商人の家に匿われた私達はそこで食事をとっていた。目の前でこちらを見てくるのは私が昔から使っている商人の『ランドレス』。主に死体の調達や奴隷を売っている、いわゆる闇商人という奴だ。
「しかしローレンスの旦那、厄介な事になりましたな」
「ああ、王は王女を殺させないために私に預けてくださったのかもしれない」
隣の部屋では自分の両親が殺されたとも知らない王女がライラと楽しく話していた。
「これからどうするんですかい?行く当てもないですよね」
「確かにそうだな」
「それならあそこはどうですか?旦那の国と敵対している国ですよ」
「オーロス王国か」
あそこは金と力さえあれば生きていける国、我が国よりも奴隷が多く、スラムに行けば強姦は当たり前になっている。あそこはクズが集まった国だと私は思っている。だが仕方がない、私を受け入れてくれそうな国はあそこしかない。
「行くか」
「分かりやした。旦那の案内は私がさせていただきます」
私はライラと王女を連れてランドレスについて行った。関所を裏の道から行って抜け、オーロス王国に入るときに門番に止められたが、五ゴールドを握らせたらすんなりと通してくれた。
「ここが旦那の家です。ちとぼろいですが勘弁してください、旦那ならすぐにこの王国で豪邸を持つことができると思いますので。それでは」
「ああ、ありがとう」
ランドレスに別れを告げると私は軋む床を歩き、ベットに腰を掛けた。すると王女が近づいてきた。
「ローレンス様、私のお父様とお母様はどうなったのですか?」
「...」
私は言おうか迷ったが、王女が帰りたいと言ってそこら辺の男に捕まり、娼館に連れていかれるよりかは今のうちに傷ついてもらった方がいいと思った。
「王と王妃は殺されました」
それを聞いた王女はあまりショックを受けている顔ではなかった。
「...そうですか、お父様は殺される前に私にこう言ってくれました。『私は死ぬ、多分数日以内にだろう。お前が大きくなるのを見られないのがとても悔しい。お前は自慢の娘だ、そんな自慢の娘を私は自慢の友に預ける』と」
それを聞き私は胸が締め付けれらた、王がここまで私を信用してくれていたことに。
私は心の中で決心した、必ず王と王妃を殺した者を探し出し、一番惨い殺し方で殺すと。
「その前にそのお姿では目立ちます。何か新しい服を」
流石に国の王女であることを証明するドレスでは危険だ。替えの洋服をライラに買ってきてもらうことにした。
「ライラ、何かあったら私に言いなさい」
「分かりました」
そういって私は共鳴石という、使い捨てだが何かあったときに震える石を渡して出かけさせた。
私もこの姿では出身がばれてしまうため、鎧をすべて脱いだ。幸い我が国で私の顔を知っている者が少ない。
「鎧は置いておこう」
鎧を丁寧に置いていく、ついでに持ち物を整理していると王女がこちらを見ていた。
「どうされました?」
「いや、ローレンス様の顔って意外に若いなと思いまして」
「ええ、まだ二十代ですから。それと王女様、これからは名前で言っていいでしょうか?」
「何故ですか?」
「どこの国の王女か聞かれてしまうのが怖いので」
「成程、分かりました」
私はこれから彼女の事をレイティア様と呼ぶことになった。本名を言ったことによってピンチになるのはまた別の話。
「レイティア様、外出するときは私をお呼びください。お洋服を着替えた後ですが」
すると家の扉が叩かれた。私は腰に差してる剣を掴んだ。
「私です。ライラです」
「ライラか」
扉を開けると袋を二、三個持ったライラが扉の前に居た。中に入れるとライラにレイティア様の着替えを手伝わせ、その間私は外で見張っていることにした。
玄関の周りに立っていると一人の男が近づいてきた。私はすかさず腰の剣に手を掛けたが、男は手をあげた。
「俺は敵じゃねえよ。兄さん訳ありだな?」
「...そうだ」
「俺の名前はキキ、色々とあって偽名だがよろしく頼む」
キキという男が手を差し出してきた、敵意は無かったので私は手を握り返した。
「そうだ、これも何かの出会いだ。仕事を探してるんならここに来な」
男から一枚の羊皮紙をもらった。その羊皮紙には可愛いキャラクターに吹き出しで『あなたを甘い夢へいざないます』と書かれていた。
「兄さんでかそうだし、持久力もありそうだからすぐに客が付くと思うぞ。それじゃ」
そういうと男は手を振り、右の道へ行ってしまった。
「...どうするか」
レイティア様が居る部屋でライラとするのはばれた後が面倒だ。私は少し考えた。
「...性欲が爆発しそうになったら行ってみるか」
羊皮紙をぽっけにしまうと、ちょうどライラから入っていい許可が下りた。
「ローレンス様、どうでしょうか?」
レイティア様の姿は私が傭兵時代の装備ととても似ていた。麻の服にズボン、腰にはポーチと護身用の短剣が差してあった。
「ですが少し胸が窮屈です」
子供と思えない程豊満な胸を持つレイティア様、こんな胸だがまだ十五である。将来はとても綺麗な女性になるだろう。
「レイティア様、一度私はこの国の地理を確認してきます。窮屈でしょうがここで私の帰りをお待ちください。ライラ、任せた」
「はい」
私は二人を家へ置き、外へ向かった。この家は表の世界と裏の世界の真ん中に位置する場所、右に行こうとすれば裏へ行き、左に行けば表に行く。
「...危険な方に行くか」
情報という点なら裏の方が詳しい、私は右の道へと歩いて行った。
しばらく歩いていると、朝なのに辺りが薄暗くなってきた。やがて人一人しか通れない細い道に差し掛かり、そこを抜けると再び辺りが明るくなった。
「...」
そこは見るだけで分かる、国の裏側だった。地面は舗装などされておらず、土がむき出しになっていた。その上に瓶などのゴミが大量に飛散していた。遠くを見ると表で売れなかった奴隷が
「...懐かしい雰囲気だ」
傭兵だった時の時代を思い出した。決して贅沢ではなかったが、友人と叫んだり、一緒に女を
そんな懐かしい雰囲気に包まれながら歩いていると、何かがズボンにしがみついてきた。見るとそれは足枷をし、布一枚で体を隠している奴隷の少女だった。
「た、助けてください。何でもしますから」
何故私に助けを求めるのか、遠くから男達が走ってきた。
「兄さん、その女をこっちに渡してくれないかい?これから処分するのに逃げちまってよ」
リーダー格の男の手には血の付いた短剣が握られていた。
「いいぞ、しかし条件がある」
それを聞いた瞬間、少女の瞳から希望の光が消え失せた。逃げようとしたところを私は腕を掴んだ。
「なんだ?できる範囲で頼む」
「私にも処分とやらを見せてくれ」
それを聞いた男は部下と顔を合わせて笑い出した。
「はッはッは!兄さん気に入ったよ。分かった、その条件飲もうじゃないか」
私はついでに少女を連れて行くのを手伝った。首根っこを掴み、息ができる程度には力を緩めた。やがてその場所に着くと私も一緒に中へ入った。
入った瞬間に甘い匂いと嬌声が私にぶつかってきた。
「兄さん、こっちだ」
男に案内され、歩いている最中に何度も女や少女を見たがどの女も嬉しそうに男に股を開いていた。だがどこを見ても
「すごいだろ?俺の部下には調教がうまい奴が何人も居てな、そいつらが女を壊さずに男に喜んで奉仕をするように調教するんだわ。まあ、調教がたりなくて逃げ出した奴らとか間違って壊してしまった奴は処分するんだがな。ここだ」
離している最中に処分所と書かれた場所に着き、中へ入った。ここは先ほどの甘い匂いとは打って変わって、血生臭い匂いが漂ってきた。
「お?兄さん平気なのかい?」
「まあ、これでも傭兵をやっていた時があったからな。血の匂いには慣れてる」
「ほう...大体ここに初めて入ってくる奴は絶対吐くんだがな、俺はますます兄さんの事が気に入ったぜ」
とてもいい笑顔でこちらを向いてくる男、俺は指示された台に少女を叩きつけると手足を拘束した。
「さーて、ちょいと準備があるからその辺を回っていてくれ。俺の名前はマージスだ、俺に紹介されてきたと言えばたいていの奴は黙る」
「分かった」
回ってみて分かったが、処分場にはただの血抜きで後は死体愛好家に送り付けるための場所だったり、食材にするために加工する場所やただただ自分の欲望を満たすために殺す場所もあった。一室一室が広い牢屋を改造してような場所になっていた。
たまたま歩いていると、遠くから叫び声が聞こえてきた。私は何事かと思いその牢屋に入ってみることにした。
私が入るとそこには屈強な男と手に短剣を持って裸で震えている男、台には同じく裸の女性が泣きながら何かを言おうとしていたが、猿轡をしているために言葉を発することはできなかった。
「お?なんだえめぇ?」
男は此方に気が付くと近づいてきた。
「マージスという男の紹介で見学していた」
「ボスから!?それはすいやせん」
男は自分のボスの名前を聞いた瞬間に、ピリピリとした気配が霧散していった。
「ところでこれは何をしているんだ?」
「これですか?これはですね、借金を返しきれなかった男とその女を攫って男に女を殺させようとしているところですよ」
「ううっ...!」
男は裸のまま震えている、漏らしたのか分からないが男の足元には小さな水溜まりが出来ていた。
「早くしろ!」
男の怒号が部屋に響く、しかし台の前の男には自分の女を殺すなどという度胸は無かった。すると目の前の男は台に近づいて行くと、台の下の角度を変えた。
「(おお、あの台には仕掛けがあって下半身の方の台を好きな角度をつけられるのか)」
「おい、早く殺さねえとこいつの処女をもらうぞ?」
「...」
男がズボンを脱いだ。すると中々立派な物が現れ、女の処女を突き破ろうと待機していた。
「う、うわぁぁぁぁ!」
男は短剣を振りかぶると、そのまま思いっきり振り下ろした。しかし男が狙っていたのは女ではなく、ズボンを脱いだ方の男だった。私はすぐに体が動き、男に短剣が差さる前に私は男を蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた男は壁に叩きつけられると、ぐったりとしてしまった。
「すみません、こいつにはしつけが足りなかったようです」
すると扉の先からマージスの声が聞こえてきた。
「それでは」
「またいつかの機会に」
外へ出るとマージスがこちらに手招きしていた。中に入ると様々拷問器具や玩具が並んでいた。
「さあ処分を始めるぞ。こいつは処女以外の価値は無いからな、兄さんどうだい?」
「そうだな、使わせてもらうことにするよ」
ズボンを下げ、現れた物を見てマージスと少女はとても驚いていた。
「こりゃすげーな、一体何人の女を泣かせて来たのか...」
俺は少女に近づいた。
「はは、壊れたか」
マージスは白濁にまみれた少女を見てつぶやいた。ローレンスは椅子に座り、休憩をしていた。
「これじゃ拷問をしても仕方ないな、さっさと終わらせるか」
マージスは胸に狙いを定め、短剣を振り下ろした。気絶してもなお、身体が反射的にびくっとするとそのまま動かなくなった。
「後は解体するだけだな、どうだい兄さん見ていくか?」
「すまん、あいにく解体は趣味じゃないんでな」
「そうか、それならこいつは部下に任せて外で飲みにでも行くか」
「...そうだな」
マージスは短剣を置き、私の背中を押して処分所から出ていった。甘い匂いと嬌声が入り交じる廊下を抜け、外に出ると私はマージスが良く行くという酒場へ連れていかれた。
どうでしたか?一応大丈夫だと思いますが、ダメだったらその部分を修正させていただきます。