天災兎は平和な世界でISを造りたいようです   作:ライかぐ推し

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ルルーシュの口調を思い出しながら書いてるのでちょっと違和感があるかもれませんが、投稿。
あっちが復活したのでこっちも復活させないと(使命感)

・・・・・・・・・まあ。なろうの方の小説で次内容を大幅に書き換える必要が出てきたので、気分転換も兼ねてますけど


天災兎は引っ掻き回すようです

「あははははははは!!」

 

 自分専用の薄暗い研究室で一人腹を抱えて笑う少女が一人。

 トレードマークのウサ耳型デバイスを揺らし、彼女は笑いを堪えずにいた。

 

「いやぁ。まさかまさか猫に仮面を取られるなんて、本当に彼は面白いことをしてくれるね」

 

 本人が聞いたら必死に反論しそうな言葉だが、残念なことにここには彼女しかいなかった。

 

「けど、やっぱり少年期特有の甘さが残ってるように感じるよね彼。そこらの有象無象よりかは大分見込みはあるんだけど、このままだといつか取り返しのつかない失敗をしそう」

 

 前世からの経験と今までの見識からそう思う彼女。

 自分も今は少女であることには違いないのだが、どうも前世からの年齢で記憶が連続している為か、彼女自身が少女である自覚が薄れていた。

 

「まず必要なのは優秀な駒よね。けど今の日本にそんなの全然ないし、ギアスで従わせてもその他が面倒なことになるし……まあ最初は地道に草の根活動かな。そのために必要な装備は」

 

 目にも留まらない速さで空中投影型キーボードを連打する。

 恐ろしい速さで膨大な量のデータが入力され、新たな装備の設計図へと姿を変える。

 

「……まあ最初はこんなところかな? 次は専用KMFと量産タイプの設計しないと」

 

 既に常人では追いつくことも出来ないスピードと精密さで新兵器を設計し始める。

 これは本来国家機関が優秀な人材を集めて行わせるものであり、このように個人がまるでお菓子作りのような感覚でできるようなものなのではないのだが、既に数世代先の技術を生み出している怪物には関係のないことだろう。

 こうして人知れず彼女の兵器開発は続く。すべては平和になった世界でISを広める為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後、彼、ルルーシュ・ランペルージは彼女、篠ノ之束の予想どおりに危機に陥っていた。

 事の発端は新たにエリア11の総督となったコーネリア・リ・ブリタニアが起こしたとある作戦である。

 サイタマゲットーでの軍事作戦の際その状況をシンジュク事変の時と酷似するように調整し、さらに作戦時刻をあえて公にすることによってこの地で兄クロヴィスを殺害した犯人、ゼロを誘き出そうとしたのだ。

 彼は目論見を看破していたものの、あえてその誘いに乗ることにした。

 サイタマゲットーにもシンジュクと同じようにテロリストは掃いて捨てるほどにいる。彼らを利用すれば自分ならばコーネリアをも打倒できると考えていたからだ。

 

 だが、それは彼の思い上がりであったと思い知ることになる。

 

 コーネリアの優れた兵士に比べ、テロリスト風情では錬度も頭のできも足りず、勝手に動いてはブリタニア軍に殲滅されていく。指揮する人物は同じレベルでも下につく人間でこうも結果は変わってくるのだ。

 最悪でも勝負にはなると踏んでいた彼だったが実際にはどうだ、これではゲームにもなってはいない。

 敗北、圧倒的な敗北だった。

 しかし、それでもなお彼の考えは甘かったと知ることになる。

 なんと、コーネリアが自身の配下の全KMFパイロットにコックピットを開け素顔を晒すように命令したのだ。

 自身の配下にゼロ、もしくは反乱分子が紛れ込んでいないかと疑った故の命令であるが、これがまずかった。

 なにせそのゼロ本人が、ルルーシュがコーネリアの部下に紛れ込んでいるのだから。

 絶体絶命のピンチ、あわやルルーシュの命運もこれまでかと思われたその時だった。

 

「……はぁ、この手だけは使いたくなかったが、仕方ない。俺の負けだよコーネリア」

 

 そうルルーシュがつぶやくと、懐から可愛らしいウサギのマークがあしらわれた小さなボタンを取り出した。

 それは今回の作戦に単身で乗り込む前に彼女、篠ノ之束から無理やり持たされた“緊急兎さん呼び出しスイッチ”である。

 話を聞くところによればこれを押せばどこででも兎さん(本人がそう言った)が駆けつけてくれるもの、らしい。

 押せばどうなるかなどは詳しいことは一切不明なので今回の作戦には組み込まなかったが、このような状況に陥ってしまってはそうも言ってはいられない。

 藁にもすがる気持ちでルルーシュはそのボタンを押した。押してしまった。

 その瞬間、コーネリアは知ることとなる。

 このエリア11にはゼロ以外にも駆逐せねばならない狂人がいることを。

 

『はいはーい、どうやら危機的状況のようだねゼロ様〜、あ、そっちの声は聞こえないからこっちが一方的に話すけどさ。やっぱりそこのゴロツキ相手じゃ無理だったよね。まあ仕方のないことだけどさ。やっぱりごろつき程度じゃ正規軍相手には限界があるよね』

 

 そんな気の抜けた音声がサイタマゲットー全域に響き渡った。そう、全域である。

 ゲットー内の使用されなくなった電話やコーネリア率いるKMFの拡声器、さらにはGー1ベースの艦内放送に至るまで、その全てが彼女の声を流し始めたのだ。

 

「どうなっている!? なんだこの声は!?」

「わかりません! ですがG-1ベースのみならずKMFに至るまでハッキングを受けている模様!」

「なんでもいい! 逆探知は可能か?」

「現在ハッキングの対処と並行して行っておりますが、もう少し時間がかかるかと思われます」

 

 コーネリアは自身が座っている指揮官席の肘掛けを乱暴に殴りつける。

 あともう少しで作戦はこちらの完勝で終わり、ゼロすらも捕らえることが出来たかもしれないところに水を差されたのだから無理もないだろう。

 

『とりあえず連携と戦線をごっちゃゴチャに引っ掻き回すから、ゼロ様はその隙に逃げてね。さーて、ブリタニア軍もといコーネリア殿下、その命までは取らないでいてあげるけど、ちょっとの間遊んでもらうよ〜』

「させると思うか不埒者が! 全KMFに告げる! 先の命令を中断し、センサーをフル活動させて強襲を警戒せよ!」

 

 謎の相手からの宣戦布告に対処しようと集めていたKMF部隊に周囲を警戒させる彼女、しかし、その命令は結果的に果たされることはなかった。

 

「何!?」

 

 一番最初に異変に気がついたのはG-1ベース司令室の前方窓際付近にいたダールトンであった。

 彼自身も部下に探らせるだけではなく窓から周囲を目視で警戒していた時に、眼下に集まっていたKMF部隊が目に入ったのだ。

 そう、コーネリアに忠誠を誓っているハズの自身の部下たちが()()()()()()()()()()()()()()()のである。

 

「お下がりください姫様!!」

 

 彼は叫ぶと同時にコーネリアの盾とならんと走る。

 直後、彼がいた場所をKMFの銃弾がまるでスコールのように襲い掛かった。

 荒れ狂う嵐はすぐに収まったが、それが通り過ぎた後はまさに惨状であった。

 運よく命を落とした者はいないものの、本来前方付近にあった天井は銃撃で削られ、まるで大きな手でちぎり取られたかのように無くなっていたのだ。

 

「まさか、我が軍全てがイレブンどもに乗っ取られていたとでも言うのか!?」

「いえ、各KMFから緊急通信が入っています! どうやら操縦系統を乗っ取られている模様!!」

「そんな馬鹿なことがあるか!? 常時ネットワークにつながっている端末ならわからなくもないが、KMFをハッキングするなど聞いたことがないぞ!」

 

 彼女の部下の一人がそう叫ぶ。その姿は非常に見苦しいと感じるものではあったが、内心コーネリアも同じような思いを抱いていたのだから責めるに責められないでいた。

 

「(馬鹿な。ここにあるすべてのKMFを手中に収めることなど本国のどの技術者でも不可能な芸当だ。それがこの辺境の、ましてやテロリストどもの中に紛れ込んでいるなどとは、考え難い)」

 

 敗戦国。それも何年も前に支配下に置かれたその地域からこの世の誰も足元に及ばないハッカーが誕生するなどとは予想できるはずがなかった。

 そして、天災の遊戯はこれで終わりではない。

 

『あーテステス。唐突ですがこれからクイズをしたいと思いまーす。出題者は私、回答者さんはコーネリア総督率いるブリタニア軍の皆さんでーす!』

 

 あいも変わらずふざけた調子で話し出すその女。

 もて遊ばれている、そう伝わってくる音声に、怒りのあまりコーネリアは思わず手を置いていた肘掛けの先端を握り壊してしまう。

 

『問題は簡単、今からとある装置を起動させるからそれを追って中身を確かめるだけ。そのどれかにゼロ様が入っているから、欲しければ追ってみれば〜。たーだーし、追い切れたらの話だけどね』

 

 ポチッとな、そう彼女がつぶやくと、空になった銃を構えていたKMFたちが一斉に動きはじめる。

 彼らはそれぞれ別方向に背を向けたかと思うと、一斉に脱出装置を起動させ、コックピットを各地へ射出し出したのだ。

 

「何!? 彼らの信号はどうなっている!? それを追えば」

「不可能です! たった今すべての識別コードが消失、追跡は不可能です!」

「ならば、残った部隊員は目視で彼らを捜索しろ! 車でも徒歩でも何でもいい! 奴を、ゼロを逃すな!!」

 

 メガネをかけた男ギルフォードがそう指示を飛ばす。

 彼らの尽力もあって各地に飛び去ったすべてのコックピットブロックは回収できたものの、肝心のゼロは捕らえることはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえり……なんともひどい顔だ。何か嫌なことでもあったのか?」

「ああ、突然ジェットコースターに乗せられて雑な着地をさせられたからな。おかげで後頭部を強打する羽目になった」

「それは難儀だったな。だが、これでお前も理解しただろう」

「ああ、ブリタニアを壊すには俺一人の力では無理だ。俺の手足となる駒がいる」

「ならば結構、私も契約を果たされるまで死んでもらっては困るからな」

 

 

 とある夜の出来事、このような会話が行われていたことなど、誰も知らない。

 

 

 

 

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