それではどうぞ
ウルベルトsideーーー
簪と出会ってから数日がたち今俺たちは……
「誰か四番ケーブル持ってきて!」
「バカ!スラスター周りにその部品じゃ無理よ!こっちを使って!」
「ジェームズくーん!アンロックユニットはどうするのー?」
「この後納品されるやつを使うから少しだけまってて貰えるか?」
「リョーかいっ」
二、三年生の整備科の人たちに『打鉄弍式』の制作に手伝って貰い急ピッチに進めている。何故、整備科の先輩方がいるかというと簪と布仏がお願いしにいったからだ。ダメ元で頼んでみたら二つ返事で了承されたらしい。
「マルチロックオンはまだだがそれ以外は搭載できた、後はアンロックユニットが届けば……」
「…ウルベルト君…どうしたの?」
「あぁ簪か…。この後の作業内容を考えていてな」
「…予定より早く…進んでるからね」
「是非とも
そう、布仏のあの技術力は目を見張るものがある
「…フフ…そうだね」
簪と雑談していたら
「ジェームズくーん!アンロックユニットが届いたよー」
「りょ〜か〜い。直ぐにそっちに行くわ〜……さてラストスパートをかけますか」
「…うん」
「全員、最終工程だが気を抜かずに行くぞ!!」
「「「「「おーーーーーーー!」」」」」
〜二時間後〜
「…できた!」
「あぁ完成だ」
「おぉ〜ついに〜」
『打鉄弍式』が完成し、全員が簪の方を見る
「…えっと…その…皆さんのおかげで…予定より早く完成出来ました…本当にありがとうございます!」
「気にしないでいいわ。私たちも専用機の制作したっていい自慢にもなるしね」
「そうね。こちらからもお礼を言わせて貰いたいわ。私たちを誘ってくれてありがとう」
「…はい!」
空気をぶち壊すのは気が引けるが
「さて『帰るまでが遠足』のように『片付けが終わるまで』がIS制作だ」
「「「「「はーい」」」」」
〜30分後〜
片付けも終わり布仏と簪、先輩方は帰っていき現在ここに残ってるのは俺だけだ
「で、なんのようです?ストーカーさん」
「チョッ!人のことをストーカー呼ばわりしないでよ!」
「いや、名前知らねぇし」
「だとしてももう少しマシなのがあるでしょ!」
だったらさっさと名乗ればいいのにと思っていたらしびれを切らしたのか自己紹介をしてきた
「私はこの学園の生徒会長で二年の更識楯無よ。よろしくねジェームズ君。気軽に楯無って呼んでね。もしくはたっちゃん」
「知ってると思うがウルベルト・ジェームズだ。もう一度いう、なんのようだ?ストー会長」
「えぇそれはねって、ちょっとまってストー会長って何よ!」
「的を射ているだろ?この数日間物陰に隠れてこっちを見ていたじゃないかストー会長」
「それはそうだけど……」
「話が脱線しているが用があったんじゃないか?」
「誰のせいよ!誰の!」
「フッ」
「〜ッ!!」
表情をコロコロ変えて中々の面白いな
「はぁ〜、貴方に聞きたいことがあるんだけど明日の放課後いい?」
「大丈夫だが」
「じゃあ明日生徒会室で待ってるわ」
そう言ってストー会長は出ていった。俺はそれを確認した後、テレビ電話をかける。暫くすると
『はいもしもし』
「よーう。二週間ぶりか?」
『兄様!お久しぶりです!私と姉様それにシャイニィは元気です!兄様はお変わりありませんか?』
「あぁ問題ない。姉さんは仕事か?」
『はい。姉様は今日軍の方に行かれました。夕方くらいには戻るとのことです』
「そっか。話は変わるがさっき本社のお前のデスクに幾つかデータを送ってあるから確認しておいてくれ」
『なんのデータですか?』
「『ウラガーノ』で採用しなかった
『よろしいのですか?あの二つのデータが手に入るは嬉しいのですが他国の代表候補生の機体組み込むなど世間に知れたら』
「そこは問題ない。その子の機体の開発権利を
『ではその方は日本の代表候補生であるが機体はこちらなので問題ないと言うわけですね』
『そういう事だ。社としてはメリットだらけだしな」
『そうですね。あっ、話は変わりますがいつ頃帰国致しますか?』
「早いと五月の頭くらいに戻るつもりだ」
『わかりました。詳細がわかり次第連絡をください』
「おう。姉さんによろしく伝えといてくれ」
『わかりました。それでは少し早いですがおやすみなさい、兄様』
「あぁ、おやすみ。
そう言って俺はテレビ電話を切る
「さてと、報告書をさっさと纏めて部屋に戻りますかねぇ」
ーーーsideout
簪sideーーー
ウルベルト君や本音それに整備科の先輩方のお陰で私の専用機は完成した。それと私自身気付きたこと、いや気づいてしまった事がある。それはウルベルト君の事が『好き』とまではいかなくても『異性』として意識してしまっていることだ。最初はそうではなかったし寧ろ申し訳ない気持ちでいっぱいだった。織斑一夏と勘違いして当たり散らしたり、あの子の開発だって先輩方や本音の助力もそうだが何よりウルベルト君の貢献が凄まじかった。適切なアドバイスや休憩をとるタイミングなど、どれか一つでも欠けていたらあの子の完成はもっと先だったと思う。意識し始めたのはウルベルト君の作業風景を見てからだと思う。普段はちょっとおちゃらけた感じだけど、開発が始まるとスイッチが切り替わったようにのめり込んでいる。そんな彼を見て最初はドキッとしたのを覚えている。所謂ギャップ萌えってやつなのかな。今ではそんな彼を見ると自分の顔が紅くなるのがわかるし、本音に見られるとジト目で見られる。本音がウルベルト君のことを好きなのは見ていてわかる。私はどっちだろう。色々と考えながら食堂に向かって歩いていたらウルベルト君と本音にあって、そのまま一緒に食べることになった。
「…二人とも…今日は本当にありがとう」
「あぁ、簪もお疲れ様」
「気にしないで〜かんちゃん〜」
「…ようやく…私はスタートラインに立てる」
「なぁ簪は生徒会長の妹でいいんだよな?」
彼の口から出た言葉に私は驚いた
「…あの人は関係ない」
「その様子だと生徒会長となんかあったらしいな」
「…なんであの人のことを…聞いたの」
「明日の放課後に会う約束してな、妹である簪から情報をと思ったがやめとくよ」
「…どうして?」
「ストー会長と簪の間に溝があるのはわかったし、無理に地雷踏んで簪との仲を悪くしたくないしな」
ずるい。笑顔でそんなことを言われたらますます意識しちゃうよ。
「この後ウルベルト君の部屋に行ってもいい?話したい事があるの」
「俺は構わないが布仏は?」
「私も大丈夫だよ〜」
ーーーsideout
ウルベルトsideーーー
俺たち三人は食堂から移動して俺の部屋にいる。とりあえず座って貰い人数分のコーヒーを作る。作り終わり布仏と簪に渡す
「さて話したいこととは?」
「…私があの人を嫌う理由」
〜10分後〜
話をざっくり纏めると
簪は天才であるストー会長と自分を周りから事ある毎に比べられコンプレックスになっている。簪は姉に追いつこうと必死に努力を重ねてきたがストー会長が家督を継ぐとき『あなたは無能のままでいなさい』と言われそれ以降ストー会長のことを嫌っているし、ストー会長が専用機を自分一人で作ったと聞いて簪も『打鉄弍式』を引き取り一人で開発していたらしい。
「簪の言いたいことはよくわかった。その上で言わせて貰うぞ」
「コク」
俺は息を吸い
「甘ったれるな!!!」
そう言ってやった
「ッ!!」
「なんでそんなこと言うのって、顔してをしているがまだわからないのか?お前は今ままで姉の何処を見ていたんだ。」
「…どういうこと?」
「話を聞いていて簪のお姉さんは天才だってわかったが最初からそうだったのか?断言はできないが簪みたいに陰で必死に努力を重ねていたんじゃないのか。」
俺は一息ついて
「天才っては何もはじめから天才じゃないんだよ、ただ他の奴らよりスタートラインが前だっただけだ。そこからは自分自身で努力を重ねなきゃならない。それを怠りその場で胡座をかいた奴は周りが追いつきそして置いてかれる。でも彼女は努力を怠らず前に進み続けた結果が簪の言っていた事だよ。」
簪が俯く
「天才、完璧って言葉は響きがいいだけでなった本人は孤独を味わうだけだ。周りの奴は口を揃えてこう言う
『あいつは天才だから』
『私が出来なくてもあの人はできる』
『私もいつかああなりたい』
冗談じゃない!!こっちがどんな思いで努力して頑張ってきたと思っているんだ!どいつもこいつも『天才』って言葉で片付けやかって巫山戯んなよ!!!」
俺は彼女に近づき胸ぐらを掴む
「お前はどうだ更識簪!お前は『天才』を姉である『更識楯無』をどう思う!!」
「…わかんないよ」
「何がだ」
「わかんないって言ってるの!!今あなたの話を聞いてどうすればいいのかわからないの!」
涙を流しながら俺に言ってくる
「私は…ただお姉ちゃんに見て欲しかった、認めて欲しかった。努力してお姉ちゃんに追いつこうとしている私を。お姉ちゃんを支えていく私を。でももうわかんないのお姉ちゃんにどう接すればいいのか……」
俺は掴む力を上げる
「何を躊躇っている!」
「ッ!!」
「お前は今まで馬鹿にしてきた奴らを見返したかったんじゃないのか?姉に追いつき認めて貰うんじゃないのか?昔のように仲睦まじくしたかったんじゃないのか?姉を支えていくと決めていたんじゃないのか?それとも全部嘘だったのか!!」
「そんなわけない!私はまだお姉ちゃんにまだ認めて貰ってないしどんなに大変でも支えていくって決めたの!!」
簪が自身の思いの丈を口にする。それを聞いた俺は胸ぐらから手を離しながら
「そうだ、それでいい」
「え?」
「諦めさえしなければ夢や目標は必ず叶う、だから諦めるな。もしまた挫けそうになったら俺の所に来い。コーヒー用意して何時でも待ってるからさ」
「…うん///」
「顔が紅いぞ、大丈夫か?」
「…だ、大丈夫だから///」
「そうか」
ーーーsideout
簪sideーーー
「諦めさえしなければ夢や目標は必ず叶う、だから諦めないでくれ。もしまた挫けそうになったら俺の所に来い。コーヒー用意して何時でも待ってるからさ」
「…うん///」
自分の顔が紅いのがわかる。でもこれは仕方がないと思う。だって彼はヒロインの重い悩みを聞いて解決するヒーローみたいで凄くカッコよかった。自分でヒロインって言っていてあれだと思うがそう思ってしまう程の事だった。食堂に向かっている時は『異性』としてしか思っていなかったし色々とモヤモヤしていたが今なら断言出来る私は彼が、ウルベルト君の事が『好き』。本音には悪いけど、ウルベルト君を渡したくない。『負けないから』そういう思いで本音の方をみたら伝わったのか口パクで『わ・た・し・も』と言ってきた。幼馴染だけど、これだけは負けたくない
ーーーsideout
直ぐに続きを上げます