ポケットモンスター 天空の誓い    作:轟 水龍

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第一話投稿です。今の今までプロローグしかありませんでしたから、つまらないとお思いでしょうがこれからすこーしずつ頑張っていきますので、こっちの鮭フリカケもよろしくです!


1話目 ~再び始まる旅~

周りにはビル、ここはシンオウ地方最大の都会、コトブキシティ。そこにチルタリスを連れた一人の青年がうろついていた。

 

彼の名は鏡夜ラン。名のあるポケモントレーナーだが、その顔を知る者は意外と少ない。二年前にギンガ団を壊滅させ、チャンピオンを破ったトレーナーだ。

 

ぶらぶらと夜道を歩いていると、街の外れから騒ぎ声が聞こえてきた。

 

「なんだ……? ――――――!!」

 

声の位置には2人のトレーナーと―――――

 

ギンガ団の服を着用した不審な人物が3人。

 

「なんで……ッ! 何でここにいる!!」

 

群衆を押しのけ、輪の中に入って怒鳴りつける。そばではポケモンを奪われたのか呆然としている少年達がいる。

 

「んん? おい、こいつのも奪っていこうぜ」

 

「え……やめといた方が良いと思う。なんだか、こいつ強そう……」

 

下っ端Aが奪う旨を伝えたが、下っ端Bは乗り気ではない。ランからすれば「よく分かっているじゃねえか」といったところだが、Aはやめる気はない。

 

「最後通告だ。奪ったポケモンを返して今すぐ消え失せるなら見逃してやる」

 

「うるせえ! ゴルバット!」

 

ランの最後通告を聞いて尚Aはやる気らしい。しぶしぶとだがBもイワークを出してきた。

 

「フン……チルタリス! “りゅうのはどう”!」

 

チルタリスの口に紫色を含んだ光線が生まれ、ゴルバットにぶち当たった。一撃で戦闘不能にし、ランの肩に舞い戻った。

 

「うわっ! 一撃!? くそ、役に立たねぇな!」

 

「もう自棄だ! イワーク! “アイアンテール”!!」

 

イワークの尻尾が変化し、チルタリスめがけて振られるが、当のチルタリスはそれを回避。

 

「“りゅうのはどう”!」

 

ドカーンという音と共にイワークが地面に倒れた。慌ててモンスターボールにしまって逃げようとするが、ランがそれをさせない。

 

「奪ったポケモンは!」

 

「ひ、ひえええっ! もういい、返す!」

 

「やっぱり……この人、鏡夜ランじゃないか!?」

 

「え! あの、鏡夜ラン!? ……そういえば、チルタリスを連れているのもそうだし……。と、盗ったのはこれで全部だ! だから、逃げろーーーーーっ!!」

 

「あ! まちやが……ったく、逃げ足だけは一流だな」

 

一目散に逃げ出す下っ端を追いかけようとするが、すさまじい逃げ足についていけず、追跡は断念する。後ろから、やや控えめに声が聞こえてきた。

 

「あ、あの、ありがとうございます!」

 

「本当にありがとうございます!」

 

盗られていたポケモンを返してその場を後にした。歓声を背中に受け、二年前の記憶を呼び起こす。

 

戦いの日々、無茶を繰り返して、死にかけて、新しい仲間ができて……

 

「あの頃は、楽しかったな……」

 

少なくともあの頃は自分のやるべきことを見いだせていた。それから二年間、楽しかったが、安全や平和だのとはまたお別れになりそうだ。

 

「…………そういうわけだ。すまない、シン。お前の力を借りたい。ギンガ団は復活している。あの頃のように、もう一度俺達で潰しに行こう」

 

早朝にいきなり呼び出された思ったら、ギンガ団が復活しているという物騒な情報。無論シンにそれを拒否する理由はなく、承諾後すぐに準備を整える。

 

準備の方は、ランも終わったわけではないので家に帰り準備を進める。

 

「……本当に行くの?」

 

ランの母がやや控えめに問いかけてきた。ランはもう17とはいえ今度の戦いは前よりもはるかに危険だろう。

 

「ラン、アンタはシンオウ中に名を知られているわ。潰されたギンガ団の連中は顔も覚えているに違いない。……ギンガ団のことよ、卑怯な手で殺してしまうかもしれない」

 

母として義理であっても息子が危険な旅に出るのは止めたかった。しかし、当のランが一切止まる気配を見せないので、無駄な抵抗と悟り、腹をくくった。

 

「母さん、ギンガ団が復活したのは、何故だと思う?」

 

「え? ええと……」

 

何故こんな質問をするのかわからない。訳が分からず、答えを返しそびれる。既にランは準備を終え、玄関から出ようとしていた。

 

「俺が潰し切れてなかったからだ。その責任は俺にある。だから、潰すのは、俺達の役目だ。…………母さん、行って来ます」

 

何も言えなかった。分かったことはランは自分が思っているより大人だったこと。それだけだ。

 

201番道路でシンと待ち合わせ。その後ヒカリを探しながら、ギンガ団を潰していく。

 

「シン」

 

「準備万端! 俺はナギサシティの方から回るからさ、ランはミオシティの方を頼む!」

 

「了解! チルタリス、ミオシティだ。場所は分かるかな」

 

「ムクホーク、ナギサまで頼む!」

 

――ミオシティ――

 

フタバからミオはわりと近く、空を飛べば十分ほどで着く。まずはジムリーダーに会いに行こう。

 

とすると、懐かしい声が聞こえてきた。

 

「おや? ラン君じゃないか。久しぶりだね」

 

「ヒョウタか、久しぶりだな。親父さんは?」

 

「鋼鉄島。ギンガ団が入り込もうとしているらしいから、僕はミオの守り」

 

こんなところまで来ていやがるのかと舌打ちしたくなったが、何とか抑え、ヒョウタから聞いてみる。

 

「ギンガ団は、この町に攻め入ったことはあんのか?」

 

「過去にはないけど……ありそうなんだよね。そうだ、ラン君、どっちか手伝ってくれないか? まあ、親父はゲンさんと一緒だから大丈夫だと思うけど」

 

「ゲンさんがいんのか!? じゃあ、俺はこっちにいる」

 

ゲンはランと共闘したこともあるトレーナーだ。ルカリオを相棒としており、ラムパルドやメタグロス等の強力なポケモンを使いこなす。ランが絶対の信頼を置く数少ないトレーナーの一人だ。

 

ゲンがトウガンと行動していることを知り、ミオシティにいることにした。また、シンオウのジムリーダー達にお願いしてギンガ団を見かけたら連絡を入れてもらうことにもなった。これはランがすべてのジムリーダーと仲良くなれたことが大きい。

 

暫くの間、ミオをうろついていると、突然入口の方から人間が傾れ込んできた。

 

言わずと知れたギンガ団の制服を着用した集団。リーダー格のような男が「ポケモンを奪い尽くせ!!」と叫ぶと、何十人ものギンガ団があの手この手でポケモンを奪い尽くし始めた。

 

「ラン君! やるよ!」

 

「おう! ブラッキー、レントラー、サーナイト! 遠慮するな! ギンガ団の連中をぶっとばせ!」

 

「バンギラス! “ストーンエッジ”だ!」

 

ヒョウタの命令を聞き、バンギラスが巨大で尖った岩をギンガ団のポケモンに次々と撃ち込んだ。

 

「うわっ! ゴルバット!」

 

「あのやろ、元ジムリーダーじゃねえか!?」

 

「……ブラッキー! “シャドーボール”! サーナイト、“サイコキネシス”、レントラー、“ほうでん”!」

 

ランの命令通りの攻撃でギンガ団のポケモンが次々と倒れていく。だが、その中で覧に一対一の勝負を仕掛けてきた者がいた。

 

「ベトベトン、ヤミラミ、サマヨール!」

 

「チルタリス、サーナイト、レントラー!」

 

お互いに3体ずつ出して勝負するトリプルバトルだ。どうやらギンガ団の中にもまともなモラルを持った人間がいたようだ。

 

「チルタリス、“りゅうのはどう”!」

 

「サマヨール、“ふいうち”!」

 

チルタリスが波動を構えた瞬間、サマヨールがすぐそばまで来ており、回避できずに殴りつけられた。

 

「チルタリス!? ……いけるか!」

 

一度地面に落ちたものの、すぐに起き上がった。まだまだいけるといた表情を浮かべている。

 

「ブラッキー、“あくのはどう”!!」

 

ブラッキーの身体から真っ黒なオーラが飛び出し、ベトベトンにぶつかった。

 

が、大ダメージには至らず、逆にヘドロばくだんをまともに受けてしまった。毒状態となり、戦闘の続行が厳しくなる。

 

「ベトベトン、“だいばくはつ”!!」

 

「!! なんだと!?」

 

相手チームは、ヤミラミとサマヨール。ゴーストタイプなのでノーマルタイプのだいばくはつは効果が無い。

 

そうこうしている内に、ベトベトンの身体がどんどん凝縮され……!!

 

「チルタリス! “れいとうビーム”!!」

 

チルタリスの口から極低温のビームが発射され、瞬く間にベトベトンが凍って行った。

 

――――こおり状態、ポケモンが氷漬けになってしまう状態。無論だいばくはつは止められ、安堵の息をつけた。

 

「くそっ、ヤミラミ、“シャドークロー”!」

 

「かわせっ、そして“りゅうのはどう”だ!」

 

威力の高いシャドークローをかわし、がら空きになった身体へ波動を撃ち込む。

 

「うわっ、ヤミラミー!」

 

ヤミラミを倒し、数的には優勢になっているが、戦局はいまいち変われない。

 

「ふん、サマヨール、ベトベトンに“ほのおのパンチ”だ!」

 

足の遅いサマヨールからは想像もできないほどの速度のパンチがベトベトンにぶち当たり、氷が解ける。

 

「しまった……サーナイト! “リフレクター”を張れ!」

 

間に合うか、だいばくはつはもうすぐそこまで来てる。リフレクターはすぐに完成するわけではない。

 

次の瞬間、辺り一面を吹き飛ばす大爆発がベトベトンから放たれた。

 

「…………………………………………ッ!!」

 

煙がはれ、自分のポケモンを見据える。そこには一番前で完成されたリフレクターを立てているサーナイトと、それに守られたレントラーとチルタリス。

 

「よくやった、サーナイト!」

 

「な……なに……く、サマヨール、“シャドーボール”だ!」

 

サマヨールの手の間に暗黒の球が作り出され、サーナイトに向けて放たれる。

 

「ブラッキー、“シャドーボール”!!」

 

ブラッキーの額からも同じ暗黒の球が生み出され、放たれる。

 

サマヨールとブラッキー、シャドーボールがぶつかり合い、競り合っている。

 

「頑張れ、ブラッキー!」

 

ランの激励に答えるようにブラッキーのシャドーボールが勢いを増し、サマヨールのシャドーボールを飲み込んだ。

 

「サマヨール!!」

 

二体分の威力を受けたサマヨール、いかに頑丈であろうとこれには耐えきれずに地面に倒れた。

 

「俺の、負けか……」

 

ぐったりと項垂れるギンガ団の下っ端、ランは近付いて、握手を求めた。

 

「いい勝負だった。ありがとう」

 

「ああ、アンタにそう言ってもらえると嬉しいな……」

 

「しかし、何故ギンガ団に?」

 

「大きな声では言えない……ちょっとこっちへ来てくれ」

 

隊員に連れられて路地裏へ入り込む。そして誰もいないことを確認してから小声で話し始めた。

 

「実はな、俺はスパイだ。知らないだろうが今ギンガ団はレジギガスを持っている」

 

実はスパイだった、それよりも驚いたのがレジギガスが実在していたことだ。レジギガスは空想上のポケモンだと思われていたからだ。実際キッサキ神殿のレジギガスもただの像だと思っていた。

 

「じゃあ、レジアイスやレジスチル、レジロックも?」

 

震える声でランが尋ねるとスパイはその通りと頷いた。

 

「ヤバいじゃん、あんな強いの、無茶苦茶に使われたら……」

 

続きは出てこなかった。シンオウが壊滅する、だがそんなことは言えない。シンに教えないと、すぐさまイッシュで開発された通信機、ライブキャスターを使ってシンに連絡を取る。

 

「シン、今出れるか?」

 

「無理! ナギサにもギンガ団が来てる!」

 

こっちが切るより早くシンが切り、通信は切断された。

 

「俺が手に入れた情報からするとシンオウ中のジムを占領するのが目的らしい。そのためにジムリーダーにも勝てるような人材を用意している。ミオでは俺だ。

 

「それでこんなに……強かったのか……ジムリーダークラスだったな……」

 

「ありがとうよ、さて、そろそろ終わったころだ」

 

「待て! 奪ったポケモンはどうしているんだ!」

 

ランが肩を掴んで必死に問いかけた。スパイの男なら何か知っている、そう思って聞いたのだ。

 

「可能な限りは返しているが、全部には程遠いのが現状だ。あんたにも頑張ってほしいところなんだ。頼んだぞ」

 

そう言ってスパイの男は姿を消した。安堵が体中を巡ってその場に座り込む。

 

「くるるるぅぅー?」

 

肩の上で話を聞いていたチルタリスがランの顔を覗き込んだ。何か問いかけるように、心配するようにランに声をかける。

 

「……ありがとうな、チルタリス」

 

心配されていることに気づいたランはチルタリスの頭を撫でながら礼をかけた。チルタリスの方は嬉しそうに片目をつぶり、小さく、くるるると鳴いた。

 

ミオは、早めに出てもよさそうだ、と感じたランは、ゲンやトウガンによろしくという伝言を預けてヒョウタに別れを告げ、ポケモンセンターに立ち寄って移動を開始した。

 

「チルタリス、目的地はヨスがシティだ!」

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