「吉常くん。よく来たね」
2人が部屋に入るとツナは会話を止め立ち上がり、歩み寄った。
「あとクローム。ボスって呼ぶのはダメだってば」
「…私にとってボスはボスだから」
「しょうがないな、あまり外ではボス呼びしないでね」
「ハハハ、元気そうで何よりだツナ。そいつが例のツナ初の弟分か」
「そうですディーノさん。大谷吉常くんです」
「俺はディーノ。ツナは同じ師を持った弟分になる。よろしくな」
「よろしくお願いします」
「どう。目標は定まりそう」
「それが…」
「そっか。難しいよね」
「それでツナ。吉常を預かればいいんだな」
「えっ。どういうことです」
「ディーノさんが吉常くんに仕事を紹介してくれるそうなんだ」
「仕事ですか…どんな」
「『キャバッローネ』って会社知ってるか」
「…どこかで聞いたことあるようなって感じです」
「そっか。まあ男だしな【ソッチ】方面が疎い可能性はありえる」
(ソッチ…)
「その会社のCEO…日本だと代表取締役って言うのかな、それが俺の会社だからよ。ツナの弟分に免じて特別に体験させてやるよ」
「はっはぁ…あのツナさん」
「まあ折角だし。体験してみたら。その後で俺の仕事少し体験させて上げるから」
「いいんですか」
「俺の仕事に一番食い付きが良かったし、少しだけならね」
「わかりました。ディーノさんよろしくお願いします」
「へっ、ツナの前座って感じが少し引っ掛かるが、いいぜついてこい」
「あっクローム、折角ハルも来てるし暫くお休み上げるからさ。3人で遊んで来なよ」
「でもボス…」
「俺は大丈夫だから。3日間留守を守ってくれたお礼ってことで、なあ」
「ありがとう。ボス」
ロビーに降りると3人は談笑していた。
「ディーノさん。お久しぶりです」
「おっハル。えらくベッピンになったな」
「ハヒ。そんな恥ずかしいです」
(わー三浦ちょろ…)
「えっとその子は」
「鈴ちゃんです。吉常くんの同級生なんです」
(大谷。この人誰)
(ディーノさん。『キャバッローネ』って会社のCEOだって)
「えー。貴方があの世界の著名人御用達のファッションブランド『キャバッローネ』の代表なんですか」
「ああそうだぜ」
「石田鈴です。よろしくお願いします」
「よろしくな」
「ディーノさんの会社ってファッションブランドだったんですね」
「そうだ。体験してみるか」
「いいんですか。是非」
「あぁ、勿論鈴もいいぜ…。そういえばクロームが休暇貰ってたからよ。3人で遊んできな」
「本当ですか。クロームちゃん」
「うん。ボスがくれた」
「流石ツナさん。じゃあ行きましょ京子ちゃん。クロームちゃん」
「じゃあ2人ともあとでね」
3人は既に楽しそうに町中に消えた。
「じゃあ。俺達も行くか」
(あんた。とんでもない人と知り合ったのね)
(…あぁ)
車での移動中、吉常はある疑問をディーノに投げ掛けた
「そーか恭弥ともあったのか」
「お知り合いなんですか」
「一応恭弥の師だ」
「一応ですか」
「まぁ、恭弥は認めたがらねーけどな」
「ところでディーノさんとツナさんの師匠ってどんな方なんですか」
「どんな方か…見た目は赤ん坊だな」
「赤ん坊ですか」
「またその赤ん坊が強くてよ、なんど泣かされたか。しかもその赤ん坊は俺達の師だけじゃなくてな…」
「あの…おちょくってます」
「いやいや、マジマジ。信じられないのは無理もないけどマジな話だ。実際に会わせてやりたいが、今は何処にいるのかわからねーんだよな」
「…」
2人の冷たい視線がディーノに向けられた。