。

 

「コホンッ!」

 

 蛇に睨まれた蛙の如く固まっていた俺を現実に引き戻したのは、スティアナさんの咳払い。

 はっと気が付きさっさとズボンを履くため距離を取る。履いた。ありがとうスティアナさん。

 

「……それで、リバユラ様? 歓待とは一体何のお話でしょうか。勇者様とテオ様には本日王宮がおもてなしをさせていただく予定でございますが」

「ええもちろん、そちらでも勇者様たちをおもてなしさせていただきますが……何分、テオちゃんと約束がありますから」

「──約束?」

 

 ……約束?

 はてそんな覚えがないのだけれど。

 

「はい、今度お時間があれば……私自らが王都を案内する……と。そうですよね、テオちゃん?」

「……はい?」

 

 ……えっ?

 なんですかそれ。お姫様直々の王都案内……なんで?

 

「ほら、この通りテオちゃんもはいと言っております。あぁ護衛は最低人数で問題ありません、なにせ……勇者様の盾がいらっしゃるのですから」

 

 俺が聞き返した言葉をいいように扱い、手を取る姫様。

 また顔が近い。宝石の様に煌めく深みに吸い込まれそうになる。

 

「この前はお忙しさで断られてしまいましたが、今日は色々な場所に行きましょう……ね?」

 

 

 

「……ひゃい」

 

 ……記憶の中の勇者へ、お前のお嫁さん(予定)に食われそうです。

 助けてください、お前の嫁だろ早く何とかしろ。

 




 TSしたからには、綺麗な女性キャラに狙われるイベントがあってもいい。心の中の男が叫ぶんだ。
 

~世界観説明~
・レベルアップ?
 この世では穴に潜り活動を続けていると体が強くなっていく。見た目はあまり変わらない辺り、質が良くなっているのだろうか。
 瞬発力や腕力だったり。個人差は多少あれどそうすることで冒険者として成長するのである。
 当然過去のテオもこの方法で強くなろうと努力したが、聖剣や魔槍もちの二人の方が成長率が高く置いてかれた。

~オリキャラ紹介~

・リバユラ・メイクーン
 メイクーン家の王女様。
 BL好きの素質があるが、この世界では「男勝りな口調、女体好き」なテオと出会っているため覚醒の兆しは程遠い。
 少し昔に侍女に手を出そうとした結果、周りの人を年増で埋め尽くされた哀しい過去を持つ。
 執事はむしろイケメンを揃えられている。親はノンケに目覚めさせたいと願っている。

 なんだこいつ……(作者)

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